児童書のおすすめ本(7月28日)

書名 しょめい : 走ってくれ、メロス。

著者 ちょしゃ : 海野 さやか/ほか著

出版社 しゅっぱんしゃ : Gakken


 物語には魅力的な主人公が多く登場しますが、読書をしていると、思わず心をひかれる脇役に出会うことがあります。
 表題の 『走ってくれ、メロス。』は、メロスの代わりに人質となったセリヌンティウスの視点で物語が進みます。原作『走れメロス』
(太宰 治/著)ではほとんど語られることのなかった、セリヌンティウスの不安や葛藤が描かれています。
 本書には、この作品を含む五つの短編が収録され、すべて脇役の視点で描かれています。原作を知らない人には親しみやすい導入となり、原作を知る人には新鮮な発見があるかもしれません。視点が変わることで広がる物語の奥行きを楽しめる一冊です。
 これまで青春訳名作シリーズとして、『古事記』や『論語物語』をアレンジした作品も刊行されていますので、シリーズ全体を通して読むのも楽しいですよ。