2020年2月の記事一覧

2月23日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『紳士とオバケ氏』
著者ちょしゃ:たかどのほうこ 出版社しゅっぱんしゃ:フレーベル館
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 マジノ・マジヒコ氏は、だれかとはしゃいだり、うわさ話に耳を貸したりすることのない、時計のように規則正しい生活を送るとてもまじめな紳士でした。ところが、あることをきっかけに彼の雰囲気は変わっていったのです。
 それは、彼の暮らす古い家に昔から住み着いていた彼にそっくりのオバケと出会ったからです。オバケ氏と手紙交換や深夜に映画鑑賞、チェスをしたりと夜更かし癖の付いたマジヒコ氏。代わりにオバケ氏が会社へ行くこともあります。別人のように明るく幸せそうなマジヒコ氏を見た会社の同僚たちも親しみを感じるようになりました。通勤のため満員電車に乗ったり、すこし世間の仲間入りをしたオバケ氏と世間へ出ることがすこし減ったマジヒコ氏です。ふたりが交流を持つことで社会や人とのコミュニケーションが増え楽しい日常生活を送っていることが伝わってきます。
 ひととのふれあいや支えあうことの大切さを教えてくれる1冊です。

2月16日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『こども菜根譚(さいこんたん)』
著者ちょしゃ:齋藤孝 出版社しゅっぱんしゃ:日本図書センター
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 『菜根譚』は400年ほど前の中国の本です。今でも役に立つ知恵がつまっていて、会社の社長、政治家、小説家、スポーツ選手などたくさんの人が読んでいる本です。
 「菜根」とは野菜の根っこのこと。じっくりかみしめれば本当の味がわかる。日常で起きる出来事をじっくり理解しようとすると本当の事がわかるということです。
 ピンチの切り抜け方、人とのつき合い方などヒントになる24のことばを「自分を強くする」「人に好かれる」「困難を払いのける」「人生を後悔しない」の4つに分けて紹介しています。
 どんなことが紹介されているかというと“不満だらけの毎日にも、実は幸せが隠れているよ”があります。風が心地いい、友達と楽しく話をした、ペットの表情が面白い。毎日ちょっと気持ちいい、少し楽しいはいっぱいあることに気づかせてくれます。『菜根譚』はそんなヒントのつまった本です。

2月9日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『グランパと僕らの宝探し』
著者ちょしゃ:大矢 純子 出版社しゅっぱんしゃ:朝日学生新聞社
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 「『自分がされてイヤなこと』を三つ探してくること」。これは、人間関係に悩む主人公のジュンヤに与えられたミッションです。
 父親の仕事の都合で、オーストラリアで暮らしているジュンヤ。これまで住んでいた町とは別の場所に引っ越し、新しい学校に通うこととなります。 滑り出しは順調、と思いきや、仲が深まるはずだったバースデーパーティーをきっかけに、クラスメイトとの関係がギクシャクし始めます。落ち込むジュンヤの支えとなったのは、転校生のジェイソンと、ジェイソンの祖父であるグランパでした。 ミッションと向き合う中で、ジュンヤは、これまで自分がとった行動を振り返ります。
 一人ひとり考え方や捉え方が違うからこそ、 言葉にして伝えることは大切なのかもしれません。
 「受け入れることは真っ向勝負すること」。悩むジュンヤの心には、グランパの言葉が深く刺さります。発した言葉が棘となっていないか?読みながら、考えさせられる1冊です。

2月2日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『ゆびぬき小路の秘密』
著者ちょしゃ:小風 さち 出版社しゅっぱんしゃ:福音館書店
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 サウスウッドの町に引っ越してきたバートラム。出掛けた先で古い路地を見つけます。塀には“ゆびぬき小路”の文字。小路に入ると、古着屋、古道具屋、仕立屋がありました。バートラムはここで不思議な体験をすることになります。
 きっかけは古着屋でコートを買ってもらったこと。そのコートには、ひとつだけ変わったボタンがついていました。糸を通す穴が五つあり、ボタンを留めている糸が星形になっているのです。仕立屋ロザムンドが作ったというコートは、バートラムをまじないにかかったような気持ちにさせました。
 最初は何が起こっているのか理解できなかったバートラムですが、古い言い伝えをヒントに、“ゆびぬき小路”の秘密に近づいていきます。 “ゆびぬき小路”にかかわる人々の人生と、町の歴史を知ったバートラム。人々の歩んできた人生を尊重するようになる、彼の心情の変化に注目して読んでください。