小中学生へおすすめ!

2月28日のおすすめから


書名しょめい:『ぶた にく』
著者ちょしゃ:大西 暢夫/写真・文 
出版社
 しゅっぱんしゃ
:幻冬舎エデュケーション
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 みなさんが普段食べている豚肉はどうやって食卓にあがるのでしょう。私はこの本を読むまで深く考えたことがありませんでした。 
 鹿児島のある学園では生まれた豚を育て、食べるまで見届けています。夜、母豚の出産が始まりました。生まれたのはつぶらな瞳のかわいい子豚たち。丸まって眠る豚、いたずらをする豚、みんな個性豊かです。
 生まれて10か月が経つと、私たちが食べる「肉」にするため、豚は「と場」に連れていかれます。その一方で学園では母豚が新たな子豚を産んでいました。 
 日本では毎日約6万頭の豚が肉になっていると言います。豚肉を食べる時、その豚のことや関わっている人達を思いうかべることはあるでしょうか。
 普段は忘れがちな「命」と「食」について書かれた1冊です。    
 食卓での「いただきます」と「ごちそうさま」の意味、もう一度考えてみませんか。

2月21日のおすすめから


書名しょめい:『エミリーとはてしない国』
著者ちょしゃ:ケイト・ソーンダズ/作 田中奈津子/訳 北見葉胡/絵 出版社 しゅっぱんしゃ:ポプラ社
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 エミリーは、中学一年生の女の子です。最近、姉ホリーが亡くなり、姉が大切にしていたぬいぐるみ「ブルーイ」も一緒に埋葬されてしまいました。
 彼女は、小さな頃から、話せない姉にブルーイの声で話しかけ、「スモカルーン」という魔法の国でブルーイと姉が冒険する物語を作って読み聞かせしていました。姉が亡くなった後、恋しくて思い出ノートを付け始めると心も落ち着き、スモカルーンに住むぬいぐるみの動く姿を目撃したり、話し声が聞こえたりと不思議なことが起こり始めました。また姉とブルーイは魔法の国で元気に暮らしていることを知ることができましたが、その国が悪魔に乗っ取られようとしていることを聞き、周囲の人と協力して立ち向かうことを決意します。果たして、姉が暮らす魔法の国を取り戻すことができるのでしょうか?
 大切な人を失い深い悲しみに沈んでも、ぬいぐるみやおもちゃ達と接し想像力を掻き立て、また自分と同じ境遇の人と接することで悲しみを乗り越え成長していく姿が描かれています。
 主人公とともに想像の世界を冒険してみませんか。

2月14日のおすすめから


書名しょめい:『イマジナリーフレンドと』
著者ちょしゃ:ミシェル・クエヴァス/作 杉田 七重/訳 出版社 しゅっぱんしゃ:小学館
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 主人公のジャックと妹のフラーは、双子の兄妹。学校に行くときも、マジックショーを観に行くときも、いつも一緒です。
 そんなある日、ジャックは、自分がフラーが作り出した想像上の見えない友達、イマジナリーフレンドだということを知ります。フラーのイマジナリーフレンドだと知ったジャックは、彼女の下を離れ、自分を探す旅に出ます。そこでジャックは、たくさんの子どもたちと出会います。様々な子どもたちのイマジナリーフレンドを経験していくうちに、ジャックもまた成長していき…。
 イマジナリーフレンドとは、直訳すると「空想の友達」となります。主に、一人っ子や長男・長女などに見られる現象だそうです。共に遊び、共に学ぶ、そんな自分だけの友達。自由な想像力が人生を豊かにしてくれる。そう教えてくれる一冊です。

2月7日のおすすめから


書名しょめい:『ぼくはアフリカにすむキリンといいます』
著者ちょしゃ:岩佐 めぐみ/作 高畠 純/絵 出版社 しゅっぱんしゃ:偕成社
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 アフリカの草原に一頭の退屈なキリンが住んでいました。ひまを持て余すキリンは、まだ会ったこともない“地平線の向こうのお友達”へ手紙を書こうと思いつきます。「あなたのことをおしえてください」という言葉を添えて…。さて、この手紙、無事に誰かに読んでもらえるのでしょうか?
 最近はメールやSNS等がコミュニケーションの主流となり、手紙を出す機会はずいぶんと減ってきました。送ったらすぐに連絡が届くSNSとは違い、封を開けるドキドキ感や、返事を待つ間にどんどん想像がふくらんでいく手紙ならではの楽しさがこの本にはつまっています。誰かを思いながら文章を考え、便箋やペンを選び、心を込めて文字を書く。そうやって届いた手紙は、ただのメッセージではなく、特別な贈り物になることでしょう。
 この本には続きがあって、シリーズを通して、手紙をきっかけに世界がすこしずつ広がっていく素敵なおはなしです。
 あなたも大切な人へ手紙を書いてみませんか?

1月31日のおすすめ


書名しょめい:『ぼくがいちばんききたいことは』
著者ちょしゃ:アヴィ/著 青山 南/訳 出版社 しゅっぱんしゃ:ほるぷ出版
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 あなたの家族はどんな人ですか?あなたは家族の存在をどんな風に感じているでしょうか? 
 この本には7つの家族にまつわるお話が入っています。どれも主人公は10代前半の男の子。そして、父親や母親、あるいは祖父に対してどこか複雑な思いを抱えています。 最初のお話に出てくる少年、デイモンは、両親の離婚をきっかけに母親と暮らしています。父親の家で過ごせるのは月に一度だけ。母親のボーイフレンドがやってくる家を居心地悪く感じていたデイモンは、父親と暮らすため、荷物を持って父親の家へと向かいます。しかし、着いてみると、家の様子はいつもとどこか違っていて…。 
 7つの物語に登場する家族は、その関係も、抱えている気持ちもさまざまです。言えないことや聞けないことがあったり、不満を持っていたり、家族の気持ちを重たく感じていたり…。少年たちの揺れ動く心を、ぜひ感じてみてください。