小中学生へおすすめ!
児童書おすすめ(4月4日)
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この世界には「足の速い人」「絵が上手に描ける人」などいろんな人がいます。人がたくさんいれば「想像力を使うのが苦手な人」もいます。
想像が苦手だと、自分のしていることが、相手をどんな気持ちにするのか気付けません。だから、ひどいことを言ったり、したりします。そういう時は自分を守るために、その場から逃げる。逃げることは、はずかしいことでも、悪いことでもありません。自分を守るためだから。
「やさしい人」もたくさんいます。あなたを「守ってくれる人」あなたのことを「分かってくれる人」あなたと一緒にいて「楽しいと思ってくれる人」は必ずいます。探していると出会うことができます。
毎日過ごしているなかで、何かに「少し大変だな…と思っている人」に、ヒントになる本かもしれません。すてきな何か、すてきな誰かに出会えますように。
児童書おすすめ(3月26日)
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ペルシャ猫のシャイフは、人と物の言葉が分かる特別な猫です。ある日、飼い主のアリババさんが海外出張に行くため、民芸品店を営む石塚さんに預けられることになりました。
その晩、不思議な話し声を聞いたシャイフは、それが民芸品の声だと気づきます。物の言葉が分かるシャイフもおしゃべりに加わり、イランのタイルやアフガニスタンのグラス、ペルーの人形など世界中から集められた民芸品たちの身の上話を聞くことに。しだいに民芸品たちと心を通わせるようになったシャイフは、彼らの願いを叶えようと奔走するのですが…。
あなたの回りにも世界を旅してきた民芸品はありませんか?民芸品が生まれた場所や時代に想いを馳せることで、世界はつながっているのだと感じることができます。
民芸品を通して、物を大切にする心が育まれるとともに、国際理解が深まる一冊です。
児童書おすすめ(3月19日)
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野原の好きな“のはらおばさん”は、子どもたちを集めて、みんなで野原を歩きながら草花の話をしようと、のはらクラブのポスターを作って木にかけておきました。
次の日、近くに住むのんちゃんという女の子を連れてポスターの場所に向かうと、7人の子どもたちが集まってくれていました。
さっそく野原を歩いていると、生えている草花たちを見て、それぞれの子どもたちが詳しく説明をしてくれます。どうしてそんなに詳しいのかというと、のはらクラブの子どもたちは実は…。
草花の知識が学べ、遊び方も楽しめる一冊です。子どもたちの正体も草花の名前にヒントが隠されているのかも!?想像しながら読んでみてください。
暖かくなり外に出かけたくなる季節になってきました。お散歩しながら身近な草花について、友達や家族と話をしてみませんか?
児童書おすすめ(3月12日)
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柳宗悦という名前を聞いたことがあるでしょうか。
柳宗悦は、大正から昭和にかけて、それまで誰も気付かなかった物に美を見つけ広めた人です。
学生時代に雑誌『白樺』を創刊し海外のアートの紹介をしたり、自らも執筆していた柳は美しさにとても敏感でした。
ある時、朝鮮の素朴な壺に魅力を感じたことをきっかけに、日本の名もない職人が作った器や織物、染物など普通の人々が普段使いする物に独特の美しさがある事に気が付きました。
その後、日本を巡り各地の美しいと思うものを集め、それらを民芸と呼び美術館をつくり世に広めました。
特に、アイヌや沖縄の民芸に対しては尊敬の念と、何としてもその文化を守りたいという強い思いが感じられます。
柳が見つけた美、いつまでも大切にしたいものです。
もしかしたら普段身近に使っている物にも美が隠れているかもしれません。自分だけが感じる美しさを探してみるのもいいかもしれませんね。
児童書おすすめ(3月5日)
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突然ですが、みなさん漢字の勉強は好きですか?私は漢字を覚えるのは好きでしたが、同じ漢字を何回も書く宿題は嫌いでした。みなさんの中には、漢字が苦手な人もいるのではないでしょうか。
今回紹介するこの本は、学校で習う漢字とはちょっと違う、「そんなのどこで使うの?」と言いたくなるような漢字の本です。普段はカタカナやひらがなで書いている虫や魚の名前、さらには国の名前まで。実は世の中のいろんなものに漢字があるんです。本を読み終わったら、身の回りの物の漢字が気になること間違いなし。気になったら辞書で調べてみましょう。本当にいろんな漢字があるんですよ。では、最後に問題です!
「赫拉克勒斯大甲虫」
何かの呪文のようなこの漢字、一体何の虫のことだと思いますか?ヒントは、格好いいツノをもつ、大きな夏の虫。答えが気になる人は、ぜひ本を読んでみてください。
児童書おすすめ(2月26日)
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小学3年生のモモヨにとって、茶色くて細くてちょっとくさい犬のオイモはかけがえのない存在です。オイモはときどきいなくなります。いつもは暗くなる前に帰ってくるのに、その日は夜になっても帰ってきません。心配しているのはモモヨだけ。みんなはなぜか気にしていません。モモヨは帰ってこないオイモを探しに出かけますが…。
テンポよくユーモアのある文章と絵本のようにたくさん挿絵があるので、本を読むことが苦手な人にもおすすめです。絵を描いているのは『つみきのいえ』でアカデミー賞短編アニメーション賞を受賞した加藤久仁生さんです。優しい色使いの挿絵がとても素敵です。
食いしん坊でひょうきんなモモヨですが、じつは頭の中でいろいろな事を考えています。モモヨの夢なのか現実なのかよくわからないふわふわしたところを感じてみてください。読み終わると、オイモがすぐそばにいたような気持ちになり、こころが温かくなる1冊です。
児童書おすすめ(2月19日)
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「今の中学生は、実はとても忙しい。」
冒頭の一文です。授業のあとに部活動・塾・習い事、それから宿題、もちろんご飯やお風呂だって。なにも部活動・塾・習い事をしている人だけが忙しいわけじゃないですよね。
人には何かしらの事情があって時間なんてあっという間に過ぎていませんか?
自分たちの状況や気持ちを分かってくれている本なら、ちょっとめくってみようかな…そう気にしてくれたあなたへ。
この本は、大人になることへの不安や、進路、いじめ、生きづらさなどがテーマです。
元アイドルの作家や、新聞記者、俳優・声優、フォトジャーナリスト、エッセイスト・タレントといった方々が、実際に東京の中学校で行った授業をまとめてあります。
好きなところから読み始めればいいですよ。その方が目にした光景、悩み、そして今。十人十色で、思いもいろいろ。でも、すーっと心に伝わりました。そして好きになりました。
あなたより少しだけ長く生きている大人たちの特別授業です。
児童書おすすめ(2月12日)
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おいしいものを食べることが大好きな糸子が、給食のおかわりをめぐってからかわれた転校生をかばったことで、なぜか一緒にダイエットをするはめになります。
教室に集うのは、考え方も家庭環境も、大切なものも違う友だちです。
大柄だけど自分に自信のない高峯さん。人に裏切られる怖さを知っている少し大人びた町田さん。その町田さんに憧れて、顔色をうかがってしまう坂巻さん。親との関係に悩んでいるけれど、てきとーにふわふわと生きていこうと思っている滝島くん。
がさつでずうずうしい糸子ですが、人一倍友だちを見ています。そして、まっすぐな言葉と行動で、みんなの気持ちを前向きにしてくれるのです。
みんなと仲良くすることは、正しいことだけれど難しい。そう感じている人に読んでほしい一冊です。
そして、この本の続き、糸子たちの卒業までの物語もあわせておすすめです。
児童書おすすめ(2月5日)
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アフリカのキリマンジャロ山にあるルカニ村は、コーヒー栽培に適した土地といわれるコーヒーベルト地帯(赤道を挟んで、それぞれ南北25度の間)にある世界有数のコーヒー産地です。
この村では、赤ちゃんが生まれるとコーヒーの木を植える習慣があります。学校に入る頃には花が咲き実がなり始め、成人する頃には安定した収穫で暮らしを支えてくれます。人とコーヒーは共に成長し一生を過ごすのです。
ある時期、世界的にコーヒーの値段が下がり、村の暮らしが危機に見舞われました。これを救ったのが日本人によるフェアトレード支援でした。皆さんは、このフェアトレードという言葉を知っていますか。フェアは公正、トレードは貿易を意味し、途上国の暮らしを守り自立を支援する仕組みです。
私たちは食べ物をとおして世界とつながっています。作っている人の顔を思い浮かべれば、皆さんにも世界のいろいろな仕組みが見えてくるはずです。
児童書おすすめ(1月29日)
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ハリネズミは、考えることが大好きで、思った言葉をそのまま口に出してしまいます。その言葉は相手を傷つけ、皆にさけられていました。けれども、自分の考えを変えるくらいなら、友達なんていらないと思っていました。
ある日、ハリネズミは引っ越してきたばかりのモグラと出会います。モグラは「食べられないし役にも立たない」どろだんごを作っていました。ハリネズミはなぜかどろだんごが気になってしまい、自分が作っている「食べられないし役にもたたない」ものと交換してもらいます。
一人が良いと思っていたハリネズミが、前向きなモグラと仲良くなっていくうちに、考え方や伝え少しずつ変わっていく、心の成長を描いた物語です。
相手の気持ちを想像するのは難しいことですよね。友達を思う気持ちを知ったハリネズミがどう変わっていくのか。ぜひ読んで確かめてみてください。
児童書おすすめ(1月22日)
ビョールン=ベルイ/画
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「もしも自分の体が小さくなったら…」誰もが一度は想像する魅力的なテーマです。体の小さな主人公が活躍するお話は、日本の昔話に『一寸法師』がありますし、西洋では『不思議の国のアリス』、『床下の小人たち』、少し古い映画でいうと『ミクロキッズ(1989年)』等、例をあげるときりがありません。
さて、この『小さなスプーンおばさん』はその名の通り、ある日突然ティースプーンの大きさになってしまうおばさんの物語です。おばさんのすごいところは、急に小さくなっても動じない大らかさ。「小さくなっちゃったんなら、それでうまくいくようにやらなきゃならないわね」と、動物に掃除をさせ(おばさんは小さくなったら動物と話せるようになります)、ネコの背に乗り雪道だって何のその。ついにはカラス会議に出席しておしゃれを競ったりします。
前向きで陽気なおばさんの小気味よいセリフ、ご亭主との愛嬌あるやりとりに、生きることの楽しさを教えてもらえる一冊です。
児童書おすすめ(1月15日)
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みなさん、スライムは好きですか?最後にスライムを作ったのはいつですか?スライムと言えば「液体のり」と「ホウ砂水」。この二つをかき混ぜると、もちもちとろ~り不思議な物体の完成です!
