小中学生へおすすめ!

児童書おすすめ(2月17日)

書名 しょめい : 水のかたち

著者 ちょしゃ : 増村 征夫/文・写真

出版社 しゅっぱんしゃ : 福音館書店


 寒い冬も終わりに近づき、少しずつ気温が上がっていくと、雪はしだいに雨に変わっていきます。雨が蒸発すると水蒸気になり、空で雲になった後は、またどこかで雨になります。かたまったり、とけたり、空気に混じったり、私たちの身近な場所でいろいろな形になる「水」について、皆さんはどれくらいご存じですか?
 この本は、自然の中で姿を変える水のかたちを、美しい写真で紹介する科学の本です。
 水は季節や天気の状況によって雨や雪、霧や露など、さまざまな景色になります。
 今日は「天使のささやきの日」です。この記念日に関係する、ダイヤモンドダストとよばれる少し珍しい現象も紹介されています。ぜひ、この本を読んで、外の景色を観察して、「水」の形を探してみてください。
 水や気象のふしぎに触れるきっかけにおすすめの一冊です。

児童書のおすすめ(2月10日)

書名 しょめい :命の境界線

著者 ちょしゃ : 今西 乃子/著 浜田 一男/写真

出版社 しゅっぱんしゃ :合同出版


 近頃、クマによる被害のニュースを耳にすることが多くなりました。クマが山から人の生活圏に現れ、農作物を荒らしたり、人や家畜を襲ったりするため、ハンターたちによって駆除されています。

 一方、あまり知られていませんが、クマに限らず、鹿も有害獣として駆除されています。

 この本では、奈良公園のシカはマスコットとしてかわいがられているのに、隣の県の滋賀県多賀町の鹿が駆除されているのはなぜか、という疑問を現地の取材を通してわかりやすく説明しています。

 また、鹿を実際に駆除するハンターの気持ちを紹介しており、ハンターが野生動物の命と向き合っていることがわかります。

 多くの人は野生動物の命を奪いたくないはずです。しかし、野生動物が増加し生態系を崩している主な原因が人間ならば、人間が崩れかけたバランスを立てなおさなければなりません。

 この機会に、人と野生動物が共に生きていくためにはどうしたらいいのかを考えてみませんか。

児童書のおすすめ(2月3日)

書名 しょめい : ピーチとチョコレート

著者 ちょしゃ : 福木 はる/著

出版社 しゅっぱんしゃ : 講談社


 ありのままの自分でいることは、案外と難しいものです。

 中学生の萌々は、太っていることがコンプレックス。自信のなさから、笑われる前に笑わせてやれと、おどけたキャラを演じています。けれど言葉と気持ちがバラバラで、本音を言えない辛さも感じていました。

 そんな萌々が「人生、変わるよ?」と気になる言葉で誘われて、習い始めたのはヒップホップのラップ教室。

 そこには学校で孤立しているクラスメイトの莉愛もいて、二人は次第に親しくなります。ミックスの莉愛は、チョコレート色の自分の肌が好きなのに、いつも隠すようにフードを目深に被っていました。

 二人がそれぞれのコンプレックスを乗り越えて、「ルッキズム(外見至上主義)の墓たてろ!」とパワフルに歌う、文化祭のラップバトルは圧巻です。

 ずっと反対側にあると思っていたポジティブとネガティブ。最後に萌々がたどり着いた答えとは?

 勇気をくれて、心に響く物語です。

児童書のおすすめ(1月27日)

書名 しょめい : 芥川龍之介の桃太郎

著者 ちょしゃ : 芥川 龍之介/文 寺門 孝之/画

出版社 しゅっぱんしゃ : 河出書房新社


 みなさんは桃太郎が鬼退治に行った理由を思い出せますか。悪い鬼がいたから、財宝を貯めこんでいたから……実は、本によってその理由はさまざま。ほかにも小さな違いはあるけれど、桃太郎がお供を連れて鬼を退治するという大筋は同じ。こうした話のわずかな空白を利用して、芥川独自の桃太郎像が生まれています。
 さて、この本で桃太郎が鬼退治に行く理由は「仕事に出るのがいや」だったから。お爺さんもお婆さんも、なまける桃太郎を追い出したくて出陣の支度を手伝います。
 よこしまな考えをもった桃太郎とは逆に、平和を愛する鬼たち。討伐後、桃太郎は平穏な日々を送ったでしょうか。鬼たちは変わらず平和を愛したでしょうか。
 決して「めでたしめでたし」では終わらない『芥川龍之介の桃太郎』。本当の鬼とは何か考えるとき、私たち人間の在り方についても見つめなおさなければなりません。

児童書のおすすめ(1月20日)

書名 しょめい : 消えたモナ・リザ

著者 ちょしゃ : ニコラス・デイ/作 千葉 茂樹/訳

出版社 しゅっぱんしゃ : 小学館


 1911年8月21日、フランスのルーブル美術館から「モナ・リザ」が盗まれた!犯人はその日、美術館に忍び込んだのではない。前日、そこに残ったのだ。
 大胆不敵な犯罪、異常なコレクターが犯人なのか?それとも「モナ・リザ」を熱烈に愛する者の仕業なのか?いろいろな憶測が飛び交い、世界中から注目が集まる中、犯人は捕まえられなかった。
 そして約2年後、事件は急展開を迎える。「モナ・リザ」はルーブル美術館に戻ってくることになった。それもとてもいい状態で…。
 一部の人にしか知られていなかった「モナ・リザ」は、盗難そして返還されたことによって、世界的に有名な作品となった。この小説はその経緯と背景、レオナルド・ダ・ヴィンチの人生を織り交ぜながら描いたノンフィクションである。

児童書おすすめ(1月13日)

書名 しょめい : こてんちゃんがきた!

