小中学生へおすすめ!

児童書おすすめ(5月14日)

 

書名 しょめい :『かぼちゃ人類学入門』
著者  ちょしゃ : 川原田 徹/さく

    福音館書店


--------------------------------------------------------------------

 佐賀のおとなり、福岡の門司港から連絡船に乗って夢時間。海に浮かぶ大きなかぼちゃが見えてきたら、それは「かぼちゃ島」です。この島に住む人たちは、かぼちゃを食べ、かぼちゃの恵みに感謝しながらのんびり楽しく暮らしています。
 島には、宿に温泉、市場や学校など、暮らしに必要なものは何でもありますが、皆さんの町にあるものとは少し違っています。例えば、この島の銀行ではお金だけではなく、健康や幸せも預けられます。そして、健康に恵まれなければ健康を、悲しい時には幸せを引き出すことができます。健康と幸せとお金は、1:2:10の割合で取引され、お互いにないものを補いあっています。
 「世の中で一番広いものはなあに?」かぼちゃ人は、心の中だと語ります。かぼちゃ島は狭いけれど、空想をめぐらせば世界が無限に広がると知っているのです。
 この本を開いてみてください。皆さんもかぼちゃ人として夢のような時間を過ごせるかもしれません。

児童書おすすめ(5月7日)

 

 

書名 しょめい :『日本の昔話 全5巻』
著者  ちょしゃ : おざわ としお/再話、赤羽 末吉/画

    福音館書店


--------------------------------------------------------------------

 「むかし あるところに」で始まる昔話。「はなさかじい」や「ももたろう」、みなさんはどんな昔話を知っていますか?
 昔話は日本各地で何百年にもわたり親から子へ、子から孫へと口伝えで語り継がれてきたおとぎ話です。昔話には、人が生きていくための知恵や教えがたくさんあります。
 この「日本の昔話」全5巻では、今では直接聞くことができなくなった語り継がれた昔話301話が、子どもにもわかりやすい言葉で書き直され収められています。
 初夢をみて宝物を手に入れる話、いつもいじめられていた子どもが活躍する話、正直者がご褒美をもらう話、猫やネズミが人間の知らない秘密を教えてくれるお話などなど。
 ひとつのお話は短いので、ちょっとした時間にも読むことができます。知っているお話や、思いもよらない結末のお話もあるかもしれません。何回読んでも面白くて新しい発見がある、それが昔話の魅力です。

児童書おすすめ(4月30日)

 

 

書名 しょめい :『すごいゴミのはなし ゴミ清掃員、10年間やってみた。』
著者  ちょしゃ :  滝沢 秀一/文、スケラッコ/イラスト、萩原 まお/イラスト

    学研プラス


--------------------------------------------------------------------

 皆さんは世の中にあふれる「ゴミ」が、どのように処理され、そして地球環境にどう影響するのか考えたことがありますか。この本は、10年間ゴミ清掃員として働いた著者の経験を通じて、ゴミの分別やリサイクル、清掃作業の役割、そしてゴミが抱える問題について教えてくれます。
 「ゴミとは人の心だ」とこの本の著者は語ります。世の中にゴミとして生まれてきたものは一つもないはずなのに、私たちの暮らしを豊かにするために生まれてきた「モノ」は、きれいだから、汚いからではなく、その人がいらないと思った瞬間「ゴミ」になってしまうのです。ゴミは年々増え続け、環境省のHPには、約20年で日本のゴミ最終処分場が満杯になると記載されています。
 「地球の未来を守るために何ができるのか」一緒に考えてみませんか。この本を読めば、皆さんが暮らす場所を、いつもきれいに保ってくれている存在に出会えるはずです。

児童書おすすめ(4月23日)

 

 

書名 しょめい :『朝ごはんは、お日さまの光!』
著者  ちょしゃ :  マイケル・ホランド/文

    徳間書店


--------------------------------------------------------------------

 やさしい手ざわりのこの本は、植物からできています。インクも植物からできています。
 カラフルな絵と楽しい解説で、植物たちの知識を図鑑にも負けないくらいに幅広く教えてくれる、科学絵本を読んでみませんか?
 さて、植物のごはんは何でしょうか?それは太陽の光です。では太陽のエネルギーが地球に届くまでの時間は?太陽の光を食べた植物が今度はわたしのごはんになるの?一つの謎の答えがまた謎を呼び、ページをめくるたびに、あなたはますます植物の不思議に引き込まれていくことでしょう。植物を使った楽しい遊びや実験も紹介されています。
 植物がなければ、どんな生き物も生きていくことはできません。植物を知れば、すばらしい生命やモノのつながりが見えてきます。

児童書おすすめ(4月16日)

 

 

書名 しょめい :『ノクツドウライオウ』
著者  ちょしゃ :  佐藤 まどか/著

    あすなろ書房


--------------------------------------------------------------------

 ノクツドウライオウ。何を意味することばでしょう? 答えは表紙に描かれた看板を見て解決です。


 ノ靴
堂来往


 右から読めば、そう、靴ノ往来堂。
 横書きの文字を右から書くのは変に思うかもしれませんが、日本では1950年頃まで右から書くことは何もおかしいことではありませんでした。新聞の見出しも右から書かれた時期があります。調べてみると1952年に公用文は左から書くように通達され、それから現在のように左から書く体裁が定着したそうですよ。
 さて、往来堂ですが、右から書かれた看板ということはずいぶん昔から営業しているのかしら。そうです、往来堂は100年続く老舗の靴屋。主人公の夏希は中学生で、代々続くこの店を継ぐか悩むようになります。別の夢があるけれど本来継ぐ予定だった兄が突然出て行ってしまったからです。
 往来堂で起こる心温まる魔法のような出来事に、果たして夏希はどうなっていくのでしょう?おたのしみに。

児童書おすすめ(4月9日)

 

 

書名 しょめい :『出世できない孔子と、悩める十人の弟子たち。』
著者  ちょしゃ :  下村 湖人/原作 森 久人/小説

    Gakken


--------------------------------------------------------------------

 この本は郷土の作家・下村湖人の『論語物語』を原作として書かれています。みなさんは『論語』って知っていますか。孔子という中国の昔の偉い人が、自分や弟子たちの言葉や行動をまとめたものです。それを物語にした『論語物語』を、子ども達でも読みやすい小説にしています。
 優秀だけど高い理想を抱いて、世渡りに不器用な孔子と、孔子の元で学ぶ若い弟子たちが、一人ひとり個性的に描かれています。たくさんのエピソードから、彼らにも私たちと同じような悩みがあったことがわかって、2500年も前のこととは思えないくらい、親しみを感じてしまいます。
 『論語』というと難しいものと考えがちですが、この本の中で孔子が悩める弟子たちに語りかける言葉は、まさに『論語』の世界です。日本でも古くから学ばれ、多くの人に影響を与えてきました。
 子どもたちだけではなく、大人のみなさんにもぜひ読んでいただきたい一冊です。

児童書おすすめ(4月2日)

 13歳からの手帳活用術

 

書名 しょめい :『13歳からの「手帳活用術」』
著者  ちょしゃ :  小澤 淳/監修

    メイツユニバーサルコンテンツ


--------------------------------------------------------------------

 成功していると言われる人には、時間の使い方や優先順位のつけ方の上手な人が多い。
これを中・高生がしてみると、夢や目標に近づけると思うよ。そんなとき手帳は、願いを叶えるアイテムになる。
 部活や塾で忙しいと思ったら、優先順位をつけて「今すぐする事」「〇日までにする事」と考えると自由に使える時間もできるよ。手帳を使うと、1日をどう過ごしたのかが見えてくる。「やるべき事リスト」を作ると、し忘れる事がなくなるから、「しなさい!」って言われることもなくなるね。
 計画的な行動で時間の感覚を身につけたら、次は小さな目標をクリアするようにしよう。できたら「ゲームをする」等ごほうびとセットにして考えるといいよ。夢や目標の記入例やスマホの活用法も参考になると思う。
 4月始まりの手帳もある。手帳は「なりたい自分」に近づくための強い味方になってくれるからね。

児童書おすすめ(3月26日)

 

 

書名 しょめい :『論理的思考力が育つ10歳からのおもしろ!フェルミ推定』 
著者  ちょしゃ : 横山 明日希/著

    くもん出版


--------------------------------------------------------------------

 「トイレの花子さんは日本に何人いるでしょう?」と聞かれたら、どうやって調べて、なんと答えますか?
 他にも、「日本の学校にあるトイレットペーパーを全部つなげたら何メートルですか?」とか「日本の小学生の何人がスマホでゲームをしていますか?」と聞かれたらどうしますか?
 インターネットで検索したら出てくるでしょうか?もちろん出てきません。算数みたいに公式に当てはめて正解を出す、ということもできません。
 そんな、「正解が無い問題」について考える方法が「フェルミ推定」です。「推定」とは「ある事実をもとに、判断する」ことです。また、「答え」ではなく、「答え方」を考えます。
では、トイレの花子さん、トイレットペーパー、スマホでゲームする小学生の数を考えるための事実とは何でしょうか?そしてその事実を基にどう考えていくのでしょうか?
現代社会は、正解が無い問題であふれています。この本は、様々な問題について「自分で考えて、自分の答えを出すこと。そして分からないからといってあきらめずに挑戦すること」を学ぶための一冊です。

児童書おすすめ(3月19日)

 

 

書名 しょめい :『みぢかな樹木のえほん』 
著者  ちょしゃ :国土緑化推進機構/編 平田 美紗子/絵

   ポプラ社


--------------------------------------------------------------------

 学校の机の天板は何の木材から作られているでしょうか。答えは、ブナ材など。ほどよい堅さがあり加工もしやすいブナ材は、家具や食器など、さまざまな用途に利用されています。 日本は国土の約7割が森林におおわれており、私たちの暮らしは樹木と密接に関わっています。この本では多くの樹木のなかでも、特に身近な30種が、イラストと共に紹介されています。 樹木との関わりは人間だけのものではありません。葉や実を食べる虫、木の幹を巣として利用する鳥など、たくさんの生き物が樹木と共に生活しています。 さて、学校や公園には何の樹木が植えられて、どんな生き物が近くにいるでしょうか。あなたが使っている鉛筆やお箸は何の木材から作られているのでしょうか。 樹木と生き物、そして私たちとの関係を知り、考えることで、今までとは違う景色が見えてくるはずです。

児童書おすすめ(3月12日)

 




書名 しょめい :『きみは「3.11」をしっていますか?』 
著者  ちょしゃ :細野 不二彦/まんが 平塚 真一郎/ノンフィクション 井出明/まとめ

    河北新報社/特別協力 小学館


--------------------------------------------------------------------

 2011年3月11日に起きた「東日本大震災」から今年で13年。巨大な海洋プレートがはじけ、大きな津波が太平洋沿岸部を襲いました。2024年1月1日には「能登半島地震」が発生し、津波や地震に伴う火災により多くの命や日常生活が失われました。被災地では現在も復旧・復興が進められています。
日本は災害がとても多い国です。歴史をふりかえると、昔から数多くの災害に見舞われ、自然の恐ろしさを体験してきたことが分かります。この本の第3章には、東北を代表する新聞社「河北新報社」が集めた、41人の被災地の「声」が紹介されています。観測史上最大規模の災害だった東日本大震災に対して、人々はその困難と悲しみをどのように乗り越えてきたのでしょうか。
天災は忘れたころにやってきます。ぜひ、この本を「遠い誰か」の出来事ではなく、「自分のこと」として読んでみてください。

児童書おすすめ(3月5日)

 




書名 しょめい :『サンゴの海』 
著者  ちょしゃ :長島 敏春/写真・文 

    偕成社出版  


--------------------------------------------------------------------

  3月5日は3(さん)5(ご)という語呂合わせと、サンゴの石が3月の誕生石でもあることから、サンゴの日という記念日になっています。海の写真や映像で、よく見かけるサンゴですが、皆さんは、サンゴについてどのくらい知っていますか?
実は、サンゴ礁はきれいなだけではなく、地球や人間にとって大切な働きをしてくれています。
この本は、石垣島のサンゴと海の写真を使って作られた美しい写真絵本です。長年石垣島の海を取り続けている写真家、長島敏春さんの写真は眺めるだけでも目を楽しませてくれます。
写真だけでなく、サンゴの種類や生態、サンゴと共生する生き物たちをわかりやすく知ることができ、サンゴについて知るきっかけになる一冊です。
地球温暖化や環境の変化によってサンゴが減っていることにも触れており、環境問題についても考えるきっかけになります。今日は美しい海の写真を見ながら、海の環境問題について考えてみるのはいかがでしょうか?

