2026年7月の記事一覧
児童書のおすすめ本(7月21日)
書名 : 千年先のあなたへ
著者 :佐藤 まどか/作 佐藤 真紀子/絵
出版社 : BL出版
主人公の杏の姉・花梨は、神社や寺院の建築•修理を専門とする「宮大工」として働き始めます。厳しい職人の世界へ飛び込んだ姉が心配になった杏は、仕事場へ見学に行くことにしました。そこで杏が目にしたのは、真剣なまなざしで仕事に取り組む姉の姿でした。
日本最古の木造建築である法隆寺は、千年以上たった今もその姿をとどめています。それを支えているのが、宮大工をはじめとする職人たちが代々受け継いできた伝統の技です。この技は、2020年に「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」としてユネスコの無形文化遺産に登録され、世界で認められました。何代にもわたって職人たちが大切に守ってきたからこそ、私たちは今も千年前の建物を見ることができるのです。
みなさんも神社や寺院に行ったときは、ぜひ建物の細部まで見てください。きっと、千年先へとつながる職人たちの想いを感じ取ることができますよ。
児童書のおすすめ本(7月14日)
書名 : 土偶
著者 : 山田 康弘/著
出版社 : スタジオタッククリエイティブ
土偶は、縄文時代に作られた土を素焼した人形です。表紙にもある、ゴーグルをかけたような遮光器土器は、教科書などで目にしたことがあると思います。土偶と似たものに埴輪がありますが、こちらが作られたのは古墳時代。縄文時代と古墳時代は600~700年ほど間が空いているので、制作時期が違います。ちなみに、その間の弥生時代に栄えたのが、みなさんもご存じの、吉野ケ里遺跡ですね。
さて、縄文時代は1万年以上も続いたので、土偶の作られた時期や地域によって形や模様が違います。この本は、その変遷や各地域の代表的な土偶について写真やイラストつきで解説しています。なかには、これも土偶? というものも。さまざまな土偶の謎を通して、縄文時代のことも詳しく知ることができる一冊です。
巻末には、土偶を見ることができる博物館が紹介されています。不思議でユーモラスな土偶を見に出かけてみませんか。
児童書のおすすめ本(7月7日)
書名 : わたしは書体デザイナー
著者 : 高田 裕美/著
出版社 : Gakken
著者である高田裕美さんは、書体デザイナー。その人の持つ特性や身体的理由によって文字を読みづらいと感じる人に、少しでも読みやすい書体を届けたいと考え、8年の月日をかけて新しい書体をデザインしました。その思いから生まれたのが、表紙にも使われている「UDデジタル教科書体」です。
高田さんは、これまでの書体に対して読みづらさを感じている人々に直接話を聞き、制作に活かしました。自分の持っている感覚だけに頼らず、相手の声に耳を傾けることは、何かを作る場面に限らず大切なことかもしれません。
熱意は実り、読み書きの困難な子どもたちだけでなく、多くの人にとって読みやすい書体が誕生しました。一人ひとり考え方や感じ方が違うからこそ、意見を交わしてより良いものを生み出すことができます。高田さんが書体のデザインを通して学んだ「みんなが話し合ってみんながより幸せになる方法を考えよう」という姿勢があなたにもきっと届くはずです。