2021年11月の記事一覧

11月28日のおすすめから


書名しょめい:『ズボンとスカート』

著者ちょしゃ:松本 敏子/文・写真 西山 晶/絵  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:福音館書店
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 みなさんは今、生まれ持った体の性別で制限されることなく、自分が着たい服を選べていますか?女性はスカートを、男性はズボンをはかなければならない場面に出くわして、疑問に思ったことはありませんか?
『ズボンとスカート』ではスコットランドのキルト(巻きスカート)をはじめ、たくさんの国で男性もスカートをはいていること、モンゴルやタイのヤオ族の女性たちが昔からズボンをはいていたことが紹介されています。女性がズボンをはく習慣の多かったアジアに対して、アメリカでは『せかいでさいしょにズボンをはいた女の子』のメアリーのように、女性がズボンをはいただけで逮捕されていた時代もあったようです。
 今を生きるみなさんはどうか、「女の服」「男の服」ではなくて、「あなたの好きな服」を着てください。誰かに強制されることなく、誰もが自分らしい服を選んで自由に着られる、それが当たり前の世界でありますように。

11月21日のおすすめから


書名しょめい:『グラタンおばあさんとまほうのアヒル』

著者ちょしゃ:安房 直子/文 いせ ひでこ/絵  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:小峰書店出版
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 グラタンが大好きで、いつもグラタンを作っているおばあさん。そんなおばあさんの家のグラタン皿には、不思議なアヒルが住んでいます。ある日、具合の悪いおばあさんのためにアヒルが呪文を唱え、エプロンの中からグラタンの材料を出してあげました。するとおばあさんは、アヒルが材料を出してくれるので、買い物にすら行かなくなってしまいました。自分に頼ってばかりのおばあさんに怒ったアヒルは、グラタン皿からピョンと飛び出して、おばあさんの家を抜け出します。
 はたしてアヒルに新しい住処は見つかるのでしょうか?
 自分の家にもしもアヒルがやってくるなら?と想像しながら読んでみると、いつもより少しだけ、物を大切にしたくなるかもしれません。独特なリズム感のある文章と優しいイラストに、おなかがすいてくるような、どこか温かい1冊です。

11月14日のおすすめから


書名しょめい:『新版 科学者の目』

著者ちょしゃ:かこ さとし/文と絵  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:童心社
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 「この世でもっとも巨大なものを見つめていた目」、「泥の中からすみれ色を見つけた少年の瞳」など、タイトルを読むだけでも、とても好奇心をくすぐられます。
 この『科学者の目』は、新聞の日曜版の子ども欄に1969年11月から連載され、1974年に出版されました。50年以上たった今でも古さを少しも感じさせず、科学への興味や科学者へのあこがれの気持ちを子どもたちの心に芽生えさせ続けています。
 遺伝の法則で有名なメンデルは、家が貧しかったため働きながら研究を続けましたが、生きている間に認められることなく生涯を終えました。教科書で目にする偉人について、いいところばかりを紹介するのではなく、その人生には苦労や悲しみがあり、それでも諦めずに研究を続けた姿が、分かりやすい文章で書かれています。これから広い世界で頑張り、成長し続ける子どもたちへの、かこさんのあたたかいまなざしが感じられる本です。

11月7日のおすすめから


書名しょめい:『目で見る政治 国家のしくみと私たちの選択』

著者ちょしゃ:アンドルー・マー/著 大塚道子/訳


出版社
 しゅっぱんしゃ
:さ・え・ら書房
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 令和3年10月4日に岸田文雄自民党総裁が第100代内閣総理大臣に就任しました。また、この記事が出る頃は、佐賀市長・市議会議員や衆議院議員の選挙が終わった頃ですね。
 政治と聞いて、皆さんはどんなイメージがありますか?外国の政治家と会談したとか、不祥事があったとか、ニュースで見たり聞いたりすることはあると思いますが、何だか難しそうだし、自分に関係ないと思ってしまうことも多いかもしれません。
 政治は数百万年前の人類が生き延びるために、リーダーやルールが必要になったことから誕生したそうです。それから人類の進化に合わせて、政治も進化してきました。
この本では民主主義・共産主義などの思想のことから、プロパガンダ(第2次世界大戦中にも行われた、大げさな情報などをわざと流して国民の意識をひとつの方向にまとめる宣伝のこと)についてまで、政治について分かりやすく学べる本です。
ニュースの見方が変わるかもしれません。