どうして、こうもスライムは魅力的なのでしょう。カナダの脳医学者ベン・フィールドらの研究によると、人間の手は、脳ととても深い関わりがある場所だそうです。手でスライムをこねまわすことで、脳もリフレッシュしているのかもしれませんね。じゅわじゅわ、シャキシャキ、たぷたぷ、この本をめくると、今すぐにスライムにさわりたくなってしまいます。最後に、スライムに必要なホウ砂などは、使い方を誤るととても危険です。注意点を理解したうえで、あなただけのスライムを作ってみてはいかがでしょうか♪
児童書おすすめ(12月25日)
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ある日の公園で、男の子が持っていた風船が手から離れ飛んでいってしまいます。風船は空へ昇っていき、ビルの上から町を見おろし、飛行機のそばをふわりと漂い、雲の中を突き抜け、ついに地球の形が分かる高さまでやってきました。
地上から100km、ここから上が宇宙です。
私たちは空の下で暮らしています。そして空の上には宇宙が広がっています。「どこまでが空で、どこまでが宇宙なの?」空を見上げると思いがあふれてきますよね。作者の岩谷圭介さんも「宇宙は遠いというのは思い込みではないか」という疑問から研究を始め、日本初の風船による宇宙撮影を成功させました。
上へと昇っていく風船の目線でこの本を読むと、地球と宇宙はつながっていると感じさせられます。子供の頃に宇宙への夢を抱いていた大人たち、そしていつか宇宙に行ってみたいと願う子供たちへ。『うちゅうはきみのすぐそばに』という言葉には、彼の思いが込められています。
児童書おすすめ(12月18日)
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ゆうたが、ここみちゃんの落とした本を蹴飛ばしたとき、ジャリーンという音がどこからか聞こえてきました。この音はいやなことをする度に聞こえてきます。
その後、ゆうたの元に「きもちぎんこう」から手紙が届きました。ゆうたの「きもちつうちょう」が、黒コインでうまりそうだということです。この通帳は、人の気持ちを預かる通帳で、その人が本当に持っている気持ちと違う気持ちを預かったときは、黒コインが貯まるそうです。ちょっと恥ずかしいけど自分の気持ちに素直によい行動をしたときは、ぎんいろコインが貯まります。
ゆうたは、本当は良いことをしようと思ったのに、ついいじわるをしてしまっていました。ゆうたはこの後、自分の気持ちに素直に良い行動をとろうと頑張ります。
あなたの通帳も黒コインではなく、ぎんいろコインでいっぱいにしてくださいね。
児童書おすすめ(12月11日)
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ある日、トゥルッロの町の上空に、巨大なまるい物体が現れました。町の大人たちが警戒するなか、好奇心旺盛なパオロとリタは、クッコ山の頂上へ見に行きます。その物体はなんと、とても大きなケーキだったのです!マロングラッセやラズベリージャムなど、ケーキの中はおいしそうなものでいっぱい。大きなケーキの中を、パオロはスコップで掘って、リタは食べて進んでいきます。
すてきな出来事のように思えますが、実は大きなケーキは、まちがいでできてしまったものでした。製作者である教授はひどく落ち込んでいます。ケーキができた背景を知ったらあなたは驚くでしょう。しかし、きっと教授を励ましたくなると思います。それはみんなを笑顔にする、世界一しあわせなまちがいだったのですから。
読んだあとは、あなたもおいしいケーキが食べたくなるかもしれませんよ。
児童書おすすめ(12月4日)
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昔、関東に住む友人が桜もちを持ってきてくれました。一緒に食べようと箱を開けてビックリ!あんこがもち米に包まれた桜もち……ではなく、クレープのような桜もちだったからです。同じ名前だけど何かがちがう。同じように見えるけど本当はちがう。そんな体験があなたにもありませんか。
この本では「どうちがう?」、「どこがちがう?」、「じつはちがう?」の3章立てで、さまざまなちがいに気づかされます。
たとえば生たまごとゆでたまご。ふたつを見分けるにはたまごを回したり、光に当てたり、多くの方法が思いつくはずです。でも実は、目で見るだけで区別できる「ちがい」があるのです。
他にも普段は気づかない、ビックリするような「ちがい」がたくさん紹介されています。本を読んで、身近なちがいを探してみてくださいね。
児童書おすすめ(11月27日)
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人の暮らしと深いつながりを持つ森林を里山といいます。そこには雑木林があり、多様で豊かな環境の中にたくさんの生き物が暮らしています。
雑木林という言葉が一般的に知られるようになったのは、明治の文豪国木田独歩が、代表作『武蔵野』で取り上げてからだと言われています。戦前までの日本では、炭や薪を燃料にして暮らしていました。落葉広葉樹のクヌギやコナラは、幹や枝は燃料に、落ち葉は肥料になるため、人々は雑木林にこれらの木を植え大切に育ててきたのです。
ガスや電気の普及で炭や薪を使うことがなくなった今、多くの雑木林は開発などで姿を消しつつあります。
この本には、雑木林と人が共に生きていた頃の1年と木々が伐採されてから再生するまでの20年の変化が、優しい風合いの色鉛筆画で描かれています。雑木林を知らない人でもこの本を開けば、豊かな自然の中で生きる動植物にふれたり、四季の美しさを感じることができるはずです。
児童書おすすめ(11月20日)
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朝日新聞に以前連載されていた「折々のうた」を読むのが毎朝の習慣です。詩歌と解説を読むことでなぜか今日一日の準備が整うような気がします。
ある日、「折々のうた」をこども向けに編集した本書が、児童室で目に飛び込んできて思わず手にしました。よりすぐりの短歌と俳句を集めた枯れない花束のような本です。古い時代の作品がほとんどですが、今と変わることなく、心をブルンとさせる力強く瑞々しい力があります。
時には「大丈夫」と励まし、「そうだね」と共感してくれる。俳句や短歌は文学でも短い形であるにもかかわらず、人が生きていくために大事なメッセージが詰まっています。好きなページから読んでみてください。
さらに興味がある人は心に留めておきたいことを俳句や短歌にするのもおすすめです。この一瞬!と感じたことを切り取って作品に残してみてはいかがでしょうか。
そんな時に本書は手を差し伸べてくれることばの先生です。
児童書おすすめ(11月13日)
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「民主主義」という言葉は聞いたことがありますか? どういう意味なんでしょう?多数決のことでしょうか?
この絵本の舞台は町の児童館前の小さな広場です。そこで子どもたちはいろいろな遊びをしていますが、せまいのでぶつかってけんかが起きるなど、トラブルつづきです。
相談をしてもまとまらないので、子どもたちは、広場で何をして遊ぶのかを投票で決めることにしました。
野球、サッカー、ドッジボール、ままごと……投票の結果、多数決で決まった遊びを優先するようにしましたが、「雨がやんだ後、鬼ごっこしていいか」
「ソフトボールはどう扱うか」などでトラブルになり、結局、みんなが楽しく遊べる広場ではなくなってしまいます。
そこにやってきた年上のお兄さんが、みんなが楽しく遊べるための提案をしてくれます。さて、どんな提案でしょうか?
「民主主義」の事が分かりやすく学べる1冊です。
児童書おすすめ(11月6日)
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主人公のロップは、精霊の子どもです。精霊たちは人間にとりつくことではじめて一人前になることができます。ロップはまだ一度も人間にとりついたことがありません。
そんなロップはある日、海で遭難している少年を発見し、彼にとりつくことを決めたのです。しかし、とりつく方法を教わっていなかったロップは…。
心優しいロップは少年を看病するうちに、少年が母親と引き離されたという辛い過去を知り、母親を探すため動き出します。
物語の中には、いろいろな精霊たちが登場します。海賊やファッションデザイナー、舞台監督にとりついた
精霊…。ロップは仲間の精霊たちの力を借りながら、懸命に少年の母親を探し始めます。ロップは少年に出会い、人間のもつ感情の豊さに気づいていきます。温かくもどこか切ない精霊と人間の物語。はたしてロップと少年は、無事に母親を見つけ出すことができるのでしょうか?
児童書おすすめ(10月30日)
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室町時代に誕生したといわれる和ろうそく。石油から作られる西洋ろうそくとは違い、植物から作られていて、すすが少なく、ゆらゆらとゆらめく炎が特長です。
「和ろうそくって、どうやって作られ、なにからできているのだろう。」
工房では、職人の手により全ての工程が手作業で進んでいきます。和紙や植物の髄(ずい)(中心の柔らかい部分)を串に巻き真綿をからめた芯に、ドロドロに溶かした蠟(ろう)をぬり重ねていくのです。
では、その材料はどこから来たのでしょう。
和ろうそくのもとをたどっていくと、蠟の原料となるハゼの木の実をとる人、蠟を絞り固めて作る人、その絞りカスを使って藍染をする人、藍染で使い終わった灰を使って焼き物を焼く人と、さまざまなモノと仕事がつながっていきます。
ひとつの役割を終えたモノが、次の職人によって生かされ、循環していく。自然の恵みを生かし切る、モノと人とのめぐりの見事さに驚かされました。
児童書おすすめ(10月23日)
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バドは町の小さなホテルの息子です。ある日、旅のくつ屋がホテルにやってきました。とても腕の良い職人で、旅をしながら街角で店を開き商売をしているのです。旅先での楽しい話をきかせてくれるくつ屋がバドは大好きでした。あの日、彼が町を調べ回る姿を見るまでは。くつ屋の様子を知った大人たちは怯えうろたえます。そしてバドは町の真ん中にそびえたつ「槍の塔」の存在に気づくのです。この塔はいったい何のために存在しているのでしょうか。28~29頁に描かれた塔の絵からは、夜の町のしんとした空気が伝わってくるようです。物語ではこの町の隠された秘密が少しずつ明らかになっていきます。相手がどんな人なのか考えるとき、あなたはどこに注目しますか?その人の言葉?それとも行動?この町にやってきた旅のくつ屋の正体を、ぜひ確かめてみてください。
児童書おすすめ(10月16日)
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遠足の途中に乗っていたバスが故障し、携帯電話もつながらない田舎道で助けがくるのを待っていたコリン、タラ、グレース、ルーカス、フィオーリ先生の5人。嵐が来たために近くの屋敷へ避難します。長く人の住んでいない屋敷はひどく荒れていて、無人のはずなのに何者かが潜んでいるような不気味さがありました。キッチンでコリンは1冊の本を見つけます。本のタイトルは「彼の名はウォルター」。鮮やかでまるで生きているような挿絵にコリンは心を奪われ、読みたいと強く思います。しかしその本を手にしたせいで、5人は恐怖の一夜を過ごすことに・・・。
どうしてコリンはこの本に惹きつけられたのか。どうしてこの本が書かれたのか。最後まで読み終えたとき、タイトルの本当の意味がわかり、読む前とは印象が全くちがってみえるでしょう。登場人物が少ないので、海外の本はカタカナが多くて苦手という人にも読みやすく、ちょっと怖いミステリーです。
児童書おすすめ(10月9日)
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ふつうってなんだろう?生徒手帳に赤毛証明の印を押された中学生のめぐは、自分がふつうじゃないって言われているようで、なんだか納得できません。
幼なじみの紘は、生まれつき両足のひざから下がなくて、車いすで生活しています。親友のサワちゃんは母子家庭で、同級生の吉川さんは、ずっと学校に来ていない…これってふつうじゃないってことですか?
