小中学生へおすすめ!

児童書おすすめ(5月28日)

 

書名 しょめい :『目で見ることばで話をさせて』
著者  ちょしゃ :アン・クレア・レゾット/作

    岩波書店


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 19世紀初頭、マーサズ・ヴィンヤード島では、耳が聞こえる人も聞こえない人も手話で会話していました。家事よりも物語をつくるのが好きなメアリーも、手で多くのことを語ります。ところが、その語りをよろこんでくれた兄が馬車の事故で亡くなってからは、なぜ不公平なことがあたりまえなのか、どうしようもないことが起こるのか、疑問に思うようになりました。
 そんなとき、島に科学者がやってきます。島に耳が聞こえない人が多い原因を調べに来たというのです。この科学者の言動にメアリーは度々苦しめられました。そんなメアリーに違う視点を示してくれたのが、奴隷から自由黒人となり、父の牧場で働いているトーマスです。科学者に誘拐され、差別を受けながらも、あきらめなかったメアリー。悩みながらも自分で考え、会話する努力をします。メアリーの疑問への答えは、会話の中にあるかもしれません。ぜひ手話での会話表現にも注目して読んでください。

児童書おすすめ(5月21日)

 

書名 しょめい :『ウィリアムの子ねこ』
著者  ちょしゃ :マージョリー・フラック/作・絵 まさき るりこ/訳

    徳間書店


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 五月のある月曜日の朝、迷子の子ねこが町の通りを歩いていました。しかし、忙しい大人たちは誰一人子ねこに気がつきません。そんな中、子ねこに気がついたのはウィリアムだけでした。なぜなら、彼はまだ4才なのでちっとも忙しくなんかなかったからです。
 『かわいい子ねこちゃん、きみ、どこからきたの?』とウィリアムが尋ねますが、子ねこは『ミュー、ミュー、ミュー』と鳴くばかり。そこで、ウィリアムは迷子の子ねこを警察に届け出ることにしました。ところが、飼い主だと名乗る人物が三人も現れて…。
 果たして、子ねこは無事に飼い主の元へ帰ることができるのでしょうか?
 少年の親切がまわりの人々を幸せにし、その親切がめぐりめぐって少年に返ってきて、最後には少年も含めすべての人が幸せになるおはなしです。みなさんも少しでも困っている人がいたら、勇気を出して手をさしのべてみませんか?

児童書おすすめ(5月14日)

 

書名 しょめい :『かぼちゃ人類学入門』
著者  ちょしゃ : 川原田 徹/さく

    福音館書店


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 佐賀のおとなり、福岡の門司港から連絡船に乗って夢時間。海に浮かぶ大きなかぼちゃが見えてきたら、それは「かぼちゃ島」です。この島に住む人たちは、かぼちゃを食べ、かぼちゃの恵みに感謝しながらのんびり楽しく暮らしています。
 島には、宿に温泉、市場や学校など、暮らしに必要なものは何でもありますが、皆さんの町にあるものとは少し違っています。例えば、この島の銀行ではお金だけではなく、健康や幸せも預けられます。そして、健康に恵まれなければ健康を、悲しい時には幸せを引き出すことができます。健康と幸せとお金は、1:2:10の割合で取引され、お互いにないものを補いあっています。
 「世の中で一番広いものはなあに?」かぼちゃ人は、心の中だと語ります。かぼちゃ島は狭いけれど、空想をめぐらせば世界が無限に広がると知っているのです。
 この本を開いてみてください。皆さんもかぼちゃ人として夢のような時間を過ごせるかもしれません。

児童書おすすめ(5月7日)

 

 

書名 しょめい :『日本の昔話 全5巻』
著者  ちょしゃ : おざわ としお/再話、赤羽 末吉/画

    福音館書店


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 「むかし あるところに」で始まる昔話。「はなさかじい」や「ももたろう」、みなさんはどんな昔話を知っていますか?
 昔話は日本各地で何百年にもわたり親から子へ、子から孫へと口伝えで語り継がれてきたおとぎ話です。昔話には、人が生きていくための知恵や教えがたくさんあります。
 この「日本の昔話」全5巻では、今では直接聞くことができなくなった語り継がれた昔話301話が、子どもにもわかりやすい言葉で書き直され収められています。
 初夢をみて宝物を手に入れる話、いつもいじめられていた子どもが活躍する話、正直者がご褒美をもらう話、猫やネズミが人間の知らない秘密を教えてくれるお話などなど。
 ひとつのお話は短いので、ちょっとした時間にも読むことができます。知っているお話や、思いもよらない結末のお話もあるかもしれません。何回読んでも面白くて新しい発見がある、それが昔話の魅力です。

児童書おすすめ(4月30日)

 

 

書名 しょめい :『すごいゴミのはなし ゴミ清掃員、10年間やってみた。』
著者  ちょしゃ :  滝沢 秀一/文、スケラッコ/イラスト、萩原 まお/イラスト

    学研プラス


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 皆さんは世の中にあふれる「ゴミ」が、どのように処理され、そして地球環境にどう影響するのか考えたことがありますか。この本は、10年間ゴミ清掃員として働いた著者の経験を通じて、ゴミの分別やリサイクル、清掃作業の役割、そしてゴミが抱える問題について教えてくれます。
 「ゴミとは人の心だ」とこの本の著者は語ります。世の中にゴミとして生まれてきたものは一つもないはずなのに、私たちの暮らしを豊かにするために生まれてきた「モノ」は、きれいだから、汚いからではなく、その人がいらないと思った瞬間「ゴミ」になってしまうのです。ゴミは年々増え続け、環境省のHPには、約20年で日本のゴミ最終処分場が満杯になると記載されています。
 「地球の未来を守るために何ができるのか」一緒に考えてみませんか。この本を読めば、皆さんが暮らす場所を、いつもきれいに保ってくれている存在に出会えるはずです。

