小中学生へおすすめ!

児童書おすすめ(4月22日)

書名 しょめい : リブリアの魔女

著者 ちょしゃ : 日野 祐希/著

出版社 しゅっぱんしゃ :アリス館


 この本は魔法が使える世界で魔導師を目指している、メノアという女の子の物語です。

 メノアは、弟子入り試験をかねていた魔法学院の卒業式を風邪で欠席してしまいました。このままどこにも弟子入りできなければ、魔導師になることができません。いとこのつてを頼りに、伝説の天才魔導師のシェリルの元へ弟子入りを頼みに行きます。 向かった魔導書工房には、美しいけれど、どこかおとぼけたオーラを漂わせている、不思議な魔導師がいました。

 しっかりもののメノアと、おとぼけシェリルのでこぼこコンビは、無事に師弟になれるのでしょうか?

 メノアは弟子入りの試験のために国の各地を巡り、魔導書の材料を集めてくることになります。旅先では知らないことや初めてのことばかり。不安でいっぱいになりながらも様々な試練を乗り越えていきます。

 失敗を恐れずに挑戦することの大切さを教えてくれる物語です。

児童書のおすすめ(4月15日)

書名 しょめい :なんてくさいんだ!

著者 ちょしゃ :コリーン・ペフ/文 ナンシー・カーペンター/絵 金原 瑞人/訳

出版社 しゅっぱんしゃ :あかつき教育図書


 19世紀、世界一の都市ロンドンでは、人口が増えすぎておしっこやうんちの処理に困り、すべてを川に流した結果、息が詰まるようなひどいにおいがしていたそうです。それでも人々はそのくさくて汚れた水を飲むしかなく、とうとう感染症を発生させてしまいます。

 その難題に立ち向かった一人の土木技師がいました。この本の主人公ジョゼフ・バザルジェットです。彼は、川に汚水を流さない新しい下水道の仕組みを設計し、「悪魔の悪臭」ともよばれたにおいと、病の大流行の恐怖から人々を解放しました。水の汚染の克服が、すがすがしい空気と健康的な生活をもたらしたのです。

 しかし、ジョゼフの奮闘から百年以上たった今でも、おしっこやうんちのまじった水を飲まざるをえない人たちが、世界に20億人近くいるそうです。

 私たちの命を左右する安全な飲み水。蛇口をひねるときれいな水の出る環境は、決して当たり前のものではないのだと気づかされます。

児童書のおすすめ(4月8日)

書名 しょめい : わたしは食べるのが下手

著者 ちょしゃ : 天川 栄人/作

出版社 しゅっぱんしゃ :小峰書店


 あなたは給食が好きですか?食べることは楽しみですか?  この本には、食べることに悩む中学生が登場します。会食恐怖症で給食を完食できない葵、痩せたくて過食嘔吐をくり返す咲子、ムスリムのラマワティ、貧困で給食が頼りのコッペ。彼らは、周囲が悩みを理解してくれないことにも傷付いています。

 やがて給食ボイコットを試みた葵と咲子は、栄養教諭の橘川先生に、ならばどんな給食にしてほしいのか要望書を出して、献立も考えてみろと焚きつけられます。この橘川先生は、栄養オタクの変わり者だけど、ルールを押し付けずにみんなが納得する案を探してくれる素敵な先生です。

 はたして葵たちの給食改革はうまくいくのでしょうか?

 受け身だった葵が、ぐいぐいとみんなを引っ張る存在に変貌していくところも物語の魅力です。食を知り、互いの事情も思いやることで成長していくのです。  食べることは生きること。『食』について考える、この本を読んでみませんか?

児童書のおすすめ(4月1日)

書名 しょめい : 知ると楽しい!和菓子のひみつ

著者 ちょしゃ : 「和菓子のひみつ」編集部/著

出版社 しゅっぱんしゃ : メイツユニバーサルコンテンツ


 日本の四季を感じさせてくれる和菓子。 春はさくらもちやお花見の団子、夏は涼しげな水ようかんやわらびもち、秋は栗きんとん、冬はぜんざいなど、その季節ごとに味わい楽しむことができます。

 普段何気なく食べている和菓子ですが、どうやって誕生したのか知っていますか? 昔は菓子といえば木の実や果物のことを指していました。今でも果物を水菓子というのはその名残です。その後、外国から伝わった菓子が日本独自の和菓子へと進化していったのです。

 この本では、和菓子の歴史や種類などの基礎知識から、ようかんやカステラなどの代表的な和菓子のルーツ、全国に伝わる郷土菓子などを紹介しています。 奥深い和菓子の世界を知りたい方におすすめの1冊です。

 佐賀県の代表的な和菓子「丸ぼうろ」も紹介されていますよ。

児童書のおすすめ(3月25日)

 

書名 しょめい :ロドリゴ・ラウバインと従者クニルプス
著者  ちょしゃ :ミヒャエル・エンデ/作 ヴィーラント・フロイント/作 木本 栄/訳 junaida/絵

   小学館


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 ロドリゴ・ラウバインは荒野に建つ城に住む、誰もが恐れる盗賊騎士です。
 そんな恐ろしいロドリゴの従者になろうと、怖いもの知らずの少年クニルプスはひとりで彼の城をたずねます。
 クニルプスは従者になるため、ロドリゴに度胸試しを命じられます。そんなクニルプスの度胸試しが、王さまやお姫さま、お城の魔術師や竜を巻き込んでの物語に発展していきます。
 怖いもの知らずで無鉄砲なクニルプスは多くの困難の中、さまざまな感情を学び優しくたくましく成長していきます。

 この物語は『モモ』や『はてしない物語』を書いたミヒャエル・エンデの未完成の物語を、ヴィーラント・フロイントが完成させた作品です。
 クニルプスだけでなく、エンデの生み出したキャラクターたちはフロイントのもとでどのように成長していくのでしょうか。
 少し長めの物語ですが、きっとページをめくる手が止まらなくなるはずです。

 

児童書のおすすめ(3月18日)

 

書名 しょめい :リパの庭づくり
著者  ちょしゃ :福井 さとこ/作・絵

   のら書店


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 リパはうでのいい庭師です。ある朝、リシュカおばあさんの家にやってきたリパは、美しかった庭が荒れ果てている光景を見て驚いてしまいます。おばあさんに理由を尋ねると、飼い猫のマリーがいなくなってしまって何にも手につかないというのです。そこでリパはおばあさんを元気づけるために、野鳥のシーコルと協力して、庭の手入れをはじめるのですが…。
 この本のみどころは、シルクスクリーン(孔版)という種類の版画で描かれた挿絵です。荒れ果てた庭が、よみがえる様子が独特の美しい風合いで描かれており、植物のみずみずしい生命力が伝わってきます。
 冬が終わり春の訪れを感じられるようになってきました。みなさんの周りでもたくさんの植物が芽吹いているのではないでしょうか。リパのように植物に触れて、全身で自然の息吹を感じてみませんか?

