小中学生へおすすめ!
児童書おすすめ(11月7日)
書名 :『しっぽがない! コアラとヒトのしっぽのなぞ』
著者 :犬塚 則久/文 大島 裕子/画
出版社 :福音館書店
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りくのうえ学校で、今日も授業が始まりました。「この教室の生徒には、ひとつ大きな共通点があります。それは何だと思いますか?」いぬやま先生の質問に、みんなと自分を見くらべて一生懸命考える生徒たち。先生は、みんなの共通点は「骨があること」で、骨のある動物(脊椎動物)には、「しっぽがある」「手足が4本ある」「赤い血が流れている」という3つの特徴があることを教えてくれました。ところが、コアラのふくろいくんとヒトのあだちさんには、しっぽがありません。骨のある動物なのにどうしてなのでしょうか?この本は、「世界にあふれる“ふしぎ”を子どもたちが自らが感じ、考え、理解していけるように」との思いが込められた「たくさんのふしぎ」というシリーズの1冊です。みなさんも、りくのうえ学校のみんなと一緒に、しっぽのふしぎを探してみませんか。たくさんのふしぎを知れば、世界の見え方が変わるかもしれません。
児童書おすすめ(10月31日)
書名 :『ごはん食べにおいでよ』
著者 :小手鞠 るい/作 satsuki/画
出版社 :講談社
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ベイカリーカフェ「りんごの木」。オーナー・森崎雪の中学三年生の頃の話がこの本のメインです。ある日の夕方、自宅マンションに帰ると、同じ階に住む小学生が家に入らずに廊下の床に座りこんで膝をかかえていました。声をかければ鍵をなくしたといいます。さらに悪いことに夜9時まで家族は帰ってこないと。「よかったら、これからぼくんちに、ごはん食べにおいでよ。」曜日ごとのショートストーリー仕立ての一冊は、いろいろな人間模様を料理とともに堪能できます。
実はいま全国の図書館では「りんごの棚」というのが広がりつつあります。誰もが読書を楽しめるようにバリアフリー対策をとられた本が集められたコーナー。文字が大きかったり、点字が付いていたり、わかりやすい言葉で書かれていたり。
気軽に立ち寄りたくなる場所、りんごの木とりんごの棚。なんだか縁を感じる一冊でした。
児童書おすすめ(10月24日)
書名 :『こどもモヤモヤ解決BOOK』
著者 :熱海 康太/著
出版社 :えほんの杜
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「学校に行きたくないよ」「なんで勉強しなくちゃいけないの?」「言いたいことが上手に言えない」「SNSやゲームがやめられない」など、モヤモヤする悩みを一人で抱えていませんか?親に言いたくない、誰にも相談できない、でも自分一人ではどうしたらいいかわからない。そんな時に助けてくれるのがこの本。1つの悩みに対して3つの解決策が提案されているので、自分にあった解決方法が選べます。1つだけでもいいし、3つ全部やってみてもいい。解決策をヒントに自分で考えてもいいのです。一人一人性格や環境も違うから正しい答えというのはありません。解決の糸口となるものを見つけて自分にあった方法を実践してみてください。悩んで心や身体が疲れた時には、各ページについているもふもふした動物のかわいい写真を見て癒される、という使い方もおすすめです。
みんなの悩みがスッキリ解決する手助けとなりますように!
児童書おすすめ(10月17日)
書名 :『虹いろ図書館のへびおとこ』
著者 :櫻井とりお/文
出版社 :河出書房新社
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家庭の事情で転校したほのかは小さなことからいじめにあい学校に行けなくなりました。町をさまよっていたら、ある建物を見つけドキドキしながら入ると…。そこは図書館でした。平日に子どもだけでも特に何も言われません。次第に図書館の人や同じく不登校の男の子と交流するようになり、ほのかは自分の居場所を見つけました。 ところがある日、図書館見学のため担任の先生がクラスメイトを連れてくることが分かり…。 図書館には多くの人がやってきます。中には事情を抱えた人も。ほのかは様々な人を見て、関わっていくうちに多様な価値観を知り成長していきます。 この本にはたくさんの児童書が紹介されています。それを読むとさらに自身の世界が広がりますよ。さて、先生とクラスメイトがやって来て、ほのかがどうなったかと言うと…。図書館は利用者の秘密を守ります。
児童書おすすめ(10月3日)
書名 :『だれもしらない小さな家』
著者 :エリナー・クライマー/作 小宮 由/訳 佐竹 美保/絵
出版社 :大日本図書
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自分だけのお気に入りの場所があるって、素敵ですよね。みなさんは、どんな場所を思いうかべますか?