夏休みのある日、紘の車いすバスケットの練習を見に行っためぐとサワちゃん。その帰り、紘の車いすはタイヤがパンクしていました。誰がこんなひどいことをしたのでしょう。
人の心の中にある妬みや怒り、悲しみなどいろんな感情が、思春期の心に影を落とします。
多様性を尊重しようといわれる時代ですが、私たちの意識は変わっているでしょうか。差別をしているつもりじゃなくても、同じ目線で考えられなくなっていませんか。この本を読んで、家族や友だちと考えてみるのはいかがでしょう。
児童書おすすめ(10月2日)
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1972年に日本で出版された第1作目の『ふたりはいつも』は、今年で出版から50年を迎え、半世紀を経た今もなお色褪せることなく、幅広い世代に愛されています。
半世紀を経た今もなお色褪せることなく、幅広い世代に愛されています。
登場人物は、内気ながまくんと陽気なかえるくん。性格は正反対ですが、ふたりは大親友。たまにはケンカをすることもありますが、晴れの日も雨の日も雪の日も、どんな時もふたりで一緒に過ごしています。そんな、お互いを認め深く思い合う姿に、思わず心が温かくなります。
ユーモラスでちょっぴり切ない、がまくんとかえるくんのかけがえのない日常を堪能できる一冊です。大人には懐かしく、こどもには新鮮に映る友情物語を、家族みんなで楽しんでみてください。
児童書おすすめ(9月25日)
ダイアナ・ダーク/著 大塚 敦子/訳
出版社
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「ぼくはときどきふと思うことがあった。猫たちは、この戦争で変わってしまった自分たちの生活のことを、いったいどう思っているのだろうか」と。この本の著者、アラー・アルジャリールさんの言葉には、小さき者へのあたたかな想いが込められています。
シリアでは、2011年から始まった「アラブの春」という民主化運動をきっかけに内戦が続き、町は破壊され人々は命の危険にさらされていました。戦争が起こると、子どもたちや動物が、一番初めに犠牲になってしまうのは悲しい現実です。誰もが自分の事で精一杯な状況の中、負傷者の救助や、置き去りにされた猫の保護を続けた彼の姿は、住民の心の支えとなり、「アレッポのキャットマン」として世に知られ、人々の心に希望を芽生えさせました。
世界には、戦争で苦しんでいる人がたくさんいます。日本から遠く離れた国でも、きっと思いは届くはずです。何かできることはないか考えてみて下さい。
児童書おすすめ(9月18日)
歴史から考えよう「災害を生きぬく未来」
出版社
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今から1500年前、火山の噴火によってふりつもる火山灰にうもれて命を落とした「よろい姿の人」がいました。勇者のような立派ないでたちのその人物は、なぜ、噴火から逃げることができなかったのでしょうか。
推理するてがかりは、昔の人たちが残した生活のあとである、遺跡にあります。遺跡には、石器や土器など、昔の人たちが使っていた道具の他に、火山灰にうもれた田んぼのあとや、くずれた石垣のあとなど、自然災害のあとが残っていることもあります。
この本では、過去に災害が起こった遺跡を調べることで、その時の災害のありさまと、災害にあったときの昔の人たちの行動を解き明かしていきます。
私たちが住む日本では、今までにたくさんの自然災害が起きてきました。昔の人たちが災害や防災について学んだことを今にいかすために、昔に起こった災害を知りましょう。
児童書おすすめ(9月11日)
出版社
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忘れ物を届けるため、転校してきたばかりのクラスメート・厚司が住む団地に向かった翔太と純。
翔太は、到着して見えた景色に違和感を覚えます。
建てられてからしばらく経つはずの団地が綺麗なのです。子どもたちの髪型から遊びまで、まるでどこかで見た昭和の時代のような光景が広がっていました。
翔太は古書店を営むじいちゃんの家で、団地での体験を話しますが、団地にはもう行くなと言うばかりで、謎は深まります。
ある日、古書店に出し切れない本を入れている段ボールの中から、1冊の本を見つけます。本の内容が団地での体験と一致して驚いた翔太は、なんとか謎に迫ろうと、純や厚司と力を合わせます。
物語が進むにつれ、奇妙だと思っていた出来事同士が少しずつつながり始めます。厚司やじいちゃんとの関係に悩む翔太は、無事に真相にたどり着けるのでしょうか?不思議な出来事に隠された理由を知った上で、もう一度じっくりと読み返したくなるお話です。
児童書おすすめ(9月4日)
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佐賀県立図書館にこの夏『みんなの森(森の字は、3つの本で構成した創作漢字です。)』が新しく誕生しました。『みんなの森』は、さまざまな形式の本や読書を助ける道具を使って、自分に合ったカタチで自由に読書を楽しむことができる場所です。
自分に合ったカタチ…というと、みなさんは何を想像しますか?このことについて考える前に、一人ひとりの「ちがい」について思いをめぐらせてみましょう。
今、世界では様々な「ちがい」があることを認め、お互いを大切にしていこうという考え方が広がっています。 得意なことや苦手なことに応じて仕事の役割を分担し、あなたらしさも他の人の生きやすさも、同じように尊重する。自分だけでは難しいことでも、誰かの協力や便利なテクノロジーがあればできることが増えてきているのです。
この本では、「障害」をテーマにして、世の中にある様々な「ちがい」を身近なものとして紹介しています。まずは知ることが理解を深める第一歩!心のバリアをはずしてみましょう。
児童書おすすめ(8月28日)
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12歳のグレイソンは、ぴかぴかしたドレス、つやつやのロングヘア、パステルカラーのヘアバンド…かわいいものにあこがれていました。でも、そんなこと誰にも言えません。男の子がそんなこと言えば、周りから「おかしい」と思われるからです。ずっと本心を隠して過ごしているうちに、彼はなんだか消えてしまいそうな気持ちになっていきました。
そんなある日、グレイソンは学校で演劇のオーディションが行われることを知ります。消えてなくなりそうな気持ちの中、生きている証拠を求めるために、彼はオーディションに申し込みます。このことをきっかけに、彼の身の回りの状況が大きく変化していきます。
物語の中では、様々な気持ちがグレイソンから読み取れます。本当はしたいけど周りの目がこわくてできないもどかしさ、自分を理解してくれる人がいる喜び…誰でもそんな気持ちになったことはあるはず。私たちのそんな気持ちに、優しく寄り添ってくれる一冊です。
児童書おすすめ(8月21日)
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人々が考えることをやめてしまった世界。主人公の「ぼく」には名前がありません。この世界では、名前のかわりに番号があたえられるのです。学校では、質問が禁止されています。絵をかくことも、歌うこともなくなりました。「戦え」とノートに書く「キホン」学習や、棒を持って運動場を移動する「オウヨウ」、図書室の本を焼却炉にもっていく「ジッセン」。「ゼンタイ・モクヒョウ」に向かって「ジュウゾク」することが 何よりも重要だと説明する「シドウイン」。この学校生活、みなさんはどう感じるでしょうか。家族の団らんも禁止されています。「ゼンタイ・モクヒョウ」のために、町の図書館や本屋さん、映画館はなくなってしまいました。すべて工場になっているので、外にもにぎわいはありません。
人間の豊かな心をなくし、豊かな自然をこわす必要がある「ゼンタイ・モクヒョウ」とは何なのか。「ぼく」といっしょに想像して、考えてみてください。
児童書おすすめ(8月14日)
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競技場やテレビでみるトップアスリートの動きや身体はとても美しく洗練されていて、つい見入ってしまいます。いつか自分もあんな風になれたら…と憧れたことはありませんか。この本にはアスリートになるための具体的なヒントがたくさん詰まっています。中には、これだったら自分にもできるかもと思わせてくれる簡単なものも。トレーニングの仕方だけではなく毎日の生活習慣、心の持ち方も教えてくれます。
一番難しいのはそれを地道に毎日続けていくこと。長く続けるのは、他に誘惑があったり気持ちが続かなかったり、とても大変なことです。活躍しているアスリートたちは自分の心の弱さと闘い続け、夢を叶えた今があるのだと思います。アスリートが素敵に見えるのは苦労をしてきたことが垣間見えるからかもしれませんね。
みんなの注目を集めるヒーローになりたいあなた、アスリートへの道を一歩踏み出してみませんか?
児童書おすすめ(8月7日)
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空と水と大地をめぐる命のお話です。
わたしたちが普段見ている森は、光景の一部です。森の本質は視線を地面の下にうつしたとき、地面の下に無限に広がる豊かな土の中にあることに気づかされます。例えば、冷たくておいしい水は、森の土の中で雨と葉っぱが協力してつくられていますよね。
この本は豊富で多様な森の写真が見開きのワイドページで紹介されています。マイナス20℃の北海道の森に生きるモモンガ。どこまでも豊かにつながるボルネオ島の熱帯雨林。それに森の懐に抱かれるようにたたずむ漁港、森を守りカキを育てる漁師のインタビュー記事等々。
また、まんが「モーリーさん」や、イラスト付きの解説で「森」の魅力を分かりやすく、かつダイナミックに伝える工夫がされています。
私たちの住むかけがえのない地球には、森があります。太古の昔から現在へとつながってきた森の物語。次世代を担う子どもたちにすすめたい一冊です。皆さんは百貨店、と聞くとどんな場所を思い浮かべますか?
児童書おすすめ(7月31日)
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皆さんは百貨店、と聞くとどんな場所を思い浮かべますか?
『百貨の魔法』は時代の波にのまれ、閉店が近いと噂される星野百貨店の物語です。そこで働くスタッフたちは、閉店の噂を聞きながらも、長年愛されてきた店を守ろうと今日も売り場に立ち続けます。
そんな星野百貨店には、創業当時から不思議な言い伝えがありました。「本館のステンドグラスに描かれた白い子猫が、抜け出してくる。その猫を見つけると魔法の力で願い事が叶う。」というものです。はたして、猫が使う魔法とは、いったいどんなものなのでしょうか?
百貨店で働く人たちと、館内に住むと噂の「魔法を使う白い猫」が織りなす、魔法のような、偶然のような不思議なおはなしの短編集です。あなたの日常のちょっとした偶然も、ひょっとしたら子猫の魔法かもしれない。そう考えると、毎日がいつもより少しだけ、楽しくなるかもしれません。
児童書おすすめ(7月24日)
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「いのちは、どこにあると思いますか?」
この本は、医師(いし)だった、故(こ)・日野原(ひのはら)重明(しげあき)先生が、10歳(さい)前後(ぜんご)の子どもたちを対象に行われていた「いのちの授業」のひとコマを描(えが)いた絵本です。
本の中の日野原(ひのはら)先生は、当時(とうじ)95歳(さい)。子どもたちに、冒頭の質問をして、聴診器を取り出しました。トントンー、トントンー、お互(たが)いに聴(ちょう)診器(しんき)を当(あ)てて、相手(あいて)の心臓(しんぞう)の音を聴(き)いた子どもたちから、いのちがあるのは、「心臓(しんぞう)」や「頭(あたま)」、「からだぜんぶ!」など、いろいろな意見(いけん)が出ました。先生は、みんなの意見にうなずきながら、「いのちは、きみたちのもっている○○〇だといえますよ。」とおっしゃいました。日野原(ひのはら)先生の答(こた)えは、本の中で、確認(かくにん)してみてくださいね!
みなさんは、いのちは、どこにあると思いますか?
児童書おすすめ(7月17日)
出版社
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ある夏の暑い日、「わたし」は公園で一羽のハクチョウに話しかけられます。そのハクチョウが話してくれたのは、アヒルだと思われていたみにくいひな鳥が、実は美しいハクチョウだったという有名なアンデルセン童話『みにくいアヒルの子』に登場するアヒルの子のことでした。
ハクチョウが言うには、実はそのひな鳥はハクチョウではなく本当にアヒルの子だったというのです。ハクチョウが話してくれた童話のもうひとつの姿はどんなものだったのでしょうか?
