書名 : 金曜日のあたしたち
著者 : 濱野 京子/作
出版社 :静山社
入試の失敗で目的を失った陽葵が街角で出会ったのは、志望先だった櫻木学園「環境問題研究会」のスタンディング(デモ活動)。活動する水沢や絢たちに、自分を拒否した高校への劣等感から素直になれない陽葵でしたが、教えられた気候変動のタイムリミットや気候危機の現実に興味をおぼえ自分でも調べ始めます。時々カチンとくるような上から目線の水沢に甘酸っぱい想いが絡んだりしますが、やがてまっすぐに自分たちの未来を考え始めた陽葵には、徐々に仲間が増えていきます。自分たちの未来を自分たちで考えようと文化祭で地球環境の危機をテーマにみんなに訴えることに挑戦します。
陽葵の気持ちよいほどの成長ぶりに加えて、真剣に環境問題に向き合う同級生や櫻木学園の活動家たち。こんな若者たちがいれば地球も少しは救われるかもしれないと思えます。
今の生活を見直しながら陽葵と同世代の人達に読んでほしい1冊です。
書名 : オポッサムはないてません
著者 : フランク・タシュリン/文・絵 小宮 由/訳
出版社 : 大日本図書
これは、いつもニコニコと笑っている、オポッサムというちょっと不思議な生き物のお話です。
ある日、オポッサムが笑顔で木にぶらさがっていると、通りがかった人間たちが、「悲しそうにしていてかわいそうだ」とさわぎはじめます。
人間たちはポッサムを笑わせようとしますが、オポッサムはちっとも悲しくなんてありません。笑顔で木にぶらさがっているだけなのです。自分が悲しくないことを、どんなに説明しても、話を聞いてもらえません。人間たちは、とうとうぶら下がっている木ごと、オポッサムを町へ連れていってしまいました。
オポッサムはどうなってしまうのでしょうか?
何が幸せかは人それぞれで、勝手な思い込みは時に誰かを傷つけてしまうこともあります。
オポッサムと人間たちのまったく伝わらないやり取りがユーモラスで、不思議な後味が残る、幸せについて考えさせられる一冊です。
書名 : はるのひ
著者 :小池 アミイゴ/作・絵
出版社 :徳間書店
この本の主人公はこと君です。お父さんの畑で手伝いをしていると、森の向こうに煙が見えてきました。あの煙を見に行っていいか父親に聞くと、暗くなるまでに戻るよう言われます。こと君は煙を追いかけて畑をどんどんおりて行きます。土ぼこりが上がり、ズボンが汚れ、靴がびしょぬれになりました。森の中へ進むにつれ心細くなったこと君は、大きな声で「とーちゃん」と呼びました。すると、小さくですが、「おーい」と父親の声が聞こえ、安心した様子のこと君。深い森の中で父親の声が聞こえないのではないかと不安になったのです。
皆さんも、小さいときにどこかに一人で行き、心細くなった経験はありませんか。子どもながらの好奇心と恐怖、そしてその様子を見守る親の愛情が絵本をとおして伝わってきます。父と子の呼びあう声が胸にひびく、心あたたまる絵本です。本の最後に描かれている肩車をされたこと君の表情をぜひ見てみてください。
書名 :100このタネがとんでった
著者 :イザベル・ミニョス・マルティンス/文 河野ヤラ政枝/絵 木下 眞穂/訳
出版社 :岩波書店
ある日、まつぼっくりから100このタネが飛び出していきました。小さなタネたちは、道路や大きな石の上に落ちたり、鳥や動物に持って行かれたりと、ほとんどのタネたちはうまく育つことができません。
残った少しのタネは、すくすく大きくなりましたが、水や栄養が足りずに1本だけに。そして、その1本の木もウサギに食べられてしまいます。
100こもタネがあるのに、みんな大きくなれないのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。いくつかのタネはうまく大きくなることが出来ていたのです。いったい、どこでどうやって大きくなっていたのでしょう。
この本に出てくるまつぼっくりのような飛ぶ形のタネ、とげで動物にくっつき遠くに運んでもらうタネなど、木がつくるタネにはさまざまな形があります。タネの形はうまく育つために工夫されていることがわかります。
みなさんの身の回りにある木は、どのような形のタネから大きくなるのでしょうか。ぜひ、調べてみてください。
書名 : だれか、ふつうを教えてくれ!
著者 : 倉本 智明/著
出版社 : 新曜社
もし乗り物の中で白い杖を手に立っている人を見かけたとき、あなたならどうしますか。すぐに席をゆずりますか?それとも気づいてもそのままでいますか?
