児童書のおすすめ本(6月30日)

書名 しょめい :小川未明童話集

著者 ちょしゃ : 小川 未明/著

出版社 しゅっぱんしゃ :世界文化社


 小川未明は、日本のアンデルセンと言われる日本近代童話の先駆者です。
 この童話集の中でも『赤いろうそくと人魚』は、未明の最高傑作と言われ今も読み継がれる名作です。
 冷たい北の海に住む人魚は、人間の町で幸せになってほしいと、海岸にある町のお宮で子どもを産みます。その子はろうそく屋の老夫婦に拾われ、大切に育てられ美しい娘に育ちます。娘はろうそくに絵を描き、それが評判になり店は繁盛します。
 しかし、老夫婦は香具師にだまされ、大金に目がくらみ娘を売ってしまいます。貧しくても優しかった人たちが、金によって変わっていく姿は、人間の弱さを残酷に描いています。
 未明は、童話は単なる教訓ではなく大人にも響く芸術性が必要だという考えをもち、幻想的な美しい文章の中に社会的批判を込めた作品を書き続けました。この本に収められた12編のお話を読んで、その哲学を感じてみませんか。