小中学生へおすすめ!

児童書のおすすめ(9月9日)

書名 しょめい : 捨てないパン屋の挑戦

著者 ちょしゃ : 井出 留美/著

出版社 しゅっぱんしゃ : あかね書房


 日本では、1年間に400万トン以上の食品が廃棄されています。これは私たち一人ひとりが、おにぎりを毎日1個捨てていることになる量です。環境のことを考えても、食品ロスは大きな社会問題です。
 パン屋に生まれた田村さんは、どうして捨てないパン屋になったのでしょうか。子どもの頃はパンが嫌いだった田村さん。しかし、実家のパン屋を継いでからは、フランスまでパンの修業に行くほどになりました。そして、まき窯で天然酵母を使ったパンのみを作るようになり、売れ残ったパンを捨てることがなくなったのです。材料や販売方法など試行錯誤の末に、やっと捨てないパン屋になることができました。それはとても長い道のりでしたが、必要な選択でした。
 パン屋だけではなく飲食店や販売店、家庭からも日々食品が廃棄されています。これは、私たちみんなが向き合っていかなければならない問題です。食品ロスについて、考えるきっかけにしてほしい本です。

児童書のおすすめ(9月2日)

書名 しょめい : 子どもにウケる将棋超入門

著者 ちょしゃ : 創元社編集部/編

出版社 しゅっぱんしゃ : 創元社


 皆さんは将棋にどんなイメージを持っていますか?多分、多くの人が難しそうだと思っているのではないでしょうか。           
 ですが、この本を読んだら、そのイメージも一気に無くなります。将棋を全く知らなくても、丁寧な解説付きなのですぐに将棋を楽しめます。
 将棋は、全部で40枚の駒から成り立つゲ―ムです。そのうち、玉将と王将、飛車、角行、金将、銀将、桂馬、香車、歩兵と呼ばれる8種類の駒に分けられます。盤に並べた駒を2人で交互に動かし、相手の王さまの駒を取ると勝ち、取られたら負けです。
 この本では、将棋の打ち方や対局の仕方、プロの棋士等について詳しく書かれています。練習ができる棋譜も付いていますので、何回でも楽しむことができます。
 最初は、家族や友達と始めてみるとより面白いと思います。ぜひ、挑戦してみてください。

児童書のおすすめ(8月26日)

書名 しょめい : 料理は子どもの遊びです

著者 ちょしゃ : ミシェル・オリヴェ/文と絵、猫沢 エミ/訳

出版社 しゅっぱんしゃ : 河出書房新社


 色鉛筆で描いたようなカラフルな絵が散りばめられたこの本は、フランスで60年以上読み継がれている料理本です。
 フランス料理は難しいというイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、この本を読めばタイトルのとおり、「子どもの遊び」のように、簡単で楽しくおいしいフランス料理を作ることができます。
 レシピだけでなくフランスと日本の食材や道具のちがいなどの豆知識が書いてあるところも見どころです。本格的なフランス料理のルセット(作り方)がたくさんの絵でやさしく説明されているので、料理をしない人でもまるで絵本のように楽しむことができます。
 ページをめくるたびに色とりどりの食べ物を見ていると、あなたもきっと料理をしたくなってきますよ。

児童書のおすすめ(8月19日)

書名 しょめい : 恐竜がくれた夏休み

著者 ちょしゃ : はやみね かおる/作 武本 糸会/絵

出版社 しゅっぱんしゃ : 講談社


 もし、タイムスリップしてきた恐竜とひと夏を過ごすとしたら、みなさんはどんな日々を送りますか?
 主人公の美亜は、夏休みに同じ夢を連続で見るようになります。それは、夜の学校のプールで恐竜が泳ぐ夢。なぜそんな夢を見るのか、その理由を探るため、友人3人と夜の学校に現れるという恐竜のうわさについて調べます。
 そのうわさの正体は、なんと現代にタイムスリップしてきた本物の恐竜、ロロだったのです。はじめは戸惑う美亜たちでしたが、元の時代に帰りたがるロロのために、手がかりをともに探すことになります。その中で、地球の未来について知り、美亜たちはとある作戦を立てます。
 ロロと関わる中で生じる、美亜たちの関係性の変化や成長も物語の見所です。
 なぜロロは現代にやって来たのか、美亜たちが立てた作戦とは、現代にタイムスリップしてきたロロと、小学生グループのひと夏の物語です。

児童書のおすすめ(8月5日)

書名 しょめい : 小中学生のための初めて学ぶ著作権

著者 ちょしゃ : 岡本 薫/〔著〕

出版社 しゅっぱんしゃ : 朝日学生新聞社


 著作権とは何でしょう。

 よく耳にしますが、実際には、理解していると自信を持って断言できる人は少ないのではないでしょうか。
著作権とは、「自分で作ったものを勝手に使われない権利」と言うことができます。

 この本では、著作権の対象となるものや、誰が著作権を持つのかなど、著作権について身近な例も交えてわかりやすく説明されています。また、著作物の作成・利用時に気をつけるべきことや、著作物を無断で使われないための予防方法なども解説されています。

 現代では、インターネットや電子機器が広まり、誰でも物を「作る人」と「使う人」になることができます。そのため、著作権に関する理解を深めることが重要です。ぜひ、自分自身が「著作権を持つとしたら、他者の著作物を利用するとしたら」という見方で読んでみてください。

児童書のおすすめ(7月29日)

