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小中学生へおすすめ!

児童書のおすすめ(10月14日)

書名 しょめい : もしもミツバチが世界から消えてしまったら

著者 ちょしゃ : 有沢 重雄/著 中村 純/監修

出版社 しゅっぱんしゃ : 旬報社


 もしもミツバチが世界から消えてしまったら、どんな困ることがあるでしょう? すぐに思い浮かんだのは、ハチミツが食べられなくなるということ。「もう一生食べられませんよ。」なんて言われたらそれは残念です。
 それから、ミツバチには花粉を運ぶという重要な役割があります。花はミツバチに花粉を運んでもらい、ミツバチは花からミツ(食べ物)をもらうという、お互いの利益になる関係がなりたっているそうです。ミツバチのおかげで育った植物は、やがて私たち人間や動物たちの食べ物になったり、道具の材料になったりと欠かせないものになります。
 そんな大事な役割をもつミツバチも、自然環境の変化で減少している恐れがあるそうです。「知らないものは守れない」と、この本には書かれています。守るために、まずは知ることからはじめましょう。

児童書のおすすめ(10月7日)

書名 しょめい : わたしが正義について語るなら

著者 ちょしゃ : やなせ たかし/著

出版社 しゅっぱんしゃ : ポプラ社


 みなさんは、家族や友達と喧嘩をしてしまうことはありませんか?他にもテレビで、外国の戦争のニュースを見たり聞いたりすることがありますよね。こういった争いが起きる理由って何でしょう?
 私は子どもの頃、弟とおやつの配分でいつも喧嘩をしていました。理由はそれぞれだと思いますが、お互いに自分が正義で、相手が間違っていると思い込んでいるところから争いが起きてしまう気がします。
 この本はアンパンマンの作者である、やなせたかしさんが思う、正義について書かれています。アンパンマンには悪役としてバイキンマンやドキンちゃんが出てきますが、2人とも敵とはいえ、どこか憎めないキャラクターですよね。なぜそのような描き方をしているのか、また、なぜアンパンマンが自分の顔を食べさせてあげるのか、実はそこにやなせさんが考える正義の答えがあります。
 何でも白黒つけたくなるあなた、ぜひ読んでみてください。

児童書のおすすめ(9月30日)

書名 しょめい : 巨大おけを絶やすな!

著者 ちょしゃ : 竹内 早希子/著

出版社 しゅっぱんしゃ : 岩波書店


 日本の食文化に欠かせない味噌や醤油、日本酒。これらを作ったり保存したりするのに欠かせないもの、それは木おけ。歴史のある蔵元には古い大きな木おけがいくつも並んでいて、100年以上使われているものもあるんだそうです。
 ところが今、木おけを作ったり、修理をしたりすることができる職人が少なくなってしまい大ピンチ。このままでは日本中の味噌、醤油、日本酒などが今までのように作れなくなるかもしれません。巨大おけを守るために、味噌や醤油の蔵元同士が協力して、おけの作り方を伝承したり、林業家が材料となる木を育てたりしています。
 伝統を守ることの難しさと、職人の技を受け継いでいくことの厳しさに驚くとともに、巨大おけを絶やさないために努力を続ける木おけ職人や、蔵元の人々に感謝します。
 味噌汁を飲むとき、醤油をかけるときに、“おけ”のことも思い出してください。

児童書のおすすめ(9月23日)

書名 しょめい : あなたの言葉を

著者 ちょしゃ : 辻村 深月/著

出版社 しゅっぱんしゃ :毎日新聞出版


 「あのときなんと言えば正解だったのだろう」「いつの間にか自分の本音や、選びたかった選択が自分でもわからなくなってしまった」

 そんな気持ちになったことがあるあなたにぜひ出会ってほしい本です。作者の辻村深月さんは、まるですぐ隣にいるかのように、あなたに優しく、そして、まっすぐに語りかけてくれます。「『自分の言葉』は、無理にのみこむ必要もなければ、同じように口に出すことを強制されるものでもありません。」「″空気″の中に自分の気持ちを埋もれさせたり、『思うこと』にブレーキをかけたりしないで…。」と。
 「あなたの言葉」がいつか胸からあふれて、あなたの味方になってくれますようにという、温かい願いがちりばめられたこの一冊。「ぜひ読んで!」と大人が強くすすめると、辻村さんの思いと少し離れてしまいそうなので、「出会ってほしいな」「目をとめて手に取ってくれるといいな」という気持ちで、そっと紹介します。

児童書のおすすめ(9月9日)

書名 しょめい : 捨てないパン屋の挑戦

著者 ちょしゃ : 井出 留美/著

出版社 しゅっぱんしゃ : あかね書房


 日本では、1年間に400万トン以上の食品が廃棄されています。これは私たち一人ひとりが、おにぎりを毎日1個捨てていることになる量です。環境のことを考えても、食品ロスは大きな社会問題です。
 パン屋に生まれた田村さんは、どうして捨てないパン屋になったのでしょうか。子どもの頃はパンが嫌いだった田村さん。しかし、実家のパン屋を継いでからは、フランスまでパンの修業に行くほどになりました。そして、まき窯で天然酵母を使ったパンのみを作るようになり、売れ残ったパンを捨てることがなくなったのです。材料や販売方法など試行錯誤の末に、やっと捨てないパン屋になることができました。それはとても長い道のりでしたが、必要な選択でした。
 パン屋だけではなく飲食店や販売店、家庭からも日々食品が廃棄されています。これは、私たちみんなが向き合っていかなければならない問題です。食品ロスについて、考えるきっかけにしてほしい本です。