小中学生へおすすめ!
児童書のおすすめ(8月20日)
書名 :みんなの少年探偵団
著者 :万城目 学、湊 かなえ、小路 幸也、向井 湘吾、藤谷 治/著
ポプラ社
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明智小五郎に怪人二十面相。江戸川乱歩作品が好きな人は、その名を聞いたことありますよね。
『怪人二十面相』や『少年探偵団』の生みの親で、日本探偵小説の父と称される江戸川乱歩の生誕120年を記念して発刊されたこの本は、万城目学や湊かなえといった現代の著名な作家たちが、作品の世界観をそのままに、新たな物語を紡いだ短編集です。
物語の第1編では、早くに両親を失い、父方のおじいさんと暮らすこととなった双子の少年が、それぞれの特別な能力を駆使しながら、おじいさんが関わった事件の謎を解いていきます。はたして二人の運命は?ラストには読者を驚かせる展開も。何度も読み返したくなる作品です。
今年は江戸川乱歩の生誕130年、乱歩の世界に浸る絶好の機会です。
学校の図書室で手に取ったことのある方も、初めて触れる方も、江戸川乱歩の魅力を再発見できる、懐かしさと新鮮さを兼ね備えたこの短編集をぜひ、手に取ってみてください。
児童書のおすすめ(8月13日)
書名 :『オニのサラリーマン じごくの盆やすみ』
著者 :富安 陽子/文 大島 妙子/絵
福音館書店
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盆やすみ、みなさんは何をしますか?夏休みの人もいれば学校や仕事などの人もいますよね。
この絵本の世界は、じごく。じごくカンパニーで、はたらくオニのサラリーマンはお盆も仕事のようです。それもそのはず、日々じごくにいる「もうじゃ」たちはお盆なので里帰り!その間にオニたちはねんにいちどのおおそうじです。
「せいりせいとん」「あけたらしめよう」といったこのよの学校や職場にもあるような注意書きやじごくのいろんな場所ではたらくオニたちが登場します。
オニがサラリーマンというせっていもおもしろいですいね。
盆やすみにご先祖様のことを考えたり、昔飼っていたペットのことを考えたりしながら、読んでみてください。
児童書のおすすめ(8月6日)
書名 :『チームでつかんだ栄光のメダル 陸上男子400mリレー 山縣・飯塚・桐生・ケンブリッジ』
著者 :本郷陽二/著
汐文社
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今年はパリでオリンピック・パラリンピックが開催されています。この4年に1度の大舞台に出るため、血のにじむような努力を重ねてきた世界各国のスーパーアスリートが集まります。さまざまな種目で日本選手の活躍もとても楽しみですね。
オリンピックでの陸上競技短距離種目では、日本選手個人でのメダル獲得はまだありませんが、リレー競技では4×100mリレーで過去に男子チームが2度(2008年の北京オリンピック、2016年のリオオリンピック)メダルを取っています。
日本選手は個人種目の100mでは、1932年のロサンゼルスオリンピック以来、決勝進出さえできていないのに、リレーではメダルが取れるなんて驚きですよね。
この本には数字のうえでは勝ち目がなかった日本チームが、リオオリンピックでメダルをつかむまでの知られざる物語が記されています。
ぜひ、観戦とあわせて読んでみてください。
児童書おすすめ(7月30日)
書名 :『プーさんと出会った日』
著者 :リンジー・マティック/作 ソフィ-・ブラッコ-ル/絵
評論社
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プーさんが本当に実在したクマさんだったことを、ご存じですか?この絵本は、世界中のクマさんの中で、一番有名なプーさんのモデルとなったクマさんの本当にあった半生を描いたお話です。
獣医師のハリ-・コ-ルボ-ンは、戦争に向かう途中の駅で子グマと出会います。彼は「このクマには、何か特別なものを感じる」と子グマを戦場へ連れていくことに悩みながら引き取ります。ハリ-は、誰よりも温かい心の持ち主の獣医師でした。クマさんは、ハリ-の故郷にちなみ“ウィニペグ”と名付けられ、ハリ-の良きパートナ-となりました。賢いウィニペグは、隊員達の心を癒し、部隊のマスコットとして大事にされていました。しかし、戦況が悪化し、ハリ-はあることを決断しなければなりませんでした。でも、そこからまた、ウィニー(ウィニペグ)の新しい第2章が始まります。
ハリ-がウィ二-に「何か特別なもの」を感じたように、この本を読んだあなたもきっと、ウィニーに「何か特別なものを感じる」のではないでしょうか。
児童書おすすめ(7月23日)
書名 :『こちらゆかいな窓ふき会社』
著者 :清水 達也/訳 清水 奈緒子/訳 クェンティン・ブレイク/絵
評論社
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子どもの頃、一番好きな児童文学の作家はロアルド・ダールでした。ブラックユーモアがピリリときいた奇想天外なストーリーと、クェンティン・ブレイクが描く味のある挿絵に、小学生の私は夢中になって読んでいました。どれも思い入れがあるものばかりですが、ダールの作品を初めて読む人には、この『こちらゆかいな窓ふき会社』をおすすめします。
ビリーの家の近くにあるオンボロ空き家が、ある日、<はしご不要窓ふき会社>になりました。中から顔を出したのはなんと、キリンとサルとペリカンだったのです。さて、このへんてこりんな3人(3びき)組でどうやって窓ふきをするのでしょうか…?
最後にサルが歌う別れの歌は、仲良しの動物たちと別れるビリーへ、そして物語を読んでいる私たち読者へむけて、「本を開けばまた会える」というダールからのメッセージのようにも感じられます。お話が終わってしまうさみしさを優しく包み込んでくれる、私の大好きな場面です。