みにくいアヒルの子、人魚姫、はだかの王様、幼い頃から知っている人も多い有名なアンデルセン童話です。そんな童話の登場人物が語ってくれるのは、彼らだけが知っているもうひとつの物語です。
ものごとはひとつの方向から見る姿だけが、正しい姿だとは限りません。想像力を膨らませていつか読んだなつかしい物語を、もう一度楽しんでみませんか。
児童書おすすめ(7月10日)
出版社
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ジメジメした梅雨の時期も終わり、青空が広がる季節がやってきます。海で遊んだりお出かけしたり、夜は花火に天体観測に、夏は楽しいことがたくさんありすぎて、寝る時間がもったいないくらい!遊ぶ時間が無限にあればいいのに……なんて思ったこと、みなさんもきっとありますよね。
どうして人間は寝ないといけないんでしょう。そもそも時間って何だろう。過去や未来に行けるタイムマシンは、いつかできるのだろうか……。そんなことを考えだすと、いろんなことが気になってきませんか。地球について、宇宙について、生き物について。そして、私たちのことについて。
この本では、地球のことから私たちのことまで、全部で50の疑問に答えています。私たちの周りにあふれるたくさんの「なんで?」「どうして?」を、この本で答え合わせをしてみるのも楽しいかもしれません。(もし答えがなかったら、図書館の本で答えを探してみてくださいね。)
児童書おすすめ(7月3日)
出版社
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2020年1月「地質年代の名称に『チバニアン』決定」というニュースが世の中を賑わしました。
誕生から46億年の歴史を持つ地球は、恐竜がいた白亜紀やジュラ紀などたくさんの時代に分かれています。地質年代は、生物の出現や絶滅、地球規模の気候変動など大きな変化によって決められ、その中で名前がなかった77万4千年~12万9千年前までの時代が「チバニアン」と呼ばれることになったのです。
この頃の地球ではN極とS極が逆転する「地磁気の逆転」がよく起こっていて、千葉県の地層には世界で最もいい状態で跡が残っていたため、時代を分ける境界がよく分かる地層として世界に認められたのです。
新聞やTV、インターネットなど、学校以外にも情報があふれています。皆さんも気になることがあったら、本で調べたり、先生に聞いたりしてみて下さい。自分で興味を持って調べたことは、いつか広い世界へ旅立つ皆さんの大きな力になるはずです。
児童書おすすめ(6月26日)
出版社
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みなさんは日々成長しています。例えば難しい漢字が読めるようになる、棚の一番上に手が届く。何かについて「なぜ?」と感じることも成長の証明です。 この本の主人公ルカも、小学五年生になって様々なことに疑問を持つようになりました。そんなルカがある本と出合い、読書のおもしろさを知るお話です。 本のストーリーを追いながら、ルカにはたくさんの「なぜ?」が生まれます。インターネットや辞書で調べてみたり、家族や友だちとの対話によって、自分なりの答えをひとつひとつみつけていきます。 ルカにとっては、それが成長のための大事な過程であり、読書の大きな楽しみとなっていきます。ルカが読んでいる本は、誰でも耳にしたことがある児童文学で、あらすじが結末まで紹介されてしまっています。それでも、楽しそうに本を読んでいるルカの様子に、自分も読んでみようという気持ちになります。本が好きではない人に読んでほしい一冊です。
児童書おすすめ(6月19日)
出版社
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ある夜、小学5年生のカズは、自宅の庭を横切る幽霊の女の子を目撃します。
朝になり学校へ行くと、なんと幽霊の女の子は「あかり」という名前で同じクラスの一員になっていたのです。
不思議なことに、周りの友達はあかりを以前から知っています。カズだけが、あかりが幽霊だという記憶しかないのです。
あかりの謎を探っていくうちに、カズが住んでいる帰命寺横丁の不思議なご本尊「帰命寺様」が関係していることがわかります。あかりは一体何者なのでしょうか。
この本には、白とグレーのページがあり、色によって物語が違います。二つの物語が同時に進んでいき、考え方の違いを気づかせてくれながら、最後は物語がつながるところが面白いです。
いつもは、ぱっとしないカズが、誰かのために一生懸命に行動します。カズの夏休みの奮闘ぶりをぜひ読んでみてください。
児童書おすすめ(6月5日)
出版社
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皆さんは、SDGs(エスディージーズ:持続可能な開発目標)という言葉を、学校でも聞いたりしますよね。
個人的に、コロナ禍と言われるようになってからは、テレビを見ることが減ったのですが、たまに見るとSDGsと聞く回数が急に増えた気がします。(個人的な感想です。)17あるそのゴール(目標)の中では、気候変動やエネルギー問題についても、人類共通の問題だとされていますが、この本の作者は「地球が温暖化しているというけれど、本当は温暖化していないかも知れない。毎日は平凡に過ぎるけれど、真実は常に隠れている。自分で見破る力をつけるかつけないかで人生は大きく変わるものだ。」と述べています。国連とかWHOとか、まさか間違ったことは言わないと思いますが、真実は常に隠れているのかもしれません。
児童書おすすめ(5月29日)
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主人公のゲイブリエルはこわいものがたくさんあります。その中の一つは、5年生になること。5年生になると、一つ年上のいじめっ子と同じ校舎になるのです。ゲイブリエルは絶対に5年生にはならないと決意しますが、親友のフリータはこれに反対します。ゲイブリエルが弱虫じゃなくなるように作戦を考えようといいますが、ゲイブリエルには、そんな作戦があるとは思えません。次の日、フリータが考えた作戦は、ゲイブリエルがこわいと思っているものを全部書き出し、ひとつひとつ克服していき、克服したら線で消していくこと。リストにあるたくさんのこわいものに挑戦していきますが、ある日2人は仲たがいをしてしまいます。
弱虫なゲイブリエルは強くなり、5年生になる決心はできるのか、2人は仲直りできるのか、そして、ゲイブリエルが気づいた大切なこととは…。
児童書おすすめ(5月22日)
出版社
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青春…人生の春にたとえられる若い時代。
サプリ(サプリメント)…補うもの。特に栄養補助食品をいう。(『日本国語大辞典』より)
運動部、文化部にかかわらず、全国の部活で活躍する“英雄たち”にスポットが当てられたこの本。英雄とは言っても、輝かしい記録を残した特別な人というわけではありません。そう、みんなが主人公で英雄。もちろん、今これを読んでくださっているあなたもね。
ストーリーはすべて実話で、悩み、立ち向かう姿には、現役中高生のみなさんは共感して一緒につらく感じることがあるかもしれません。そして、乗り越える姿には勇気をもらい、読後は爽快な気分になることでしょう。チアリーダー部、バレー部、バスケットボール部など、1冊に5つのショートストーリーが入っていて、現在7冊が発行されています。気軽に興味あるストーリーから読むことができるのも魅力のひとつです。
心の栄養に「青春サプリ。」を。
児童書おすすめ(5月15日)
出版社
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葉っぱをじっくりと観察したことはありますか?葉っぱのつけ根から伸びている柄の部分を、「葉柄(ようへい)」といいます。葉柄は、葉に光が当たるように、向きを変えたり場所によって長さを調節したりと、大切な役割を持っています。
厳しい環境で育つ植物にも、特徴があります。ジムカデという植物は、本州や北海道の高山で、夏は乾燥と少ない栄養に耐えて、冬は雪に囲まれた中育ちます。葉はわずか2ミリメートルですが、とても厚くて丈夫。過酷な環境でも生き抜くことができる造りになっています。
そんな頼もしい面を持っている植物も、しっかり休みをとる場面があります。昼は開いている葉っぱを閉じる「就眠運動」を行うのです。シロツメクサやヨモギも、夜になると同じように葉を閉じます。
見たことのある植物にも、知らない部分がたくさんあります。本を開いて、新たな一面を見つけてみてください。外を歩くのも、ちょっぴり楽しくなるかもしれません。
児童書おすすめ(5月8日)
出版社
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一万円札にもなった福沢諭吉が「桃太郎は盗人だ」と非難(ひなん)したことを知った著者は、桃太郎が正義の味方であることを証明するために200冊以上の本を読みます。おどろくことに江戸時代から明治時代初期の桃太郎は「鬼退治をする理由もなく、宝ものを取りに行く」というお話でした。鬼が悪者という理由付けがされたのは1894年(明治27年)頃です。当時の世相を反映した桃桃太郎が現在のお話にも影響(えいきょう)を与えているといいます。また一方的に悪者だと思われている鬼とは何者なのか、その正体にせまっていきます。
さてこの本、実は「第22回図書館を使った調べる学習コンクール」調べる学習部門小学生の部(高学年)で文部科学大臣賞を受賞した作品です。これまで当然と思って受け入れてきたことに対する疑問(ぎもん)やナゾ、私たちの私たちの周りにもありませんか。
あと二ヶ月で夏休み!自由研究の前に読みたい1冊です。
児童書おすすめ(5月1日)
出版社
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地政学とは、国々がともに平和と安定のために生きる知恵を学ぶことです。国際秩序が崩れるとき、平和が脅かされます。
世界の中で、日本はどんな特徴がある国でしょうか。国土は大きくありませんが、島国のため漁業等ができる排他的経済水域は世界6位の面積がある海洋国です。また食料や資源が足りなければ、貿易で不足を補ってきました。そして、国同士の位置が近い中国・韓国・ロシアとは国境問題を抱えています。
現代では、軍事による争いが中心だった時代から、経済力を武器にする時代に変わってきました。世界は超大国のアメリカ・中国を中心に動いていて、経済規模世界3位の日本は両国にはさまれています。
世界を正しく見ることが、日本の未来を考えることになりそうです。
児童書おすすめ(4月24日)
出版社
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きっかけはたいしたことじゃない。でも胸の中がねばつくようないやな感じ。そもそもぼくは悪くない。クラスが勝つために一生懸命やっただけなのに!
お昼休みのドッジボールをきっかけに学校に行けなくなった翼は、桜島近くのまちに住むおじいちゃんを訪ねます。そこにいた従妹のまいちゃんは、同級生の言葉をきっかけに一時期不登校になっていました。まいちゃんに会って自分の言ったことがどれだけ人を傷つけたのか気付いた翼は、周りの大人たちの助けを借りながら一生懸命考えます。表面だけでない本当の「ごめんなさい」ってどうすれば伝わるのかな。
びわは翼のおじいさんの家で生産している果物です。翼とおともだちが本当の仲直りをして、おじいちゃんの作った甘いびわを一緒に食べられますように。
児童書おすすめ(4月17日)
出版社
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おひとよしでうっかり者のクマがへまをして、とぼとぼと歩いて行った森の先に待っていたのは、住み込みの生徒募集の看板でした。
教養ある仙人に誘われて、有能なクマになるべく弟子入りを決めたクマでしたが、授業の結果はさんざんなもの。舟こぎをすれば沈没し、料理の実習では顔もフライパンもすすだらけです。
すべてがそんな調子でうまくいかないのですが、クマはちっともへこたれることなく、全力で課題に立ち向かいます。
クマと仙人のユーモラスでとぼけたやりとりは、くすっと笑えて、新しい一歩を踏み出す勇気と元気をもらえます。
どこまでもマイペースなクマを応援しているうちに、「私らしく明日も頑張ろう」とエネルギーがわいてくる一冊です。
児童書おすすめ(4月10日)
出版社
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国連」「難民」「国際社会」などと聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか?なんか難しそう、授業で習う言葉、など自分の知らないどこかのことのように感じるかもしれません。
この本は、国連で働くためには・・と言うハウツウ本ではありません。飛行機で数時間のところにある世界の出来事や、一人の日本人が選んだ仕事の一部、そして、彼女の人生をかいまみる本です。
検索さえすれば何かしらの答えが見つかる世の中です。では、自分の仕事は?どうやって世界と関わっていく?そう簡単に答えが見つからないこともありますよね。日本では「特別なこと」でも自分の周りではごく普通のことという中満泉さんの日常を通じて、あなたが自分の近い未来について、考えるきっかけになればいいなと思います。人生の当事者として、自分で考え、伝えていく力を培いましょう。
児童書おすすめ(4月3日)
出版社
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家にひとりでいるとき、みなさんは何をして過ごすでしょう。
ラーシュ・エリックは、お母さんとふたりで屋根裏部屋に住んでいます。病気がちなので、お母さんが仕事に行っている間はベッドで壁紙をながめて過ごします。壁紙には、めずらしい花がたくさん描かれていました。ひとりぼっちのラーシュ・エリックにとって、この壁紙をながめることだけが楽しみなのです。
ある日、お母さんが出かけると、壁に小さなドアがあらわれ、壁紙と同じもようのワンピースを着た女の子が出てきました。ロサリンドと名のった女の子は、壁紙の花にせっせと水をやります。壁紙の木にのぼったり、壁紙の鳥の卵で料理をしたり、ロサリンドと過ごすうちに、ラーシュ・エリックはみるみる元気になっていきました。
この本をとおして、ひとりで過ごす時間、友人と過ごす時間について考えてみてください。
児童書おすすめ(3月27日)
出版社
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皆さんは、おうちで学校で、ドキドキ・ワクワクの生活を送っているかと思います。
でもいろんなことが起こる毎日の中、ポジティブな感情だけではなく辛かったり、悲しかったり、心が落ち着かない状態になることもあるのではないでしょうか?