児童書おすすめ(2月27日)



書名 しょめい :『父は空 母は大地』 
著者  ちょしゃ :寮 美千子/作 

    ロクリン社   


--------------------------------------------------------------------

 1854年、アメリカのピアス大統領が、インディアンたちの土地を買収したいと申し出ました。この本は、その時、先住民インディアンの首長シアトルが、大統領に宛てた手紙を絵本にしたものです。「大統領が土地を買いたいと言ってきた。どうしたら空や大地を買えるだろう」と言った言葉は、美しい大地や自然を理解し、大切に思っている事が伝わってくる印象的な一文です。   木々は伐採され、水、空気は汚れ、地球は沸騰化し壊れかかって生き物は住めなくなってしまうかもしれません。シアトル首長や、インディアンたちは、こうなることを知っていて教えてくれていたのに、なぜ私たちも気付いていたはずなのに一人一人が行動を起こさないのでしょうか?紛争・宗教・自然環境破壊・多様な生物との共存などの問題に直面している今だからこそぜひ読んでほしい1冊です。    

児童書おすすめ(2月20日)



書名 しょめい :『大おばさんの不思議なレシピ』 
著者  ちょしゃ :柏葉 幸子/作 児島 なおみ/絵

    偕成社   


--------------------------------------------------------------------

 中学一年生の美奈は、家庭科が大の苦手。ほうちょうを持てば手を切る。ミシンは美奈がやるときだけ糸がからまる。塩味のホットケーキが焼きあがったり、さとう入りのスープがにえたぎったりする。 そんな美奈が家の納戸から見つけたのは、大おばさんの一冊の古いレシピノートでした。縫い物から編み物、料理、家庭薬の作り方まで、さし絵入りでていねいにのっています。しかし、ノートにのっている名前は『星くず袋』に『魔女のパック』、『竜のよだれかけ』、『魔術師の七面鳥』など見たことも聞いたこともないものばかり。 このレシピ通りに作りはじめると、たまに美奈は不思議な世界に行けるように…。そこには美奈がつくったものを必要としている人たちが待っていました。美奈のつくったものが、思わぬ方法でその世界の難題解決に一役買うことになります。読むと自分も何か手作りをしてみたくなる物語です。

児童書おすすめ(2月6日)




書名 しょめい :『月夜のチャトラパトラ』 
著者  ちょしゃ :新藤 悦子/著     

出版社 しゅっぱんしゃ :講談社
--------------------------------------------------------------------

 洞窟ホテルを営む家の子どもカヤは、チャトラパトラと呼んでいる秘密の小さな友だちがいます。悪い人に見つからないように、チャトラパトラのことをカヤは誰にも話していませんでした。ところがある年の冬、吹雪の晩に洞窟ホテルを訪れた旅行者が、チャトラパトラを探しているとカヤは知ります。「大きい人には見えない」とチャトラパトラは言いますが…。
トルコのカッパドキア地方を知っていますか。無数の奇岩がそびえ立つ不思議な景観と、岩をくり抜いて作られた住居や教会などの岩窟群、さらには壮大な地下都市があることで有名な世界遺産で、熱気球の遊覧飛行や洞窟ホテルが人気の観光地です。観光シーズンは夏。冬は雪に覆われ何日も外に出られないこともあります。でも、雪化粧をした奇岩の風景や、暖かい洞窟ホテルでおいしいトルコ料理を食べてゆったり過ごすのは、冬にしか味わえません。そんな冬のカッパドキアへ旅した気分になれる、少し不思議なお話です。
 

 

児童書おすすめ(1月30日)



書名 しょめい :『香菜とななつの秘密』 
著者  ちょしゃ :福田 隆浩/著     

出版社 しゅっぱんしゃ :講談社
--------------------------------------------------------------------

 みなさんは学校にある掲示板を見ていますか?校内にどんな植物があるか、知っていますか? 主人公の香菜は観察が得意。よく観察すると、いつだって新しい発見があり、ささやかな秘密がひそんでいるのです。 五年二組に転校生してきた広瀬くんにも、どうやら秘密があるようです。そんな広瀬くんの様子をうかがう香菜でしたが、読み聞かせ絵本を選ぶアドバイスをしたことがきっかけで、ふたりは話をするようになりました。香菜は話すことが苦手ですが、不思議なことに広瀬くんは、うまく伝えられないこともわかってくれるのです。広瀬くんと一緒に行方不明になった男の子を探したり、暗号の謎を解いたりすることで、香菜は考えるだけでなく、行動するようになります。そして、自分の考えを、みんなに伝えることができたのです。 謎解きだけでなく、観察すること、意見に耳を傾けること、伝えることについて考えながら読むと、あらたな発見があるかもしれませんよ。

 

児童書おすすめ(1月23日)




書名 しょめい
:『星屑すぴりっと』 
著者  ちょしゃ :林 けんじろう/文     


出版社 しゅっぱんしゃ
:講談社
--------------------------------------------------------------------

 「映画が、みたい、のう」  イルキには、十歳以上も年の離れたいとこのせいちゃんがいます。せいちゃんは大学生の時に難病を患い、杖を使って歩くことさえも困難でした。イルキは、そんなせいちゃんのために、せいちゃんが観たかった映画を同級生のハジメと一緒に観に行きます。 映画が上映される場所は京都。中学生ふたりで急に旅行なんてできっこないと思っているイルキと、まずは検証だと言って旅行に行くことができると迷いがないハジメ。このように、正反対な考えを持っているふたりだからこそぶつかり合いがあり、笑いがあり、次へ次へとふたりの会話に引き込まれます。 ハジメにもこの旅に行く目的が秘かにありました。独特な大阪の方言で話すハジメにも注目してみてください。
「映画が、みたい、のう」 せいちゃんが観たかった映画をふたりは観ることができたのか。せいちゃんが、こぼしたこの言葉に込められた想いを想像しながらぜひ読んでみてください。


児童書おすすめ(1月16日)




書名 しょめい
:『絵で見て楽しい! はじめての落語』 
著者  ちょしゃ :三遊亭楽松/監修 櫻庭由紀子/著    


--------------------------------------------------------------------

 皆さんは「落語」を知っていますか? 日本の伝統芸能…そう聞くと、なんだか難しい感じがしますよね。でも、そんなことはないんですよ。今回紹介する本は、落語ってなに? という疑問に答えた解説書です。落語の歴史や小道具の名前だけでなく、落語の舞台裏や落語家になる方法まで解説されていて、落語を楽しむための知識がたくさん載っています。読み終わる頃には、「難しそう」なイメージが「面白そう!」に変わっているはずです。この本の中に、「落語家のきもち」というページがあります。落語家さんたちはみんな、「生で落語を聞いてほしい!」と思っているそうです。落語を聞くときは、お客さんたちの反応や場の雰囲気も大事なんだそう。落語に興味が出てきたら、公演や寄席にぜひ行ってみてください。近々公演がなさそうなら、佐賀県立図書館には落語のCDが所蔵されているので、よければそちらも借りてみてくださいね。

 

児童書おすすめ(1月9日)




書名 しょめい
:『ふたりは世界一!』 
著者  ちょしゃ :アンドレス・バルバ/作 宇野 和美/訳
   おくやま ゆか/絵     


出版社 しゅっぱんしゃ
:偕成社
--------------------------------------------------------------------------------------------

 小さい男の子フワニートと、大きい女の子ベロニカは、新記録を作ることが大好き。山もりのスパゲッティの早食い記録や、片目をふさいで運動場を一周する記録など、おもしろい新記録をたくさん持っています。自信にあふれているふたりは、世界記録をだれよりもたくさん持っている世界記録男の記録に挑戦することにしました。世界記録男は、世界記録を更新し続けなければならないのろいにかかっていて、やぶれない記録をうちたてられたときに、のろいがとけるというのです。ふたりは、記録をうちたてて、世界記録男を救うことができるでしょうか。 いろいろな記録に挑戦し、なんども世界記録男に記録をぬりかえられても諦めないふたりからは、挑戦する元気をもらえます。あなたも今年はふたりのように、新記録に挑戦してみませんか。




児童書おすすめ(12月26日)



書名 しょめい
:『りりかさんのぬいぐるみ診療所 空色のルリエル』 
著者  ちょしゃ :かんの ゆうこ/作
   北見 葉胡/絵     


出版社 しゅっぱんしゃ
:講談社
--------------------------------------------------------------------

 りりかさんはぬいぐるみのお医者さんです。診療所は、一番近い町からでも一時間以上かかる、周囲を季節の花々や植物に囲まれた美しい高原にあります。りりかさんは、ぬいぐるみと持ち主がいつまでも幸せに暮らしていけるようにと、願いを込めて丁寧に治療を行います。まず持ち主からじっくり話を聞き、ぬいぐるみに話しかけながら適切な治療を行います。すると、どんなにぼろぼろのぬいぐるみでも、まるで生まれ変わったように生き生きとした姿になるのです。しかし、りりかさんには誰も知らない特別な秘密があってー。 ぬいぐるみだけではなく持ち主の心までも癒す、りりかさんの優しさがつまった一冊です。ぬいぐるみの治療を通して、持ち主たちが自分自身と向き合い、少しずつ成長していく姿にも胸を打たれます。 さあ、今日も診療所に患者さんがやってきたようです。お気に入りのぬいぐるみと一緒にページをめくってみましょう。




児童書おすすめ(12月19日)



書名 しょめい
:『ネズの木通りのがらくたさわぎ』 
著者  ちょしゃ :リリアン・ムーア/作
   アーノルド・ローベル/絵 山下 明生/訳      


出版社 しゅっぱんしゃ
:大月書店
--------------------------------------------------------------------

 おたくに、がらくたはありませんか?家の中をさがしてみましょう。いまこそ、きれいにするときです!ある朝、新聞にこんな記事が載っていました。「ちょっと、これを見てごらん!」この記事はあっという間にネズの木通りの住民に広がり、がらくたいっそう大そうじの日が始まりました。古いイス、古いおもちゃ、古い本、たちまち、どの家の前にもがらくたの山が出来ました。よく見ると、よその家のがらくたの中には欲しかったものがいろいろあります。「おやまあ、うちで欲しかったものとぴったりだ」それはちょうどよかった「もってってよ」。人にあげたりもらったり、夕方にはがらくたの山はすっかりなくなりました。自分にはいらないものでも、他の誰かの役に立つものがあるかもしれません。あなたの家にもがらくたはありませんか?短いお話が7つ入っています。寝る前のちょっとした時間に、1日1話いかがですか。

 

児童書おすすめ(12月12日)



書名 しょめい
:『世界を変えた15のたべもの』 
著者  ちょしゃ :テレサ・べネイテス/文
    フラビア・ソリーリャ/絵      


出版社 しゅっぱんしゃ
:大月書店
--------------------------------------------------------------------

 トマト、バナナ、ジャガイモ、コーヒー・・・。私たちの身近にある食べ物は、それぞれ長い歴史を持っています。バナナは、数千年も前から栽培されていたといいます。今では世界各地の人々が手に取っていますが、ヨーロッパに広まったのは19世紀の後半にもなります。バナナは傷みやすいため、運ぶのに時間をかけられず、長く冷蔵する技術が必要でした。そのため、他の大陸へ運び、その土地で育てられる状況を作るまでには、長い年月がかかりました。インドには60種類以上のバナナがあり、私たちが知っているのはごく一部です。土地によって呼び名が違い、スペインでは、「バナナ」は火を通して食べるものを指します。生で食べるバナナは「プラタノ」という別の呼び名があります。なじみのある食べ物も、世界中の人々の手に届くようになるまでに、様々な歴史があります。今回紹介したお話はほんの一部です。新たな発見や驚きを楽しみながら読んでみてください。

 

児童書おすすめ(12月5日)




書名 しょめい
:『ぼくはレモネードやさん』             

    著者     ちょしゃ :えいしま しろう/文・絵      


出版社 しゅっぱんしゃ
:生活の医療
--------------------------------------------------------------------

 レモネードはレモンと砂糖を混ぜたすっぱくて甘い飲み物です。この本は小学6年生がかいた絵本です。ぼくは3才のころ小児がんになり、治療のため4か月病院にいたので、家に帰れない日が続きました。そして頭に放射線をあてる治療をしたので、成長ホルモンが出なくなりました。そこで1週間のうち6日成長ホルモンの注射を打っています。そんなぼくの目標は300歳まで生きること。そして小児がんという病気を知ってもらうために、「みんなのレモネードの会」を家族と立ち上げ、会長となりました。ぼくは小児がんのすべてが治るようになるといいな、みんなが元気になるといいなと思いながら、レモネードスタンドを開いています。レモネードスタンドを応援してみませんか。

 

児童書おすすめ(11月28日)




書名 しょめい
:『惑星のきほん』             

 著者  ちょしゃ :室井 恭子・水谷 有/著        


出版社 しゅっぱんしゃ
:誠文堂新光社
--------------------------------------------------------------------

 私たちの暮らす地球は太陽系の『惑星』という種類の星です。太陽の周りを回る惑星は他にも火星や金星などがあります。 惑星にはそれぞれ特徴があり、この本ではそんな惑星の特徴を写真やイラストを交えて、やさしく解説しています。たとえば、太陽に一番近い水星は1日がとても長く、地球での176日が水星での1日になります。木星に見える模様のようなものはとても大きな嵐です。大きさは地球がすっぽり入るくらいで、300年以上も続いています。 このように地球ではありえない環境やびっくりするような自然現象が、他の惑星にもまだまだたくさんあります。また、なぜ地球にだけ生命が存在しているのか、火星人はいるのかなどの疑問にも答えてくれます。宇宙には数えきれないほどたくさんの星がありますが、まずはこの本で身近な惑星について知ってみませんか?きっと宇宙や星についてもっと知りたくなるはずです。

 

児童書おすすめ(11月21日)




書名 しょめい
:『小学生博士の神社図鑑』             

 著者  ちょしゃ :佐々木 秀斗/著        


出版社 しゅっぱんしゃ
:桜の花出版
--------------------------------------------------------------------

 みなさんは「古事記」を知っていますか? 古事記は、日本の神さまの話がたくさん書いてある、とても古い本です。日本の神社は、主にこの古事記に出てくる様々な神さまをお祀りしています。 そんな古事記と神社に夢中になった小学生博士・佐々木秀斗くんの自由研究が本になりました。 日本にはどんな神さまがいるのか、どんな神社があるのか、神社とお寺の違いはなんなのか…日本の神さまと神社にまつわる様々な話が、秀斗くんのシンプルな説明とたくさんのイラスト、写真で分かりやすくまとめられています。また、日本の神さまと神社を知ることで、日本の文化、歴史、昔からの考え方にふれることができます。この本では、それまで知らなかった日本の姿も知ることができますよ。分かりやすく、大人が読んでもためになる内容となっているので、親子などで一緒に読んでも楽しめるはず。大人も子どもも、読み始めたら止まらなくなってしまう一冊です。

 

児童書おすすめ(11月14日)




書名 しょめい
:『ディズニーのそうじの神様が教えてくれたこと』             

 著者  ちょしゃ :鎌田 洋/著        


出版社 しゅっぱんしゃ
:SBクリエイティブ
--------------------------------------------------------------------

 みなさんは、ディズニーランドに行ったことがありますか?行ったことがない人でも、一度は行ってみたいと思うのではないでしょうか。なぜ、私たちはディズニーランドに心惹かれるのでしょうか?その秘密を知っているのが、ディズニーの「そうじの神様」です。この本は、ディズニーランドを舞台にカストーディアル・キャスト(清掃員)たちによって繰り広げられる4つの物語で構成されています。そして、この4つの物語すべてに影響を与えているのが、ディズニーの世界で「そうじの神様」と呼ばれているチャック・ボヤージン氏の教えです。物語を通して、ディズニーランドの秘密がわかり、仕事で人を幸せにするヒントを教えてくれますどんな仕事でも、大変でいいことばかりではありません。しかし、やりがいを感じて楽しいと思えることもたくさんあります。働くことの本当の意味を考えさせられる一冊です。

