小中学生へおすすめ!

児童書のおすすめ本(8月11日)

書名 しょめい : この本をかくして

著者 ちょしゃ : マーガレット・ワイルド/文 フレヤ・ブラックウッド/絵 アーサー・ビナード/訳

出版社 しゅっぱんしゃ :岩崎書店


 ピーターの街の図書館は、戦争で爆弾を落とされ、焼けてしまいました。人々は思わず立ちどまり、爆風で舞い散るページのかけらに手を伸ばします。図書館にあった全ての本は失われ、無事だったのはピーターのお父さんが借りていた一冊の本だけでした。
 たった一冊残った赤い表紙の本。お父さんはその本を、金よりも銀よりも宝石よりも大切な宝物だと言いました。本には、家族や国の大切な記憶や歴史が刻まれていました。
 その後ピーターたちは街を追われ、行くあてもなくさまようことになります。
 やがて、お父さんは力尽き、重い本はピーターの手に託されます。ピーターと赤い本は、どんな運命をたどるのでしょうか。
 これは遠い国の図書館のお話ですが、世界のどこでも起こり得ることです。
 だからこそ、あなたの近くにある図書館の、歴史や文化を伝える本の棚を、そっとのぞいてみてほしいのです。金や宝石よりも、ずっと大切な宝物がそこにあるかもしれません。

児童書のおすすめ本(8月4日)

書名 しょめい : とびきりおいしいおうちごはん 小学生からのたのしい料理

著者 ちょしゃ : 野村 友里/著

出版社 しゅっぱんしゃ :小学館クリエイティブ


 8月4日は、8(栄)と4(養)と読む語呂合わせから、日本栄養士会が定めた栄養の日です。
 私たちは毎日、食事から大切な栄養をとって元気に過ごしています。ふだんは家族に料理を作ってもらっているという人も、自分でごはんを作ってみませんか?
 この本は、はじめて料理をする人でもわかりやすい、簡単でおいしいレシピを紹介しています。調理の手順がすべて絵で表現されているので、まるで絵本を読むように、ワクワクしながら楽しく作ることができます。
 すぐに挑戦できる卵料理をはじめ、卵焼き器で作るたこ焼きや、皮から作るもちもちの水餃子など、作ってみたくなるメニューがたくさん紹介されています。
 さらに、レシピだけでなく、食材の知識や「おいしさ」の仕組みについても学ぶことができます。
 読めば、自然とキッチンに立ちたくなるはず。料理の楽しさを優しく教えてくれる一冊です。

児童書のおすすめ本(7月28日)

書名 しょめい : 走ってくれ、メロス。

著者 ちょしゃ : 海野 さやか/ほか著

出版社 しゅっぱんしゃ : Gakken


 物語には魅力的な主人公が多く登場しますが、読書をしていると、思わず心をひかれる脇役に出会うことがあります。
 表題の 『走ってくれ、メロス。』は、メロスの代わりに人質となったセリヌンティウスの視点で物語が進みます。原作『走れメロス』
(太宰 治/著)ではほとんど語られることのなかった、セリヌンティウスの不安や葛藤が描かれています。
 本書には、この作品を含む五つの短編が収録され、すべて脇役の視点で描かれています。原作を知らない人には親しみやすい導入となり、原作を知る人には新鮮な発見があるかもしれません。視点が変わることで広がる物語の奥行きを楽しめる一冊です。
 これまで青春訳名作シリーズとして、『古事記』や『論語物語』をアレンジした作品も刊行されていますので、シリーズ全体を通して読むのも楽しいですよ。

児童書のおすすめ本(7月21日)