書名 しょめい : 6days遭難者たち

著者 ちょしゃ : 安田 夏菜/著

出版社 しゅっぱんしゃ : 講談社


 「冒険とは、死を覚悟して、そして生きて帰ることである」。

 元登山部の美玖、近所に住む亜里沙、そのクラスメイトの由真。薄いつながりの同級生3人は一緒に低山登山にでかけることに。ロープウェイを利用したお手軽日帰り登山のはずでしたが、山頂到着後ほんの少しの油断から誤った道に入り込み、山をさまようことになります。3人が登山に挑戦した理由は様々。その背景をからめながら美玖、亜里沙、由真それぞれの視点でその時の状況が描写されます。

 判断ミスが命の危険に直結する登山。ひとつひとつは小さなことなのに、山での遭難はこうして起こるのかとぐっと引き込まれ思わず一気読みしてしまう作品です。冒頭の一文は冒険家植村直己氏が残した言葉で中表紙をめくった1ページ目に書かれています。この言葉の重みを感じ、そしてこの言葉が物語にどんな関わり方をするのかに注目しながら、ぜひ読み進めてください。

 巻末の「遭難防止五か条」も必読です。

児童書のおすすめ(7月22日)

書名 しょめい : ラッキーボトル号の冒険

著者 ちょしゃ : クリス・ウォーメル/作、柳井 薫/訳

出版社 しゅっぱんしゃ : 徳間書店


 両親に叱られて家を飛び出したジャックが家出先に選んだのは船。ところが運悪く嵐が船を襲い、ジャックは絶海の孤島に打ち上げられてしまいます。
 無人島に見えたその島には、長い間ひとりぼっちで本を読んで過ごしていた男ロビンソンと、巨大なカメが住んでいました。
 家へ帰りたいと願うジャックに、ロビンソンは手紙を書くことを提案します。ジャックは文字を習っては、手紙をビンに入れて海に流し、助けを待ちわびます。
 そんなある日、島に埋められた骸骨の手に握られていた謎の紙きれが、海賊の宝のありかを示していることに気がつきます。
 嵐に始まるジャックの海の大冒険。果たしてジャックは宝を探し出し、無事に家へ帰りつくことができるでしょうか。海賊、魔女、しゃれこうべ、宝の地図に謎の呪文まで。奇想天外な物語の展開に、ページをめくる手が止まらない一冊です。

児童書のおすすめ(7月15日)

書名 しょめい : ぼくはいったいどこにいるんだ

著者 ちょしゃ : ヨシタケ シンスケ/作

出版社 しゅっぱんしゃ : ブロンズ新社


 おつかいを頼まれた「ぼく」は、おかあさんが描いた地図がさっぱりわからなくて迷ってしまいました。しかし、みーちゃんのママは目的地をわかるようにと地図にいろいろと描き足してくれて、無事におつかいをすることができました。「ちずがあれば、いまじぶんがどこにいるのかがわかる」「なにかを絵にしてわかりやすくしたものがちずだとしたら…」「じぶんのためだけのちずを、じぶんでつくってもいいよね」と「ぼく」は言います。

 自分の部屋の地図やクラスの中での人間関係の地図、今の自分の気持ちの地図。また、未来の地図など発想を膨らませてみると、いろいろな面白い地図を作って観察し、楽しむことができます。物事の仕組みや関係性と問題点、あるいは自分の好奇心など、目に見えない事がらを見えるように(可視化)することで、今や未来が見えてくるし、理解や解決しやすくなったりもします。もうすぐ夏休み、みなさんもオリジナル地図を作ってみませんか。

児童書のおすすめ(7月8日)

書名 しょめい : 草のふえをならしたら

著者 ちょしゃ : 林原 玉枝/作 竹上 妙/画

出版社 しゅっぱんしゃ : 福音館書店


 物語に登場するのは一風変わった植物の笛です。はじめに出てくるのはねぎの笛。まこちゃんがねぎの青いところをちぎって、ストロー状にして息を吹き込むと、“ブイッブイブイッブブブウ”と音が鳴りました。その不思議な音色に誘われてやってきたのはうすいピンク色のぶた。ぶたはまこちゃんの料理のお手伝いをしたいというのですが…。
 その他にもさくらの花びらやささの葉・どんぐりなど、ユニークな笛が登場します。笛が奏でる音色が結ぶ、こどもたちと動物たちとの楽しい交流を描いたおはなしです。
 物語の中にはたくさんの植物が出てきます。笛の吹き方も書かれているので、本を読みながら実際に音を鳴らして楽しむこともできます。みなさんの周りにもたくさんの植物がありますね。その植物を笛にして音を鳴らしてみましょう。何か不思議な出来事が起こるかもしれませんよ。

児童書のおすすめ(7月1日)

書名 しょめい : 西遊記

著者 ちょしゃ : [呉 承恩/作] 武田 雅哉/訳 トミイ マサコ/絵

出版社 しゅっぱんしゃ : 小学館


 世界中でさまざまな作品にリメークされている『西遊記』。三蔵法師とともに孫悟空・猪八戒・沙悟浄が仏教の経典を求めて天竺へ向かい、そして帰ってくるという“行きて帰りし物語”です。

 『西遊記』は、中国の宋(10~13世紀)の時代に、もとになった旅行記『大唐西域記(だいとうさいいきき)』を「講談」「お芝居」などの形に発展させ、親しまれていました。

 観客の前で語るわけですから、とにかく盛り上がり重視!どんどん話を大げさに、面白おかしく脚色していきます。『西遊記』に登場するのが自分勝手でハチャメチャな人ばかりなのも、面白さを追求した結果なのかもしれませんね。

 『西遊記』の中で私が好きなのは、不思議な霊力を持つ「人参果」を盗み食いしたお話。師匠の三蔵にバレそうになって、悟空は八戒と仲間割れ、挙句の果てには人参果の木を根こそぎ倒してしまいます。さてこの先、いかなることにあいなりますやら…。続きはぜひ、本を読んでお楽しみください。