 

児童書おすすめ(11月7日)




書名 しょめい
:『しっぽがない! コアラとヒトのしっぽのなぞ』             

 著者  ちょしゃ :犬塚 則久/文  大島 裕子/画       


出版社 しゅっぱんしゃ
:福音館書店
--------------------------------------------------------------------

 りくのうえ学校で、今日も授業が始まりました。「この教室の生徒には、ひとつ大きな共通点があります。それは何だと思いますか?」いぬやま先生の質問に、みんなと自分を見くらべて一生懸命考える生徒たち。先生は、みんなの共通点は「骨があること」で、骨のある動物(脊椎動物)には、「しっぽがある」「手足が4本ある」「赤い血が流れている」という3つの特徴があることを教えてくれました。ところが、コアラのふくろいくんとヒトのあだちさんには、しっぽがありません。骨のある動物なのにどうしてなのでしょうか?この本は、「世界にあふれる“ふしぎ”を子どもたちが自らが感じ、考え、理解していけるように」との思いが込められた「たくさんのふしぎ」というシリーズの1冊です。みなさんも、りくのうえ学校のみんなと一緒に、しっぽのふしぎを探してみませんか。たくさんのふしぎを知れば、世界の見え方が変わるかもしれません。

 

児童書おすすめ(10月31日)




書名 しょめい
:『ごはん食べにおいでよ』             

 著者  ちょしゃ :小手鞠 るい/作  satsuki/画       


出版社 しゅっぱんしゃ
:講談社
--------------------------------------------------------------------

 ベイカリーカフェ「りんごの木」。オーナー・森崎雪の中学三年生の頃の話がこの本のメインです。ある日の夕方、自宅マンションに帰ると、同じ階に住む小学生が家に入らずに廊下の床に座りこんで膝をかかえていました。声をかければ鍵をなくしたといいます。さらに悪いことに夜9時まで家族は帰ってこないと。「よかったら、これからぼくんちに、ごはん食べにおいでよ。」曜日ごとのショートストーリー仕立ての一冊は、いろいろな人間模様を料理とともに堪能できます。
 実はいま全国の図書館では「りんごの棚」というのが広がりつつあります。誰もが読書を楽しめるようにバリアフリー対策をとられた本が集められたコーナー。文字が大きかったり、点字が付いていたり、わかりやすい言葉で書かれていたり。 
 気軽に立ち寄りたくなる場所、りんごの木とりんごの棚。なんだか縁を感じる一冊でした。

 

児童書おすすめ(10月24日)




書名 しょめい
:『こどもモヤモヤ解決BOOK』             

 著者  ちょしゃ :熱海 康太/著         


出版社  しゅっぱんしゃ
:えほんの杜
--------------------------------------------------------------------

 「学校に行きたくないよ」「なんで勉強しなくちゃいけないの?」「言いたいことが上手に言えない」「SNSやゲームがやめられない」など、モヤモヤする悩みを一人で抱えていませんか?親に言いたくない、誰にも相談できない、でも自分一人ではどうしたらいいかわからない。そんな時に助けてくれるのがこの本。1つの悩みに対して3つの解決策が提案されているので、自分にあった解決方法が選べます。1つだけでもいいし、3つ全部やってみてもいい。解決策をヒントに自分で考えてもいいのです。一人一人性格や環境も違うから正しい答えというのはありません。解決の糸口となるものを見つけて自分にあった方法を実践してみてください。悩んで心や身体が疲れた時には、各ページについているもふもふした動物のかわいい写真を見て癒される、という使い方もおすすめです。 
 みんなの悩みがスッキリ解決する手助けとなりますように!

    

 

児童書おすすめ(10月17日)




書名 しょめい
:『虹いろ図書館のへびおとこ』             

 著者  ちょしゃ :櫻井とりお/文          


出版社  しゅっぱんしゃ
:河出書房新社
--------------------------------------------------------------------

 家庭の事情で転校したほのかは小さなことからいじめにあい学校に行けなくなりました。町をさまよっていたら、ある建物を見つけドキドキしながら入ると…。そこは図書館でした。平日に子どもだけでも特に何も言われません。次第に図書館の人や同じく不登校の男の子と交流するようになり、ほのかは自分の居場所を見つけました。 ところがある日、図書館見学のため担任の先生がクラスメイトを連れてくることが分かり…。   図書館には多くの人がやってきます。中には事情を抱えた人も。ほのかは様々な人を見て、関わっていくうちに多様な価値観を知り成長していきます。                    この本にはたくさんの児童書が紹介されています。それを読むとさらに自身の世界が広がりますよ。さて、先生とクラスメイトがやって来て、ほのかがどうなったかと言うと…。図書館は利用者の秘密を守ります。

 

児童書おすすめ(10月3日)




書名 しょめい
:『だれもしらない小さな家』             

 著者  ちょしゃ :エリナー・クライマー/作 小宮 由/訳            佐竹 美保/絵


出版社  しゅっぱんしゃ
:大日本図書
--------------------------------------------------------------------

 自分だけのお気に入りの場所があるって、素敵ですよね。みなさんは、どんな場所を思いうかべますか?
 このお話は、大きなマンションにはさまれた、小さな家の物語です。誰も住んでいないその家は、ずっと埃をかぶっています。いろんな人が家を見に来ますが、結局誰も住むことはありませんでした。
 小さい家をよくのぞいていたアリスとジェーンは、ある日、ドアに鍵がかかっていないことに気が付きました。
 おそるおそる中に入った二人は、家のなかでおうちごっこを始めます。途中で近所に住むオブライアンさんも加わり、三人でクッキー屋さんをしていると、そこに大屋さんが怒鳴りこんで来て…。
 とってお

児童書おすすめ(9月26日)



書名 しょめい
:『ナージャの5つのがっこう』             

著者  ちょしゃ : キリーロバ・ナージャ/ぶん 市原 淳/え 


出版社  しゅっぱんしゃ
:大日本図書
--------------------------------------------------------------------

 ロシア生まれのナージャは、小学1年生の女の子。両親の転勤をきっかけにイギリス、フランス、アメリカ、日本。5つの学校に通うことになります。
 環境が変わるとガラリと変わるものは?」答えは「ふつう」だと大人になったナージャは言います。授業で使うノートや筆記用具、教室の机やいすの並び、お昼ごはんの食べ方など「なんでこんなに違うの?」と驚くことばかり。転校するたびに、今まで「ふつう」だと思っていたことが通用しなくなってしまうのです。不思議だらけの学校生活の中で、ナージャは世の中にはいろんな「ふつう」があって、いい、悪いじゃなく「違い」があるだけなのだと発見します。
 皆さんは「多様性」という言葉を聞いたことがありますか。自分の「ふつう」が他の人にとっての「ふつう」ではないと知ることが、多様性を知る第一歩です。一人で、親子で、そしてお友達と一緒に。この本を読めば、多様に広がる世界の扉が開くかもしれません。

 

児童書おすすめ(9月17日)




書名 しょめい
:『三つ編み』             

著者  ちょしゃ : レティシア・コロンバニ/作 クレマンス・ボレ/絵 


出版社  しゅっぱんしゃ
:アンドエト
--------------------------------------------------------------------

 巷ではインド映画が流行っています。私が観た作品は、善と悪との闘いや差別が描かれており、最後には悪者は滅び、善良な市民は平和を取り戻す話でした。
 映画の余韻も覚めやらぬ日、児童室で目が合った本、それが『三つ編み』です。インドにおけるカースト制度の中で、身分による差別と闘う母と娘の長い旅の物語。子どもが学校に行く。大人が就きたい仕事に就く。それがいかに困難なことか。命をつなぐにはどうしたらいいか?二人は神への祈りを礎にした勇気ある行動で、差別を乗り越えていきます。 
 彼女が捧げた三つ編みは「かつら」として誰かを笑顔にすることでしょう。本を開くと飛び込むピンクのペイズリーは、母スミタの服の柄。それは生命の樹を意味しており、母の強い思いが重なります。       

 

児童書おすすめ(9月12日)



書名 しょめい
:『お米ができるまで』             

著者  ちょしゃ : 岩貞 るみこ/作 武田 美穂/絵


出版社  しゅっぱんしゃ
:講談社
--------------------------------------------------------------------

 「米」という漢字は、米作りに88(八十八)もの手間がかかることからこの漢字になったと言われています。……という話を授業などで聞いたことはありませんか?88もやらないといけないことがあるなんて、考えるだけでとても大変そうですが、お米作りって一体どんなことをするのでしょう。 
 この本は、新潟県の山の中にある田んぼでお米を作っている農家さんの1年間に密着した物語です。お米作りのスタートは、田植えではなく苗を育てる場所を作るところから始まります。先が読めない自然を相手に行われる米作りは、想像よりもはるかに大変なものでした。
 9月は立派に育ったお米を収穫する稲刈りの時期です。普段何気なく食べているお米も、農家さんの大変さやお米への愛情を知ると、なんだかとてもありがたいものに感じます。

 

児童書おすすめ(9月5日)



書名 しょめい
:『おとなと子どものための聖書物語』             

著者  ちょしゃ : セリナ・ヘイスティングス/文、

エリック・トーマス/絵、加藤常昭/監修                                                                   


出版社  しゅっぱんしゃ
:フレーベル館
--------------------------------------------------------------------

 皆さんは聖書を知っていますか? お正月には神社に行って、結婚式はチャペルで挙げて、お墓はお寺にある・・・、なんて人も多い日本では、聖書はキリスト教の本だと思っている人が多いかもしれません(自分はそうでした)が、実は違ってユダヤ教やイスラム教でも聖書を大切にしています。聖書は紀元前1,450年頃(およそ3,500年前)から1,000年以上もの間に、さまざまな人々によって書かれたたくさんの本をひとつにまとめたもので、その内容は歴史や詩、預言(神様のお告げ)などいろいろなことが書かれています。堅苦しく思われがちですが、意外とドラマチックに書かれていて、実は結構面白いんです。1,900以上の言語に翻訳され、世界一のベストセラーとしてギネスブックにも載っている聖書。ぜひ、この本を読んで単なる宗教の本ではない聖書の世界に触れてみてください。

 

児童書おすすめ(8月29日)





書名
しょめい
:『ヨルとよる』             

 著者 ちょしゃ: あさの ますみ/作 よしむら めぐ/絵


出版社
 しゅっぱんしゃ
:株式会社教育画劇
--------------------------------------------------------------------

 ヨルは、ミリちゃんのおうちで暮らしている黒猫です。家の外に出たことがないヨルがある日出会ったのは、家の中で暮らしたことがない町のネズミ。ネズミは「よるって、まぶしくて、にぎやかで、おいしいもんだよ」とヨルに教えてくれます。「よるって、まっくらで、しずかで、ねむるものでしょ?」そう思っていたヨルを、ネズミは夜の町へ連れ出します。部屋の窓から見える小さな夜空しか知らなかったヨルは、初めて外の世界を知ることになるのです。 この絵本は、初めて外に出た猫のヨルの目線で夜の町が描かれています。暗い路地、大きな金色のお月様、にぎやかなレストラン。夜の町の冒険はとてもワクワクしてきます。夜がどう見えているのかはひとそれぞれ。あなたの思い浮かべる夜はどんなイメージですか?静か、それともにぎやか?この絵本を読んだ後は、いつもの夜も、少し違って見えるかもしれませんよ。

児童書おすすめ(8月22日)




書名しょめい:『一人で思う、二人語る、みんなで考える』             

著者ちょしゃ: 追手門学院大学 成熟社会研究所/編


出版社
 しゅっぱんしゃ
:岩波書店
--------------------------------------------------------------------

 「アクティブ・ラーニング」は、社会に出て実際に使える力を付ける授業です。話をするときに「相手が理解しやすいように伝えること」は、日常の様々な場面で使えます。これからの社会を自分の意思で生きていくためには、自分で考え・人と話して・考えを深める経験が役に立ちます。 「アクティブ・ラーニング」で大事なのは、チームで取り組むプロセスです。知恵を出し合えば大きな力になります。人と語り合うことで、自分では気づかない・考えもしなかったことに出会う楽しさを知ることができます。「ハテナ?」を調べて情報を収集し、共に学びあうことで、アイデアが生まれ気づきを得られます。グループワークは共同作業。思うようにいかないときは、メンバーの長所を発見して組み合わせていく必要も出てきます。 一人ではできないことも、みんなの力を持ち寄れば上手くいく確率があがり、楽しい時間が過ごせます。一生使える「学び続ける力」を手に入れてください。

児童書おすすめ(8月15日)




書名しょめい:『盆まねき』             

著者ちょしゃ: 富安 陽子/作 高橋 和枝/絵


出版社
 しゅっぱんしゃ
:偕成社
--------------------------------------------------------------------

 地域によりますが、一般的に8月13日から8月16日の4日間はお盆といって、ご先祖様の霊が帰ってくる期間だといわれています。これは、お盆が特別に感じられるお話です。 主人公のなっちゃんは、お盆におじいちゃんとおばあちゃんの家に行くのを楽しみにしています。なぜなら、おじいちゃんたちは本当かホラかわからない楽しいお話をしてくれるからです。なっちゃんは、おじいちゃんたちの楽しいお話とともに、田舎の夏休みを満喫します。そして、8月15日の盆踊りの夜には、なっちゃん自身が不思議な体験をするのです。天才ナメクジ、幻想的な田んぼ、かっぱのふしぎ玉と、不思議で楽しい話になっちゃんと一緒にひきこまれます。最後のお話には作者の願いが込められているので、ぜひ最後までお話を読んでみてください。

児童書おすすめ(8月8日)


書名しょめい :こどもが探せる川原や海辺のきれいな石の図鑑
著者  ちょしゃ: 柴山 元彦 井上 ミノル
創元社

-------------------------------------------------------------------------
 川や海にはたくさんの石があります。大きかったり、小さかったり、丸かったり、角ばっていたり、赤かったり、青かったり、つるつるしていたり、きらきらしていたり…。実は、それらの石にはほとんどすべてに名前がついているのです。この本では、「石」と「岩」の違いや石のでき方などの石の基本的なことから、身近な川や海で見つけることができる石の名前とその種類、そしてその探し方を、写真やマンガをとおして分かりやすく知ることができます。この本を読めば読むほど石に親しみと興味がわいてくると思います。また、この本の最後には、持ち帰った石の整理の仕方や自分だけの石図鑑の作り方がのっているので、夏の調べ物・研究にもぴったりです。 この本を持って、きれいな石を探すために川や海へ行く。こんな一日もまた、いつもとちがった楽しさがあって良いかもしれません。川や海の新たな楽しみ方を教えてくれる一冊です。