 

児童書のおすすめ(3月11日)

 

書名 しょめい :ぼくんちの震災日記
著者  ちょしゃ :佐々木 ひとみ/作 本郷 けい子/絵

   新日本出版社


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 2011年3月11日に発生した東日本大震災から今日で14年。小中学生のみなさんはこの震災について、聞いたことはあるけど詳しくは知らない…そんな人が多いかもしれませんね。震度7の地震をきっかけにした大きな大きな震災でした。
 この本は、3月11日からの4日間の物語です。主人公は小学4年生。中学生のお姉ちゃんがいます。地震が発生した時の様子、避難の様子、怖さ、つらさ、悲しさ、切なさ、そして「がんばろう」の気持ち。それらがこの本からは伝わってきます。
 物語の主人公とその家族が体験したことのほとんどは、作者が実際に体験したことだそうです。「防災用品を備えるように、“心”も備えて」と、東日本大震災を体験した作者は語ります。この本で“心”の備えをはじめませんか。

 

児童書おすすめ(3月4日)

 

書名 しょめい :ガラスの大エレベーター』(ロアルド・ダールコレクション5)
著者  ちょしゃ :ロアルド・ダール/著 柳瀬尚紀/訳

   評論社


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 あなたの乗ったエレベーターが天井を突き抜け宇宙まで飛んでいったらどうする?ガラスのエレベーターでチョコレート工場に向かうはずのワンカ氏とチャーリー一家でしたが、なんと宇宙まで飛んでいってしまい…。「ガラスの大エレベーター」はそんな奇想天外なお話です。20巻あるロアルド・ダールコレクションの中の1冊で、大人気で映画化もされた「チョコレート工場の秘密」の続編です。

 著者のダールは、子どもたちを寝かしつけるため毎晩いろんなお話をしてあげていました。5人の子どもたちは夢中になり「もっともっと」と先をせがんだそうです。そしてダールは物語を書くようになりました。

 ダールの作品は、思いもよらない展開があり、言葉がおもしろく笑いを誘い、そして何より子どものことが大好きだという思いにあふれています。この本を読んであなた自身が自由に想像を膨らませ、ダールの物語の世界を楽しんでください。

 

児童書のおすすめ(2月25日)

 

書名 しょめい :めちゃうま!?昆虫食事典
著者  ちょしゃ :内山 昭一/監修  大串 ゆうじ/絵

   大泉書店


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 皆さんが好きな料理は何ですか?カレー、お寿司、からあげ?お肉やお魚を使った料理が多いと思います。

 この本のテーマは、名前のとおり「昆虫食」です。「虫を食べるなんて気持ち悪い!!」と思うかもしれませんが、実は、虫は1万年前から世界中で食べられています。日本でも、イナゴやカイコなどが食べられているんですよ。

 この本は、昆虫料理研究家の作者が、64種類の虫を実際に調理して、味や栄養などを紹介しています。「バッタ入りお好み焼き」「セミのチョコがけ」「スズメバチのサナギと幼虫の串焼き」などのメニューがイラスト入りで紹介されており、とても美味しそうです。アゲハ蝶の幼虫は、ゆでるとミカンの香りがするそうです。興味がわきませんか?

 虫は栄養豊富で、少ないエサや水で狭い土地でも育てられることから、SDGsの観点や、これから予想される人口増加による食糧不足を救う方法として、あらためて注目されています。

 この本を読むと、虫を見る目が変わると思いますよ。

 

児童書のおすすめ(2月18日)

 

書名 しょめい :おしごとそうだんセンター
著者  ちょしゃ :ヨシタケ シンスケ/著

   集英社


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 宇宙船が地球に落ちたときのケガで記憶喪失になってしまった宇宙人。生きていくために何かおしごとをしなくてはと「おしごとそうだんセンター」を訪ねます。

 「おしごとって何?」「どうやって選べばいいの?」何もかもが初めてで不安でいっぱいの宇宙人に、相談係のおねえさんが優しく働くとはどういうことかを教えてくれます。

 ヨシタケシンスケさんならではのユニークな世界観に思わず笑ってしまう44のおしごとは、見開きの右ページにイラストが、そしてページをめくると名前と解説が書かれています。イラストを見て「これはどんなおしごと?」とクイズのように当てっこするのも楽しいかもしれません。

 子どもにとってまだ知らないことだらけのおしごとの世界。いつかおしごとするみなさんも「おしごとそうだんセンター」を訪ねてみませんか。「大事な人」のために一生懸命働いてくれている「お父さんやお母さん」の想いも知ることができると思います。

 

児童書のおすすめ(2月11日)

 

書名 しょめい :作って発見!日本の美術
著者  ちょしゃ :金子 信久/著・工作

   東京美術


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 みなさんは「日本美術」にどんな印象を持っていますか。難しい?暗い?敷居が高い?
日本美術に限らず、美術の楽しみ方は様々ありますが、この本は「まず工作で作ってみよう!」と提案しています。実際に作品を作ることで、技術的なことはもちろん、作者の意図やアイデアがよく分かるのだとか…。

 例えば、俵屋宗達画・本阿弥光悦書の《鶴下絵三十六歌仙和歌巻》は、優雅に飛び立つ鶴の群れを和歌とともに表現した名画です。これを工作にすると、金と銀の連続したハンコがかわいい作品になります。私もこの本を参考に実際に工作を作ってみましたが、同じモチーフのハンコが重なったり離れたり、画面からはみ出したりするところに、不思議なリズムを感じました。

 そもそも美術は難しいものではありません。工作を通して、日本美術の自由な発想とデザインの魅力を、楽しみながら体験してみてください。作品に触れあなたの心が動いたら、それがアート鑑賞の第一歩です。

 

児童書のおすすめ(2月4日)

 

書名 しょめい :チョコレートのおみやげ
著者  ちょしゃ :岡田 淳/文  植田 真/絵

   BL出版


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 ニワトリと風船売りの男は、おたがいに大切な相棒。ニワトリはその日の風の向きや強さを男に教え、やさしい男はそれを聞いて風船を売るかどうかを決めていました。風船がたくさん売れた日は大好きなチョコレートをたくさん買っていっしょに食べました。 

 午後から強い南風が吹きそうなある日のこと、ふとニワトリにいたずらな心が生まれてしまいます。「きょうは風がふかないね」そのひとことでニワトリと男の幸せな毎日がとつぜんこわれてしまいます。男のやさしさに甘え、うそをついたニワトリと風船売りの男の行く末は?
 チョコレートは時間やいろいろな出来事を溶かしていく力がある。そんな不思議なチョコレートの魅力に引きこまれてしまいます。実はこれ、「ゆき」と「みこおばさん」の会話からできたお話。やさしい二人にチョコで乾杯!

