小中学生へおすすめ!

児童書おすすめ(4月22日)

書名 しょめい : リブリアの魔女

著者 ちょしゃ : 日野 祐希/著

出版社 しゅっぱんしゃ :アリス館


 この本は魔法が使える世界で魔導師を目指している、メノアという女の子の物語です。

 メノアは、弟子入り試験をかねていた魔法学院の卒業式を風邪で欠席してしまいました。このままどこにも弟子入りできなければ、魔導師になることができません。いとこのつてを頼りに、伝説の天才魔導師のシェリルの元へ弟子入りを頼みに行きます。 向かった魔導書工房には、美しいけれど、どこかおとぼけたオーラを漂わせている、不思議な魔導師がいました。

 しっかりもののメノアと、おとぼけシェリルのでこぼこコンビは、無事に師弟になれるのでしょうか?

 メノアは弟子入りの試験のために国の各地を巡り、魔導書の材料を集めてくることになります。旅先では知らないことや初めてのことばかり。不安でいっぱいになりながらも様々な試練を乗り越えていきます。

 失敗を恐れずに挑戦することの大切さを教えてくれる物語です。

児童書のおすすめ(4月15日)

書名 しょめい :なんてくさいんだ!

著者 ちょしゃ :コリーン・ペフ/文 ナンシー・カーペンター/絵 金原 瑞人/訳

出版社 しゅっぱんしゃ :あかつき教育図書


 19世紀、世界一の都市ロンドンでは、人口が増えすぎておしっこやうんちの処理に困り、すべてを川に流した結果、息が詰まるようなひどいにおいがしていたそうです。それでも人々はそのくさくて汚れた水を飲むしかなく、とうとう感染症を発生させてしまいます。

 その難題に立ち向かった一人の土木技師がいました。この本の主人公ジョゼフ・バザルジェットです。彼は、川に汚水を流さない新しい下水道の仕組みを設計し、「悪魔の悪臭」ともよばれたにおいと、病の大流行の恐怖から人々を解放しました。水の汚染の克服が、すがすがしい空気と健康的な生活をもたらしたのです。

 しかし、ジョゼフの奮闘から百年以上たった今でも、おしっこやうんちのまじった水を飲まざるをえない人たちが、世界に20億人近くいるそうです。

 私たちの命を左右する安全な飲み水。蛇口をひねるときれいな水の出る環境は、決して当たり前のものではないのだと気づかされます。

児童書のおすすめ(4月8日)

書名 しょめい : わたしは食べるのが下手

著者 ちょしゃ : 天川 栄人/作

出版社 しゅっぱんしゃ :小峰書店


 あなたは給食が好きですか?食べることは楽しみですか?  この本には、食べることに悩む中学生が登場します。会食恐怖症で給食を完食できない葵、痩せたくて過食嘔吐をくり返す咲子、ムスリムのラマワティ、貧困で給食が頼りのコッペ。彼らは、周囲が悩みを理解してくれないことにも傷付いています。

 やがて給食ボイコットを試みた葵と咲子は、栄養教諭の橘川先生に、ならばどんな給食にしてほしいのか要望書を出して、献立も考えてみろと焚きつけられます。この橘川先生は、栄養オタクの変わり者だけど、ルールを押し付けずにみんなが納得する案を探してくれる素敵な先生です。

 はたして葵たちの給食改革はうまくいくのでしょうか?

 受け身だった葵が、ぐいぐいとみんなを引っ張る存在に変貌していくところも物語の魅力です。食を知り、互いの事情も思いやることで成長していくのです。  食べることは生きること。『食』について考える、この本を読んでみませんか?

児童書のおすすめ(4月1日)

書名 しょめい : 知ると楽しい!和菓子のひみつ

著者 ちょしゃ : 「和菓子のひみつ」編集部/著

出版社 しゅっぱんしゃ : メイツユニバーサルコンテンツ


 日本の四季を感じさせてくれる和菓子。 春はさくらもちやお花見の団子、夏は涼しげな水ようかんやわらびもち、秋は栗きんとん、冬はぜんざいなど、その季節ごとに味わい楽しむことができます。

 普段何気なく食べている和菓子ですが、どうやって誕生したのか知っていますか? 昔は菓子といえば木の実や果物のことを指していました。今でも果物を水菓子というのはその名残です。その後、外国から伝わった菓子が日本独自の和菓子へと進化していったのです。

 この本では、和菓子の歴史や種類などの基礎知識から、ようかんやカステラなどの代表的な和菓子のルーツ、全国に伝わる郷土菓子などを紹介しています。 奥深い和菓子の世界を知りたい方におすすめの1冊です。