児童書おすすめ(8月1日)


 







   しょめい
  書    名:13歳からの地政学    
   ちょしゃ
  著 者:山本 孝幸
  東洋経済新報社                

-------------------------------------------------------------------------

 皆さんは最近地球儀を見ましたか。私は小さい時見た記憶があります。この本の主人公は高校一年生と中学一年生の兄妹です。近所のアンティークショップで見つけた地球儀をきっかけに、その風貌からカイゾクと呼ばれる男性と知り合い、地政学(地理に注目して国の戦略や国同士の関係などを分析する学問)について、レッスンを受けることになるところから話が始まります。カイゾクさんはレッスンの中で、大国になれるかどうかは地理的条件に左右されることや、政治家にだまされないようにするためには、謙虚に周りのことを知る姿勢が必要であることなど、教科書やテレビでは出てこないことを話してくれます。筆者は国際政治記者として20年以上のキャリアを積み、世界40か国以上で幅広く取材された方です。この本を読んでから改めて地球儀を眺めたら、なるほどと思うはずです。

児童書おすすめ(7月25日)




書名しょめい :どうぶつのわかっていること・
    わかっていないこと

                        
      京都大学野生動物研究センター/監修

        小学館集英社プロダクション



----------------------------------------------------------
---------------
 本やインターネットの情報には、たくさんの「わかっていること」が載っています。みなさんも調べものをする時、身近な道具を使って疑問を解決していると思います。 では「わかっていないこと」はどうしたら知ることができるでしょうか。この本の中にも、動物たちの「わかっていないこと」がたくさん出てきます。 キリンはなぜ声を出さないのか。ゾウの鼻はなぜ犬の何百倍も嗅覚が優れているのか。ユキヒョウはなぜ世界で一番高い所に住んでいるのか。チンパンジーとボノボ、見た目はそっくりなのに性格が全然違っているのはなぜか。 答えのないなぜ?を知る一歩は、仮説を立てて検証することから。もしかしたら…とあれこれ想像をふくらませながら、自由に楽しく読み進めてみて下さい。

児童書おすすめ(7月18日)




書名しょめい :『シリアからきたバレリーナ』                         著者  ちょしゃ: キャサリン・ブルートン/作 尾﨑愛子/訳平澤朋子/絵
     偕成社



----------------------------------------------------------
---------------
 2021年末時点、世界の難民の数は8,930万人、そのうちシリア難民は680万人。シリアは世界で最も多くの難民を出した国です。(UNHCR:国連難民高等弁務官事務所ホームページより)内戦で住めなくなったシリアを脱出した少女アーヤは、イギリスで難民認定を待っている時にバレエ教室を見つけます。アレッポで暮らしていた頃、バレエが大好きだったアーヤは、そこでの出会いから新しい生活を築いていきます。2021年末時点、世界の難民の数は8,930万人、そのうちシリア難民は680万人。シリアは世界で最も多くの難民を出した国です。(UNHCR:国連難民高等弁務官事務所ホームページより)内戦で住めなくなったシリアを脱出した少女アーヤは、イギリスで難民認定を待っている時にバレエ教室を見つけます。アレッポで暮らしていた頃、バレエが大好きだったアーヤは、そこでの出会いから新しい生活を築いていきます。

児童書おすすめ(7月11日)




書名しょめい :『考えると楽しい地図』                       
著者  ちょしゃ: 今和泉 隆行/著 梅澤 真一/監修

       くもん出版      
---------------------------------------------------------------------------
 人々の生活に役立つ「地図」。はじめて正確な地図が作られたのは約200年前、江戸時代のことです。商人だった伊能忠敬の調査隊が実際に日本じゅうを歩いて旅しながら測量し、地図を作りました。最近では地図のデジタル化が進み、Webマップやアプリを使ってスマホなどでいつでもどこでも見ることができます。地図はとても自由な読み物で、どこから読んでも構いません。歴史や産業、観光、防災、まちづくりまで、地図を読みとくと様々な情報が分かります。みなさんは、「決めておいた道順通りにやって来たのに、待ち合わせの場所でお友達と出会えなかった…」という経験はありませんか?この本には、そんな身近な疑問がクイズ形式で紹介されています。本からの学びを実体験と結びづけて考えることができるようになると、あなたの生きた知識となります。ぜひ、今年の夏は、地図をもって遊びに出かけてみましょう。

児童書おすすめ(7月4日)




書名しょめい :『もっと調べる世界と日本のつながり-2- 
    ~アメリカ~』
                         著者  ちょしゃ: 井田 仁康/監修

             岩崎書店
---------------------------------------------------------------------------
 今日は令和5年7月4日。日本では七夕まであと3日となりました。一方アメリカでは、連邦政府が定めた祝日「独立記念日」です。今から247年前の1776年7月4日にアメリカ独立宣言が採択され、翌年アメリカの国旗「星条旗」ができました。年代的に日本では江戸時代ごろの出来事です。各地で花火が打ち上げられたり、イベントが開かれたり、家族や友人とピクニックやバーべキューをしたり!アメリカではとても盛り上がる祝日の一つのようです。祝祭ひとつをとっても、宗教や民族によってそれぞれです。同じように暮らしや文化、考え方も多様なかたちがあります。さまざまに人やもの、情報が行き交う世の中で、世界と日本のつながりに目を向けてみてはいかがでしょうか。自分と異なる環境を覗いてみることで、新しい発見や自分自身との向き合い方も変わるかもしれません。 

児童書おすすめ(6月27日)




書名しょめい :『ロンドン・アイの謎』                          著者  ちょしゃ: シヴォーン・ダウド/著
 シヴォーン・ダウド/著 越前 敏弥/訳 東京創元社紹介者
 
---------------------------------------------------------------------------
 「ロンドン・アイ」とは、大観覧車のこと。この本は、そこで起こった事件を12歳の少年テッドが解明する物語です。テッドの家に泊まりに来たグロリアおばさんと息子のサリム。パパはおばさんのことをハリケーンと表現します。どういう意味か、質問しても答えは得られません。テッドの話は、いつもさえぎられてしまうのです。しかし、サリムは話を聞いてくれました。そんなサリムの希望で、ロンドン・アイに出かけることになります。姉のカットと3人で行列に並んでいると、見知らぬ男がチケットを1枚ゆずってくれました。乗ったことがないサリムにチケットを渡し、テッドとカットは地上で待つことにします。しかし、一周した観覧車にサリムの姿はありません。サリムはどこへ行ってしまったのでしょうか。謎を解く手がかりは、物語の中にあります。ほかの人と違うこと、親と子の考え方、家族や友人の気持ち、視点を変えると、いろいろなことが見えてきますよ。

児童書おすすめ(6月20日)

書名しょめい :『古典がおいしい!平安時代のスイーツ』                        著者  ちょしゃ:  前川 佳代/著 宍戸 香美/著

かもがわ出版
 

---------------------------------------------------------------------------- 

平安時代の天皇や貴族はどんなお菓子を食べていたのでしょうか。
たとえば夏にお馴染みのかき氷。
約千年前は「削(けず)り氷(ひ)」といい、清少納言の『枕草子』
では「あてなるもの(高貴で上品なもの)」の一つとして紹介さ
れています。
冬に作った氷を氷室(ひむろ)に保管し、夏に氷をだすのには天皇
の命令が必要でした。削った氷には、樹液を煮つめた「甘(あま)
葛(づら)煎(せん)」というシロップをかけます。
これも一日がかりで100㏄ほどしかとれない希少なものでした。
平安時代のお菓子って食べてみたいけれど作るのが大変そう……
そう思ったあなた、心配ありません。
この本では今あるもので作りやすいようにアレンジした「古代
スイーツ」のレシピが、古典作品とともに紹介されています。
奥深い歴史がつまったお菓子はどんな味がするのでしょう。
古代スイーツを作って味わいながら、千年前の世界に思いを馳(は)
せてみませんか。

児童書おすすめ(6月13日)




書名しょめい :『クマのプー 世界一のクマのお話』                          著者  ちょしゃ: A.A.ミルン/原案 森 絵都/訳 


 
KADOKAWA紹介者

----------------------------------------------------------------------------  
 物語の主人公は、100エーカーの森で暮らすクマのぬいぐるみ、ウィニー・ザ・プー。そう。みなさんご存知、クマのプーさんです。 この本は、プーが暮らす森の1年間の様子を描いた物語。優しくて、想像力が豊かで、ちょっぴりまぬけなプーの周りには、いつもゆかいな仲間たちがいます。 プーの仲間、ロバのイーヨーの大好物を狙う“べつのロバ”を探しに出る春。ナイル川の“ソース”を目指して(その“ソース”を食べられると思って)旅に出る夏。火を吹くドラゴンが現れると聞いて、みんなであたふたする秋。一面を雪で覆われた森に突然現れたペンギンとの交流を描いた冬。 プーと個性豊かな仲間たちの愛らしさとユーモアにあふれる温かい日常は、きっと読む人みんなの心を癒してくれます。ホッと一息つきたいときにオススメの1冊です。

児童書おすすめ(6月6日)




書名しょめい:『方言ずかん』                          

著者ちょしゃ: 篠崎 晃一/監修 本作り空Sola/編 山田 タクヒロ/絵


出版社
 しゅっぱんしゃ
:ほるぷ出版

----------------------------------------------------------------------------  
方言ってなんでしょう。方言はお年寄りが使う古くさい言葉だと思っていませんか。そんなことはありません。例えば、黒板にかいた文字や図形などを拭いて消す道具を「ラーフル」というところもあります。「ラーフルで消して」と言われても何のことだか分かりませんよね。また、「三角座り」とは体育の授業で両ひざを抱えて座る姿勢のことです。このように学校で何気なく使っている身近な言葉の中にも方言はあります。 この本は3章構成ですが、第1章では特徴のある方言をゲームにした「学校で使うことばゲーム」が掲載されています。友達や家族と一緒に挑戦してみませんか。続く第2章は「方言で都道府県めぐり」、第3章は「歌のなかの方言」。このように方言について親しみやすく工夫されたカラー図鑑です。

児童書おすすめ(5月30日)




書名しょめい:『生きるための「正義」を考える本』                            

著者ちょしゃ: 押谷 由夫/監修


出版社
 しゅっぱんしゃ
:学研プラス 

----------------------------------------------------------

 「正義は、ときとして人を傷つける。」この本の監修者、武庫川女子大学教授の押谷由夫さんの言葉です。「正義」は国語辞典では「道徳・道理に合っていて正しいこと。人が行うべき正しい道」などと定義されています。みなさんに身近な学校や家庭から、会社や政治の世界に至るまで、社会のあちこちで様々な問題が起きたときに、道理に合った解決策として様々な意見が出ますが、どの意見もなるほどなと思う点があったり、いずれの立場を取っても苦しいことがあります。この本では、みなさんの学校生活で起こりそうな「係の決め方」から、「死刑制度の是非」まで、幅広いテーマのジレンマ(板挟みの状態)を扱っていて、解決策が一つだけではない問題への取り組み方を学ぶことができます。

児童書おすすめ(5月23日)




書名しょめい:『世界の市場』                              

著者ちょしゃ: マリヤ・バーハレワ/文 
    アンナ・デスニツカヤ/絵 
    訳/岡根谷実里


  出版社:
 しゅっぱんしゃ
河出書房新社紹介者
--------------------------------------------------------------------

毎日のお料理で使う野菜や肉や魚。あなたのお家ではどこで買いますか?今はスーパーやオンラインを使うことが多いですが、ほんの100~150年前までは、小さなお店が集まる「市場」で買い物をしていました。今でも世界中で市場が開かれ、さまざまなものが売られています。この本では12の国の市場を月ごとに紹介しています。1000年続いている市場もありますよ。それぞれの市場にどんな人がいて、どんなものが売られているのかじっくり見てみましょう。どのページを開いてもきっとめずらしいものが見つかるはずです。市場に行くときの持ち物や、買い物のときに知っておくと便利な言葉もわかりますよ。さがしものクイズのおまけもついています。読んでもながめても楽しい市場絵本です。

児童書おすすめ(5月16日)




書名しょめい:『ダッシュ』                              

著者ちょしゃ: 村上 しいこ/文


出版社
 しゅっぱんしゃ
:講談社紹介者 

--------------------------------------------------------------------

南沢中学校の陸上部では、3年生が引退する時に次のキャプテンを指名するのが決まりです。先輩から指名されたのは、足が速いわけでもなく、みんなをまとめるような人望があるわけでもない三雲真歩。なんで先輩が真歩をキャプテンに指名したのか、それは「真歩が成長しないと四百メートルリレーで全国大会へ行けないから。」という理由だそうです。キャプテンになるなんて考えてもいなかった真歩は「キャプテンって何したらいいですかあ?」と聞いてしまいます。先輩からの答えは「自分で考えろ、バカ!」でした。こうして先輩から受け取った「キャプテン」というバトンを後輩へ渡すまでの物語です。バトンを渡す側と受け取る側、お互いの気持ちを近づけないとバトンパスは上手くいきません。バトンをつなぐことの重みを感じてみてください。

児童書おすすめ(5月9日)





書名






しょめい
:『自由帳みせて!』                                    

著者ちょしゃ:すずき こうせい/文・イラスト

出版社
 しゅっぱんしゃ
:福音館書店

みなさんは自由帳を使っていますか。私が小学生の時は、休み時間になるたび、友人と一緒にイラストを描いていました。真っ白のページに何を描くか考える時、とてもワクワクしたことを今でも覚えています。線のない「自由帳」が生まれたのは1960年代。それから約60年経った今、私達にすっかりおなじみのノートとなっています。自分の自由帳は毎日見ることができるけれど、友人の自由帳をじっくり見る機会は中々ありません。この本では現役小学生から、かつて小学生だったみなさんの自由帳が紹介されています。イラストを描いたり、複雑な迷路を作ってみたり……自由帳の使い方は無限大!さあ、みなさんも自由帳を用意して、今の「自分」を思いっきり表現してみませんか。