 

児童書のおすすめ(1月28日)

 

書名 しょめい :「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと
著者  ちょしゃ :加藤 隆行/文 名越康文/監修

   小学館クリエエイティブ


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 あなたは自分のことが好き?それとも嫌い?友だちにイヤなことを言ってしまった。スポーツが苦手だからカッコ悪い。先生に怒られてばっかり。そんな自分のことが嫌いだったりしませんか?もしそうなら、この本を読んでみると、自分に自信がもてるようになるかもしれません。自分に嫌いなところがあっても大丈夫。この本を書いた加藤さんはこう言っています。「自分はそのままでいいと信じてみませんか?」と。

 自分の嫌いなところは、そのままでいいんです。短所は別の見方をすれば長所にもなります。少し考え方を変えれば、嫌いなところも好きになれるかもしれません。その「考え方を変える」やり方を、この本は教えてくれますよ。今の自分を好きになれたら、きっともっと人生は楽しくなるはずです。

 「どうせ自分なんて」と思ったことがあるなら、一度この本を読んでみませんか。

 

児童書のおすすめ(1月21日)

 

書名 しょめい :源氏物語入門
著者  ちょしゃ :高木 和子/著

   岩波書店


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 書店で『源氏物語』のコーナーを見かけ、物語や紫式部の人気の高まりを感じています。平安時代・中期は、十二単や和歌などの文化が花開きました。この時代に書かれた『源氏物語』は、世界で最も古い長編小説といわれ、貴族の暮らしや行事、今に伝わる祭も描かれています。
 『源氏物語』が書かれた時代は、和歌を送り好きな人に気持ちを伝えていたので上手な和歌を作ることは重要でした。『源氏物語』には約800首もの和歌が詠まれ、平安時代・後期には「『源氏物語』を読まない歌詠みは残念」といわれ、『源氏物語』は和歌の教科書にもなりました。
 『源氏物語』は、一条天皇に献上するために書かれた物語ですが、書き始めた時から貴族の間で物語が面白いと話題になりました。光源氏のライバルへの対抗心や友情などは、いつの時代にも共通することで、1000年経った今も共感をもって読み続けられています。紫式部が書いた平安貴族の物語を読んでみませんか。

 

児童書のおすすめ(1月14日)

 

書名 しょめい :保健室には魔女が必要
著者  ちょしゃ :石川 宏千花/作 赤/絵

   偕成社


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 魔女たちは現在「七魔女決定戦」のまっさい中。勝者の条件は、自分が考案した「おまじない」を世の中にたくさん定着させること。普段は人と同じように生活し人間社会に溶け込んでいる魔女たちですが、七魔女に選ばれるため、あの手この手で自分のおまじないを広めようと日夜活動しています。
 《満ち欠けの扉》こと人間名「弓浜 民生(ゆみはま たみお)」も七魔女決定戦に参加中の魔女。中学校の養護教諭として、保健室を訪れる中学生の悩みを聞き、それに合うおまじないを作り伝授(でんじゅ)することで、おまじないの定着を狙(ねら)っています。
 《満ち欠けの扉》が人としての職業に養護教諭を選んだのは七魔女になるためだけではありません。こどもたちには魔女のおまじないが必要だと思ったから。もしかしたらあなたの学校の保健室の先生も、そんな優しい魔女だったりするかもしれませんね。

 友だちへの不満、家族へのイライラ、容姿へのコンプレックス、特別への憧れ・・・。今悩んでいる人におすすめの連作短編集です。

 

児童書のおすすめ(12月24日)

 

書名 しょめい :サンタクロースは空飛ぶ宅配便ではありません
著者  ちょしゃ :市川 宣子/作 高橋 和枝/絵

   ポプラ社


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 今年、1年生の間に流れているうわさ。「4年3組の黒須三太くんにおねがいの手紙を書けば、クリスマスにはほしいものがもらえる」らしい。
 そんなわけあるかよ…とうんざりする三太ですが、くつ箱に届く手紙を捨てるわけにもいかず、偶然見つけた「サンタクロースあて」と書かれた赤いポストに入れてみることに。すると、赤鼻のトナカイ、ルドルフが現れて、今年のサンタ役に三太が選ばれたと話すのでした。
 続々と増えていく手紙と、クリスマス本部から送られてくるプレゼントのチェック。トナカイに乗る練習もしなければならず、三太は大忙しです。
 そんな中、手術の前にサンタさんに会いたいとの願い事が舞い込みます。これはなんとかしてあげたいと、ルドルフは行方不明のサンタクロースを探しに行ってしまいます。
 トナカイ不在のまま、友人のたくやと和人とで配達をすることになった三太。クリスマス嫌いな三太が奮闘する姿をぜひ最後まで見届けてください。

 

児童書のおすすめ(12月17日)

 

書名 しょめい :闇に願いを
著者  ちょしゃ :クリスティーナ・スーントーンヴァット/著

   静山社


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 願ったことが実現するとしたら、何を願いますか。もしあなたが特別な力を手に入れたら、どのような行動をとるでしょうか。

 物語の舞台・チャッタナーの住人は、街を治める総督のことをとても尊敬しています。総督が、特別な力を使って、大火で灰の街になったチャッタナーに光をもたらしたからです。しかし総督は、自分にとって価値がある人にしか光を与えるつもりはありませんでした。

 主人公のポンは刑務所で生まれたため、総督が作った法律により、13歳まで出所できません。13歳になるのを心待ちにしていたポンですが、総督の考えを知り、刑務所から逃げ出すことにしました。

 たどり着いた村で、ポンはひとりの老僧と出会います。自分の願いは、追手から逃げきり、自由になることだと思っているポン。老僧はそんなポンに、進むべき道を示してくれたのです。さて、その「道」とは?

 登場人物の行動だけでなく、考え方の変化にも注目して読んでください。

 

児童書のおすすめ(12月10日)

 

書名 しょめい :はじめて読むレオナルド・ダ・ヴィンチ
著者  ちょしゃ :石崎 洋司/著

   講談社


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 レオナルド・ダ・ヴィンチといえば、「モナリザ」や「最後の晩餐」で知られる有名な芸術家です。しかし、彼がどんな人だったのか、みなさんは知っていますか。
 レオナルドは、裕福だけど複雑な家庭で育ちました。そして、モデルになれるほどの美少年だったのです。
 画家としてよりも先に、楽器を弾きながら即興で歌う音楽家として有名になりました。ほかにも、科学者であり技術者でもあったことはよく知られていますが、幾何学、物理学、解剖学とあらゆる分野で才能を発揮しました。飛行装置や、人体の解剖図を見たことがあるという人も多いでしょう。まさに天才といえる人でした。
 そんな天才でも、うまくいかない時期もありましたが、自分の信念を曲げず、理想を追求していくことがレオナルドのいちばんの才能だったのかもしれません。
 ルネサンスという激動の時代の中で、文化や科学の最先端を走っていたレオナルド。彼について調べてみませんか。

 

児童書のおすすめ(12月3日)

 