そんな気持ちになってしまうのは自然で当たり前のこと。自分を責める必要はありません。
この本には、もしこんなことが起こったら…、こんな気持ちになったら…を14の項目に分け、それぞれの感情の対処の仕方が簡単な言葉で書かれています。
心がしんどい時にページを開くと、縮こまった心をやさしく解きほぐしてくれます。
また普段から心の持ちようについて考えていると、予想しなかったことが起こっても上手に対応できるかもしれません。
もうすぐ新学期が始まります。新しい環境や、仲間に戸惑うこともあるでしょう。負けずにしなやかにたくましく成長してください。
児童書おすすめ(3月20日)
出版社
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「武士道? 自分には関係ないな。」
なーんて思ったそこのあなた。確かに時代は変わって武士はいなくなりましたが、今でも『武士道』は読み継がれています。今回紹介するこの本は、外国の人に日本を紹介するため1900年にニューヨークで出版された『武士道』(新渡戸稲造/著。前の5000円札に描かれた人です。)を子ども向けに分かりやすくまとめたものです。
・弱いこころを強くしたい!
・自分に自信がもてない…
・本当の礼儀って?
・勉強はなんのためにする?
昔の武士の生き様を示すだけではなく、今を生きる私たちにとっても参考になると思いませんか? 考え事をする時、ちょっと悩んだ時、なんだか落ち着かない時…「武士道」がすっと心に響くかもしれませんね。
グローバルな時代を生きるみなさん。あなたの生き方でその大きな羽をひろげてください。
児童書おすすめ(3月13日)
出版社
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お別れ会の出し物で、劇をすることに決めた6年2組。演出をまかされた立樹と里夏が悩みに悩んで決めた演目は『リアルシンデレラ』。しかし継母と二人の姉の役がなかなか決まりません。継母が意地悪になったのには理由があるのか、魔法使いが親切にしてくれたのはなぜか、登場人物の気持ちを理解することが大切だと気付き、物語の背景をみんなで話し合います。
登場人物の気持ちを考えることは、他人の気持ちを考えること。しだいにみんながお互いの気持ちを思いやるようになり、クラスがひとつになっていきます。
演劇って人の心をひとつにする不思議な力があるんですね。自分ならどの役をしたいか考えながら読むとおもしろいかもしれません。
児童書おすすめ(3月6日)
出版社
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小学校最後の春をむかえた翔と親友の正信。翔たちは、毎日楽しく過ごしていたが、それと同時に自分や学校のことで不満や焦りを感じていた。
しかし、「四万十川花絵巻」や「四万十川ウルトラマラソン」などの祭りやスポーツ行事に全力を尽くす親たちの姿を見て、翔は「第四回小京都一条ジュニア駅伝大会」に出場することを決意する。
元陸上部の征さんの指導を受け、翔や正信を含む5人は練習に励んでいく。途中トラブルがありつつも、みんなで乗り越え、それぞれの思いを胸に駅伝に挑む!
四万十川が流れる一条市を舞台に、実在する祭りやスポーツ行事を通して、少年たちが熱く成長していく様子を描いた物語。
町の人たちの祭りや行事に対する意気込み、人への思いやりなどが文章の節々から伝わり、読むたびに元気をもらえる1冊です。
児童書おすすめ(2月27日)
出版社
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古代の遺跡や美しい絵画など、私たちに歴史を教えてくれるものは数多くあります。形に残らない『香り』も実はそのひとつです。
この本ではそんな香りにまつわる7つのエピソードを通して、香りが人類の歴史の中でどのような役割をはたしてきたのかを紹介しています。
紹介されている香りのひとつにバラの花の香りがあります。その歴史はとても古く、2000年以上前の紀元前の時代から物語に登場しています。その用途はただ花の香りを楽しむだけではなく、薬や料理、ワインなどにも使われていたようです。現代では香りの成分を解析するために、宇宙での実験も行われています。
古代ローマの皇帝や織田信長などの歴史上の人物を魅了した香り、幕末の日本にただよった西洋の香りなど、様々な香(かぐわ)しい歴史の物語に思いを馳せてみませんか?
児童書おすすめ(2月20日)
出版社
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「ぼくは、アリになってしまった」という言葉から始まるこのお話。どんなことが彼に起こったのでしょうか。
題名から分かるように彼の職業は数学者。でも、「数学」と「算数」って何が違うの?って思いますよね。辞書で調べてみると、数や図形を便利に使う方法を教えてくれるのが「算数」で、数や図形とは何か?ということを考える学問が「数学」と書かれています。
この本の中でアリは、「わたしたちにとっての数は、人間の知っている数とはちがう。色や輝きや動きがあるの。まぶしいくらい白い1もあれば、すばやくて青い1もある。人間にわかることばで説明するのはむずかしいけれど、数はたえずうごいているし生きている」と言います。人間とアリの世界の数は、違うようですね。
皆さんも、自分がアリになった姿を空想して、数にふれてみませんか。数の美しさ、楽しさを感じられるかもしれません。
児童書おすすめ(2月13日)
風川 恭子/絵岡田 淳/文 植田 真/絵
出版社
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フランスの小学生ジャコは、食べることが大好きで勉強は苦手です。ある日、図書館でクッキーのレシピ(調理法)を見たジャコは、生まれて初めてのお菓子作りにチャレンジ。室温って何度?75gってどのくらい?勉強嫌いのジャコにとって、レシピに出てくる言葉や単位は分からないものだらけ。だけど、「自分で作って食べてみたい!」という強い思いにつき動かされ、周囲の人の助けをかりて、なんとかクッキーを焼き上げます。
「こんなにおいしいクッキーは初めて!」初めて作ったクッキーに感動したジャコは、お菓子作りに夢中になります。
チョコレートムース、サブレ、ブラウニー・・・。おこづかいをやりくりしながら、レシピ通りに材料をそろえ、分量を量ったり切り分けたり。大好きなお菓子作りを続けるうち、ジャコにある変化が・・・。
おいしそうなお菓子だけでなく、フランスの学校や家庭の様子が描かれているところも面白い本です。
児童書おすすめ(2月6日)
出版社
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コロナ禍において大ヒットした漫画・アニメ映画『鬼滅の刃』。主人公の竈門炭治郎が身につけている羽織にあしらわれた黒と緑の「市松模様」は、マスク等のデザインに採用され、街中でよく見かけるようになりました。
そもそも市松模様は日本の伝統的な文様のひとつです。日本の文様の歴史は、縄文時代までさかのぼるといわれています。器や人形に身近な道具で模様をつけたのが始まり…。時代の流れとともに、点や直線・曲線で描かれたたくさんの文様が生み出されました。
ところでみなさん、文様は日本だけでなく、海外にもあるってこと、知っていましたか?この本では各国の文様で彩られた「世界地図」が紹介されていて、海を越えた交流の歴史の中で、様々な影響を受け、形を変えながら大切に継承されてきた様子がわかります。
あなたの近くにある模様にはどんな歴史や意味が隠されているのでしょう。そんな想像をしながら「文様探し」をしてみると面白いですよ。
児童書おすすめ(1月30日)
出版社
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小学5年生の女の子ゆきは、ゴールデンウィークに母親の妹のみこおばさんと神戸デートに行きます。
異人館や港をまわったあと、2人は港の公園のベンチで一休み。途中で買ったチョコレートの箱を開けます。箱の中には赤や青や緑色の紙に包まれたチョコレートが六つ入っていました。ゆきは緑、おばさんは青のチョコレートをつまみ、口に入れました。舌の上でかたまりがゆっくり溶けていきます。
「時間がとけていくみたい」
そう言って、おばさんがふいに話してくれたのは、風船売りの男とその相棒のニワトリの話で…。
ゆきとみこおばさんの2人が紡ぐ、優しい物語。めくりごたえのある分厚い紙とページをめくるたびに現れる、植田真さんの描く挿絵は1枚の絵画のようで物語を美しく彩っています。
物語を紡ぐ楽しさを感じられる1冊です。
児童書おすすめ(1月23日)
出版社
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時代とともに、技術が発達し、私たちの周りには便利な道具が増えていきます。新しいものに目が行きがちですが、この本では、以前活躍したものの、だんだんと姿を見せなくなっていった道具に着目しています。
登場するものの一つが、町の中でときどき見かける黄緑色の公衆電話です。この色の電話が登場する前に、黄色や青色の公衆電話も設置されていました。
知っている道具もあれば、目次に並ぶ名前だけでは、ピンとこないものも多いかもしれません。この本の中では、道具の始まりから、使われなくなっていった理由、かわりに広まっていった新たな道具についても触れられています。初めて目にしたものがあったら、そういった部分にも注目して、ページをめくってみてください。
見る人によって懐かしく感じたり、新鮮に感じたりと、捉え方はさまざまです。お父さん・お母さんや、おじいちゃん・おばあちゃんのように、違う世代の人と一緒に読んでも楽しめる1冊です。
1月16日のおすすめから
出版社
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突然ですが、みなさんは“大人になる”ってどういうことだと思いますか?
年をとること。学校を卒業して働くこと。いろんなことを一人でできるようになること。考えれば考えるほど、大人になるってなんだかちょっと大変そう……?