児童書おすすめ(5月2日)




書名しょめい:『トーキングドラム』                              

著者ちょしゃ:佐藤 まどか/作 


出版社
 しゅっぱんしゃ
: PHP研究所紹介者
--------------------------------------------------------------------

  主人公の万希奈は、学校が終わると放課後子ども教室に通っています。正しいと思ったことははっきりと伝え、堂々としているように見える万希奈ですが、仲良くしていた友達とギクシャクしたり、家では家族が毎日のようにケンカしていたりと、自分の居場所が無いことに悩んでいました。 子ども教室に通う高学年生は、万希奈・タヌ・健太・愛ちゃんの4人。転校してきてクラスになじめない、実はこわがりで傷つきやすい…。4人それぞれが、悩みを抱えながら過ごしていました。ある時、健太の提案で、皆で楽器を作り、演奏する目標を立てます。時に意見がぶつかりますが、楽器作りを通してコミュニケーションを取り、お互いにそれまで気が付かなかった一面を知っていきます。どこか後ろ向きな気持ちで過ごしていた万希奈が、仲間たちと心を通わせていく様子に勇気をもらえます。登場人物たちの成長を見て、読んだ人の心がちょっぴり明るくなるようなお話です。

児童書おすすめ(4月25日)




書名しょめい:『俳句ステップ』                                      

著者ちょしゃ:おおぎやなぎ ちか/作 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:佼成出版社
--------------------------------------------------------------------

 主人公の七実はひっこみじあんな女の子。七実にはあるひみつがありました。それは、クラスメイトのおばあちゃん、薫子さんと俳句をつくっていること。
 ある日、七実のクラスに市の俳句大会で受賞した人がいることが発表されます。受賞したのは七実の句。しかし、その受賞者として発表されたのは優等生グループの早知恵さんで…?
 俳句とは、「季語」という季節を表す言葉が入った五七五のリズム、十七音という短い文で作られた世界で一番短い詩だといわれています。
 少ない言葉に思いをこめる俳句を作ることを通じて、七実は自分の気持ちを人に伝えることが出来ようになっていきます。
 物語の中で、『俳句は、感動したことや思ったことを、素直に出せばいいんだ。』と書かれています。みなさんも俳句をつくって自分の気持ちを素直に伝えてみませんか?

児童書おすすめ(4月18日)





書名しょめい:『父さんのゾウ』                                   

著者ちょしゃ:ピーター・カーナバス/作
美馬 しょうこ/訳


出版社
 しゅっぱんしゃ
:文研出版
--------------------------------------------------------------------

 主人公の女の子オリーブは自分だけに見えるゾウが悩みの種。
ゾウがいるとお父さんはいつもうわの空。
 オリーブが楽しみにしている自転車の修理も手につきません。
代わりにおじいちゃんが彼女のお世話をして、色んなことを教えてくれます。
 ある日、学校で『古くてすばらしいもの』を発表することになり、オリーブは自転車について発表したいと考えましたが、修理は一向に進みません。
 そこでオリーブは、親友とおじいちゃんにお父さんが長く悲しんでいること、オリーブにはそれがゾウに見えることをうちあけ、ゾウを追い払う計画を立てましたが…。
 人の気持ちや感じ方を変えるのは難しいことですよね。けれど、あなたの優しさや思いやりで、人が物事や出来事に対して抱く、気持ちや感じ方は変わっていくのかもしれません。そんな風に、登場人物の気持ちの変化が感じられるお話です。
 この本を通して、周りに悲しんでいる人がいたらどうするか考えてみてください。

児童書おすすめ(4月11日)




書名しょめい:『セパ!』                        

著者ちょしゃ:虹山 つるみ/作


出版社
 しゅっぱんしゃ
:ポプラ社
--------------------------------------------------------------------

 皆さんは「セパタクロー」を知っていますか?
セパタクローは東南アジアで人気のスポーツです。キックやヘディングで、相手コートに穴の開いた小さなボールを返し合います。ルールはバレーボールと似ていますが、サッカーのように腕や手を使うことは反則、バドミントンと同じ大きさのコートで主に3対3で試合を行う、少し日本では馴染みの薄いスポーツです。
 ひきこもりの中学生・翔(かける)は、優秀な兄への劣等感から、自分の殻に閉じこもっていました。そんな中、ひょんなことからセパタクローと出会い、仲間たちと過ごしていく中で彼は自分の殻を少しずつ打ち破っていきます。
 劣等感や、人との気持ちのやり取りにもどかしさを抱える翔の姿に、読んでいてつい自分の姿と重ねてしまう人も少なくないはず。そんな彼が、セパタクローを通して自分に打ち勝っていく終盤の熱い展開は、目が離せません。
 この春、何か新しいことを始めてみたいあなたに、おすすめの1冊です。

児童書おすすめ(4月4日)




書名しょめい:『にげてさがして』                         

著者ちょしゃ:ヨシタケ シンスケ/著


出版社
 しゅっぱんしゃ
:赤ちゃんとママ社
--------------------------------------------------------------------

 この世界には「足の速い人」「絵が上手に描ける人」などいろんな人がいます。人がたくさんいれば「想像力を使うのが苦手な人」もいます。
 想像が苦手だと、自分のしていることが、相手をどんな気持ちにするのか気付けません。だから、ひどいことを言ったり、したりします。そういう時は自分を守るために、その場から逃げる。逃げることは、はずかしいことでも、悪いことでもありません。自分を守るためだから。
 「やさしい人」もたくさんいます。あなたを「守ってくれる人」あなたのことを「分かってくれる人」あなたと一緒にいて「楽しいと思ってくれる人」は必ずいます。探していると出会うことができます。
 毎日過ごしているなかで、何かに「少し大変だな…と思っている人」に、ヒントになる本かもしれません。すてきな何か、すてきな誰かに出会えますように。

児童書おすすめ(3月26日)






書名しょめい: 『アリババの猫がきいている』             

著者ちょしゃ:新藤 悦子/作 佐竹 美保/絵 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:ポプラ社
--------------------------------------------------------------------

 ペルシャ猫のシャイフは、人と物の言葉が分かる特別な猫です。ある日、飼い主のアリババさんが海外出張に行くため、民芸品店を営む石塚さんに預けられることになりました。
 その晩、不思議な話し声を聞いたシャイフは、それが民芸品の声だと気づきます。物の言葉が分かるシャイフもおしゃべりに加わり、イランのタイルやアフガニスタンのグラス、ペルーの人形など世界中から集められた民芸品たちの身の上話を聞くことに。しだいに民芸品たちと心を通わせるようになったシャイフは、彼らの願いを叶えようと奔走するのですが…。
 あなたの回りにも世界を旅してきた民芸品はありませんか?民芸品が生まれた場所や時代に想いを馳せることで、世界はつながっているのだと感じることができます。
 民芸品を通して、物を大切にする心が育まれるとともに、国際理解が深まる一冊です。

児童書おすすめ(3月19日)





書名しょめい: 『のはらクラブのこどもたち』                       

著者ちょしゃ: たかどの ほうこ/作


出版社
 しゅっぱんしゃ
:理論社
--------------------------------------------------------------------

 野原の好きな“のはらおばさん”は、子どもたちを集めて、みんなで野原を歩きながら草花の話をしようと、のはらクラブのポスターを作って木にかけておきました。
 次の日、近くに住むのんちゃんという女の子を連れてポスターの場所に向かうと、7人の子どもたちが集まってくれていました。
 さっそく野原を歩いていると、生えている草花たちを見て、それぞれの子どもたちが詳しく説明をしてくれます。どうしてそんなに詳しいのかというと、のはらクラブの子どもたちは実は…。
 草花の知識が学べ、遊び方も楽しめる一冊です。子どもたちの正体も草花の名前にヒントが隠されているのかも!?想像しながら読んでみてください。
 暖かくなり外に出かけたくなる季節になってきました。お散歩しながら身近な草花について、友達や家族と話をしてみませんか?


児童書おすすめ(3月12日)





書名しょめい:『柳宗悦と美』                        

著者ちょしゃ: 土田眞紀/著


出版社
 しゅっぱんしゃ
:玉川大学出版部
--------------------------------------------------------------------

 柳宗悦という名前を聞いたことがあるでしょうか。
柳宗悦は、大正から昭和にかけて、それまで誰も気付かなかった物に美を見つけ広めた人です。
 学生時代に雑誌『白樺』を創刊し海外のアートの紹介をしたり、自らも執筆していた柳は美しさにとても敏感でした。
 ある時、朝鮮の素朴な壺に魅力を感じたことをきっかけに、日本の名もない職人が作った器や織物、染物など普通の人々が普段使いする物に独特の美しさがある事に気が付きました。
 その後、日本を巡り各地の美しいと思うものを集め、それらを民芸と呼び美術館をつくり世に広めました。
 特に、アイヌや沖縄の民芸に対しては尊敬の念と、何としてもその文化を守りたいという強い思いが感じられます。
 柳が見つけた美、いつまでも大切にしたいものです。
 もしかしたら普段身近に使っている物にも美が隠れているかもしれません。自分だけが感じる美しさを探してみるのもいいかもしれませんね。


児童書おすすめ(3月5日)




書名しょめい:「あした話したくなる おもしろすぎる漢字の世界』                

著者ちょしゃ:青木 伸生/監修  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:朝日新聞出版
--------------------------------------------------------------------

 突然ですが、みなさん漢字の勉強は好きですか?私は漢字を覚えるのは好きでしたが、同じ漢字を何回も書く宿題は嫌いでした。みなさんの中には、漢字が苦手な人もいるのではないでしょうか。
 今回紹介するこの本は、学校で習う漢字とはちょっと違う、「そんなのどこで使うの?」と言いたくなるような漢字の本です。普段はカタカナやひらがなで書いている虫や魚の名前、さらには国の名前まで。実は世の中のいろんなものに漢字があるんです。本を読み終わったら、身の回りの物の漢字が気になること間違いなし。気になったら辞書で調べてみましょう。本当にいろんな漢字があるんですよ。では、最後に問題です!
「赫拉克勒斯大甲虫」
何かの呪文のようなこの漢字、一体何の虫のことだと思いますか?ヒントは、格好いいツノをもつ、大きな夏の虫。答えが気になる人は、ぜひ本を読んでみてください。

児童書おすすめ(2月26日)





書名しょめい: 『オイモはときどきいなくなる』             

著者ちょしゃ: 田中 哲弥/著 加藤 久仁生/画


出版社
 しゅっぱんしゃ
:福音館書店
--------------------------------------------------------------------

 小学3年生のモモヨにとって、茶色くて細くてちょっとくさい犬のオイモはかけがえのない存在です。オイモはときどきいなくなります。いつもは暗くなる前に帰ってくるのに、その日は夜になっても帰ってきません。心配しているのはモモヨだけ。みんなはなぜか気にしていません。モモヨは帰ってこないオイモを探しに出かけますが…。
 テンポよくユーモアのある文章と絵本のようにたくさん挿絵があるので、本を読むことが苦手な人にもおすすめです。絵を描いているのは『つみきのいえ』でアカデミー賞短編アニメーション賞を受賞した加藤久仁生さんです。優しい色使いの挿絵がとても素敵です。
 食いしん坊でひょうきんなモモヨですが、じつは頭の中でいろいろな事を考えています。モモヨの夢なのか現実なのかよくわからないふわふわしたところを感じてみてください。読み終わると、オイモがすぐそばにいたような気持ちになり、こころが温かくなる1冊です。


児童書おすすめ(2月19日)




書名しょめい:『ミライを生きる君たちへの特別授業』             

著者ちょしゃ: ジュニスタ編集部/編


出版社
 しゅっぱんしゃ
:岩波書店
--------------------------------------------------------------------

 「今の中学生は、実はとても忙しい。」
 冒頭の一文です。授業のあとに部活動・塾・習い事、それから宿題、もちろんご飯やお風呂だって。なにも部活動・塾・習い事をしている人だけが忙しいわけじゃないですよね。
 人には何かしらの事情があって時間なんてあっという間に過ぎていませんか?
  自分たちの状況や気持ちを分かってくれている本なら、ちょっとめくってみようかな…そう気にしてくれたあなたへ。
  この本は、大人になることへの不安や、進路、いじめ、生きづらさなどがテーマです。
  元アイドルの作家や、新聞記者、俳優・声優、フォトジャーナリスト、エッセイスト・タレントといった方々が、実際に東京の中学校で行った授業をまとめてあります。
  好きなところから読み始めればいいですよ。その方が目にした光景、悩み、そして今。十人十色で、思いもいろいろ。でも、すーっと心に伝わりました。そして好きになりました。
  あなたより少しだけ長く生きている大人たちの特別授業です。

児童書おすすめ(2月12日)




書名しょめい: 『糸子の体重計』

著者ちょしゃ: いとう みく/文 佐藤 真紀子/絵


出版社
 しゅっぱんしゃ
:童心社
--------------------------------------------------------------------

 おいしいものを食べることが大好きな糸子が、給食のおかわりをめぐってからかわれた転校生をかばったことで、なぜか一緒にダイエットをするはめになります。
 教室に集うのは、考え方も家庭環境も、大切なものも違う友だちです。
 大柄だけど自分に自信のない高峯さん。人に裏切られる怖さを知っている少し大人びた町田さん。その町田さんに憧れて、顔色をうかがってしまう坂巻さん。親との関係に悩んでいるけれど、てきとーにふわふわと生きていこうと思っている滝島くん。
 がさつでずうずうしい糸子ですが、人一倍友だちを見ています。そして、まっすぐな言葉と行動で、みんなの気持ちを前向きにしてくれるのです。
 みんなと仲良くすることは、正しいことだけれど難しい。そう感じている人に読んでほしい一冊です。
 そして、この本の続き、糸子たちの卒業までの物語もあわせておすすめです。

児童書おすすめ(2月5日)




書名しょめい: 『コーヒーを飲んで学校を建てよう』

著者ちょしゃ: ふしはら のじこ/文・絵 辻村 英之/監修


出版社
 しゅっぱんしゃ
:実生社
--------------------------------------------------------------------