 佐賀県の代表的な和菓子「丸ぼうろ」も紹介されていますよ。

児童書のおすすめ(3月25日)

 

書名 しょめい :ロドリゴ・ラウバインと従者クニルプス
著者  ちょしゃ :ミヒャエル・エンデ/作 ヴィーラント・フロイント/作 木本 栄/訳 junaida/絵

   小学館


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 ロドリゴ・ラウバインは荒野に建つ城に住む、誰もが恐れる盗賊騎士です。
 そんな恐ろしいロドリゴの従者になろうと、怖いもの知らずの少年クニルプスはひとりで彼の城をたずねます。
 クニルプスは従者になるため、ロドリゴに度胸試しを命じられます。そんなクニルプスの度胸試しが、王さまやお姫さま、お城の魔術師や竜を巻き込んでの物語に発展していきます。
 怖いもの知らずで無鉄砲なクニルプスは多くの困難の中、さまざまな感情を学び優しくたくましく成長していきます。

 この物語は『モモ』や『はてしない物語』を書いたミヒャエル・エンデの未完成の物語を、ヴィーラント・フロイントが完成させた作品です。
 クニルプスだけでなく、エンデの生み出したキャラクターたちはフロイントのもとでどのように成長していくのでしょうか。
 少し長めの物語ですが、きっとページをめくる手が止まらなくなるはずです。

 

児童書のおすすめ(3月18日)

 

書名 しょめい :リパの庭づくり
著者  ちょしゃ :福井 さとこ/作・絵

   のら書店


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 リパはうでのいい庭師です。ある朝、リシュカおばあさんの家にやってきたリパは、美しかった庭が荒れ果てている光景を見て驚いてしまいます。おばあさんに理由を尋ねると、飼い猫のマリーがいなくなってしまって何にも手につかないというのです。そこでリパはおばあさんを元気づけるために、野鳥のシーコルと協力して、庭の手入れをはじめるのですが…。
 この本のみどころは、シルクスクリーン(孔版)という種類の版画で描かれた挿絵です。荒れ果てた庭が、よみがえる様子が独特の美しい風合いで描かれており、植物のみずみずしい生命力が伝わってきます。
 冬が終わり春の訪れを感じられるようになってきました。みなさんの周りでもたくさんの植物が芽吹いているのではないでしょうか。リパのように植物に触れて、全身で自然の息吹を感じてみませんか?

 

児童書のおすすめ(3月11日)

 

書名 しょめい :ぼくんちの震災日記
著者  ちょしゃ :佐々木 ひとみ/作 本郷 けい子/絵

   新日本出版社


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 2011年3月11日に発生した東日本大震災から今日で14年。小中学生のみなさんはこの震災について、聞いたことはあるけど詳しくは知らない…そんな人が多いかもしれませんね。震度7の地震をきっかけにした大きな大きな震災でした。
 この本は、3月11日からの4日間の物語です。主人公は小学4年生。中学生のお姉ちゃんがいます。地震が発生した時の様子、避難の様子、怖さ、つらさ、悲しさ、切なさ、そして「がんばろう」の気持ち。それらがこの本からは伝わってきます。
 物語の主人公とその家族が体験したことのほとんどは、作者が実際に体験したことだそうです。「防災用品を備えるように、“心”も備えて」と、東日本大震災を体験した作者は語ります。この本で“心”の備えをはじめませんか。

 

児童書おすすめ(3月4日)

 

書名 しょめい :ガラスの大エレベーター』(ロアルド・ダールコレクション5)
著者  ちょしゃ :ロアルド・ダール/著 柳瀬尚紀/訳

   評論社


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 あなたの乗ったエレベーターが天井を突き抜け宇宙まで飛んでいったらどうする?ガラスのエレベーターでチョコレート工場に向かうはずのワンカ氏とチャーリー一家でしたが、なんと宇宙まで飛んでいってしまい…。「ガラスの大エレベーター」はそんな奇想天外なお話です。20巻あるロアルド・ダールコレクションの中の1冊で、大人気で映画化もされた「チョコレート工場の秘密」の続編です。

 著者のダールは、子どもたちを寝かしつけるため毎晩いろんなお話をしてあげていました。5人の子どもたちは夢中になり「もっともっと」と先をせがんだそうです。そしてダールは物語を書くようになりました。

 ダールの作品は、思いもよらない展開があり、言葉がおもしろく笑いを誘い、そして何より子どものことが大好きだという思いにあふれています。この本を読んであなた自身が自由に想像を膨らませ、ダールの物語の世界を楽しんでください。

 

児童書のおすすめ(2月25日)