とは言っても、みなさんもいつかは必ず大人になる時がやってきます。大人になるまでの時間をどうやって過ごしていくか。悩みや壁にぶつかった時に、どうやって乗り切ればいいのか。何かに挑戦する時、はたまた勉強が嫌になった時、どうしたらいいのか。その答えに繋がるかもしれないヒントが、この本にはたくさん書かれています。
この新聞を読んでいる今この瞬間も、少しずつ大人に近づいているみなさんが、この本を通じて何かの手助けになるようなヒントと出合えますように。
12月26日のおすすめから
出版社
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貧しい不幸な男が、小さな家に8人の家族と住んでいました。ひと部屋しかない家の中は、男とおかみさんの言い争う声や、子どもたちのけんか騒ぎで割れんばかりです。狭さとうるささに耐えかねた男は、何か良い知恵はないものかと物知りのラビ(博士)に助けを求めに行きました。
ラビのアドバイスは、ひなどりと、おんどりと、がちょうと、やぎと、うしを家の中に入れて一緒に暮らすというものでした。正気のさたじゃねぇと思いつつも、素直に従った男を待っていたのは、てんやわんやの地獄の喧騒でした。
さて、男の悩みは解決されたでしょうか。
皆さんにも、心の持ちようで物事が違って見えたことはありませんか。感じる力を磨いていけば、身近な日常に隠れている幸せとたくさん出会えるかもしれませんね。
12月19日のおすすめから
出版社
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ある日、本屋さんの本の上に積もったほこりが小さなかたまりになり、「みゃう」と声を上げ、ねこが生まれました。店主のモシモさんは、ねずみに間違えられるほどの小さな子ねこによみがなサイズの小さな活字の呼び名から「ルビ」と名付けました。
モシモさんと本が大好きなルビは、モシモさんのお役に立ちたいと思い、看板ねこを目指します。トラのような食欲で朝食のミルクやトースト、ゆで卵を平らげたり、友達になった魚屋のねこのチップスと冒険に出かけたりして、体も心もどんどん成長していきます。
想像力が豊かでピュアなルビ、モシモさん、チップス、そして本屋のお客さんとの会話が優しい言葉でつづられていて、なんともいえない温かい気持ちになれる一冊です。皆さんもルビの成長を一緒に見守りませんか?きっとルビから元気をもらえますよ。
12月12日のおすすめから
出版社
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警察に、生き物の捜査を専門にする係があることを、みなさんは知っていますか。
この地球上には、かわいい動物や珍しい生き物がたくさんいます。その動物たちのなかには、法律に違反して日本に連れてこられたり、動物園や研究施設などから盗まれた動物たちがいるのです。
そんな動物たちを守り、保護するのが警視庁「生きもの係」の仕事です。この本に出てくる福原警部は、自然を愛し、大好きな動物たちを犯罪から守っています。国内はもちろん、ある時は外国にまで出かけて密輸を阻止することもあります。そんな「生きもの係」が実際に捜査した事件を紹介したのがこの本です。
福原警部は、みなさんに身近な生き物を大切にしてほしいとメッセージを送っています。そうすることが地球環境を守り、子どもたちの明るい未来につながっていくと考えているからです。
生き物とのつき合い方について、あらためて考えさせられる本です。
12月5日のおすすめから
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あなたは、将来結婚したい・すると思っていますか?あなたの近い将来のことです。昔はほとんどの人が結婚していました(したくないと思っていても)。今は「結婚する・しない」の自由も権利も両方認められています。
『婚学』結婚について学ぶ授業が、九州大学で行われています。20人の定員に250名が殺到するほどの人気です。婚学は、自ら思い描く人生を、切り拓いていく力を身に付ける授業です。仕事と同じように恋愛・結婚は大切な自分の人生だからです。
恋愛や結婚は「運次第」「相手次第」と思いがちですが、目標を設定し、やるべきことを考え、失敗してもあきらめずに修正・改善すれば目標は達成されます。
美人やイケメンでなくても大丈夫、第一印象が大切です。印象を決めるのは「笑顔の力」、そして何より問われるのは「人間関係形成能力」です。
自分の思い描く人生を、自分の力で実現してください。
こころぽかぽかおすすめえほん
11月28日のおすすめから
出版社
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みなさんは今、生まれ持った体の性別で制限されることなく、自分が着たい服を選べていますか?女性はスカートを、男性はズボンをはかなければならない場面に出くわして、疑問に思ったことはありませんか?
『ズボンとスカート』ではスコットランドのキルト(巻きスカート)をはじめ、たくさんの国で男性もスカートをはいていること、モンゴルやタイのヤオ族の女性たちが昔からズボンをはいていたことが紹介されています。女性がズボンをはく習慣の多かったアジアに対して、アメリカでは『せかいでさいしょにズボンをはいた女の子』のメアリーのように、女性がズボンをはいただけで逮捕されていた時代もあったようです。
今を生きるみなさんはどうか、「女の服」「男の服」ではなくて、「あなたの好きな服」を着てください。誰かに強制されることなく、誰もが自分らしい服を選んで自由に着られる、それが当たり前の世界でありますように。
11月21日のおすすめから
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グラタンが大好きで、いつもグラタンを作っているおばあさん。そんなおばあさんの家のグラタン皿には、不思議なアヒルが住んでいます。ある日、具合の悪いおばあさんのためにアヒルが呪文を唱え、エプロンの中からグラタンの材料を出してあげました。するとおばあさんは、アヒルが材料を出してくれるので、買い物にすら行かなくなってしまいました。自分に頼ってばかりのおばあさんに怒ったアヒルは、グラタン皿からピョンと飛び出して、おばあさんの家を抜け出します。
はたしてアヒルに新しい住処は見つかるのでしょうか?
自分の家にもしもアヒルがやってくるなら?と想像しながら読んでみると、いつもより少しだけ、物を大切にしたくなるかもしれません。独特なリズム感のある文章と優しいイラストに、おなかがすいてくるような、どこか温かい1冊です。
11月14日のおすすめから
出版社
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「この世でもっとも巨大なものを見つめていた目」、「泥の中からすみれ色を見つけた少年の瞳」など、タイトルを読むだけでも、とても好奇心をくすぐられます。
この『科学者の目』は、新聞の日曜版の子ども欄に1969年11月から連載され、1974年に出版されました。50年以上たった今でも古さを少しも感じさせず、科学への興味や科学者へのあこがれの気持ちを子どもたちの心に芽生えさせ続けています。
遺伝の法則で有名なメンデルは、家が貧しかったため働きながら研究を続けましたが、生きている間に認められることなく生涯を終えました。教科書で目にする偉人について、いいところばかりを紹介するのではなく、その人生には苦労や悲しみがあり、それでも諦めずに研究を続けた姿が、分かりやすい文章で書かれています。これから広い世界で頑張り、成長し続ける子どもたちへの、かこさんのあたたかいまなざしが感じられる本です。
11月7日のおすすめから
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令和3年10月4日に岸田文雄自民党総裁が第100代内閣総理大臣に就任しました。また、この記事が出る頃は、佐賀市長・市議会議員や衆議院議員の選挙が終わった頃ですね。
政治と聞いて、皆さんはどんなイメージがありますか?外国の政治家と会談したとか、不祥事があったとか、ニュースで見たり聞いたりすることはあると思いますが、何だか難しそうだし、自分に関係ないと思ってしまうことも多いかもしれません。
政治は数百万年前の人類が生き延びるために、リーダーやルールが必要になったことから誕生したそうです。それから人類の進化に合わせて、政治も進化してきました。
この本では民主主義・共産主義などの思想のことから、プロパガンダ(第2次世界大戦中にも行われた、大げさな情報などをわざと流して国民の意識をひとつの方向にまとめる宣伝のこと)についてまで、政治について分かりやすく学べる本です。
ニュースの見方が変わるかもしれません。
10月31日のおすすめから
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皆さんは「外来生物」という言葉を聞いたことはありますか?
「外来生物」とは、「人間の活動によって、もともとは住んでいない、別の地域に持ち込まれた生き物」です。
「アライグマ」「オオクチバス(ブラックバス)」「ウシガエル」「アメリカザリガニ」「セイタカアワダチソウ」など聞いたことがあると思いますが、これらは全て外来生物です。
外来生物は、その地域の生き物を食べてその数を減らしてしまったり、病気を持ち込んでしまったり、農作物を食べてしまったりと、様々な問題を引き起こして、環境を大きく変えてしまいます。
環境を守るためには、相手を知ることが第一歩です。
外来生物はどんな生物なのか、どんな問題があるのか、そして、自分には何ができるかを考えてみてはいかがですか。
この本は、名前のとおりゆる~く読めますが、しっかり分かりますよ。
10月24日のおすすめから
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人の言葉を理解できるオス猫のナナ。元は野良猫でしたが、交通事故で自分を助けてくれたサトルの飼い猫になります。しかし、どうしようもない事情により、飼い主のサトルはナナを手放さざるを得なくなります。新しい飼い主を探すため、2人は銀色のワゴンに乗って旅に出ます。
ちょっと小生意気な猫のナナ目線でストーリーが描かれていて、猫たちはこんな風に見ているのかと感じさせられます。
飼い主のサトルはいくつもの大変なことを経験しますが、常に前向きで大らかで優しい姿が印象的です。
旅では、サトルの友人達に会いに行きます。
遠く離れていても、自分のことを覚えていてくれる相手がいることがとても幸せなことだと気付かせてくれます。
果たして、ナナの新しい飼い主は見つかるのでしょうか。猫派の人はもちろん、犬派の人にもおすすめの心温まる物語です。
10月17日のおすすめから
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ひょんなことから『妖怪お悩み相談室』の相談員になった小学六年生のリカ。相談室のボスこと、ぬらりひょんのヤマや、ろくろ首のナツ先輩と一緒に、妖怪たちの日々の悩みに真摯に向き合っていきます。
相談員になってからしばらく経ったある日、リカは妖怪たちの悩みを一度に解決するために、妖怪パレードを計画することに……。
トイレの花子さんやメリーさんなど、みんなが知っているようなおばけや妖怪たちが登場します。妖怪たちにも私たちと同じように悩みがあります。アカナメのようにお風呂の垢を舐めるために、防犯カメラのついた家に入る方法を知りたい、といった妖怪らしい悩みから、旧校舎のヨジババのように、新校舎に行った妖怪たちにまた会いたい、といった私たちにも共感できる悩みまで。妖怪それぞれに多種多様です。
この本は、そんな妖怪たちの悩みを聴き、相談に乗っていく中で、相談員として、そして人として成長していくリカの物語です。
10月10日のおすすめから
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「おお,ロミオ,ロミオ,どうしてあなたはロミオ?」本書で一番目に紹介されているのは『ロミオとジュリエット』から、有名なこのセリフ。みなさんもどこかで一度は聞いたことがあるはずです。なぜシェイクスピアは没後四百年以上経った今でも愛されているのでしょうか。
その謎にせまるのがこの本です。人間の喜びや悲しみ、楽しみや悩みなど、心の動きを追及し続けたシェイクスピアの言葉は時に私たちを励まし、ふるい立たせてくれます。『ハムレット』、『リア王』、『ヴェニスの商人』その他にもシェイクスピアの名作はもりだくさん!さてどれから読もうかしらと悩んだ時に、気になる名言を見つけて作品を選んでみるのもおすすめです。
最後に私の一番好きなセリフを紹介します。「人生は歩きまわる影法師,あわれな役者だ……」気になる方はぜひ探してみてくださいね。
10月3日のおすすめから
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台風が去った後、ある村で直径1メートルくらいの穴が見つかりました。穴の底は見えません。「キツネの穴かな。」という人もいて、「おーい、でてこーい。」と若者は叫びましたが、何も返ってきません。石ころを投げましたがどこまで落ちたか分かりません。とても深い穴のようです。そこで、みんなは、穴に色々なゴミを捨て始めますが……
この本には「ショートショート」という、すごく短いけど、最後はあっと驚くどんでん返しがある小説14作が収められています。最後は、びっくりしたり、笑ってしまったり、怖くなってしまったり……
表題作「おーい でてこーい」も全9ページで、すぐに読めますよ。