 アフリカのキリマンジャロ山にあるルカニ村は、コーヒー栽培に適した土地といわれるコーヒーベルト地帯(赤道を挟んで、それぞれ南北25度の間)にある世界有数のコーヒー産地です。
 この村では、赤ちゃんが生まれるとコーヒーの木を植える習慣があります。学校に入る頃には花が咲き実がなり始め、成人する頃には安定した収穫で暮らしを支えてくれます。人とコーヒーは共に成長し一生を過ごすのです。
 ある時期、世界的にコーヒーの値段が下がり、村の暮らしが危機に見舞われました。これを救ったのが日本人によるフェアトレード支援でした。皆さんは、このフェアトレードという言葉を知っていますか。フェアは公正、トレードは貿易を意味し、途上国の暮らしを守り自立を支援する仕組みです。
 私たちは食べ物をとおして世界とつながっています。作っている人の顔を思い浮かべれば、皆さんにも世界のいろいろな仕組みが見えてくるはずです。

児童書おすすめ(1月29日)




書名しょめい:『しあわせなハリネズミ』

著者ちょしゃ:藤野 恵美/作 小沢 さかえ/絵


出版社
 しゅっぱんしゃ
:講談社
--------------------------------------------------------------------

 ハリネズミは、考えることが大好きで、思った言葉をそのまま口に出してしまいます。その言葉は相手を傷つけ、皆にさけられていました。けれども、自分の考えを変えるくらいなら、友達なんていらないと思っていました。

 ある日、ハリネズミは引っ越してきたばかりのモグラと出会います。モグラは「食べられないし役にも立たない」どろだんごを作っていました。ハリネズミはなぜかどろだんごが気になってしまい、自分が作っている「食べられないし役にもたたない」ものと交換してもらいます。
 一人が良いと思っていたハリネズミが、前向きなモグラと仲良くなっていくうちに、考え方や伝え少しずつ変わっていく、心の成長を描いた物語です。
 相手の気持ちを想像するのは難しいことですよね。友達を思う気持ちを知ったハリネズミがどう変わっていくのか。ぜひ読んで確かめてみてください。






児童書おすすめ(1月22日)




書名しょめい:『小さなスプーンおばさん』

著者ちょしゃ: アルフ=プリョイセン/作 大塚 勇三/訳
    ビョールン=ベルイ/画


出版社
 しゅっぱんしゃ
:学研プラス
--------------------------------------------------------------------

 「もしも自分の体が小さくなったら…」誰もが一度は想像する魅力的なテーマです。体の小さな主人公が活躍するお話は、日本の昔話に『一寸法師』がありますし、西洋では『不思議の国のアリス』、『床下の小人たち』、少し古い映画でいうと『ミクロキッズ(1989年)』等、例をあげるときりがありません。
 さて、この『小さなスプーンおばさん』はその名の通り、ある日突然ティースプーンの大きさになってしまうおばさんの物語です。おばさんのすごいところは、急に小さくなっても動じない大らかさ。「小さくなっちゃったんなら、それでうまくいくようにやらなきゃならないわね」と、動物に掃除をさせ(おばさんは小さくなったら動物と話せるようになります)、ネコの背に乗り雪道だって何のその。ついにはカラス会議に出席しておしゃれを競ったりします。
 前向きで陽気なおばさんの小気味よいセリフ、ご亭主との愛嬌あるやりとりに、生きることの楽しさを教えてもらえる一冊です。

児童書おすすめ(1月15日)




書名しょめい:『才能がぐんぐん伸びる!スライム・紙ねんどで遊ぼう!』

著者ちょしゃ: わんこそば/著 汐見 稔幸/監修 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:池田書店
--------------------------------------------------------------------

 みなさん、スライムは好きですか?最後にスライムを作ったのはいつですか?スライムと言えば「液体のり」と「ホウ砂水」。この二つをかき混ぜると、もちもちとろ~り不思議な物体の完成です!
 どうして、こうもスライムは魅力的なのでしょう。カナダの脳医学者ベン・フィールドらの研究によると、人間の手は、脳ととても深い関わりがある場所だそうです。手でスライムをこねまわすことで、脳もリフレッシュしているのかもしれませんね。じゅわじゅわ、シャキシャキ、たぷたぷ、この本をめくると、今すぐにスライムにさわりたくなってしまいます。最後に、スライムに必要なホウ砂などは、使い方を誤るととても危険です。注意点を理解したうえで、あなただけのスライムを作ってみてはいかがでしょうか♪

児童書おすすめ(12月25日)




書名しょめい:『うちゅうはきみのすぐそばに』

著者ちょしゃ: いわや けいすけ/ぶん みねお みつ/え


出版社
 しゅっぱんしゃ
:福音館書店
--------------------------------------------------------------------

 ある日の公園で、男の子が持っていた風船が手から離れ飛んでいってしまいます。風船は空へ昇っていき、ビルの上から町を見おろし、飛行機のそばをふわりと漂い、雲の中を突き抜け、ついに地球の形が分かる高さまでやってきました。

 地上から100km、ここから上が宇宙です。
 私たちは空の下で暮らしています。そして空の上には宇宙が広がっています。「どこまでが空で、どこまでが宇宙なの?」空を見上げると思いがあふれてきますよね。作者の岩谷圭介さんも「宇宙は遠いというのは思い込みではないか」という疑問から研究を始め、日本初の風船による宇宙撮影を成功させました。

 上へと昇っていく風船の目線でこの本を読むと、地球と宇宙はつながっていると感じさせられます。子供の頃に宇宙への夢を抱いていた大人たち、そしていつか宇宙に行ってみたいと願う子供たちへ。『うちゅうはきみのすぐそばに』という言葉には、彼の思いが込められています。

児童書おすすめ(12月18日)




書名しょめい:『ひみつのきもちぎんこう』

著者ちょしゃ:ふじもと みさと/作


出版社
 しゅっぱんしゃ
:金の星社
--------------------------------------------------------------------

 ゆうたが、ここみちゃんの落とした本を蹴飛ばしたとき、ジャリーンという音がどこからか聞こえてきました。この音はいやなことをする度に聞こえてきます。
 その後、ゆうたの元に「きもちぎんこう」から手紙が届きました。ゆうたの「きもちつうちょう」が、黒コインでうまりそうだということです。この通帳は、人の気持ちを預かる通帳で、その人が本当に持っている気持ちと違う気持ちを預かったときは、黒コインが貯まるそうです。ちょっと恥ずかしいけど自分の気持ちに素直によい行動をしたときは、ぎんいろコインが貯まります。
 ゆうたは、本当は良いことをしようと思ったのに、ついいじわるをしてしまっていました。ゆうたはこの後、自分の気持ちに素直に良い行動をとろうと頑張ります。
 あなたの通帳も黒コインではなく、ぎんいろコインでいっぱいにしてくださいね。


児童書おすすめ(12月11日)




書名しょめい:『空にうかんだ大きなケーキ』

著者ちょしゃ:ジャンニ=ロダーリ/作 よしとみ あや/訳 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:汐文社
--------------------------------------------------------------------

 ある日、トゥルッロの町の上空に、巨大なまるい物体が現れました。町の大人たちが警戒するなか、好奇心旺盛なパオロとリタは、クッコ山の頂上へ見に行きます。その物体はなんと、とても大きなケーキだったのです!マロングラッセやラズベリージャムなど、ケーキの中はおいしそうなものでいっぱい。大きなケーキの中を、パオロはスコップで掘って、リタは食べて進んでいきます。 
 すてきな出来事のように思えますが、実は大きなケーキは、まちがいでできてしまったものでした。製作者である教授はひどく落ち込んでいます。ケーキができた背景を知ったらあなたは驚くでしょう。しかし、きっと教授を励ましたくなると思います。それはみんなを笑顔にする、世界一しあわせなまちがいだったのですから。
 読んだあとは、あなたもおいしいケーキが食べたくなるかもしれませんよ。

児童書おすすめ(12月4日)




書名しょめい:『しらべるちがいのずかん』

著者ちょしゃ: おかべ たかし/文 やまで たかし/写真


出版社
 しゅっぱんしゃ
:東京書籍
--------------------------------------------------------------------

 昔、関東に住む友人が桜もちを持ってきてくれました。一緒に食べようと箱を開けてビックリ!あんこがもち米に包まれた桜もち……ではなく、クレープのような桜もちだったからです。同じ名前だけど何かがちがう。同じように見えるけど本当はちがう。そんな体験があなたにもありませんか。
 この本では「どうちがう?」、「どこがちがう?」、「じつはちがう?」の3章立てで、さまざまなちがいに気づかされます。
 たとえば生たまごとゆでたまご。ふたつを見分けるにはたまごを回したり、光に当てたり、多くの方法が思いつくはずです。でも実は、目で見るだけで区別できる「ちがい」があるのです。
 他にも普段は気づかない、ビックリするような「ちがい」がたくさん紹介されています。本を読んで、身近なちがいを探してみてくださいね。

児童書おすすめ(11月27日)




書名しょめい:『雑木林の20年 里山の自然』

著者ちょしゃ: 瀬長 剛/絵・文 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:偕成社
--------------------------------------------------------------------

 人の暮らしと深いつながりを持つ森林を里山といいます。そこには雑木林があり、多様で豊かな環境の中にたくさんの生き物が暮らしています。
 雑木林という言葉が一般的に知られるようになったのは、明治の文豪国木田独歩が、代表作『武蔵野』で取り上げてからだと言われています。戦前までの日本では、炭や薪を燃料にして暮らしていました。落葉広葉樹のクヌギやコナラは、幹や枝は燃料に、落ち葉は肥料になるため、人々は雑木林にこれらの木を植え大切に育ててきたのです。
 ガスや電気の普及で炭や薪を使うことがなくなった今、多くの雑木林は開発などで姿を消しつつあります。
 この本には、雑木林と人が共に生きていた頃の1年と木々が伐採されてから再生するまでの20年の変化が、優しい風合いの色鉛筆画で描かれています。雑木林を知らない人でもこの本を開けば、豊かな自然の中で生きる動植物にふれたり、四季の美しさを感じることができるはずです。

児童書おすすめ(11月20日)




書名しょめい:『こども「折々のうた」100』

著者ちょしゃ:大岡 信/著 長谷川 櫂/監修


出版社
 しゅっぱんしゃ
:小学館
--------------------------------------------------------------------

 朝日新聞に以前連載されていた「折々のうた」を読むのが毎朝の習慣です。詩歌と解説を読むことでなぜか今日一日の準備が整うような気がします。
 ある日、「折々のうた」をこども向けに編集した本書が、児童室で目に飛び込んできて思わず手にしました。よりすぐりの短歌と俳句を集めた枯れない花束のような本です。古い時代の作品がほとんどですが、今と変わることなく、心をブルンとさせる力強く瑞々しい力があります。
 時には「大丈夫」と励まし、「そうだね」と共感してくれる。俳句や短歌は文学でも短い形であるにもかかわらず、人が生きていくために大事なメッセージが詰まっています。好きなページから読んでみてください。
 さらに興味がある人は心に留めておきたいことを俳句や短歌にするのもおすすめです。この一瞬!と感じたことを切り取って作品に残してみてはいかがでしょうか。
 そんな時に本書は手を差し伸べてくれることばの先生です。


児童書おすすめ(11月13日)






書名しょめい:『こどものとうひょう おとなのせんきょ』

著者ちょしゃ:かこさとし/作・絵


出版社
 しゅっぱんしゃ
:復刊ドットコム
--------------------------------------------------------------------

 「民主主義」という言葉は聞いたことがありますか? どういう意味なんでしょう?多数決のことでしょうか?
 この絵本の舞台は町の児童館前の小さな広場です。そこで子どもたちはいろいろな遊びをしていますが、せまいのでぶつかってけんかが起きるなど、トラブルつづきです。
 相談をしてもまとまらないので、子どもたちは、広場で何をして遊ぶのかを投票で決めることにしました。
 野球、サッカー、ドッジボール、ままごと……投票の結果、多数決で決まった遊びを優先するようにしましたが、「雨がやんだ後、鬼ごっこしていいか」

「ソフトボールはどう扱うか」などでトラブルになり、結局、みんなが楽しく遊べる広場ではなくなってしまいます。
 そこにやってきた年上のお兄さんが、みんなが楽しく遊べるための提案をしてくれます。さて、どんな提案でしょうか?
 「民主主義」の事が分かりやすく学べる1冊です。


児童書おすすめ(11月6日)




書名しょめい:『ロップのふしぎな髪かざり』

著者ちょしゃ:新藤 悦子/著 こがしわ かおり/絵 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:講談社
--------------------------------------------------------------------

 主人公のロップは、精霊の子どもです。精霊たちは人間にとりつくことではじめて一人前になることができます。ロップはまだ一度も人間にとりついたことがありません。  

 そんなロップはある日、海で遭難している少年を発見し、彼にとりつくことを決めたのです。しかし、とりつく方法を教わっていなかったロップは…。

 心優しいロップは少年を看病するうちに、少年が母親と引き離されたという辛い過去を知り、母親を探すため動き出します。
 物語の中には、いろいろな精霊たちが登場します。海賊やファッションデザイナー、舞台監督にとりついた

精霊…。ロップは仲間の精霊たちの力を借りながら、懸命に少年の母親を探し始めます。ロップは少年に出会い、人間のもつ感情の豊さに気づいていきます。温かくもどこか切ない精霊と人間の物語。はたしてロップと少年は、無事に母親を見つけ出すことができるのでしょうか?


