児童書のおすすめ(2月11日)

 

書名 しょめい :作って発見!日本の美術
著者  ちょしゃ :金子 信久/著・工作

   東京美術


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 みなさんは「日本美術」にどんな印象を持っていますか。難しい?暗い?敷居が高い?
日本美術に限らず、美術の楽しみ方は様々ありますが、この本は「まず工作で作ってみよう!」と提案しています。実際に作品を作ることで、技術的なことはもちろん、作者の意図やアイデアがよく分かるのだとか…。

 例えば、俵屋宗達画・本阿弥光悦書の《鶴下絵三十六歌仙和歌巻》は、優雅に飛び立つ鶴の群れを和歌とともに表現した名画です。これを工作にすると、金と銀の連続したハンコがかわいい作品になります。私もこの本を参考に実際に工作を作ってみましたが、同じモチーフのハンコが重なったり離れたり、画面からはみ出したりするところに、不思議なリズムを感じました。

 そもそも美術は難しいものではありません。工作を通して、日本美術の自由な発想とデザインの魅力を、楽しみながら体験してみてください。作品に触れあなたの心が動いたら、それがアート鑑賞の第一歩です。