また、この本は「SF」(サイエンス・フィクション:空想科学小説)の入門書にもおすすめです。この本をきっかけに、想像力膨らむSFの世界に飛び込んでみてください。
9月26日のおすすめから
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真ん中に穴(あな)の開いた切(き)り株(かぶ)みたいなお菓子、バウムクーヘンを食べたことがありますか。
自称“バウムクーヘンを愛する男子”颯太は、自分でバウムクーヘンを作ってみたいと思い夏休みのピースキャンプに参加しました。
バウムクーヘンはもともとドイツのお菓子です。それがどうやって日本に伝わって日本中に広まっていったのか、広島湾に浮かぶ小さな島、似島でバウムクーヘンの歴史が語られます。今から百年ほど前の一九一九年三月四日、広島の物産陳列館(現在の原爆ドーム)で、日本で初めてバウムクーヘンが販売されました。戦争中に捕虜として日本に連れてこられたドイツ人のお菓子職人、カール・ユーハイムが作ったのです。ユーハイムは第一次世界大戦、関東大震災そして第二次世界大戦と、何度も大変な目にあいましたが、仲間や家族と助け合い、励ましあって美味しいバウムクーヘンを焼き続けました。
バウムクーヘンを食べるとき、ユーハイムと広島のことを少しだけ思い出してください。
9月19日のおすすめから
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この夏、みなさんはパラアスリートたちの活躍をご覧になりましたか。
トーマスのパパは、子どもの頃に片足をなくしましたが、大人になってパラサイクリングのチャンピオンになりました。
トーマスは、そんなパパの物語を本にして、クラスメイト達に読んでもらいたいと願っています。そして、みんなの心から偏見が無くなればいいと思っているのです。トーマスの助っ人としてママが描いたマジシャンと賢者とイラストレーターの力を借りて、物語を書こうと試みますが、パパの小さい頃の白黒写真の中にタイムスリップしてしまいました。
この本は、トーマスが偉大なパパのことを語ったものです。でもそれだけではなく、タイムスリップやルールのふるさと・ルール王国へ旅をしたり、開催した競馬大会がアニメの世界になってしまったりと、奇想天外でハチャメチャな大冒険のお話です。たくさんの困難を乗り越えて、トーマスは物語を完成できるのでしょうか。
9月12日のおすすめから
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「……私って、変?」パパに問いかけた12歳(さい)のミーちゃん。「普通(ふつう)の女の子にならなきゃ友達いなくなっちゃう……?」涙目(なみだめ)のミーちゃんに、パパはジュール・ベルヌの『地球から月へ』を紹介(しょうかい)します。ミーちゃんは、この本を読めば普通(ふつう)の女の子になれるのか、算数が得意になる秘密でも書いてあるのかと期待しますが、そうではありません。人類の宇宙開発のきっかけになったかもしれない1冊の本。ジュール・ベルヌの描(えが)いた世界は、宇宙を目指した人々の想像力を大いに刺(し)激(げき)したようです。
NASAで働くパパは、宇宙や恐竜が大好きなミーちゃんに、『地球から月へ』を読んだというロケット研究者のことや、宇宙開発の歴史について話してくれました。そして、世界中が戦争へ向かいだした時代のことも。
ミーちゃんの夢は、宇宙へ行くことです。自分の好きなこと、将来の夢、大切だと思うこと、みなさんもミーちゃんと一緒(いっしょ)に考えてみてください。
9月5日のおすすめから
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プラスチックは、19世紀の半ばに発明され、20世紀になって世界に広まりました。スーパーのレジ袋、ペットボトル、食品の包装材など、今やプラスチックなしの生活は想像できないくらいに暮らしに溶け込んでいます。
人間にとっては便利なものが、他の生き物にとっては命を脅かす凶器になってしまう。とても怖いことですよね。クジラや海ガメなどの海の生き物がエサと間違えてプラスチックごみを食べてしまい、傷つきとても苦しんでいます。2050年までに海中のプラスチックの重量は、世界中の魚の重量を超えると予測され、地球温暖化にならぶ環境問題として、世界が注目しています。
海の生き物たちを守るため、未来に綺麗な海を残すために、「今私たちにできること」を一緒に考えてみませんか。小さなことからでも、皆さんの思いが積み重なれば、明るい未来が見えてくると信じています。
8月29日のおすすめから
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周りのみんなに通じる新しい言葉を自分で作る。そんなことできるのでしょうか。「“ペン”を“フリンドル”と呼ぶ」。校内一、とくべつユニークな男の子ニックが決めたことに、学校中が大騒ぎ。言い換えを許さないグレンジャー先生との戦いは、次第に他の大人たちも巻き込みながら街中に広がり、とうとうアメリカ全土に流れるテレビ番組で放送されるまでになります。辞書が大好きでとても厳しいグレンジャー先生ですが、彼のことを子どもだからと無理やり押さえつけるのではなく、公平に対等に向き合ってくれます。こんな先生に出逢えたら幸せではないでしょうか。ユニークな発想力を持ち、かつ自分の行動を冷静に振り返ることができるニックも素敵です。二人の対決の結果は果たして。ニックが大人になった時、その答えがわかりますよ。
8月22日のおすすめから
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みけねこのみけねえちゃんは、人間のともくんとおかあちゃんの三人でくらしています。最近、ともくんはなぜか自分のことを「うーちゃん」と呼んでいます。おかあちゃんが理由をきいても、ともくんはこたえてくれません。困ったおかあちゃんは、みけねえちゃんに原因を調べてくれるようにお願いします。どうやらともくんは、自分の名前のことで悩んでいるようです。じつはおかあちゃんも、同じように悩んでいることがありました。
すなおに話すことができないふたりに、みけねえちゃんがズバッとアドバイスをおくります。
あなたは家族に悩みやつらい気持ちを、かくさずに伝えることができますか?家族だからこそ、なんでも正直に伝えることは少しむずかしいかもしれません。そんな悩みにぶつかったときは、みけねえちゃんの言葉がそっと背中をおしてくれますよ。
8月15日のおすすめから
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おばあさんが大事にしているコーヒーひきが盗まれてしまいました。犯人は悪名高い大泥棒のホッツェンプロッツ(舌をかみそうな名前ですね!)。少年カスパールは親友ゼッペルと一緒に、大泥棒のところへ奪われたコーヒーひきを取り返しに行きます。しまいには、悪党の大魔法使いツワッケルマンや妖精アマリリスが登場し、少年達の冒険はどんどん思いがけない大冒険になっていくのです。
お話の舞台はドイツの小さな町と森。ホッツェンプロッツは、大泥棒だけどちょっとまぬけでなんだか憎めない、ユーモラスなキャラクターが魅力的です。プラム入りのケーキやマッシュポテト、サラミソーセージなど、おいしそうな料理がたくさん出てくるところも見どころのひとつですよ。
優しく素朴なドイツ文化の描写と、少年たちの知恵と勇気にぜひご注目ください。
8月8日のおすすめから
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睡眠に関する様々な疑問について、分かり易く解説した本です。
例えば「寝る子は育つ」ということわざがありますね。これは本当なのでしょうか。からだの成長には「成長ホルモン」の分泌が関わっているのですが、このホルモンが一日のうちでもっとも多く分泌されるのは、夜寝ている間です。そこで背が伸びるのは夜寝ている間だといえるのです。「寝る子は育つ」というのは本当なのかもしれません。
また、早起き、早寝の習慣が大切なのはどうしてでしょうね。これは朝の光を取り入れることによって、体内時計が目覚めを促すからです。朝の光を浴びないと体内時計のスイッチが入りません。遅く寝ると睡眠不足になり、脳の働きが悪くなってしまいます。
では、すっきり目覚めるためのコツは何でしょう。また、より目覚めやすくするためにはどんな工夫をすればよいでしょうか。日常生活の知恵が紹介されています。眠りは脳と心の栄養!
8月1日のおすすめから
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「迷いや不安があっても、自分で決める」この本に書かれている生きかたルール1です。言葉では簡単ですが、実際にそれをやるのは難しそうですね。でも、きっと「ヤワな大人にならない!」ためには大切なことです。
この本には、テレビなどでもおなじみの、明治大学齋藤孝先生の「生きかた」が50のルールとしてまとめられています。キーワードは「ヤワな大人にならない!」です。
これからの時代は、あらゆることが目まぐるしいスピードで変化していく時代です。そんな時代を生きる皆さんは、悩みや不安にぶつかることもたくさんあると思います。しかし、どんな時代でも生き残るためには、ヤワじゃない、しなやかな強さが必要です。この本でヤワな大人にならないための生きかたのヒントを見つけてください。
7月25日のおすすめから
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幸本書店は三代続く町の本屋さんです。
地元の人々に愛されていましたが、三代目店長が亡くなったことで閉店することになりました。閉店フェアを行っていると、店長に幸本書店のすべての本を任されたという高校生の男の子、榎木むすぶが現れます。彼は不思議なことに、「本の声」が聞こえるというのです。書店員の円谷水海は疑いながらも、彼が聞いた本の声を頼りに、本と人とを繋いでいきます。それはやがて、亡くなった店長の死の真相へと繋がっていくのでした。
もしも本に心があるのなら、彼らはどんな気持ちでいるのでしょうか。本と人との大切な思い出が詰まった、切ないけれどどこか温かい物語です。
幸本書店に来るお客さんは、みんな自分にとっての大切な1冊を持って来店します。お客さんが持ってくる本の中には、実在する本がいくつか登場します。気になった本を探して読んでみるのも面白いかもしれません。
夏のおすすめ本
7月18日のおすすめから
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みなさんは、不思議なショートストーリーを読んだことはありますか?
ショートストーリーとは、1つのお話が3分から5分ぐらいで読むことができる短い小説のことです。
今回おすすめする本は、謎の隕石が落ちた街・大伏木(ふしぎ)が舞台です。大伏木(ふしぎ)小学校に通う小学生が、フシギ委員をしたことで、ちょっぴり良いことが起こります。神社の掃除で不思議なお菓子をもらったり、猛暑日の午後一時にどこかに現れるプールを追いかけ走ったりと、日常に起こるちょっと不思議で、心がほんわか温かい気持ちになるショートストーリーが16編収録されています。
長いお話を読むのがちょっと苦手な人、朝の読書タイムに何を読もうか悩んでいる人、ぜひ、この本を読んでみて下さい。ほんのひととき、不思議な物語を楽しんでみませんか?
7月11日のおすすめ
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ある日、小学四年生の健太は、下校中に不思議なお店を見つけます。そのお店の入り口には「ロボットかします」の文字が。ずっと弟がほしいと思っていた健太は、弟ロボットをレンタルしたいと思い、おこづかい全部をにぎりしめてお店へと走りました。
お店で小学一年生のツトム(ロボット)をかりた健太は、喜んで弟のツトムと家へ帰ります。弟との楽しい毎日が待っているかと思いきや、「お兄ちゃんだから」と我慢しなくてはいけないことが多くて...。弟のツトムはお兄ちゃんのことが大好きですが、健太は弟の行動にムカムカしはじめます。
兄弟のように近くにいるのが当たり前だと感じる相手ほど、腹を立てたり、傷つける態度をとったりしてしまうもの。しかし、このお話は兄弟という存在が、変わることのない、かけがえのないものだということを教えてくれます。読んだ後には、これからは優しいお兄ちゃん・お姉ちゃんでありたいと思える1冊です。
7月4日のおすすめ
いしいももこ/訳 まなべまこと/監修
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地球(ちきゅう)誕生(たんじょう)から人類(じんるい)の誕生(たんじょう)、そして未来へとつながる、なが~い歴史の物語という言葉に、あなたは、どんな想像(そうぞう)が広がりますか。
今回紹介するこの本は、リズミカルな語(かた)り口調(くちょう)と、ページごとに施(ほどこ)されたしかけたっぷりの絵を楽しみながら、太陽の誕生(たんじょう)、地球の誕生(たんじょう)、生物の誕生(たんじょう)から人類(じんるい)の誕生(たんじょう)までを、ドラマ仕立てで体感(たいかん)できる内容になっています。
各時代・各場面ごとに、その時代の動物たちや植物たちが、本の舞台に登場し、それぞれが生きていた時代の様子を演(えん)じます。
三葉虫(さんようちゅう)や恐竜(きょうりゅう)たち、太古(たいこ)の時代から今につながる命(いのち)を身近に連想(れんそう)させる内容となっています。
まもなく夏休み。「せいめいのれきし」の物語の続きは、「あなた」の物語です!