 

書名 しょめい :めちゃうま!?昆虫食事典
著者  ちょしゃ :内山 昭一/監修  大串 ゆうじ/絵

   大泉書店


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 皆さんが好きな料理は何ですか?カレー、お寿司、からあげ?お肉やお魚を使った料理が多いと思います。

 この本のテーマは、名前のとおり「昆虫食」です。「虫を食べるなんて気持ち悪い!!」と思うかもしれませんが、実は、虫は1万年前から世界中で食べられています。日本でも、イナゴやカイコなどが食べられているんですよ。

 この本は、昆虫料理研究家の作者が、64種類の虫を実際に調理して、味や栄養などを紹介しています。「バッタ入りお好み焼き」「セミのチョコがけ」「スズメバチのサナギと幼虫の串焼き」などのメニューがイラスト入りで紹介されており、とても美味しそうです。アゲハ蝶の幼虫は、ゆでるとミカンの香りがするそうです。興味がわきませんか?

 虫は栄養豊富で、少ないエサや水で狭い土地でも育てられることから、SDGsの観点や、これから予想される人口増加による食糧不足を救う方法として、あらためて注目されています。

 この本を読むと、虫を見る目が変わると思いますよ。

 

児童書のおすすめ(2月18日)

 

書名 しょめい :おしごとそうだんセンター
著者  ちょしゃ :ヨシタケ シンスケ/著

   集英社


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 宇宙船が地球に落ちたときのケガで記憶喪失になってしまった宇宙人。生きていくために何かおしごとをしなくてはと「おしごとそうだんセンター」を訪ねます。

 「おしごとって何?」「どうやって選べばいいの?」何もかもが初めてで不安でいっぱいの宇宙人に、相談係のおねえさんが優しく働くとはどういうことかを教えてくれます。

 ヨシタケシンスケさんならではのユニークな世界観に思わず笑ってしまう44のおしごとは、見開きの右ページにイラストが、そしてページをめくると名前と解説が書かれています。イラストを見て「これはどんなおしごと?」とクイズのように当てっこするのも楽しいかもしれません。

 子どもにとってまだ知らないことだらけのおしごとの世界。いつかおしごとするみなさんも「おしごとそうだんセンター」を訪ねてみませんか。「大事な人」のために一生懸命働いてくれている「お父さんやお母さん」の想いも知ることができると思います。

 

児童書のおすすめ(2月11日)

 

書名 しょめい :作って発見!日本の美術
著者  ちょしゃ :金子 信久/著・工作

   東京美術


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 みなさんは「日本美術」にどんな印象を持っていますか。難しい?暗い?敷居が高い?
日本美術に限らず、美術の楽しみ方は様々ありますが、この本は「まず工作で作ってみよう!」と提案しています。実際に作品を作ることで、技術的なことはもちろん、作者の意図やアイデアがよく分かるのだとか…。

 例えば、俵屋宗達画・本阿弥光悦書の《鶴下絵三十六歌仙和歌巻》は、優雅に飛び立つ鶴の群れを和歌とともに表現した名画です。これを工作にすると、金と銀の連続したハンコがかわいい作品になります。私もこの本を参考に実際に工作を作ってみましたが、同じモチーフのハンコが重なったり離れたり、画面からはみ出したりするところに、不思議なリズムを感じました。

 そもそも美術は難しいものではありません。工作を通して、日本美術の自由な発想とデザインの魅力を、楽しみながら体験してみてください。作品に触れあなたの心が動いたら、それがアート鑑賞の第一歩です。

 

児童書のおすすめ(2月4日)

 

書名 しょめい :チョコレートのおみやげ
著者  ちょしゃ :岡田 淳/文  植田 真/絵

   BL出版


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 ニワトリと風船売りの男は、おたがいに大切な相棒。ニワトリはその日の風の向きや強さを男に教え、やさしい男はそれを聞いて風船を売るかどうかを決めていました。風船がたくさん売れた日は大好きなチョコレートをたくさん買っていっしょに食べました。 

 午後から強い南風が吹きそうなある日のこと、ふとニワトリにいたずらな心が生まれてしまいます。「きょうは風がふかないね」そのひとことでニワトリと男の幸せな毎日がとつぜんこわれてしまいます。男のやさしさに甘え、うそをついたニワトリと風船売りの男の行く末は?
 チョコレートは時間やいろいろな出来事を溶かしていく力がある。そんな不思議なチョコレートの魅力に引きこまれてしまいます。実はこれ、「ゆき」と「みこおばさん」の会話からできたお話。やさしい二人にチョコで乾杯!