書名 しょめい :神社・お寺のふしぎ100
著者  ちょしゃ :田中ひろみ/文 藤本頼生/監修

   偕成社


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 いよいよ師走になり、今年もあと1箇月をなりました。年が明けてお正月は、親戚と集まったり、お年玉をもらえたり楽しいことがたくさんですよね。
 ところで皆さんは、初詣に行ったことはありますか?初詣で神社やお寺に行くのが楽しみという人も多いと思いますが、神社やお寺は普段の生活の空間とは違って、大きな鳥居があったり、お参りの時に線香をあげる場所があったり、不思議なことがたくさんあると思います。
 この本では、神社やお寺の不思議について、Q&A形式で100個紹介されています。「お賽銭の金額はいくらがいいの?」や「おみくじは、家に持ち帰ってもいいの?」など、初詣ですぐに役立つものから、「神様や仏様は、どこからきたの?」のような深いお話まで、いろいろなおはなしが載っています。
 ぜひ、この機会に神社やお寺の不思議にふれてみてください。

 

児童書おすすめ(11月26日)

 

書名 しょめい :こどもに聞かせる一日一話 「母の友」特選童話集
著者  ちょしゃ :福音館書店「母の友」編集部/編

   福音館書店


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 「子どもも大人も一緒にお話の世界へ遊びにいきましょう」という言葉で始まるこの本には、雑誌「母の友」で長く続く企画「こどもに聞かせる一日一話」の中から選ばれたお話を中心に、みんなが大好きな絵本の人気者「ぐりとぐら」や「だるまちゃん」が登場するお話などが30話掲載されています。
 「ねぇ何かお話してよ」と子どもにお願いされたら、この本のお話を一日一話読んであげてみて下さい。「今日はどのお話にする?」と一緒に選んだり、お気に入りのお話が見つかれば繰り返し読むこともできます。寝る前に読んでもらえば、幸せな夢の世界へ飛び立つこともできるのです。
 子どもはお話を読んでくれた人のことを、忘れることはないといいます。自分だけに向けられたあたたかなまなざしと声は、大人になってもお話とともに心に残り続けるのです。この本との出会いが、子どもと大人が心をかよわせるきっかけになることを願っています。

 

児童書のおすすめ(11月19日)

 

書名 しょめい :絵画をみる、絵画をなおす保存修復の世界
著者  ちょしゃ :田口 かおり/著

   偕成社


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 みなさんは、世界で一番古い絵画を知っていますか?現存する世界最古の絵画は、4万年以上前に描かれた洞窟壁画といわれています。何万年何百年という途方もない年月を経てなお現代の私たちが美術品を鑑賞できるのは、さまざまな人々の手によって大切に受け継がれてきたからです。
 美術品に携わる職業に“修復家” という仕事があります。修復家とは、その名のとおり作品をなおす専門の職人のことです。
 「修復家の仕事はじっくり観察することからはじまる」と著者の田口かおりさんは語ります。作品の歴史をたどり、その作品にとって最もふさわしい修復方法を選び、後世へと伝えていきます。修復家は、過去・現在・未来を繋ぐ大切な役割を担っているのです。
 美術館などで鑑賞する際は、修復家をはじめとした美術品に携わってきた人々にも思いを巡らせてみてください。

 

児童書のおすすめ(11月12日)

 

書名 しょめい :漢字びっくり事典
著者  ちょしゃ :こざき ゆう/文 金田一 秀穂/監修 加納 徳博/絵

   ポプラ社


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 私たちが、ひらがな・カタカナとともに使いこなしている漢字。今から約3500年前に生まれたといい、長い歴史を持っています。学校でも習う身近な存在の漢字ですが、まだまだ知らない世界がたくさんあります。
 くさかんむり、しんにょう、もんがまえ…。漢字に習う時に覚えた部首。部首は、200種類以上もあるとされます。「けものへん」の「けもの」とは、何の動物が元になったか知っていますか?是非、本を手に取って確かめてみてくださいね。
 漢字の成り立ちや歴史、なんて聞くとなんだか難しく感じてしまうかもしれませんが、後ろの章では、クイズ形式に沿って楽しく漢字に触れることができます。国や偉人、植物の名前。そうだったの!?と驚くものもあるかもしれません。イラストが添えられているので、もし漢字に苦手意識を持っていても、楽しく読み進められますよ。

 

児童書おすすめ(11月5日)

 

書名 しょめい :SDGsってなあに?みらいのためにみんなができること たべる
著者  ちょしゃ :関 正雄/監修 WILLこども知育研究所/編・著

    株式会社 金の星社


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 みなさん、SDGsという言葉を聞いたことありますか。世界中のみんなで協力して解決していく問題のことです。目標は17個で世界中の人々が力を合わせて取り組み、2030年までに目標を達成することを目指しています。問題を解決するためには大きく社会を変える必要があります。そして、世界中のだれ一人取り残さずに達成することが大切です。
 目標の一つに「飢餓をゼロに」がありますが、みなさんは、ごはんの食べ残しはないでしょうか。豊かな国では食べ物が捨てられている一方で、その日の食べるものにも困っている人たちがたくさんいます。食べられる量だけ買う、食べ残しはしないなど、むだになる食べ物をできるだけなくなす目標をもちましょう。
 また、余った食料をあつめて、必要な場所へとどけるフードバンクという活動もありますので、利用してみてはどうでしょうか。

 

児童書のおすすめ(10月29日)

 

書名 しょめい :そらのことばが降ってくる 保健室の俳句会
著者  ちょしゃ :髙柳 克弘/作

    ポプラ社


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 クラスになじめず保健室登校をしている中学二年生のソラは、同じように保健室に通うハセオから俳句の句会にさそわれます。ソラはのらりくらりとそのさそいをかわしますが、ハセオが俳句を作る姿を見て段々と興味がわいてきます。
 そしてソラ、ハセオ、養護の先生の三人で初めての句会を行います。そこでハセオが作った俳句がソラを深く傷つけてしまいました。
 しかし、ハセオがソラに向けて詠んだ俳句は、決してソラを傷つけるための俳句ではありませんでした。ハセオが俳句に込めた本当の気持ちはソラに伝わるのでしょうか。
 自分の気持ちを言葉にして相手に伝えることの難しさ、その言葉を理解してもらえたときの喜び、言葉が持つ人を元気にする力を教えてくれる物語です。

 

児童書のおすすめ(10月22日)

 

書名 しょめい :おとな体験授業?
著者  ちょしゃ :なかがわ ちひろ/作

    アリス館


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 今日の授業は「おとな体験授業」。

 5人の生徒たちはグループになって、自分がどんなおとなになりたいかをそれぞれ紙に書きます。

 不思議なランプに火をつけ、ビーカーの中の金色の液体に紙を入れると、もわもわとした湯気がひろがり、おとな体験の世界へ出発です。

 けれども、自分がなりたい仕事を体験できるのかと思っていたら、友達がなりたいと言っていた仕事を体験することになってしまい…。

 自分がなりたい仕事ではなくてもそれが意外と得意なことだったり、将来の可能性が広がったりと、体験することで気づくことがあるということを教えてくれる一冊です。

 どんな仕事をしたいのか、どんな大人になりたいのか、今はまだわからないことが多いと思いますが、これからいろいろな体験をすることで、将来本当になりたい自分を見つけることができるのかもしれませんね。

 

児童書のおすすめ(10月8日)

 