この夏の「物語」を紡(つむ)ぐヒントが、図書館にあるかもしれません。
6月27日のおすすめから
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父親の転勤により転校しなければならなくなった光太。仲良しの優斗と離ればなれになり、悲しみに暮れますが、なんとか涙をこらえます。一方で、光太の転校の知らせを聞いて、残された優斗も寂しい気持ちでいっぱいでした。物語は光太と優斗それぞれの視点から描かれます。
光太は、引っ越し先へ向かう船の中で、プロレス界の伝説のファイター・幸三さんと出会います。そして、幸三さんから、なみだを我慢している人の前に現れるという「なみだの穴」について話を聞きます。「なみだの穴」を見ると、こらえていた気持ちがあふれ出すように涙が出てくるというのです。
お話の中に出てくる涙には、悔しさや悲しさなど、登場人物の数だけ様々な気持ちが詰まっています。読みながら、自分も同じような経験をしたことがある、と共感する部分があるかもしれません。涙を流した後には前を向いて進む登場人物たちを見て、自分のもやもやとした気持ちも少し晴れるはずです。
6月20日のおすすめから
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横浜から山口へ引っ越すことになった、小学4年生のえり。田舎暮らしにも慣れてきたある日、おじいちゃんから小さな畑をもらいます。はじめは悪戦苦闘していたえりでしたが、しだいに植物を育てる楽しさに目覚めていきます。
そんな楽しい日々のできごとを、横浜に住む親友のエミに手紙に書いて送ることにしました。やがてエミからも返事が返ってくるようになり、2人の文通がはじまりました。手紙の中で2人はたくさんのことを語り合います。家族のこと。学校のこと。そして、いじめが原因で引きこもってしまった、幼なじみの「けんちゃん」のこと…。
手紙をとおして、自然やいじめの問題にたくましく向き合う2人の成長を描いた一冊です。電話やメールも便利ですが、手紙には心をこめて書くことで、自分の気持ちが相手に伝わりやすいという利点があります。あなたも気持ちを伝えたい誰かに、心のこもった手紙を書いて送ってみませんか?
6月13日のおすすめから
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クマのクマタにはお気に入りの絵本が1冊あります。その絵本の名前は『かいがらのおくりもの』。もう何度も読んでいるので文は全部覚えています。
ある日、大雨が降り続いたせいで山の向こうのふかみどり村では川の水があふれだし、村のあちこちが水びたしになってしまいました。学校で寝泊まりしている子供たちもいます。クマタや友達のモンジたちは何かしてあげたくて本を贈ることにしました。クマタは『かいがらのおくりもの』以外を選ぶつもりでしたが、他は汚れのある本ばかり。よくよく考えて『かいがらのおくりもの』を贈ることに決めました。本がなくなりさびしくてしかたがないクマタでしたが、十日あまりたった頃、一通の手紙が届いて・・・。
最後はほっこりとあたたかい気持ちになれます。
クマタのように誰かのためを思って行動することは、あとからくる思いがけない喜びにつながることにもなります。人を思いやる心を教えてくれる一冊です。
6月6日のおすすめから
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皆さんは、「パンの缶詰」のことを聞いたことがありますか。「乾パンのように長く保存ができて、やわらかくて、おいしいパンがあったらいいな」という阪神淡路大震災の被災者の声がきっかけとなって作られました。
パン職人の秋元さんの「自分にできることで皆を幸せにしたい」という思いが缶いっぱいに詰まっています。宇宙飛行士の若田光一さんが、スペースシャトル「ディスカバリー号」で食べられていた姿をテレビで見られた方も多いのではないでしょうか。
「あきらめなければ、失敗ではない」と、パンの缶詰を待ってくれている人たちのために研究を重ね、あきらめずに完成させた秋元さんの情熱や、今まで存在しなかったものを生み出すことのすばらしさ、「食べるものがなくて困っている人に、甘くておいしいと思う瞬間を味わってほしい」という秋元さんの思いに胸が熱くなります。
小さなパン屋さんが世界の人たちの心を満たす。そんな奇跡のような物語を読んでみませんか。
5月30日のおすすめから
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「あれはなんじゃ、さんだゆう」おとのさまはお城の天しゅかくから見えたふしぎな物体に目をうばわれました。けらいのさんだゆうに聞くとそれは鳥のように空を飛ぶのりものだと言うのです。「おーい、さんだゆう、なにをしておる。ひこうきにのりにいくよ」と、おとのさまの一声で2人の空への旅が始まりました。
この本の魅力の一つはおとのさまとさんだゆうのゆかいな会話のキャッチボールです。そしてなんと、乗客にまぎれてこの本の作者中川ひろたかさんと挿絵の田中六大さんが登場します。ヒントはカメラ目線! おとのさまたちの座席の近くに注目です。
さて、みなさんはお家や学校、暮らしの中で目にとまったもの、すてきだと感じたことはありましたか? コロナ禍の中でも2人のように身近な景色から新しい世界へつながるきっかけを見つけ、いつか冒険してみてはいかがでしょうか。
5月23日のおすすめから
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主人公のアーノルドはインディアンの中学生。保留地というアメリカの先住民であるインディアンだけが住んでいるところで生まれ育ちました。
インディアンという人種であるだけで、白人からの差別を受けて、職業が限られ、生活も貧しい時代がつづき、周りの大人も子供も自分の人生に夢を持っていません。
ある日、アーノルドは両親を説得して、保留地の外にある白人が通うエリート校に転校します。生まれつき脳に損傷があることによるハンディキャップや人種差別など、世の中の様々な困難に直面しますが、皮肉なジョークを飛ばしながら前向きに生きていきます。
自分一人だけがちがう世界に飛び込む勇気の大切さを感じさせてくれる、作者の自伝的な、ほとんど実話のホントにホントのインディアンの物語です。
5月16日のおすすめから
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みなさんは「こどもの日」と聞いて何を思い浮かべますか? 日本では、5月5日に各家庭でこいのぼりやよろいかぶとの人形を飾りますよね。一方トルコでは、4月23日に世界中から首都に子どもが集められて、歌と音楽に合わせてパレードをするそうです。
ほかにも、ロシアではクリスマスになると赤い服を着たサンタではなく、青い服を着たおじさんがプレゼントを届けに来ます(しかも12月31日に)。ヨーロッパにあるデンマークでは、小中学生の間は試験も通知表もありません。ちょっとうらやましいですね。
日本に住んでいると「そんなのアリエナイ!」と言ってしまいそうですが、そんなアリエナイ文化は全部、さまざまな歴史や社会的な理由があってできたものです。
世界には、まだまだたくさんの国や文化があります。「アリエナイ!」を知ることが、世界のことを知る第一歩になるかもしれません。
5月9日のおすすめから
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平安時代と聞いて何を思い浮かべますか。例えば色とりどりの衣を着た女性たち。さぞきらびやかな生活を送っていたのかと思いきや、彼女たちの着る十二単は十キロ以上。そのうえ膝(しっ)行(こう)といって、立たずに膝をついて歩いたというのですから、想像するだけで汗が出そうですね。
タイトルには「平安女子」とありますが「平安男子」についても書かれています。『源氏物語』のような雅なイメージはどこへやら。夜明け(なんと夏は朝五時半!)とともに活動開始。一か月に二十日以上は午前中働き、約七日は夜まで働きました。お休みは一週間に一日だけ。とてもハードな暮らしです。
ここまで読んで平安時代のイメージがガラリと変わったはず。内容はインテリア&ファッション編、ラブ編、ライフ編に分かれ、おもしろいお話がもりだくさん。難しい古文はありません。古典が苦手な方にもオススメです。千年前の遠い時代を、身近に感じることができますよ。
5月2日のおすすめから
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仕事とはいったい何でしょう。大人たちは、どうして、何のために働いているのでしょう。みなさんは仕事について考えたことはありますか?「お金のため」という人もいれば、「世の中の役に立つため」という人もいるでしょう。答えは人それぞれです。
この本の主人公は中学生ハヤト。自分に自信が持てず、将来何になりたいかもわからないという不安を胸に抱えています。「仕事」「お金」「勉強」「幸せ」など働くうえで重要なテーマが、マンガと図解によりわかりやすく解説されています。仕事に関することだけでなく、世の中の成り立ちや道理、生き方についてハヤトの成長を通して一緒に考えることができます。
働くことに対する考え方や価値観は、時代とともに大きく変化しています。大人になってもやりたいこと探しは続きますし、仕事を始めてからも夢は見つかります。夢はどんどん変わっていいのです。この機会にぜひ、あなたの将来に目を向けてみましょう。
4月25日のおすすめから
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オランダに住む14歳のアーベルチェ。これから何をしたいのかわからず、すすめられる仕事も気が向きません。何もやりたがらないアーベルチェの様子に困ったお母さんは、新しくできるデパートの事務所を訪ねました。ちょうどエレベーターボーイの募集(ぼしゅう)があり、アーベルチェはその仕事につきます。
エレベーターには「ただついているだけ」と説明された、みどり色のガラスのボタンがありました。仕事中、アーベルチェはそのボタンを押してしまいます。すると、エレベーターがデパートを飛び出してしまったのです。アーベルチェはたまたまエレベーターに乗っていた三人のお客さんと一緒に、世界を旅することになりました。
言葉が通じない国々で、アーベルチェたちは様々な事件に巻き込まれます。その中でアーベルチェがどのように変わっていくのか、彼の行動や考え方に注目しながら読んでみてください。みなさんも広い世界を見てみたくなるかもしれません。
4月18日のおすすめから
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「みなさん、こんばんわん。月曜夜9時。〈レディオワン〉の時間です。」
ひょんなことから、人の言葉を話せるようになった、犬のジョン。そんな彼が、ラジオ番組のDJとなって、リスナーからのお便りを読んだり、お便りに沿った曲をかけたりします。特にフリートークは、犬の気持ちがよくわかると評判です。
しかし、DJジョンが本物の犬だということは、ラジオディレクターの西園寺さんと番組のスタッフしか知りません。
そんなちょっと不思議な犬、ジョンがお送りする〈レディオワン〉。今夜もまた、DJジョンが人間たちに語り掛けていく。
はなしのテンポがよく、本当にラジオを聴いているかのような心地よさがある作品です。また、フリートークのシーンでは、日常の生活を犬の視点から語っており、はっと気づかされることもあります。
ラジオを聴くときのように、物語に耳を傾け、じっくりと読みたい一冊です。