 

児童書のおすすめ(1月28日)

 

書名 しょめい :「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと
著者  ちょしゃ :加藤 隆行/文 名越康文/監修

   小学館クリエエイティブ


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 あなたは自分のことが好き?それとも嫌い?友だちにイヤなことを言ってしまった。スポーツが苦手だからカッコ悪い。先生に怒られてばっかり。そんな自分のことが嫌いだったりしませんか?もしそうなら、この本を読んでみると、自分に自信がもてるようになるかもしれません。自分に嫌いなところがあっても大丈夫。この本を書いた加藤さんはこう言っています。「自分はそのままでいいと信じてみませんか?」と。

 自分の嫌いなところは、そのままでいいんです。短所は別の見方をすれば長所にもなります。少し考え方を変えれば、嫌いなところも好きになれるかもしれません。その「考え方を変える」やり方を、この本は教えてくれますよ。今の自分を好きになれたら、きっともっと人生は楽しくなるはずです。

 「どうせ自分なんて」と思ったことがあるなら、一度この本を読んでみませんか。

 

児童書のおすすめ(1月21日)

 

書名 しょめい :源氏物語入門
著者  ちょしゃ :高木 和子/著

   岩波書店


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 書店で『源氏物語』のコーナーを見かけ、物語や紫式部の人気の高まりを感じています。平安時代・中期は、十二単や和歌などの文化が花開きました。この時代に書かれた『源氏物語』は、世界で最も古い長編小説といわれ、貴族の暮らしや行事、今に伝わる祭も描かれています。
 『源氏物語』が書かれた時代は、和歌を送り好きな人に気持ちを伝えていたので上手な和歌を作ることは重要でした。『源氏物語』には約800首もの和歌が詠まれ、平安時代・後期には「『源氏物語』を読まない歌詠みは残念」といわれ、『源氏物語』は和歌の教科書にもなりました。
 『源氏物語』は、一条天皇に献上するために書かれた物語ですが、書き始めた時から貴族の間で物語が面白いと話題になりました。光源氏のライバルへの対抗心や友情などは、いつの時代にも共通することで、1000年経った今も共感をもって読み続けられています。紫式部が書いた平安貴族の物語を読んでみませんか。

 

児童書のおすすめ(1月14日)

 

書名 しょめい :保健室には魔女が必要
著者  ちょしゃ :石川 宏千花/作 赤/絵

   偕成社


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 魔女たちは現在「七魔女決定戦」のまっさい中。勝者の条件は、自分が考案した「おまじない」を世の中にたくさん定着させること。普段は人と同じように生活し人間社会に溶け込んでいる魔女たちですが、七魔女に選ばれるため、あの手この手で自分のおまじないを広めようと日夜活動しています。
 《満ち欠けの扉》こと人間名「弓浜 民生(ゆみはま たみお)」も七魔女決定戦に参加中の魔女。中学校の養護教諭として、保健室を訪れる中学生の悩みを聞き、それに合うおまじないを作り伝授(でんじゅ)することで、おまじないの定着を狙(ねら)っています。
 《満ち欠けの扉》が人としての職業に養護教諭を選んだのは七魔女になるためだけではありません。こどもたちには魔女のおまじないが必要だと思ったから。もしかしたらあなたの学校の保健室の先生も、そんな優しい魔女だったりするかもしれませんね。

 友だちへの不満、家族へのイライラ、容姿へのコンプレックス、特別への憧れ・・・。今悩んでいる人におすすめの連作短編集です。

 

児童書のおすすめ(12月24日)

 

書名 しょめい :サンタクロースは空飛ぶ宅配便ではありません
著者  ちょしゃ :市川 宣子/作 高橋 和枝/絵

   ポプラ社


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 今年、1年生の間に流れているうわさ。「4年3組の黒須三太くんにおねがいの手紙を書けば、クリスマスにはほしいものがもらえる」らしい。
 そんなわけあるかよ…とうんざりする三太ですが、くつ箱に届く手紙を捨てるわけにもいかず、偶然見つけた「サンタクロースあて」と書かれた赤いポストに入れてみることに。すると、赤鼻のトナカイ、ルドルフが現れて、今年のサンタ役に三太が選ばれたと話すのでした。
 続々と増えていく手紙と、クリスマス本部から送られてくるプレゼントのチェック。トナカイに乗る練習もしなければならず、三太は大忙しです。
 そんな中、手術の前にサンタさんに会いたいとの願い事が舞い込みます。これはなんとかしてあげたいと、ルドルフは行方不明のサンタクロースを探しに行ってしまいます。
 トナカイ不在のまま、友人のたくやと和人とで配達をすることになった三太。クリスマス嫌いな三太が奮闘する姿をぜひ最後まで見届けてください。

