2月10日のおすすめ
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鮮やかなレモンがらの表紙と「図書室」というタイトルに惹かれます。読んでみると表紙のイメージとは反対に重いテーマでした。欧米では、レモンは「欠陥品」「困難」の象徴とされていることをこの本で知りました。
妻をなくした悲しみから逃れるために仕事に逃げ込み、娘の面倒を見ない父親と母親の大好きだった本の世界を心の支えに親しい友人もつくらず、ひとりぼっちの生活をおくっていた主人公カリプソ。そんな主人公のもとに本好きな転校生が話しかけてきたところから、カリプソの生活が輝きだしていくお話です。友情のすばらしさを教えてくれます。そして、親友の家族とのふれあいにより、閉ざされていた父親の心にも良い変化があらわれ、父子の関係も修復していく物語です。
カリプソの困難と戦う前向きな生きかたに応援をおくるとともに、勇気をもらえる一冊です。