4月12日のおすすめ



書名しょめい:『言葉(ことば)はなぜ生(う)まれたのか』
著者ちょしゃ:岡ノ谷 一夫/文 石森 愛彦/絵 出版社しゅっぱんしゃ:文藝春秋
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 なぜ、人間だけが「ことば」を使うのだろう。作者はこのことを研究しています。飼っていた犬が子犬の頃「かわいいね」と言うと、毎回小声で「フフフーン」とまねするので、話せるようになるかもと思ったことがあります。
 人間のことばと動物の鳴き声に共通する特徴(とくちょう)が、4つあります。   
 1.発声学習(声のまね)ができるのがオウムやイルカです。       
 2.デグー(ネズミ)の鳴き声には「意味(単語)」があります。     
 3.ジュウシマツの短い歌を組み合わせた歌作りは、文法と同じです。   
 4.集団の上下関係で鳴き方を変えるのがハダカデバネズミです。丁寧(ていねい)な 話し方は人と同じです。
 「ことば」のヒントは赤ん坊の泣き方にありそうです。生まれたばかりのときは単調です。1カ月を過ぎる頃には「ミルク」「おしめ」と泣き方を変えて親に知らせます。さらに発声学習をして「ことば」を持ったと作者は考えました。
 研究は「なぜ」と観察した気付きの積(つ)み重ねです。日常のなかに「なぜ」はあります。