視覚に障がいを持つ作者は、誰もが席をゆずられたいとは限らない、良かれと思ってしたことが本人の気持ちにそぐわないこともあると語ります。一方で、助けてほしいときに助けてもらえないこともあるのだ、と。
世の中はバリアフリー社会を目指しています。ただ、障がいを持つ人の気持ちにそわないまま、健常者の「ふつうはこうだから」の気持ちでバリアフリー化を目指していることも多くあるようです。お互いにとっての「ふつう」のものさしがちがうこと、それに気づいたうえで行動すること、その大切さを作者のさまざまな体験をとおして、本音で教えてくれる本です。
書名 : ぼくは学校ハムスター 1
著者 : ベティ・G.バーニー/作 尾高 薫/訳 ももろ/絵
出版社 : 偕成社
困っていることがあると、さりげなく手助けしてくれるハムスターがいます。
ハムスターの名前はハンフリー。アメリカのロングフェロー小学校の26 番教室で飼われています。「キュキュッ!」としか話すことはできませんが、じつは人間の言葉を理解していて、読み書きができます。
そんなハンフリーは、週末だけ生徒や先生の家で過ごします。一緒に過ごすことで、教室ではわからなかった彼らの様子や困りごとを知ります。そこで、困りごとを解決するために作戦を実行しますが…。
物語の中で、ハンフリーは、ユニークでかわいらしく描かれています。また、困りごとは人それぞれ違いますが、ちょっとしたきっかけで解決できるということを教えてくれます。
さらに、この本の原作はアメリカの作品なので、日本との違いやアメリカの文化を感じることができるのも魅力です。第3巻までシリーズがあるので、シリーズをとおしてハンフリーの活躍する姿をぜひ読んでみてください。
書名 : 賢者の贈り物・最後のひと葉
著者 : オー・ヘンリー/作 越前 敏弥/ほか訳 椎名 優/絵
出版社 : KADOKAWA
この本には、世界中で100年以上も読み継がれているオー・ヘンリーの作品の中から選ばれた10編の物語が載っています。
例えば、「賢者の贈り物」では、貧しいけれど大変仲のいい夫婦が、互いに相手のことを大切に思って、クリスマスの日に特別なプレゼントを贈ります。しかし、プレゼントは相手にとっていらなくなったもの。それはなぜ?読んだ後、とても心が温かくなる物語です。
また、「最後のひと葉」では、画家になりたい少女が重い病気のため生きる希望をなくし、部屋の外のツタの葉が寒さですべて落ちてしまうと自分も死ぬと思い込みます。葉が最後の1枚になり、嵐の夜が明けても、なぜか残っている葉を見て少女は元気を取り戻します。葉が残っていたのはなぜ?読んだ後、心がとても切なくなる物語です。
このほかにも、いつまでも心に残る物語が載っています。ぜひ小学生のうちに読んで本を好きになってもらいたい、おすすめの一冊です。
書名 : アリーチェと魔法の書
著者 :長谷川 まりる/作 松井 あやか/絵
出版社 : 静山社
アリーチェの家は、表向きは町の小さな本屋ですが、裏では魔法の書を管理する守り手の一族です。魔法の書は世界にただ1冊、この世の全ての魔法が収められています。魔法使いの家系に生まれた者は、魔法の書を読むことでしか魔法を覚えられないし、読める魔法は本人の属性や能力によって決まっています。
非魔法族であるアリーチェの家族は、魔法の書を読めないことで魔法使いたちから信用され、代々守り手を務めてきました。魔法使いに憧れるアリーチェは、魔法が使えなくても魔法使いと関わっていたくて、守り手になると決めます。ところが、守り手継承の儀式で思いがけない出来事が起こり・・・。
血筋や能力によって生き方が狭められたり、差別されたりすることがあります。この物語には、守り手のほかに六つの属性の魔法使いが登場し、それぞれ異なる価値観を持っています。誰が正しいのか、自分だったら何を一番大事だと思うか。考えさせられるお話です。
書名 : それ日本と逆!?文化のちがい習慣のちがい[第1期] 1
著者 : 須藤 健一/監修
出版社 : 学研教育出版
世界の国の数は200弱。国が違えば、文化や習慣の違いもたくさんあります。
例えば、食事の時、日本ではお茶碗は手に持って食べ、残さないことがマナーとされます。でも、韓国ではお茶碗はテーブルに置いたまま食べるのがマナー。また、中国では、わざと少し食べ残すことがあります。同じアジアでも、マナーの考え方が分かれるのはなぜでしょうか。
この本では、食事に関するマナーの違いを通じて、その背景にある文化や習慣の違いを紹介しています。
外国から日本へ来る人、日本から外国へ行く人が増え、文化や習慣の違いに遭遇する機会も多くなりました。作法の違いを目の当たりにした時、「あなた、間違えていますよ⁉」と言いそうになるかもしれません。けれど、自分の認識だけが正しいのでしょうか?もしかしたら、そう思うこと自体が間違えているかも…。
この本で、あなたが知らなかった他国の文化や習慣に出会い、たくさんの違いを発見することでしょう。
書名 : バナナの種はどこへいった?
著者 : 川幡 智佳/著
出版社 : 実務教育出版
みなさんは、バナナの種を見たことはありますか。バナナを食べるときに種を取り出したことってないですよね。種が無いことは、私たちにとって食べやすくてうれしいことですが、バナナは種が無いのにどうやって子孫を残しているのでしょうか?
ほかにも、身の回りの植物について不思議に思ったことはありませんか。ひまわりの花が太陽の方を向いて咲くのはなぜ?どうしてトウガラシって辛いの?これらの疑問には、植物が生きていくためのヒミツが隠されています。
この本には、植物が生きていくためのヒミツの生態がたくさん書かれています。当たり前だと思って、わざわざ気にとめていなかったことでも、秘密を知ると新しく見えてくるものがあるかもしれません。