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書名 :給食が教えてくれたこと
著者 :松丸 奨/著
くもん出版
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私が給食で思い出すのは、毎月1回の「お楽しみ給食」。各クラス順番に好きなメニューをリクエストできたのです。でもみんな好きなメニューは似たり寄ったりで、ココアパンやゼリーなど、とにかく定番の人気メニューがよく登場していました。
さて、この本の著者の松丸さんは、給食の献立を考える栄養士さん。実は給食が大嫌いだったそうです。野菜も魚もお肉も嫌い! 苦手な食べ物が多すぎて、給食はほとんど食べられませんでした。そんな松丸さんに、栄養士さんがこう話してくれます。
「全部が無理なら、一口でも食べてみて。きっといいことが起こるよ。」
それからというもの、鉄棒の逆上がりができたり、テストでいい点がとれたり、背が伸びたり、風邪をひかなかったり、いいことは何でも給食のおかげだと思うようになりました。松丸さんが栄養士を目指したきっかけです。
栄養士の仕事のこと、それから皆さんに伝えたいこと。ぜひ手に取ってみてください。
書名 :長い長い夜
著者 :ルリ/作・絵 カン・バンファ/訳
小学館
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この物語は名前のないペンギンの「ぼく」と、その「父さん」たちのお話です。
最初に登場するのはシロサイのノードン。彼は理不尽な人間によって大切な家族や仲間を奪われてしまいます。それからの彼にとって、悪夢を見そうで眠れそうにない日は、夜がいっそう長くなるのでした。
ある日、ノードンは1匹のペンギン、チクと出会います。チクも人間同士の戦争によって、大切な仲間を失いますが、なんとか守ることのできた卵を運んでいました。2匹は戦争で火事になった動物園から逃げ出し、暗い悲しい気持ちの中、卵を守るため旅に出ます。
この旅の中で彼らは、家族や仲間との大切な想い出を語り合いながら、お互いを支え合っていきます。
そして、語り継がれた沢山の思い出は、卵だった「ぼく」を励まし、生きていく勇気をくれました。
私たち自身も、色んな出来事やたくさんの出会いがあって、今の自分がいるということに気づかせてくれるお話です。
書名 :コーリング・ユ-
著者 :永原 皓/文
集英社
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元気で賢いシャチの男の子「カイ」がこの物語の主人公。カイは好奇心旺盛な為、お金目的でシャチを捕獲していた漁師に捕まってしまいます。カイを心配した仲良しの従妹の「エル」は、わざと網に入りカイと一緒に捕まってしまうほどカイのことが大好きでした・・・・。人間の身勝手さにより家族から引き離されてしまったカイは、その魅力で、一つ一つ困難を克服していきます。
異種別であっても他者を思いやることのできる優しさや、苦境に立たされても決して希望を失わないカイの強さは、読者に真の勇気とは何かを鮮やかに印象づけ、又、対照的に彼の行動から、私利私欲の為に他者を傷つけても平気な人間の愚かさも浮き彫りになります。
地球に生きる全ての仲間が共存していること、その為に大切なことは何かを教え気付かせてくれる一冊です。読後は、カイに魅了されること間違いなしの、【第34回小説すばる新人賞】を受賞した作品です。
書名 :車いすでジャンプ!
著者 :モニカ・ロー/作 中井 はるの/訳
小学館
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エミーは車いすモトクロスにあこがれる13歳の女の子。生まれた時から脊椎に障がいがあります。モトクロス用の高性能な車いすを買うため、友だちのアレエとオンラインショップを運営しています。売り上げも上々で夢に向かって進んでいたのですが…
エミーは車いすで過ごせるところでは、何でも自分でできます。でも、それをわかってくれない人がたくさんいます。
ある日、学校からエミーの車いすを買う資金集めをするという手紙が届きます。エミーはうれしくて、何かがひっかかっていることに気づかないふりをしていました。それがこんなに大事になるとは思いもしないで。
障がいを持つ人にとって必要なこととそうでないことは、周りの人が思うそれとは違うのかもしれません。お互いがちゃんとコミュニケーションをとることが大切です。決めつけではなく、当事者の声をよく聞いて行動することが大事だと教えてくれる1冊です。
書名 :みんなの少年探偵団
著者 :万城目 学、湊 かなえ、小路 幸也、向井 湘吾、藤谷 治/著
ポプラ社
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明智小五郎に怪人二十面相。江戸川乱歩作品が好きな人は、その名を聞いたことありますよね。
『怪人二十面相』や『少年探偵団』の生みの親で、日本探偵小説の父と称される江戸川乱歩の生誕120年を記念して発刊されたこの本は、万城目学や湊かなえといった現代の著名な作家たちが、作品の世界観をそのままに、新たな物語を紡いだ短編集です。
物語の第1編では、早くに両親を失い、父方のおじいさんと暮らすこととなった双子の少年が、それぞれの特別な能力を駆使しながら、おじいさんが関わった事件の謎を解いていきます。はたして二人の運命は?ラストには読者を驚かせる展開も。何度も読み返したくなる作品です。
今年は江戸川乱歩の生誕130年、乱歩の世界に浸る絶好の機会です。
学校の図書室で手に取ったことのある方も、初めて触れる方も、江戸川乱歩の魅力を再発見できる、懐かしさと新鮮さを兼ね備えたこの短編集をぜひ、手に取ってみてください。