児童書おすすめ(4月23日)

 

 

書名 しょめい :『朝ごはんは、お日さまの光!』
著者  ちょしゃ :  マイケル・ホランド/文

    徳間書店


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 やさしい手ざわりのこの本は、植物からできています。インクも植物からできています。
 カラフルな絵と楽しい解説で、植物たちの知識を図鑑にも負けないくらいに幅広く教えてくれる、科学絵本を読んでみませんか?
 さて、植物のごはんは何でしょうか?それは太陽の光です。では太陽のエネルギーが地球に届くまでの時間は?太陽の光を食べた植物が今度はわたしのごはんになるの?一つの謎の答えがまた謎を呼び、ページをめくるたびに、あなたはますます植物の不思議に引き込まれていくことでしょう。植物を使った楽しい遊びや実験も紹介されています。
 植物がなければ、どんな生き物も生きていくことはできません。植物を知れば、すばらしい生命やモノのつながりが見えてきます。

児童書おすすめ(4月16日)

 

 

書名 しょめい :『ノクツドウライオウ』
著者  ちょしゃ :  佐藤 まどか/著

    あすなろ書房


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 ノクツドウライオウ。何を意味することばでしょう? 答えは表紙に描かれた看板を見て解決です。


 ノ靴
堂来往


 右から読めば、そう、靴ノ往来堂。
 横書きの文字を右から書くのは変に思うかもしれませんが、日本では1950年頃まで右から書くことは何もおかしいことではありませんでした。新聞の見出しも右から書かれた時期があります。調べてみると1952年に公用文は左から書くように通達され、それから現在のように左から書く体裁が定着したそうですよ。
 さて、往来堂ですが、右から書かれた看板ということはずいぶん昔から営業しているのかしら。そうです、往来堂は100年続く老舗の靴屋。主人公の夏希は中学生で、代々続くこの店を継ぐか悩むようになります。別の夢があるけれど本来継ぐ予定だった兄が突然出て行ってしまったからです。
 往来堂で起こる心温まる魔法のような出来事に、果たして夏希はどうなっていくのでしょう?おたのしみに。

児童書おすすめ(4月9日)

 

 

書名 しょめい :『出世できない孔子と、悩める十人の弟子たち。』
著者  ちょしゃ :  下村 湖人/原作 森 久人/小説

    Gakken


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 この本は郷土の作家・下村湖人の『論語物語』を原作として書かれています。みなさんは『論語』って知っていますか。孔子という中国の昔の偉い人が、自分や弟子たちの言葉や行動をまとめたものです。それを物語にした『論語物語』を、子ども達でも読みやすい小説にしています。
 優秀だけど高い理想を抱いて、世渡りに不器用な孔子と、孔子の元で学ぶ若い弟子たちが、一人ひとり個性的に描かれています。たくさんのエピソードから、彼らにも私たちと同じような悩みがあったことがわかって、2500年も前のこととは思えないくらい、親しみを感じてしまいます。
 『論語』というと難しいものと考えがちですが、この本の中で孔子が悩める弟子たちに語りかける言葉は、まさに『論語』の世界です。日本でも古くから学ばれ、多くの人に影響を与えてきました。
 子どもたちだけではなく、大人のみなさんにもぜひ読んでいただきたい一冊です。

児童書おすすめ(4月2日)

 13歳からの手帳活用術

 

書名 しょめい :『13歳からの「手帳活用術」』
著者  ちょしゃ :  小澤 淳/監修

    メイツユニバーサルコンテンツ


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 成功していると言われる人には、時間の使い方や優先順位のつけ方の上手な人が多い。
これを中・高生がしてみると、夢や目標に近づけると思うよ。そんなとき手帳は、願いを叶えるアイテムになる。
 部活や塾で忙しいと思ったら、優先順位をつけて「今すぐする事」「〇日までにする事」と考えると自由に使える時間もできるよ。手帳を使うと、1日をどう過ごしたのかが見えてくる。「やるべき事リスト」を作ると、し忘れる事がなくなるから、「しなさい!」って言われることもなくなるね。
 計画的な行動で時間の感覚を身につけたら、次は小さな目標をクリアするようにしよう。できたら「ゲームをする」等ごほうびとセットにして考えるといいよ。夢や目標の記入例やスマホの活用法も参考になると思う。
 4月始まりの手帳もある。手帳は「なりたい自分」に近づくための強い味方になってくれるからね。

児童書おすすめ(3月26日)

 

 

書名 しょめい :『論理的思考力が育つ10歳からのおもしろ!フェルミ推定』 
著者  ちょしゃ : 横山 明日希/著

    くもん出版


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 「トイレの花子さんは日本に何人いるでしょう?」と聞かれたら、どうやって調べて、なんと答えますか?
 他にも、「日本の学校にあるトイレットペーパーを全部つなげたら何メートルですか?」とか「日本の小学生の何人がスマホでゲームをしていますか?」と聞かれたらどうしますか?
 インターネットで検索したら出てくるでしょうか?もちろん出てきません。算数みたいに公式に当てはめて正解を出す、ということもできません。
 そんな、「正解が無い問題」について考える方法が「フェルミ推定」です。「推定」とは「ある事実をもとに、判断する」ことです。また、「答え」ではなく、「答え方」を考えます。
では、トイレの花子さん、トイレットペーパー、スマホでゲームする小学生の数を考えるための事実とは何でしょうか?そしてその事実を基にどう考えていくのでしょうか?
現代社会は、正解が無い問題であふれています。この本は、様々な問題について「自分で考えて、自分の答えを出すこと。そして分からないからといってあきらめずに挑戦すること」を学ぶための一冊です。