書名 しょめい :ぼくは本のお医者さん
著者  ちょしゃ :深山 さくら/作

    佼成出版社


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 小さなころから大好きだった絵本や読み物、図鑑など、何回も読んで破れ、痛んでしまってもずっと手元に置きたいと思うことはありませんか?
 そんな思いに応えてくれる人がいます。
 製本会社を営んでいる齊藤英世さんは、本業のかたわら本の修理をする「ブックスドクター」の仕事も行なっています。
 本の修理とは新品のようにきれいしてお返しすること?いえいえ、そうではありません。一冊一冊の本には持ち主の本に対する思い出、歴史があります。手あかや小さな汚れ、それらを残しながら元の雰囲気を壊さないよう最小限の修理を施していきます。
 本にはデジタル化の波が押し寄せていますが紙の手触り、インクの匂い、ページをめくる音、五感で感じられる実物の本も人々の思いによって残されていくのかもしれません。
 昔、読んだ本を取り出してそっとなでてみたくなる1冊です。

 

児童書のおすすめ(10月1日)

 

書名 しょめい :なんで勉強しなきゃいけないの? 1
著者  ちょしゃ :W I L Lこども知育研究所/編著 

    金の星社


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 あなたは学校の勉強が好きですか?宿題なんてやりたくないですか?
 この本は5人の著名人がそれぞれ、子どもの頃はどんな子どもだったのかを思い返し、大人になった今、どうして勉強をした方がいいのか、自分の考えを語っています。その著名人のひとりで紛争解決請負人の伊勢﨑賢治さんは世界で生き抜くためには国際感覚が必要だと言っています。その国際感覚とは「さまざまな国の価値観を知り、その国に対して尊敬の心をもつこと」「相手と話し合うとき、ひきょうなまねをしないこと」「言いたいことをはっきり言うこと」を基本にしています。この考え方は、国に対してだけでなく、個人対個人のコミュニケーション時にも大事なことではないでしょうか。
 ひとえに勉強というと難しく考えてしまいがちですが、いろいろな人の考え方を知り、こんな考え方もあるのかなと共感できたら、あなたの勉強に対する立ち位置が今よりもっと楽しいものになるかもしれません。

 

児童書のおすすめ(9月24日)

 

書名 しょめい :最後の語り部
著者  ちょしゃ :ドナ・バーバ・ヒグエラ/著 杉田七重/訳

   東京創元社


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 彗星が地球に衝突するとわかり、一部の選ばれた人々は、別の惑星を目指して旅立つことになりました。主人公のペトラも選ばれたひとりです。そのころ地球では、多様性を否定し、コレクティブという単一社会をつくる、という運動が広がっていました。
 ペトラはいつもお話を語ってくれた祖母を残し、自分の目がほかの人とは違う見え方であることを秘密にして、宇宙船に乗り込みます。眠っている間に目的地へ着く予定でしたが、381年経って目覚めたとき、コレクティブの人々が船内を支配していました。地球から来たペトラ以外の人たちは、眠っている間に記憶を消され、従わない者は排除されていたのです。
 ペトラは自分に地球の記憶が残っていることを気づかれないよう注意しながら、コレクティブ社会からの脱出を計画します。それを支えてくれたのが、祖母が語ってくれたお話でした。
 受け継がれるお話の力強さを感じることができる、読み応えのある物語です。

 

児童書のおすすめ(9月17日)

 

書名 しょめい :給食が教えてくれたこと
著者  ちょしゃ :松丸 奨/著

   くもん出版


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 私が給食で思い出すのは、毎月1回の「お楽しみ給食」。各クラス順番に好きなメニューをリクエストできたのです。でもみんな好きなメニューは似たり寄ったりで、ココアパンやゼリーなど、とにかく定番の人気メニューがよく登場していました。
 さて、この本の著者の松丸さんは、給食の献立を考える栄養士さん。実は給食が大嫌いだったそうです。野菜も魚もお肉も嫌い! 苦手な食べ物が多すぎて、給食はほとんど食べられませんでした。そんな松丸さんに、栄養士さんがこう話してくれます。
 「全部が無理なら、一口でも食べてみて。きっといいことが起こるよ。」
 それからというもの、鉄棒の逆上がりができたり、テストでいい点がとれたり、背が伸びたり、風邪をひかなかったり、いいことは何でも給食のおかげだと思うようになりました。松丸さんが栄養士を目指したきっかけです。
 栄養士の仕事のこと、それから皆さんに伝えたいこと。ぜひ手に取ってみてください。

 

児童書のおすすめ(9月10日)

 

書名 しょめい :長い長い夜
著者  ちょしゃ :ルリ/作・絵 カン・バンファ/訳

   小学館 


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 この物語は名前のないペンギンの「ぼく」と、その「父さん」たちのお話です。
 最初に登場するのはシロサイのノードン。彼は理不尽な人間によって大切な家族や仲間を奪われてしまいます。それからの彼にとって、悪夢を見そうで眠れそうにない日は、夜がいっそう長くなるのでした。
 ある日、ノードンは1匹のペンギン、チクと出会います。チクも人間同士の戦争によって、大切な仲間を失いますが、なんとか守ることのできた卵を運んでいました。2匹は戦争で火事になった動物園から逃げ出し、暗い悲しい気持ちの中、卵を守るため旅に出ます。
この旅の中で彼らは、家族や仲間との大切な想い出を語り合いながら、お互いを支え合っていきます。
そして、語り継がれた沢山の思い出は、卵だった「ぼく」を励まし、生きていく勇気をくれました。
 私たち自身も、色んな出来事やたくさんの出会いがあって、今の自分がいるということに気づかせてくれるお話です。

 

児童書のおすすめ(9月3日)

 

書名 しょめい :コーリング・ユ-
著者  ちょしゃ :永原 皓/文

   集英社 


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 元気で賢いシャチの男の子「カイ」がこの物語の主人公。カイは好奇心旺盛な為、お金目的でシャチを捕獲していた漁師に捕まってしまいます。カイを心配した仲良しの従妹の「エル」は、わざと網に入りカイと一緒に捕まってしまうほどカイのことが大好きでした・・・・。人間の身勝手さにより家族から引き離されてしまったカイは、その魅力で、一つ一つ困難を克服していきます。
 異種別であっても他者を思いやることのできる優しさや、苦境に立たされても決して希望を失わないカイの強さは、読者に真の勇気とは何かを鮮やかに印象づけ、又、対照的に彼の行動から、私利私欲の為に他者を傷つけても平気な人間の愚かさも浮き彫りになります。
 地球に生きる全ての仲間が共存していること、その為に大切なことは何かを教え気付かせてくれる一冊です。読後は、カイに魅了されること間違いなしの、【第34回小説すばる新人賞】を受賞した作品です。

 

児童書のおすすめ(8月27日)

 