児童書おすすめ(10月30日)





書名しょめい:『和ろうそくは、つなぐ』

著者ちょしゃ:大西 暢夫/著 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:アリス館
--------------------------------------------------------------------

 室町時代に誕生したといわれる和ろうそく。石油から作られる西洋ろうそくとは違い、植物から作られていて、すすが少なく、ゆらゆらとゆらめく炎が特長です。

「和ろうそくって、どうやって作られ、なにからできているのだろう。」

 工房では、職人の手により全ての工程が手作業で進んでいきます。和紙や植物の髄(ずい)(中心の柔らかい部分)を串に巻き真綿をからめた芯に、ドロドロに溶かした蠟(ろう)をぬり重ねていくのです。

 では、その材料はどこから来たのでしょう。

和ろうそくのもとをたどっていくと、蠟の原料となるハゼの木の実をとる人、蠟を絞り固めて作る人、その絞りカスを使って藍染をする人、藍染で使い終わった灰を使って焼き物を焼く人と、さまざまなモノと仕事がつながっていきます。

 ひとつの役割を終えたモノが、次の職人によって生かされ、循環していく。自然の恵みを生かし切る、モノと人とのめぐりの見事さに驚かされました。


児童書おすすめ(10月23日)





書名しょめい:『旅のくつ屋がやってきた』  

  

著者ちょしゃ:小倉 明/作 小林 ゆき子/絵


出版社
 しゅっぱんしゃ
:アリス館
--------------------------------------------------------------------
バドは町の小さなホテルの息子です。ある日、旅のくつ屋がホテルにやってきました。とても腕の良い職人で、旅をしながら街角で店を開き商売をしているのです。旅先での楽しい話をきかせてくれるくつ屋がバドは大好きでした。あの日、彼が町を調べ回る姿を見るまでは。くつ屋の様子を知った大人たちは怯えうろたえます。そしてバドは町の真ん中にそびえたつ「槍の塔」の存在に気づくのです。この塔はいったい何のために存在しているのでしょうか。28~29頁に描かれた塔の絵からは、夜の町のしんとした空気が伝わってくるようです。物語ではこの町の隠された秘密が少しずつ明らかになっていきます。相手がどんな人なのか考えるとき、あなたはどこに注目しますか?その人の言葉?それとも行動?この町にやってきた旅のくつ屋の正体を、ぜひ確かめてみてください。

児童書おすすめ(10月16日)





書名しょめい:『彼の名はウォルター』

著者ちょしゃ:エミリー・ロッダ/著 さくま ゆみこ/訳


出版社
 しゅっぱんしゃ
:あすなろ書房
--------------------------------------------------------------------
 遠足の途中に乗っていたバスが故障し、携帯電話もつながらない田舎道で助けがくるのを待っていたコリン、タラ、グレース、ルーカス、フィオーリ先生の5人。嵐が来たために近くの屋敷へ避難します。長く人の住んでいない屋敷はひどく荒れていて、無人のはずなのに何者かが潜んでいるような不気味さがありました。キッチンでコリンは1冊の本を見つけます。本のタイトルは「彼の名はウォルター」。鮮やかでまるで生きているような挿絵にコリンは心を奪われ、読みたいと強く思います。しかしその本を手にしたせいで、5人は恐怖の一夜を過ごすことに・・・。
 どうしてコリンはこの本に惹きつけられたのか。どうしてこの本が書かれたのか。最後まで読み終えたとき、タイトルの本当の意味がわかり、読む前とは印象が全くちがってみえるでしょう。登場人物が少ないので、海外の本はカタカナが多くて苦手という人にも読みやすく、ちょっと怖いミステリーです。


児童書おすすめ(10月9日)






書名しょめい:『赤毛証明』  

著者ちょしゃ:光丘 真理/作


出版社
 しゅっぱんしゃ
:くもん出版
-------------------------------------------------------------------- 



ふつうってなんだろう?生徒手帳に赤毛証明の印を押された中学生のめぐは、自分がふつうじゃないって言われているようで、なんだか納得できません。

幼なじみの紘は、生まれつき両足のひざから下がなくて、車いすで生活しています。親友のサワちゃんは母子家庭で、同級生の吉川さんは、ずっと学校に来ていない…これってふつうじゃないってことですか?

夏休みのある日、紘の車いすバスケットの練習を見に行っためぐとサワちゃん。その帰り、紘の車いすはタイヤがパンクしていました。誰がこんなひどいことをしたのでしょう。

人の心の中にある妬みや怒り、悲しみなどいろんな感情が、思春期の心に影を落とします。

多様性を尊重しようといわれる時代ですが、私たちの意識は変わっているでしょうか。差別をしているつもりじゃなくても、同じ目線で考えられなくなっていませんか。この本を読んで、家族や友だちと考えてみるのはいかがでしょう。


児童書おすすめ(10月2日)




書名しょめい:『ふたりはしんゆう  がまくんとかえるくんぜんぶのおはなし

著者ちょしゃ:アーノルド・ローベル/作 三木 卓/訳

出版社 しゅっぱんしゃ:文化学園文化出版局
-------------------------------------------------------------------



小学校の教科書にも採用され、誰もが知っている「がまくんとかえるくんシリーズ」全4冊が、『ふたりはしんゆう がまくんとかえるくんぜんぶのおはなし』として1冊の本になりました。

1972年に日本で出版された第1作目の『ふたりはいつも』は、今年で出版から50年を迎え、半世紀を経た今もなお色褪せることなく、幅広い世代に愛されています。

半世紀を経た今もなお色褪せることなく、幅広い世代に愛されています。

登場人物は、内気ながまくんと陽気なかえるくん。性格は正反対ですが、ふたりは大親友。たまにはケンカをすることもありますが、晴れの日も雨の日も雪の日も、どんな時もふたりで一緒に過ごしています。そんな、お互いを認め深く思い合う姿に、思わず心が温かくなります。

 ユーモラスでちょっぴり切ない、がまくんとかえるくんのかけがえのない日常を堪能できる一冊です。大人には懐かしく、こどもには新鮮に映る友情物語を、家族みんなで楽しんでみてください。



児童書おすすめ(9月25日)





書名しょめい:『シリアで猫を救う』

著者ちょしゃ:アラー・アルジャリール/著 

   ダイアナ・ダーク/著 大塚 敦子/訳


出版社
 しゅっぱんしゃ
:講談社
--------------------------------------------------------------------
 「ぼくはときどきふと思うことがあった。猫たちは、この戦争で変わってしまった自分たちの生活のことを、いったいどう思っているのだろうか」と。この本の著者、アラー・アルジャリールさんの言葉には、小さき者へのあたたかな想いが込められています。
 シリアでは、2011年から始まった「アラブの春」という民主化運動をきっかけに内戦が続き、町は破壊され人々は命の危険にさらされていました。戦争が起こると、子どもたちや動物が、一番初めに犠牲になってしまうのは悲しい現実です。誰もが自分の事で精一杯な状況の中、負傷者の救助や、置き去りにされた猫の保護を続けた彼の姿は、住民の心の支えとなり、「アレッポのキャットマン」として世に知られ、人々の心に希望を芽生えさせました。
 世界には、戦争で苦しんでいる人がたくさんいます。日本から遠く離れた国でも、きっと思いは届くはずです。何かできることはないか考えてみて下さい。

児童書おすすめ(9月18日)





書名しょめい:『勇者はなぜ、逃げ切れなかったのか』  

    歴史から考えよう「災害を生きぬく未来」

著者ちょしゃ:田所 真/著


出版社
 しゅっぱんしゃ
:くもん出版
--------------------------------------------------------------------
 今から1500年前、火山の噴火によってふりつもる火山灰にうもれて命を落とした「よろい姿の人」がいました。勇者のような立派ないでたちのその人物は、なぜ、噴火から逃げることができなかったのでしょうか。
 推理するてがかりは、昔の人たちが残した生活のあとである、遺跡にあります。遺跡には、石器や土器など、昔の人たちが使っていた道具の他に、火山灰にうもれた田んぼのあとや、くずれた石垣のあとなど、自然災害のあとが残っていることもあります。
 この本では、過去に災害が起こった遺跡を調べることで、その時の災害のありさまと、災害にあったときの昔の人たちの行動を解き明かしていきます。
 私たちが住む日本では、今までにたくさんの自然災害が起きてきました。昔の人たちが災害や防災について学んだことを今にいかすために、昔に起こった災害を知りましょう。

児童書おすすめ(9月11日)





書名しょめい:『夕焼け色のわすれもの』

著者ちょしゃ:たかの けんいち/作  千海 博美/絵 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:講談社
--------------------------------------------------------------------
 忘れ物を届けるため、転校してきたばかりのクラスメート・厚司が住む団地に向かった翔太と純。
 翔太は、到着して見えた景色に違和感を覚えます。
建てられてからしばらく経つはずの団地が綺麗なのです。子どもたちの髪型から遊びまで、まるでどこかで見た昭和の時代のような光景が広がっていました。
 翔太は古書店を営むじいちゃんの家で、団地での体験を話しますが、団地にはもう行くなと言うばかりで、謎は深まります。
 ある日、古書店に出し切れない本を入れている段ボールの中から、1冊の本を見つけます。本の内容が団地での体験と一致して驚いた翔太は、なんとか謎に迫ろうと、純や厚司と力を合わせます。
 物語が進むにつれ、奇妙だと思っていた出来事同士が少しずつつながり始めます。厚司やじいちゃんとの関係に悩む翔太は、無事に真相にたどり着けるのでしょうか?不思議な出来事に隠された理由を知った上で、もう一度じっくりと読み返したくなるお話です。

児童書おすすめ(9月4日)




書名しょめい:『「ちがい」ってなんだ? 障害について知る本』 

著者ちょしゃ:井筒 節/監修 飯山 智史/監修 町田 紘太/監修 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:学研プラス
--------------------------------------------------------------------
 佐賀県立図書館にこの夏『みんなの森(森の字は、3つの本で構成した創作漢字です。)』が新しく誕生しました。『みんなの森』は、さまざまな形式の本や読書を助ける道具を使って、自分に合ったカタチで自由に読書を楽しむことができる場所です。
 自分に合ったカタチ…というと、みなさんは何を想像しますか?このことについて考える前に、一人ひとりの「ちがい」について思いをめぐらせてみましょう。
 今、世界では様々な「ちがい」があることを認め、お互いを大切にしていこうという考え方が広がっています。  得意なことや苦手なことに応じて仕事の役割を分担し、あなたらしさも他の人の生きやすさも、同じように尊重する。自分だけでは難しいことでも、誰かの協力や便利なテクノロジーがあればできることが増えてきているのです。
 この本では、「障害」をテーマにして、世の中にある様々な「ちがい」を身近なものとして紹介しています。まずは知ることが理解を深める第一歩!心のバリアをはずしてみましょう。

児童書おすすめ(8月28日)





書名しょめい:『ぼくがスカートをはく日』 

著者ちょしゃ:エイミ・ポロンスキー/著 西田 佳子/訳


出版社
 しゅっぱんしゃ
:学研プラス
--------------------------------------------------------------------
 12歳のグレイソンは、ぴかぴかしたドレス、つやつやのロングヘア、パステルカラーのヘアバンド…かわいいものにあこがれていました。でも、そんなこと誰にも言えません。男の子がそんなこと言えば、周りから「おかしい」と思われるからです。ずっと本心を隠して過ごしているうちに、彼はなんだか消えてしまいそうな気持ちになっていきました。
 そんなある日、グレイソンは学校で演劇のオーディションが行われることを知ります。消えてなくなりそうな気持ちの中、生きている証拠を求めるために、彼はオーディションに申し込みます。このことをきっかけに、彼の身の回りの状況が大きく変化していきます。
 物語の中では、様々な気持ちがグレイソンから読み取れます。本当はしたいけど周りの目がこわくてできないもどかしさ、自分を理解してくれる人がいる喜び…誰でもそんな気持ちになったことはあるはず。私たちのそんな気持ちに、優しく寄り添ってくれる一冊です。 

児童書おすすめ(8月21日)




書名しょめい:『ぼくたちの緑の星』 

著者ちょしゃ:小手鞠 るい/作


出版社
 しゅっぱんしゃ
:童心社
--------------------------------------------------------------------
 人々が考えることをやめてしまった世界。主人公の「ぼく」には名前がありません。この世界では、名前のかわりに番号があたえられるのです。学校では、質問が禁止されています。絵をかくことも、歌うこともなくなりました。「戦え」とノートに書く「キホン」学習や、棒を持って運動場を移動する「オウヨウ」、図書室の本を焼却炉にもっていく「ジッセン」。「ゼンタイ・モクヒョウ」に向かって「ジュウゾク」することが 何よりも重要だと説明する「シドウイン」。この学校生活、みなさんはどう感じるでしょうか。家族の団らんも禁止されています。「ゼンタイ・モクヒョウ」のために、町の図書館や本屋さん、映画館はなくなってしまいました。すべて工場になっているので、外にもにぎわいはありません。
 人間の豊かな心をなくし、豊かな自然をこわす必要がある「ゼンタイ・モクヒョウ」とは何なのか。「ぼく」といっしょに想像して、考えてみてください。

児童書おすすめ(8月14日)




書名しょめい:『あこがれのアスリートになるための50の挑戦』

著者ちょしゃ:ピエルドメニコ・バッカラリオ/著 マッシモ・プロスペリ/著


出版社
 しゅっぱんしゃ
:太郎次郎社エディタス
--------------------------------------------------------------------
 競技場やテレビでみるトップアスリートの動きや身体はとても美しく洗練されていて、つい見入ってしまいます。いつか自分もあんな風になれたら…と憧れたことはありませんか。この本にはアスリートになるための具体的なヒントがたくさん詰まっています。中には、これだったら自分にもできるかもと思わせてくれる簡単なものも。トレーニングの仕方だけではなく毎日の生活習慣、心の持ち方も教えてくれます。
 一番難しいのはそれを地道に毎日続けていくこと。長く続けるのは、他に誘惑があったり気持ちが続かなかったり、とても大変なことです。活躍しているアスリートたちは自分の心の弱さと闘い続け、夢を叶えた今があるのだと思います。アスリートが素敵に見えるのは苦労をしてきたことが垣間見えるからかもしれませんね。
 みんなの注目を集めるヒーローになりたいあなた、アスリートへの道を一歩踏み出してみませんか?

児童書おすすめ(8月7日)



書名しょめい:『おいでよ森へ』

著者ちょしゃ:『おいでよ森へ』プロジェクト/編


出版社
 しゅっぱんしゃ
:ダイヤモンド社
--------------------------------------------------------------------
 空と水と大地をめぐる命のお話です。
 わたしたちが普段見ている森は、光景の一部です。森の本質は視線を地面の下にうつしたとき、地面の下に無限に広がる豊かな土の中にあることに気づかされます。例えば、冷たくておいしい水は、森の土の中で雨と葉っぱが協力してつくられていますよね。
 この本は豊富で多様な森の写真が見開きのワイドページで紹介されています。マイナス20℃の北海道の森に生きるモモンガ。どこまでも豊かにつながるボルネオ島の熱帯雨林。それに森の懐に抱かれるようにたたずむ漁港、森を守りカキを育てる漁師のインタビュー記事等々。
 また、まんが「モーリーさん」や、イラスト付きの解説で「森」の魅力を分かりやすく、かつダイナミックに伝える工夫がされています。
 私たちの住むかけがえのない地球には、森があります。太古の昔から現在へとつながってきた森の物語。次世代を担う子どもたちにすすめたい一冊です。皆さんは百貨店、と聞くとどんな場所を思い浮かべますか?