このお話は、大きなマンションにはさまれた、小さな家の物語です。誰も住んでいないその家は、ずっと埃をかぶっています。いろんな人が家を見に来ますが、結局誰も住むことはありませんでした。
小さい家をよくのぞいていたアリスとジェーンは、ある日、ドアに鍵がかかっていないことに気が付きました。
おそるおそる中に入った二人は、家のなかでおうちごっこを始めます。途中で近所に住むオブライアンさんも加わり、三人でクッキー屋さんをしていると、そこに大屋さんが怒鳴りこんで来て…。
とってお
児童書おすすめ(9月26日)
書名 :『ナージャの5つのがっこう』
著者 : キリーロバ・ナージャ/ぶん 市原 淳/え
出版社 :大日本図書
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ロシア生まれのナージャは、小学1年生の女の子。両親の転勤をきっかけにイギリス、フランス、アメリカ、日本。5つの学校に通うことになります。
環境が変わるとガラリと変わるものは?」答えは「ふつう」だと大人になったナージャは言います。授業で使うノートや筆記用具、教室の机やいすの並び、お昼ごはんの食べ方など「なんでこんなに違うの?」と驚くことばかり。転校するたびに、今まで「ふつう」だと思っていたことが通用しなくなってしまうのです。不思議だらけの学校生活の中で、ナージャは世の中にはいろんな「ふつう」があって、いい、悪いじゃなく「違い」があるだけなのだと発見します。
皆さんは「多様性」という言葉を聞いたことがありますか。自分の「ふつう」が他の人にとっての「ふつう」ではないと知ることが、多様性を知る第一歩です。一人で、親子で、そしてお友達と一緒に。この本を読めば、多様に広がる世界の扉が開くかもしれません。
児童書おすすめ(9月17日)
書名 :『三つ編み』
著者 : レティシア・コロンバニ/作 クレマンス・ボレ/絵
出版社 :アンドエト
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巷ではインド映画が流行っています。私が観た作品は、善と悪との闘いや差別が描かれており、最後には悪者は滅び、善良な市民は平和を取り戻す話でした。
映画の余韻も覚めやらぬ日、児童室で目が合った本、それが『三つ編み』です。インドにおけるカースト制度の中で、身分による差別と闘う母と娘の長い旅の物語。子どもが学校に行く。大人が就きたい仕事に就く。それがいかに困難なことか。命をつなぐにはどうしたらいいか?二人は神への祈りを礎にした勇気ある行動で、差別を乗り越えていきます。
彼女が捧げた三つ編みは「かつら」として誰かを笑顔にすることでしょう。本を開くと飛び込むピンクのペイズリーは、母スミタの服の柄。それは生命の樹を意味しており、母の強い思いが重なります。
児童書おすすめ(9月12日)
書名 :『お米ができるまで』
著者 : 岩貞 るみこ/作 武田 美穂/絵
出版社 :講談社
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「米」という漢字は、米作りに88(八十八)もの手間がかかることからこの漢字になったと言われています。……という話を授業などで聞いたことはありませんか?88もやらないといけないことがあるなんて、考えるだけでとても大変そうですが、お米作りって一体どんなことをするのでしょう。
この本は、新潟県の山の中にある田んぼでお米を作っている農家さんの1年間に密着した物語です。お米作りのスタートは、田植えではなく苗を育てる場所を作るところから始まります。先が読めない自然を相手に行われる米作りは、想像よりもはるかに大変なものでした。
9月は立派に育ったお米を収穫する稲刈りの時期です。普段何気なく食べているお米も、農家さんの大変さやお米への愛情を知ると、なんだかとてもありがたいものに感じます。
児童書おすすめ(9月5日)
書名 :『おとなと子どものための聖書物語』
著者 : セリナ・ヘイスティングス/文、
エリック・トーマス/絵、加藤常昭/監修
出版社 :フレーベル館
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皆さんは聖書を知っていますか? お正月には神社に行って、結婚式はチャペルで挙げて、お墓はお寺にある・・・、なんて人も多い日本では、聖書はキリスト教の本だと思っている人が多いかもしれません(自分はそうでした)が、実は違ってユダヤ教やイスラム教でも聖書を大切にしています。聖書は紀元前1,450年頃(およそ3,500年前)から1,000年以上もの間に、さまざまな人々によって書かれたたくさんの本をひとつにまとめたもので、その内容は歴史や詩、預言(神様のお告げ)などいろいろなことが書かれています。堅苦しく思われがちですが、意外とドラマチックに書かれていて、実は結構面白いんです。1,900以上の言語に翻訳され、世界一のベストセラーとしてギネスブックにも載っている聖書。ぜひ、この本を読んで単なる宗教の本ではない聖書の世界に触れてみてください。
児童書おすすめ(8月29日)
書名
出版社
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ヨルは、ミリちゃんのおうちで暮らしている黒猫です。家の外に出たことがないヨルがある日出会ったのは、家の中で暮らしたことがない町のネズミ。ネズミは「よるって、まぶしくて、にぎやかで、おいしいもんだよ」とヨルに教えてくれます。「よるって、まっくらで、しずかで、ねむるものでしょ?」そう思っていたヨルを、ネズミは夜の町へ連れ出します。部屋の窓から見える小さな夜空しか知らなかったヨルは、初めて外の世界を知ることになるのです。 この絵本は、初めて外に出た猫のヨルの目線で夜の町が描かれています。暗い路地、大きな金色のお月様、にぎやかなレストラン。夜の町の冒険はとてもワクワクしてきます。夜がどう見えているのかはひとそれぞれ。あなたの思い浮かべる夜はどんなイメージですか?静か、それともにぎやか?この絵本を読んだ後は、いつもの夜も、少し違って見えるかもしれませんよ。