書名 しょめい :車いすでジャンプ!
著者  ちょしゃ :モニカ・ロー/作 中井 はるの/訳

   小学館 


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 エミーは車いすモトクロスにあこがれる13歳の女の子。生まれた時から脊椎に障がいがあります。モトクロス用の高性能な車いすを買うため、友だちのアレエとオンラインショップを運営しています。売り上げも上々で夢に向かって進んでいたのですが…
 エミーは車いすで過ごせるところでは、何でも自分でできます。でも、それをわかってくれない人がたくさんいます。
 ある日、学校からエミーの車いすを買う資金集めをするという手紙が届きます。エミーはうれしくて、何かがひっかかっていることに気づかないふりをしていました。それがこんなに大事になるとは思いもしないで。
 障がいを持つ人にとって必要なこととそうでないことは、周りの人が思うそれとは違うのかもしれません。お互いがちゃんとコミュニケーションをとることが大切です。決めつけではなく、当事者の声をよく聞いて行動することが大事だと教えてくれる1冊です。

 

児童書のおすすめ(8月20日)

 

書名 しょめい :みんなの少年探偵団
著者  ちょしゃ :万城目 学、湊 かなえ、小路 幸也、向井 湘吾、藤谷 治/著

   ポプラ社 


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 明智小五郎に怪人二十面相。江戸川乱歩作品が好きな人は、その名を聞いたことありますよね。
 『怪人二十面相』や『少年探偵団』の生みの親で、日本探偵小説の父と称される江戸川乱歩の生誕120年を記念して発刊されたこの本は、万城目学や湊かなえといった現代の著名な作家たちが、作品の世界観をそのままに、新たな物語を紡いだ短編集です。
 物語の第1編では、早くに両親を失い、父方のおじいさんと暮らすこととなった双子の少年が、それぞれの特別な能力を駆使しながら、おじいさんが関わった事件の謎を解いていきます。はたして二人の運命は?ラストには読者を驚かせる展開も。何度も読み返したくなる作品です。
 今年は江戸川乱歩の生誕130年、乱歩の世界に浸る絶好の機会です。
 学校の図書室で手に取ったことのある方も、初めて触れる方も、江戸川乱歩の魅力を再発見できる、懐かしさと新鮮さを兼ね備えたこの短編集をぜひ、手に取ってみてください。

 

児童書のおすすめ(8月13日)

 

書名 しょめい :『オニのサラリーマン じごくの盆やすみ』
著者  ちょしゃ :富安 陽子/文 大島 妙子/絵

   福音館書店 


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 盆やすみ、みなさんは何をしますか?夏休みの人もいれば学校や仕事などの人もいますよね。
 この絵本の世界は、じごく。じごくカンパニーで、はたらくオニのサラリーマンはお盆も仕事のようです。それもそのはず、日々じごくにいる「もうじゃ」たちはお盆なので里帰り!その間にオニたちはねんにいちどのおおそうじです。
 「せいりせいとん」「あけたらしめよう」といったこのよの学校や職場にもあるような注意書きやじごくのいろんな場所ではたらくオニたちが登場します。
 オニがサラリーマンというせっていもおもしろいですいね。
 盆やすみにご先祖様のことを考えたり、昔飼っていたペットのことを考えたりしながら、読んでみてください。

 

児童書のおすすめ(8月6日)

 

書名 しょめい :『チームでつかんだ栄光のメダル 陸上男子400mリレー 山縣・飯塚・桐生・ケンブリッジ』
著者  ちょしゃ :本郷陽二/著

   汐文社


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 今年はパリでオリンピック・パラリンピックが開催されています。この4年に1度の大舞台に出るため、血のにじむような努力を重ねてきた世界各国のスーパーアスリートが集まります。さまざまな種目で日本選手の活躍もとても楽しみですね。
 オリンピックでの陸上競技短距離種目では、日本選手個人でのメダル獲得はまだありませんが、リレー競技では4×100mリレーで過去に男子チームが2度(2008年の北京オリンピック、2016年のリオオリンピック)メダルを取っています。
 日本選手は個人種目の100mでは、1932年のロサンゼルスオリンピック以来、決勝進出さえできていないのに、リレーではメダルが取れるなんて驚きですよね。
 この本には数字のうえでは勝ち目がなかった日本チームが、リオオリンピックでメダルをつかむまでの知られざる物語が記されています。
 ぜひ、観戦とあわせて読んでみてください。

 

児童書おすすめ(7月30日)

 

書名 しょめい :『プーさんと出会った日』
著者  ちょしゃ :リンジー・マティック/作  ソフィ-・ブラッコ-ル/絵

    評論社


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 プーさんが本当に実在したクマさんだったことを、ご存じですか?この絵本は、世界中のクマさんの中で、一番有名なプーさんのモデルとなったクマさんの本当にあった半生を描いたお話です。
 獣医師のハリ-・コ-ルボ-ンは、戦争に向かう途中の駅で子グマと出会います。彼は「このクマには、何か特別なものを感じる」と子グマを戦場へ連れていくことに悩みながら引き取ります。ハリ-は、誰よりも温かい心の持ち主の獣医師でした。クマさんは、ハリ-の故郷にちなみ“ウィニペグ”と名付けられ、ハリ-の良きパートナ-となりました。賢いウィニペグは、隊員達の心を癒し、部隊のマスコットとして大事にされていました。しかし、戦況が悪化し、ハリ-はあることを決断しなければなりませんでした。でも、そこからまた、ウィニー(ウィニペグ)の新しい第2章が始まります。
 ハリ-がウィ二-に「何か特別なもの」を感じたように、この本を読んだあなたもきっと、ウィニーに「何か特別なものを感じる」のではないでしょうか。

 

児童書おすすめ(7月23日)

 

書名 しょめい :『こちらゆかいな窓ふき会社』
著者  ちょしゃ :清水 達也/訳 清水 奈緒子/訳 クェンティン・ブレイク/絵

    評論社


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 子どもの頃、一番好きな児童文学の作家はロアルド・ダールでした。ブラックユーモアがピリリときいた奇想天外なストーリーと、クェンティン・ブレイクが描く味のある挿絵に、小学生の私は夢中になって読んでいました。どれも思い入れがあるものばかりですが、ダールの作品を初めて読む人には、この『こちらゆかいな窓ふき会社』をおすすめします。
 ビリーの家の近くにあるオンボロ空き家が、ある日、<はしご不要窓ふき会社>になりました。中から顔を出したのはなんと、キリンとサルとペリカンだったのです。さて、このへんてこりんな3人(3びき)組でどうやって窓ふきをするのでしょうか…?
 最後にサルが歌う別れの歌は、仲良しの動物たちと別れるビリーへ、そして物語を読んでいる私たち読者へむけて、「本を開けばまた会える」というダールからのメッセージのようにも感じられます。お話が終わってしまうさみしさを優しく包み込んでくれる、私の大好きな場面です。

 

児童書おすすめ(7月9日)

 