児童書おすすめ(7月31日)




書名しょめい:『百貨の魔法』 

著者ちょしゃ:村山 早紀/著


出版社
 しゅっぱんしゃ
:ポプラ社
--------------------------------------------------------------------
 皆さんは百貨店、と聞くとどんな場所を思い浮かべますか?
『百貨の魔法』は時代の波にのまれ、閉店が近いと噂される星野百貨店の物語です。そこで働くスタッフたちは、閉店の噂を聞きながらも、長年愛されてきた店を守ろうと今日も売り場に立ち続けます。
 そんな星野百貨店には、創業当時から不思議な言い伝えがありました。「本館のステンドグラスに描かれた白い子猫が、抜け出してくる。その猫を見つけると魔法の力で願い事が叶う。」というものです。はたして、猫が使う魔法とは、いったいどんなものなのでしょうか?
 百貨店で働く人たちと、館内に住むと噂の「魔法を使う白い猫」が織りなす、魔法のような、偶然のような不思議なおはなしの短編集です。あなたの日常のちょっとした偶然も、ひょっとしたら子猫の魔法かもしれない。そう考えると、毎日がいつもより少しだけ、楽しくなるかもしれません。

児童書おすすめ(7月24日)




書名しょめい:『いのちのおはなし』

著者ちょしゃ:日野原(ひのはら)重明(しげあき)/村上(むらかみ)康成(やすなり)/絵


出版社
 しゅっぱんしゃ
:講談社(こうだんしゃ)
--------------------------------------------------------------------
 「いのちは、どこにあると思いますか?」
 この本は、医師(いし)だった、故(こ)・日野原(ひのはら)重明(しげあき)先生が、10歳(さい)前後(ぜんご)の子どもたちを対象に行われていた「いのちの授業」のひとコマを描(えが)いた絵本です。
本の中の日野原(ひのはら)先生は、当時(とうじ)95歳(さい)。子どもたちに、冒頭の質問をして、聴診器を取り出しました。トントンー、トントンー、お互(たが)いに聴(ちょう)診器(しんき)を当(あ)てて、相手(あいて)の心臓(しんぞう)の音を聴(き)いた子どもたちから、いのちがあるのは、「心臓(しんぞう)」や「頭(あたま)」、「からだぜんぶ!」など、いろいろな意見(いけん)が出ました。先生は、みんなの意見にうなずきながら、「いのちは、きみたちのもっている○○〇だといえますよ。」とおっしゃいました。日野原(ひのはら)先生の答(こた)えは、本の中で、確認(かくにん)してみてくださいね!
 みなさんは、いのちは、どこにあると思いますか?

児童書おすすめ(7月17日)




書名しょめい:『もうひとつのアンデルセン童話』

著者ちょしゃ:斉藤 洋/作   広瀬 弦/絵 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:偕成社
--------------------------------------------------------------------
 ある夏の暑い日、「わたし」は公園で一羽のハクチョウに話しかけられます。そのハクチョウが話してくれたのは、アヒルだと思われていたみにくいひな鳥が、実は美しいハクチョウだったという有名なアンデルセン童話『みにくいアヒルの子』に登場するアヒルの子のことでした。
 ハクチョウが言うには、実はそのひな鳥はハクチョウではなく本当にアヒルの子だったというのです。ハクチョウが話してくれた童話のもうひとつの姿はどんなものだったのでしょうか?
 みにくいアヒルの子、人魚姫、はだかの王様、幼い頃から知っている人も多い有名なアンデルセン童話です。そんな童話の登場人物が語ってくれるのは、彼らだけが知っているもうひとつの物語です。
 ものごとはひとつの方向から見る姿だけが、正しい姿だとは限りません。想像力を膨らませていつか読んだなつかしい物語を、もう一度楽しんでみませんか。

児童書おすすめ(7月10日)




書名しょめい:『地球で暮らすきみたちに知ってほしい50のこと』

著者ちょしゃ:ラース・ヘンリク・オーゴード/著        枇谷 玲子/訳


出版社
 しゅっぱんしゃ
:晶文社
--------------------------------------------------------------------
 ジメジメした梅雨の時期も終わり、青空が広がる季節がやってきます。海で遊んだりお出かけしたり、夜は花火に天体観測に、夏は楽しいことがたくさんありすぎて、寝る時間がもったいないくらい!遊ぶ時間が無限にあればいいのに……なんて思ったこと、みなさんもきっとありますよね。
 どうして人間は寝ないといけないんでしょう。そもそも時間って何だろう。過去や未来に行けるタイムマシンは、いつかできるのだろうか……。そんなことを考えだすと、いろんなことが気になってきませんか。地球について、宇宙について、生き物について。そして、私たちのことについて。
 この本では、地球のことから私たちのことまで、全部で50の疑問に答えています。私たちの周りにあふれるたくさんの「なんで?」「どうして?」を、この本で答え合わせをしてみるのも楽しいかもしれません。(もし答えがなかったら、図書館の本で答えを探してみてくださいね。)

児童書おすすめ(7月3日)



書名しょめい:『チバニアン誕生』

著者ちょしゃ: 岡田 誠/著 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:ポプラ社
--------------------------------------------------------------------
 2020年1月「地質年代の名称に『チバニアン』決定」というニュースが世の中を賑わしました。
 誕生から46億年の歴史を持つ地球は、恐竜がいた白亜紀やジュラ紀などたくさんの時代に分かれています。地質年代は、生物の出現や絶滅、地球規模の気候変動など大きな変化によって決められ、その中で名前がなかった77万4千年~12万9千年前までの時代が「チバニアン」と呼ばれることになったのです。
 この頃の地球ではN極とS極が逆転する「地磁気の逆転」がよく起こっていて、千葉県の地層には世界で最もいい状態で跡が残っていたため、時代を分ける境界がよく分かる地層として世界に認められたのです。
 新聞やTV、インターネットなど、学校以外にも情報があふれています。皆さんも気になることがあったら、本で調べたり、先生に聞いたりしてみて下さい。自分で興味を持って調べたことは、いつか広い世界へ旅立つ皆さんの大きな力になるはずです。
  

児童書おすすめ(6月26日)



書名しょめい:『ぼくは本を読んでいる。』』

著者ちょしゃ: ひこ・田中/文 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:講談社
--------------------------------------------------------------------
 
  みなさんは日々成長しています。例えば難しい漢字が読めるようになる、棚の一番上に手が届く。何かについて「なぜ?」と感じることも成長の証明です。              この本の主人公ルカも、小学五年生になって様々なことに疑問を持つようになりました。そんなルカがある本と出合い、読書のおもしろさを知るお話です。                    本のストーリーを追いながら、ルカにはたくさんの「なぜ?」が生まれます。インターネットや辞書で調べてみたり、家族や友だちとの対話によって、自分なりの答えをひとつひとつみつけていきます。                                            ルカにとっては、それが成長のための大事な過程であり、読書の大きな楽しみとなっていきます。ルカが読んでいる本は、誰でも耳にしたことがある児童文学で、あらすじが結末まで紹介されてしまっています。それでも、楽しそうに本を読んでいるルカの様子に、自分も読んでみようという気持ちになります。本が好きではない人に読んでほしい一冊です。



児童書おすすめ(6月19日)




書名しょめい:『帰命寺横丁の夏』

著者ちょしゃ:柏葉 幸子/作 佐竹 美保/絵 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:講談社
--------------------------------------------------------------------
 
  ある夜、小学5年生のカズは、自宅の庭を横切る幽霊の女の子を目撃します。
朝になり学校へ行くと、なんと幽霊の女の子は「あかり」という名前で同じクラスの一員になっていたのです。
  不思議なことに、周りの友達はあかりを以前から知っています。カズだけが、あかりが幽霊だという記憶しかないのです。
 あかりの謎を探っていくうちに、カズが住んでいる帰命寺横丁の不思議なご本尊「帰命寺様」が関係していることがわかります。あかりは一体何者なのでしょうか。
 この本には、白とグレーのページがあり、色によって物語が違います。二つの物語が同時に進んでいき、考え方の違いを気づかせてくれながら、最後は物語がつながるところが面白いです。
 いつもは、ぱっとしないカズが、誰かのために一生懸命に行動します。カズの夏休みの奮闘ぶりをぜひ読んでみてください。

児童書おすすめ(6月5日)



書名しょめい:『君が地球を守る必要はありません』

著者ちょしゃ:武田 邦彦/著 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:河出書房新社
--------------------------------------------------------------------
 皆さんは、SDGs(エスディージーズ:持続可能な開発目標)という言葉を、学校でも聞いたりしますよね。
個人的に、コロナ禍と言われるようになってからは、テレビを見ることが減ったのですが、たまに見るとSDGsと聞く回数が急に増えた気がします。(個人的な感想です。)17あるそのゴール(目標)の中では、気候変動やエネルギー問題についても、人類共通の問題だとされていますが、この本の作者は「地球が温暖化しているというけれど、本当は温暖化していないかも知れない。毎日は平凡に過ぎるけれど、真実は常に隠れている。自分で見破る力をつけるかつけないかで人生は大きく変わるものだ。」と述べています。国連とかWHOとか、まさか間違ったことは言わないと思いますが、真実は常に隠れているのかもしれません。



児童書おすすめ(5月29日)



書名しょめい:『ぼくの弱虫をなおすには』

著者ちょしゃ: K・L・ゴーイング/作       早川 世詩男/絵                 久保 陽子/訳                                                                

出版社 しゅっぱんしゃ:徳間書店
--------------------------------------------------------------------
  主人公のゲイブリエルはこわいものがたくさんあります。その中の一つは、5年生になること。5年生になると、一つ年上のいじめっ子と同じ校舎になるのです。ゲイブリエルは絶対に5年生にはならないと決意しますが、親友のフリータはこれに反対します。ゲイブリエルが弱虫じゃなくなるように作戦を考えようといいますが、ゲイブリエルには、そんな作戦があるとは思えません。次の日、フリータが考えた作戦は、ゲイブリエルがこわいと思っているものを全部書き出し、ひとつひとつ克服していき、克服したら線で消していくこと。リストにあるたくさんのこわいものに挑戦していきますが、ある日2人は仲たがいをしてしまいます。
弱虫なゲイブリエルは強くなり、5年生になる決心はできるのか、2人は仲直りできるのか、そして、ゲイブリエルが気づいた大切なこととは…。




児童書おすすめ(5月22日)



書名しょめい:『青春サプリ。』

著者ちょしゃ:日比野 恭三/文 田中 夕子/文 青木 美帆/文 くじょう/絵 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:ポプラ社
--------------------------------------------------------------------
 青春…人生の春にたとえられる若い時代。
サプリ(サプリメント)…補うもの。特に栄養補助食品をいう。(『日本国語大辞典』より)
運動部、文化部にかかわらず、全国の部活で活躍する“英雄たち”にスポットが当てられたこの本。英雄とは言っても、輝かしい記録を残した特別な人というわけではありません。そう、みんなが主人公で英雄。もちろん、今これを読んでくださっているあなたもね。
 ストーリーはすべて実話で、悩み、立ち向かう姿には、現役中高生のみなさんは共感して一緒につらく感じることがあるかもしれません。そして、乗り越える姿には勇気をもらい、読後は爽快な気分になることでしょう。チアリーダー部、バレー部、バスケットボール部など、1冊に5つのショートストーリーが入っていて、現在7冊が発行されています。気軽に興味あるストーリーから読むことができるのも魅力のひとつです。
心の栄養に「青春サプリ。」を。

 

児童書おすすめ(5月15日)


書名しょめい:『ようこそ!葉っぱ科学館』

著者ちょしゃ: 多田 多恵子/写真・文 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:少年写真新聞社
--------------------------------------------------------------------
 葉っぱをじっくりと観察したことはありますか?葉っぱのつけ根から伸びている柄の部分を、「葉柄(ようへい)」といいます。葉柄は、葉に光が当たるように、向きを変えたり場所によって長さを調節したりと、大切な役割を持っています。
 厳しい環境で育つ植物にも、特徴があります。ジムカデという植物は、本州や北海道の高山で、夏は乾燥と少ない栄養に耐えて、冬は雪に囲まれた中育ちます。葉はわずか2ミリメートルですが、とても厚くて丈夫。過酷な環境でも生き抜くことができる造りになっています。
 そんな頼もしい面を持っている植物も、しっかり休みをとる場面があります。昼は開いている葉っぱを閉じる「就眠運動」を行うのです。シロツメクサやヨモギも、夜になると同じように葉を閉じます。
 見たことのある植物にも、知らない部分がたくさんあります。本を開いて、新たな一面を見つけてみてください。外を歩くのも、ちょっぴり楽しくなるかもしれません。

児童書おすすめ(5月8日)


書名しょめい:『桃太郎は盗人なのか?』

著者ちょしゃ: 倉持 よつば 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:新日本出版社
--------------------------------------------------------------------
 一万円札にもなった福沢諭吉が「桃太郎は盗人だ」と非難(ひなん)したことを知った著者は、桃太郎が正義の味方であることを証明するために200冊以上の本を読みます。おどろくことに江戸時代から明治時代初期の桃太郎は「鬼退治をする理由もなく、宝ものを取りに行く」というお話でした。鬼が悪者という理由付けがされたのは1894年(明治27年)頃です。当時の世相を反映した桃桃太郎が現在のお話にも影響(えいきょう)を与えているといいます。また一方的に悪者だと思われている鬼とは何者なのか、その正体にせまっていきます。
 さてこの本、実は「第22回図書館を使った調べる学習コンクール」調べる学習部門小学生の部(高学年)で文部科学大臣賞を受賞した作品です。これまで当然と思って受け入れてきたことに対する疑問(ぎもん)やナゾ、私たちの私たちの周りにもありませんか。
あと二ヶ月で夏休み!自由研究の前に読みたい1冊です。