著者 ちょしゃ : いとう みく/作 かのう かりん/絵

出版社 しゅっぱんしゃ : 理論社


 転校生のこてんちゃんは、着物姿のおかっぱ頭に烏帽子をかぶり、手には葉うちわを持って、上履きではなく一本歯下駄を履いています。さらに、その背中にはなんと羽が生えていたので、クラスのみんなは変なのと思います。
 しかし、こてんちゃんはマイペース。先生の話はちっともきかず、授業中に「おなかがすいた」と言ってしまいます。その一方で、走りにくい下駄を履いているのに、かけっこで1番になったり、楽しくなると踊ったり、きれいなお母さんが授業参観に来てくれて嬉しそうだったりする様子も。そんな素直で天真爛漫なこてんちゃんと過ごすうちに、誰もこてんちゃんを変だと思わなくなりました。
 かのうかりんさんが描くこてんちゃんが魅力的で愛らしく、人と違っていてもいいんだよ、と安心させてくれる一冊です。

児童書のおすすめ(12月23日)

書名 しょめい : やってみた!研究イグノーベル賞

著者 ちょしゃ : 五十嵐 杏南/著

出版社 しゅっぱんしゃ : 東京書店


 みなさんは、イグノーベル賞という賞を知っていますか?ノーベル賞ではありません、“イグ”ノーベル賞です。この賞は「人を笑わせ、その後、考えさせる」研究や実験に贈られる賞です。
 例えば、ワニが鳴き声を出す仕組みを調べるためにヘリウムを吸わせた実験。ワニの声が変わったことで、ワニは人と同じ仕組みで声を出していることがわかりました。
 ほかにも、バッタの脳の動きをみるために映画を見せる実験、コーヒーをこぼさずに歩く方法の研究など、受賞した実験や研究は一見おもしろおかしいものばかりです。
 しかし、ただ笑えるだけではなく、様々な分野で実際に役立っている研究もたくさんあるのが、イグノーベル賞のすごいところです。ちなみに、日本人は2024年まで18年連続で受賞しているそうです。
 紹介されている研究者たちのようにユニークな視点で物事を見てみると、思いがけない大発見で世界を変えることができるかもしれませんね。

児童書のおすすめ(12月16日)

書名 しょめい : みまもりねこ

著者 ちょしゃ : 村山 早紀/作 坂口 友佳子/絵

出版社 しゅっぱんしゃ : ポプラ社


 この物語は、一匹のおばあさん猫と女の子の絆のお話です。
 命の終わりが近づいてきたおばあさん猫の唯一の気がかりは、いつも寂しそうに泣いている女の子のこと。自分の命が終わる直前に、あの子のそばに居たいと星に願いました。願いが叶った猫は、死後、透明な見えない猫になります。
 女の子は猫の死を知って悲しみますが、その夜、女の子の夢の中で猫が語りかけます。『ずっとそばにいますからね。みえないけれど、いっしょなの。だから、なかないで』と。
 それから女の子は泣かなくなりました。いつも傍には見えない猫がいると信じていたからです。そして、女の子は成長し、大人になった彼女のもとに現れたのは…。
 いつも寂しそうにしている女の子に母のように寄り添う猫。柔らかなタッチで描かれる風景の中で、ページいっぱいに描かれる夜空の星はずっと眺めていたいほど印象的です。
 種族と時を超えた、大きな愛に心が温かくなる一冊です。

児童書のおすすめ(12月9日)

書名 しょめい : こうして、ともにいきている

著者 ちょしゃ : 多屋 光孫/作

出版社 しゅっぱんしゃ : 汐文社


 だれかと同じ場所で同じものがほしくなったとき、あなたならどうしますか。早い者勝ち?相手にゆずって自分はあきらめる?
 この本に出てくる生き物たちが導き出した答えは、わたしたち人間にとって、だいじなことを気づかせてくれます。
 たとえば、同じ川にすみ、同じえさを食べるヤマメとイワナの場合、ヤマメは水の温かいところで、イワナは冷たいところでえさをとります。争わず、ともに生きていくためのじょうずな方法がそこにはあるのです。
 ほかにも、「なるほど」と感心する方法でともに生きている自然界の生き物たちが、生命感あふれるダイナミックな色彩とタッチで描かれています。
 そして、最後に登場するのは…。
 果たして、「ともに生きるということの大切さ」を忘れた生き物の未来はどうなるのでしょう。また、最後のページで投げかけられた問いに、みなさんはどう答えますか。

児童書のおすすめ(12月2日)

書名 しょめい : 雪娘のアリアナ

著者 ちょしゃ : ソフィー・アンダーソン/作 メリッサ・カストリヨン/絵 長友 恵子/訳

出版社 しゅっぱんしゃ : 小学館


 身体が弱りひとりで農場を営めなくなった祖父と暮らすため、両親と北の山村に越してきたターシャ。ターシャは、以前住んでいた海辺の町で起きたある事件のせいで人と関わることをひどく恐れるようになっていて、村に来て3か月経った今も友だちがいません。大好きな祖父と両親との農場の生活は楽しいけれど、ターシャはいつも孤独を抱えていました。
 初雪の日、ターシャは雪で少女の像をつくり「友だちになって」と強く願います。すると雪像に魂が宿り、ターシャは毎晩農場を抜け出し雪娘アリアナと楽しい時間を過ごすように。「アリアナとずっと一緒にいたい」とターシャは願いますが・・・。
 ロシアの民話「雪娘」をモチーフにした物語です。春になれば雪娘は消えてしまいます。けれど、アリアナと一緒にい続ける限り厳しい冬が続き、祖父はどんどん弱っていきます。ターシャはどうするのでしょうか。
 ターシャと周囲の人々が互いを思いやる優しさにあふれたお話です。