6月23日のおすすめ
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みなさんにとって、家とはどんな場所ですか?ホッと安心できる場所でしょうか?
この本の主人公・遠野日和(ひより)は中学一年生。彼女にとって家は、いつも緊張し、家族に気を使わなければならない苦痛を伴う場所でした。
日和は母と手をつないだり、抱っこをしてもらったことがありません。はじめは疑問に思わなかった日和でしたが、妹が生まれたときに、自分には見せたことのない優しい顔で赤ちゃんを抱く母を見て「あたしはお母さんにきらわれている」と確信します。かわいがられる妹を見て、自分も愛されたいと願いますが、母からは冷たい言葉しか返ってきません。しかし、陰では日和の母もまた、我が子を愛せないことに悩み、苦しみ続けていたのです。
物語は複数の登場人物の視線で語られていきます。日和だけではなく、母・愛子、父・慎弥、3人それぞれの心の葛藤に注目してください。