書名 しょめい :『今日も嫌がらせ弁当 反抗期ムスメに向けたキャラ弁ママの逆襲』
著者  ちょしゃ :ttkk/文 

    三才ブックス


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 毎日のお弁当。作っている人はどんな気持ちなのでしょう。この本は、母を無視して返事をしない反抗期真っ盛りの高校生の娘とそんな娘へのささやかな抵抗として、ちょっと変わったキャラ弁を作り続けた母の3年間の記録です。
 母は、仕事や家事で忙しくて疲れたときも、娘にウザがられても、キャラ弁を毎日作ります。「自分でオキロ」やもらったプレゼントへの「ありがとう」のメッセージなど、母の気持ちはお弁当の“のり文字”で伝えています。「普通のお弁当がいい」と言う娘ですが、残さず食べてきます。毎日お弁当を作っている母としては、空っぽになって返ってくるお弁当箱を見るのは嬉しいものです。
 娘への嫌がらせで始めたキャラ弁ですが、このキャラ弁は、高校3年間を見守ってきた母から娘へのメッセージであり、無口な娘とのコミュニケーションツールになっていたようです。
 あなたのお弁当にも「毎日健康に」「テストや部活を頑張って」など、作っている人の気持ちも一緒に詰められていると思います。

 

児童書おすすめ(7月2日)

 

書名 しょめい :『いただきます!からはじめるおさかな学』
著者  ちょしゃ :鈴木 允/著 生駒 さちこ/イラスト

    リトルモア出版社


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 皆さんが普段食べている魚は、いったいどこから来たのか、知っていますか?
 この本には、魚がとれて、値段がついて、お店に並ぶまでの流れから、日本の魚文化、海の環境問題など、魚に関するいろいろなことが分かりやすく説明されています。
 自分が食べている魚が、どこで、どうやってとれたものかを知ると、普段の魚料理がいつもよりおいしく感じるかもしれません。魚のさばき方や身近な魚のQ&Aなども載っていて、魚を見るのも食べるのも楽しくなる一冊です。
 身近な魚について知っていくと、魚が減っていることや、ごみの問題など、今起こっている海の環境問題がより身近な問題に感じてきませんか?
 現在、日本でも取り組まれているSDGsの目標14の中に「魚のとりすぎをなくす。」という目標があります。
 おいしい魚をずっと食べられるように、自分たちに何ができるか、この本を読んで考えてみませんか?

 

児童書おすすめ(6月25日)

 

書名 しょめい :『くらべて発見 食べものはどこからきたの?』
著者  ちょしゃ :木本栄/訳 日本語版監修/藤原辰史

    ほるぷ出版


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 あなたが今日口にした食べものは、どのように作られているのでしょうか。これはドイツに住む作者が食べものを作っているところを訪れ、じっさいに見たり聞いたりしたことを描いた本です。

 本を開くと右ページに大きな農園、左ページに小さな農園があり、大きなところと小さなところでの作業の違いがひと目でわかります。絵についている説明でさらに詳しく知ることができますよ。この本に出てくる食べものは牛乳、パン、魚、肉、りんご、卵、トマトの7種類です。とても身近な食べものですね。この本はドイツでのお話ですが、かなりの部分が日本の農業や畜産、漁業にも当てはまるそうです。もし近くに食べものを作っている方がいらっしゃったら、今度は自分でお話をきいてみるのもよいかもしれませんね。

 

児童書おすすめ(6月18日)

 

書名 しょめい :『江戸の空見師嵐太郎』
著者  ちょしゃ :佐和みずえ/作 しまざきジョゼ/絵

    フレーベル館


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 江戸の下町に暮らす嵐太郎は、雲の流れや風の強さ、空気のしめりぐあいなどを観察し、天気を予想するのが得意な少年です。衣替えのタイミングや、頭痛もちの奥さんのごきげんうかがいなど、町の人からひっきりなしに相談がきては、ぴたりと天気を当てるので嵐太郎の評判は江戸中に広がっていきました。
 ある日、嵐太郎のもとに、奉行所から秘密のお役目が舞い込みます。それは空見の技で「黒船来航の日を予測せよ」というとんでもない仕事でした。
 嵐太郎はどうやって黒船が来る日を予測するのでしょうか。
 現代の気象予報は、人工衛星で宇宙から雲の動きを見たり、スーパーコンピュータで台風の動きをシミュレーションしたり、予測技術がとても進歩しています。
 江戸時代の天気予報と現代の天気予報を比べてみるのも面白いですね。

 

児童書おすすめ(6月11日)

 

書名 しょめい :『じぶんでできた!』
著者  ちょしゃ :杉崎 聡美/著 竹下 和男/監修

    ほるぷ出版


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 お弁当作りというと、早起きして、料理して、弁当箱に詰めて……なんとなく「大変そう」なんて思っていませんか。
 これから先、一人でお弁当を作らなければならない時がくるかもしれません。何から始めていいか分からない、そんなあなたも安心。弁当箱の選び方から後片づけの仕方まで、漫画を交えて楽しく学ぶことができます。
 巻末には初級・中級・上級の「お弁当レシピ」が紹介されていて、初級はスーパーやコンビニのお惣菜を使ったお弁当作りから!
 お米の炊き方が分かったら「基本のおにぎり」など、無理のないお弁当作りを始めることができますよ。
 家族につくってもらったお弁当もおいしいけれど、自分で作ったお弁当は、もっともっと、おいしいかも!

 

児童書おすすめ(6月4日)

 

書名 しょめい :『雨の日が好きな人』
著者  ちょしゃ :佐藤 まどか/著

    講談社


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 小学6年生の七海は、お母さんが再婚して、新しいお父さんと2歳年上のお姉ちゃんができます。お姉ちゃんは病気で入院しているので、七海はまだ会ったことがありません。
 家族が増えて喜んでいる七海でしたが、お母さんたちは、入院中のお姉ちゃんの心配ばかり。七海は1人でいることが前より多くなり、家族が増えたのではなく、お母さんを奪われたような気持ちになります。
 複雑な家庭環境の中で、親友との関係もギクシャクしていき、七海は学校をズル休みするようになります。そして、七海は両親に内緒で、まだ会ったことがないお姉ちゃんに会いに病院に行きますが…。
 七海は、病気のお姉ちゃんに嫉妬したり、きれいな友達と自分を比べて落ち込んだり、悩みながらも相手と向き合い、自分の本音を伝えて成長していきます。
 雨の日が好きな人もいるし、嫌いな人もいます。自分と誰かを比べて悩んでいる人にぜひ読んでもらいた1冊です。

児童書おすすめ(5月28日)

 

書名 しょめい :『目で見ることばで話をさせて』
著者  ちょしゃ :アン・クレア・レゾット/作

    岩波書店


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 19世紀初頭、マーサズ・ヴィンヤード島では、耳が聞こえる人も聞こえない人も手話で会話していました。家事よりも物語をつくるのが好きなメアリーも、手で多くのことを語ります。ところが、その語りをよろこんでくれた兄が馬車の事故で亡くなってからは、なぜ不公平なことがあたりまえなのか、どうしようもないことが起こるのか、疑問に思うようになりました。
 そんなとき、島に科学者がやってきます。島に耳が聞こえない人が多い原因を調べに来たというのです。この科学者の言動にメアリーは度々苦しめられました。そんなメアリーに違う視点を示してくれたのが、奴隷から自由黒人となり、父の牧場で働いているトーマスです。科学者に誘拐され、差別を受けながらも、あきらめなかったメアリー。悩みながらも自分で考え、会話する努力をします。メアリーの疑問への答えは、会話の中にあるかもしれません。ぜひ手話での会話表現にも注目して読んでください。