書名 しょめい : 千年先のあなたへ

著者 ちょしゃ :佐藤 まどか/作 佐藤 真紀子/絵 

出版社 しゅっぱんしゃ : BL出版


 主人公の杏の姉・花梨は、神社や寺院の建築•修理を専門とする「宮大工」として働き始めます。厳しい職人の世界へ飛び込んだ姉が心配になった杏は、仕事場へ見学に行くことにしました。そこで杏が目にしたのは、真剣なまなざしで仕事に取り組む姉の姿でした。
 日本最古の木造建築である法隆寺は、千年以上たった今もその姿をとどめています。それを支えているのが、宮大工をはじめとする職人たちが代々受け継いできた伝統の技です。この技は、2020年に「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」としてユネスコの無形文化遺産に登録され、世界で認められました。何代にもわたって職人たちが大切に守ってきたからこそ、私たちは今も千年前の建物を見ることができるのです。
 みなさんも神社や寺院に行ったときは、ぜひ建物の細部まで見てください。きっと、千年先へとつながる職人たちの想いを感じ取ることができますよ。

児童書のおすすめ本(7月14日)

書名 しょめい : 土偶

著者 ちょしゃ : 山田 康弘/著

出版社 しゅっぱんしゃ : スタジオタッククリエイティブ


 土偶は、縄文時代に作られた土を素焼した人形です。表紙にもある、ゴーグルをかけたような遮光器土器は、教科書などで目にしたことがあると思います。土偶と似たものに埴輪がありますが、こちらが作られたのは古墳時代。縄文時代と古墳時代は600~700年ほど間が空いているので、制作時期が違います。ちなみに、その間の弥生時代に栄えたのが、みなさんもご存じの、吉野ケ里遺跡ですね。
 さて、縄文時代は1万年以上も続いたので、土偶の作られた時期や地域によって形や模様が違います。この本は、その変遷や各地域の代表的な土偶について写真やイラストつきで解説しています。なかには、これも土偶? というものも。さまざまな土偶の謎を通して、縄文時代のことも詳しく知ることができる一冊です。
 巻末には、土偶を見ることができる博物館が紹介されています。不思議でユーモラスな土偶を見に出かけてみませんか。

児童書のおすすめ本(7月7日)

書名 しょめい : わたしは書体デザイナー

著者 ちょしゃ : 高田 裕美/著

出版社 しゅっぱんしゃ : Gakken


 著者である高田裕美さんは、書体デザイナー。その人の持つ特性や身体的理由によって文字を読みづらいと感じる人に、少しでも読みやすい書体を届けたいと考え、8年の月日をかけて新しい書体をデザインしました。その思いから生まれたのが、表紙にも使われている「UDデジタル教科書体」です。
 高田さんは、これまでの書体に対して読みづらさを感じている人々に直接話を聞き、制作に活かしました。自分の持っている感覚だけに頼らず、相手の声に耳を傾けることは、何かを作る場面に限らず大切なことかもしれません。
 熱意は実り、読み書きの困難な子どもたちだけでなく、多くの人にとって読みやすい書体が誕生しました。一人ひとり考え方や感じ方が違うからこそ、意見を交わしてより良いものを生み出すことができます。高田さんが書体のデザインを通して学んだ「みんなが話し合ってみんながより幸せになる方法を考えよう」という姿勢があなたにもきっと届くはずです。

児童書のおすすめ本(6月30日)

書名 しょめい :小川未明童話集

著者 ちょしゃ : 小川 未明/著

出版社 しゅっぱんしゃ :世界文化社


 小川未明は、日本のアンデルセンと言われる日本近代童話の先駆者です。
 この童話集の中でも『赤いろうそくと人魚』は、未明の最高傑作と言われ今も読み継がれる名作です。
 冷たい北の海に住む人魚は、人間の町で幸せになってほしいと、海岸にある町のお宮で子どもを産みます。その子はろうそく屋の老夫婦に拾われ、大切に育てられ美しい娘に育ちます。娘はろうそくに絵を描き、それが評判になり店は繁盛します。
 しかし、老夫婦は香具師にだまされ、大金に目がくらみ娘を売ってしまいます。貧しくても優しかった人たちが、金によって変わっていく姿は、人間の弱さを残酷に描いています。
 未明は、童話は単なる教訓ではなく大人にも響く芸術性が必要だという考えをもち、幻想的な美しい文章の中に社会的批判を込めた作品を書き続けました。この本に収められた12編のお話を読んで、その哲学を感じてみませんか。