 

児童書のおすすめ(12月17日)

 

書名 しょめい :闇に願いを
著者  ちょしゃ :クリスティーナ・スーントーンヴァット/著

   静山社


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 願ったことが実現するとしたら、何を願いますか。もしあなたが特別な力を手に入れたら、どのような行動をとるでしょうか。

 物語の舞台・チャッタナーの住人は、街を治める総督のことをとても尊敬しています。総督が、特別な力を使って、大火で灰の街になったチャッタナーに光をもたらしたからです。しかし総督は、自分にとって価値がある人にしか光を与えるつもりはありませんでした。

 主人公のポンは刑務所で生まれたため、総督が作った法律により、13歳まで出所できません。13歳になるのを心待ちにしていたポンですが、総督の考えを知り、刑務所から逃げ出すことにしました。

 たどり着いた村で、ポンはひとりの老僧と出会います。自分の願いは、追手から逃げきり、自由になることだと思っているポン。老僧はそんなポンに、進むべき道を示してくれたのです。さて、その「道」とは?

 登場人物の行動だけでなく、考え方の変化にも注目して読んでください。

 

児童書のおすすめ(12月10日)

 

書名 しょめい :はじめて読むレオナルド・ダ・ヴィンチ
著者  ちょしゃ :石崎 洋司/著

   講談社


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 レオナルド・ダ・ヴィンチといえば、「モナリザ」や「最後の晩餐」で知られる有名な芸術家です。しかし、彼がどんな人だったのか、みなさんは知っていますか。
 レオナルドは、裕福だけど複雑な家庭で育ちました。そして、モデルになれるほどの美少年だったのです。
 画家としてよりも先に、楽器を弾きながら即興で歌う音楽家として有名になりました。ほかにも、科学者であり技術者でもあったことはよく知られていますが、幾何学、物理学、解剖学とあらゆる分野で才能を発揮しました。飛行装置や、人体の解剖図を見たことがあるという人も多いでしょう。まさに天才といえる人でした。
 そんな天才でも、うまくいかない時期もありましたが、自分の信念を曲げず、理想を追求していくことがレオナルドのいちばんの才能だったのかもしれません。
 ルネサンスという激動の時代の中で、文化や科学の最先端を走っていたレオナルド。彼について調べてみませんか。

 

児童書のおすすめ(12月3日)

 

書名 しょめい :神社・お寺のふしぎ100
著者  ちょしゃ :田中ひろみ/文 藤本頼生/監修

   偕成社


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 いよいよ師走になり、今年もあと1箇月をなりました。年が明けてお正月は、親戚と集まったり、お年玉をもらえたり楽しいことがたくさんですよね。
 ところで皆さんは、初詣に行ったことはありますか?初詣で神社やお寺に行くのが楽しみという人も多いと思いますが、神社やお寺は普段の生活の空間とは違って、大きな鳥居があったり、お参りの時に線香をあげる場所があったり、不思議なことがたくさんあると思います。
 この本では、神社やお寺の不思議について、Q&A形式で100個紹介されています。「お賽銭の金額はいくらがいいの?」や「おみくじは、家に持ち帰ってもいいの?」など、初詣ですぐに役立つものから、「神様や仏様は、どこからきたの?」のような深いお話まで、いろいろなおはなしが載っています。
 ぜひ、この機会に神社やお寺の不思議にふれてみてください。

 

児童書おすすめ(11月26日)

 

書名 しょめい :こどもに聞かせる一日一話 「母の友」特選童話集
著者  ちょしゃ :福音館書店「母の友」編集部/編

   福音館書店


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 「子どもも大人も一緒にお話の世界へ遊びにいきましょう」という言葉で始まるこの本には、雑誌「母の友」で長く続く企画「こどもに聞かせる一日一話」の中から選ばれたお話を中心に、みんなが大好きな絵本の人気者「ぐりとぐら」や「だるまちゃん」が登場するお話などが30話掲載されています。
 「ねぇ何かお話してよ」と子どもにお願いされたら、この本のお話を一日一話読んであげてみて下さい。「今日はどのお話にする?」と一緒に選んだり、お気に入りのお話が見つかれば繰り返し読むこともできます。寝る前に読んでもらえば、幸せな夢の世界へ飛び立つこともできるのです。
 子どもはお話を読んでくれた人のことを、忘れることはないといいます。自分だけに向けられたあたたかなまなざしと声は、大人になってもお話とともに心に残り続けるのです。この本との出会いが、子どもと大人が心をかよわせるきっかけになることを願っています。