児童書おすすめ(5月21日)

 

書名 しょめい :『ウィリアムの子ねこ』
著者  ちょしゃ :マージョリー・フラック/作・絵 まさき るりこ/訳

    徳間書店


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 五月のある月曜日の朝、迷子の子ねこが町の通りを歩いていました。しかし、忙しい大人たちは誰一人子ねこに気がつきません。そんな中、子ねこに気がついたのはウィリアムだけでした。なぜなら、彼はまだ4才なのでちっとも忙しくなんかなかったからです。
 『かわいい子ねこちゃん、きみ、どこからきたの?』とウィリアムが尋ねますが、子ねこは『ミュー、ミュー、ミュー』と鳴くばかり。そこで、ウィリアムは迷子の子ねこを警察に届け出ることにしました。ところが、飼い主だと名乗る人物が三人も現れて…。
 果たして、子ねこは無事に飼い主の元へ帰ることができるのでしょうか?
 少年の親切がまわりの人々を幸せにし、その親切がめぐりめぐって少年に返ってきて、最後には少年も含めすべての人が幸せになるおはなしです。みなさんも少しでも困っている人がいたら、勇気を出して手をさしのべてみませんか?

児童書おすすめ(5月14日)

 

書名 しょめい :『かぼちゃ人類学入門』
著者  ちょしゃ : 川原田 徹/さく

    福音館書店


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 佐賀のおとなり、福岡の門司港から連絡船に乗って夢時間。海に浮かぶ大きなかぼちゃが見えてきたら、それは「かぼちゃ島」です。この島に住む人たちは、かぼちゃを食べ、かぼちゃの恵みに感謝しながらのんびり楽しく暮らしています。
 島には、宿に温泉、市場や学校など、暮らしに必要なものは何でもありますが、皆さんの町にあるものとは少し違っています。例えば、この島の銀行ではお金だけではなく、健康や幸せも預けられます。そして、健康に恵まれなければ健康を、悲しい時には幸せを引き出すことができます。健康と幸せとお金は、1:2:10の割合で取引され、お互いにないものを補いあっています。
 「世の中で一番広いものはなあに?」かぼちゃ人は、心の中だと語ります。かぼちゃ島は狭いけれど、空想をめぐらせば世界が無限に広がると知っているのです。
 この本を開いてみてください。皆さんもかぼちゃ人として夢のような時間を過ごせるかもしれません。

児童書おすすめ(5月7日)

 

 

書名 しょめい :『日本の昔話 全5巻』
著者  ちょしゃ : おざわ としお/再話、赤羽 末吉/画

    福音館書店


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 「むかし あるところに」で始まる昔話。「はなさかじい」や「ももたろう」、みなさんはどんな昔話を知っていますか?
 昔話は日本各地で何百年にもわたり親から子へ、子から孫へと口伝えで語り継がれてきたおとぎ話です。昔話には、人が生きていくための知恵や教えがたくさんあります。
 この「日本の昔話」全5巻では、今では直接聞くことができなくなった語り継がれた昔話301話が、子どもにもわかりやすい言葉で書き直され収められています。
 初夢をみて宝物を手に入れる話、いつもいじめられていた子どもが活躍する話、正直者がご褒美をもらう話、猫やネズミが人間の知らない秘密を教えてくれるお話などなど。
 ひとつのお話は短いので、ちょっとした時間にも読むことができます。知っているお話や、思いもよらない結末のお話もあるかもしれません。何回読んでも面白くて新しい発見がある、それが昔話の魅力です。

児童書おすすめ(4月30日)

 

 

書名 しょめい :『すごいゴミのはなし ゴミ清掃員、10年間やってみた。』
著者  ちょしゃ :  滝沢 秀一/文、スケラッコ/イラスト、萩原 まお/イラスト

    学研プラス


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 皆さんは世の中にあふれる「ゴミ」が、どのように処理され、そして地球環境にどう影響するのか考えたことがありますか。この本は、10年間ゴミ清掃員として働いた著者の経験を通じて、ゴミの分別やリサイクル、清掃作業の役割、そしてゴミが抱える問題について教えてくれます。
 「ゴミとは人の心だ」とこの本の著者は語ります。世の中にゴミとして生まれてきたものは一つもないはずなのに、私たちの暮らしを豊かにするために生まれてきた「モノ」は、きれいだから、汚いからではなく、その人がいらないと思った瞬間「ゴミ」になってしまうのです。ゴミは年々増え続け、環境省のHPには、約20年で日本のゴミ最終処分場が満杯になると記載されています。
 「地球の未来を守るために何ができるのか」一緒に考えてみませんか。この本を読めば、皆さんが暮らす場所を、いつもきれいに保ってくれている存在に出会えるはずです。

児童書おすすめ(4月23日)

 

 

書名 しょめい :『朝ごはんは、お日さまの光!』
著者  ちょしゃ :  マイケル・ホランド/文

    徳間書店


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 やさしい手ざわりのこの本は、植物からできています。インクも植物からできています。
 カラフルな絵と楽しい解説で、植物たちの知識を図鑑にも負けないくらいに幅広く教えてくれる、科学絵本を読んでみませんか?
 さて、植物のごはんは何でしょうか?それは太陽の光です。では太陽のエネルギーが地球に届くまでの時間は?太陽の光を食べた植物が今度はわたしのごはんになるの?一つの謎の答えがまた謎を呼び、ページをめくるたびに、あなたはますます植物の不思議に引き込まれていくことでしょう。植物を使った楽しい遊びや実験も紹介されています。
 植物がなければ、どんな生き物も生きていくことはできません。植物を知れば、すばらしい生命やモノのつながりが見えてきます。

児童書おすすめ(4月16日)

 

 

書名 しょめい :『ノクツドウライオウ』
著者  ちょしゃ :  佐藤 まどか/著

    あすなろ書房


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 ノクツドウライオウ。何を意味することばでしょう? 答えは表紙に描かれた看板を見て解決です。


 ノ靴
堂来往


 右から読めば、そう、靴ノ往来堂。
 横書きの文字を右から書くのは変に思うかもしれませんが、日本では1950年頃まで右から書くことは何もおかしいことではありませんでした。新聞の見出しも右から書かれた時期があります。調べてみると1952年に公用文は左から書くように通達され、それから現在のように左から書く体裁が定着したそうですよ。
 さて、往来堂ですが、右から書かれた看板ということはずいぶん昔から営業しているのかしら。そうです、往来堂は100年続く老舗の靴屋。主人公の夏希は中学生で、代々続くこの店を継ぐか悩むようになります。別の夢があるけれど本来継ぐ予定だった兄が突然出て行ってしまったからです。
 往来堂で起こる心温まる魔法のような出来事に、果たして夏希はどうなっていくのでしょう?おたのしみに。