児童書のおすすめ本(6月23日)

書名 しょめい : これだけは知っておきたい岩石・鉱物図鑑

著者 ちょしゃ : デヴィン・デニー/著 小田島 庸浩/監修・訳

出版社 しゅっぱんしゃ :パイインターナショナル


 先日、友人から旅行のお土産にブラジル産のホワイトクオーツをもらいました。日の光をあてると虹色に輝くところが気に入って、大切にしています。私はこの石のことがもっと知りたくなり、図書館の本で調べてみることにしました。
 クオーツ(Quartz/石英)は「ケイ酸塩」に分類される鉱物です。石英は結晶の形がはっきりとしない細かなものであれば、ほとんどの岩石に含まれています。結晶の形が板・柱状の石英を水晶と呼ぶ場合が多く、そこに不純成分が加わると、色や見た目の特徴が違うさまざまな種類へと分かれていきます。
 この図鑑は、代表的な72種類の岩石や鉱物をピックアップし解説しています。原書は子どもから大人まで楽しめる図鑑を数多く出版する英国DK社によるものなので、とにかく写真が高品質で美しい!
 地球の中で長い年月をかけてできあがる、世界にたった一つの岩石や鉱物。この本はきっと、あなたの知的好奇心を刺激してくれるはずです。

児童書のおすすめ本(6月16日)

書名 しょめい : 中三・ラプソディ

著者 ちょしゃ : 花里 真希/著 

出版社 しゅっぱんしゃ : 講談社


 中学生、最後の合唱コンクールでクイーンの名曲『ボヘミアン・ラプソディ』を歌うことになった季里。季里にとってこの曲は失踪した父との思い出の曲でした。ところが、優等生の季里は実は歌うことが苦手。音痴を隠したまま練習を続けることに悩む季里の前に突然フレディ・マーキュリーが現れました。寄り添うように季里を励ましてくれるフレディ。その正体は?   
 合唱の練習は歌もクラス全体もまとまらず上手くいきません。地味だけど指揮者に立候補した颯太、クラスで少し浮いているピアノ伴奏の杉浦さん、真面目に練習をしようとしない河内。クラスメイトたちも何か事情を抱えているようです。 
 最後の練習日、遅刻した河内に激怒した杉浦さんがピアノ伴奏を放棄して…。
 季里は、周囲の人の振る舞いや考えに触れることで優等生の自分の在り方に疑問を持ち始めます。
 それぞれが本来の自分をさらけ出し、意外な面を共有する事で皆が一歩前進する青春の物語です。

児童書のおすすめ本(6月9日)

書名 しょめい : スマイルサッカー

著者 ちょしゃ : ミッチーコーチ・杉山詩音/文 杉山 詩音/文 多屋 光孫/絵

出版社 しゅっぱんしゃ : 合同出版


 誰もが自由にサッカーを楽しむことが出来る! それがスマイルサッカー教室。左の手足が不自由な女の子、主人公のしおんは、そこでのびのびとサッカーを楽しんでいます。この教室は他の教室と違い、最初からできないだろうと決めつけて、しおんを止めることはありません。障がいがあったとしても特別扱いはしないのです。
 この教室の特徴は他にもあります。コーチのミッチーが教室に参加するすべての子どもたちのいいところをみつけることで、楽しくサッカーができるように導きます。サッカーを楽しめたという一つの自信が、子どもたちの次のやる気につながるのです。
 さて、しおんはこれからどんなことに挑戦していくのでしょう? 障がいのあるなしにかかわらず、みんなが笑顔で生きていける、そしてお互いが分かり合える社会、この絵本がそんな未来を考えるきっかけになるといいなと思います。