小中学生へおすすめ!

4月28日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『ぼくたちのP(パラダイス)』
著者ちょしゃ:にしがきようこ 出版社しゅっぱんしゃ:小学館
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 夏休み、雄太はおじさんの別荘へ行くことになりました。さわやかな高原の別荘でゲームをする毎日を想像していた雄太でしたが、実際は5時間もの厳しい山登りの末、たどり着いたのは電気も通っていない山小屋でした。
 はじめは嫌々ながらに山を登っていた雄太でしたが、初めて目にする美しい植物や鳥たち、個性豊かな仲間たちとの山の保全作業を通して雄太の気持ちは次第に変わっていくのでした。
 山の景色や美しくも厳しい自然の風景がリアルに想像できて、登山経験のある人もない人も、まるで実際に山登りをしているように楽しんで読める1冊です。読み終えたらきっと山登りをしたくなること間違いなしでしょう。

4月21日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『ルピナスさん』
著者ちょしゃ:バーバラ・クーニー 出版社しゅっぱんしゃ:ほるぷ出版
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 子供の時におじいさんとした『世の中をもっと美しくするために何かする』という約束を一生かけて叶えた女性のお話です。
 若い時は仕事に忙しく、世界中を飛び回っていました。好奇心旺盛でたくさんのやりたいことがありました。でもそんな忙しい時も心の中にはずっとおじいさんとの約束をどうやったら叶えられるかがありました。世の中を美しくするために自分は何ができるのか?美しくするとはどういったことなのか?その思いを常に胸に抱いて生きていました。さてルピナスさんが考えた世の中を美しくすることとは……?
 『自分は何のために生きているのか?』今はわからなくても、時間をかければきっと何かがわかる、何かと気付く、そんなルピナスさんの生き方を読んでください。きっと何かを感じることができると思います。

4月14日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『いい人ランキング』
著者ちょしゃ:吉野万理子 出版社しゅっぱんしゃ:あすなろ書房
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 「クラスでいちばん性格のいい人を決めない?」唐突な提案に戸惑いながらも、あの子たちには逆らえない。そんなことから始まったいい人ランキング。『いい人』と呼ばれるのは、いいことだと思っていたけれど、実は……。
 いい人ランキング1位に選ばれてから、桃は居心地の悪さを感じていた。これってまさか、そんなはずはないと思いながらも、ひとりで過ごす時間が増えていく。いつも一緒だった友達も離れてしまった。
このままじゃやばい。この状況を変えるには、師匠の指導が必要だ。一発逆転の作戦は、大成功のはずだったのに、このままでいいのかな。
 今、毎日のようにニュースを騒がせているいじめ。些細なことから、何かが変わってしまう。あなたのまわりにも、そんな出来事はありませんか。苦しんでいる人はいませんか。
 多感な時期を過ごすみなさんに、読んでもらいたい一冊です。

4月7日のおすすめの1冊

おすすめの本

書名しょめい:『天地ダイアリー』
著者ちょしゃ:ささき あり 出版社しゅっぱんしゃ:フレーベル館
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 みなさんがこれを読む頃には、新学期が始まっているでしょうか。クラス替えや入学式など大きく環境が変わる人もいるかもしれませんね。この物語の主人公、木下広葉はマスクがないと外に出られないマスク依存症。新しい土地で入学式を迎えることになった彼は、クラスで目立たないよう栽培委員会に入ります。しかしそこで出会ったのは、植物を愛する“ふとまゆセンパイ”をはじめとした個性的なメンバー。そんな仲間にとまどいながらも、広葉は徐々に心を開き始めます。クラスの中の上層だとか下層だとか、いったい誰が決めるのでしょう?彼の心の変化に注目してください。
 また作中にはさりげなく園芸知識が織り込まれ、読むうちにちょっとだけ植物の育て方に詳しくなれるのもこの本の魅力の一つです。タイトルの一部になった園芸用語に「天地返し」という言葉があります。これは表面の土と深いところの土を入れ替えて、土を再生すること。この春の新しい出会いがみなさんにとっての天地返しになりますように。

3月31日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『コンビニたそがれ堂』
著者ちょしゃ:村山 早紀 出版社しゅっぱんしゃ:ポプラ社
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 この世で売っている全てのものが並んでいて、求めるなら、この世に売っているはずのないものまで手に入る。
 そんな魔法のコンビニがあったら、あなたは何を探しますか?
 風早かざはやという町の駅前商店街のそばに、おいなりさんのお堂があります。そこにはお茶目なきつねの神様が住んでいて、夕暮れ時には店員さんに化けてお店を開くことがあるそうです。店の名前は「たそがれ堂」。
 たそがれ堂にたどり着くのは、大切なものを心から求めているひとだけ。そして、その探し物は必ずたそがれ堂で見つける事ができるのです。
たそがれ堂にたどり着いた少年雄太ゆうたは、家の都合でアメリカに行ってしまう女の子から差し出されたメモ帳を、クラスメートから冷やかされた恥ずかしさから受け取らなかった事をずっと後悔していました。
 雄太の事情を聞いたコンビニの店員さんが、文房具の棚を指さします。雄太が、おそるおそる近づいてみると……あの日受け取らなかった彼女のメモ帳が並んでいるではありませんか!
 たそがれ堂を後にした雄太の人生は、「あの時メモ帳を受け取った」という方向へ変化してゆくのです。
 素敵な奇跡を集めたよみやすい短編集。

3月24日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『ホテルやまのなか小学校』
著者ちょしゃ:小松原 宏子 出版社しゅっぱんしゃ:PHP研究所
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 今日は、「やまのなか小学校」の卒業式です。百年続いたこの歴史ある小学校は、6年生のミナ・うさ子・コンタの卒業で、廃校になることが決まっています。思い出のつまった小学校を何とかしたいと思った3人は、ホテルにつくりかえることにしました。12の教室は客室に、保健室はスイートルームに、プールは露天風呂に。3人の頑張りであっという間に素敵なホテルが完成しました。名前はもちろん「ホテルやまのなか小学校」です。
 そしていよいよオープンの日。待ちに待ったお客さまがやってきました。1人目は音楽家のシャープさん。2人目は天体観測家のコスモさん。しかし、2人はいつも暗い顔をしていて、ちっとも楽しそうではありません。お客さまを笑顔にするため、3人はさまざまなおもてなしをするのですが……。
 謎めいた3人組と悩みを抱えたお客さまとの交流を描いた、どこか不思議でどこか懐かしい、心温まるファンタジー作品です。

3月17日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『ハルと歩いた』
著者ちょしゃ:西田 俊也 出版社しゅっぱんしゃ:徳間書店
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 一年前の春に、東京から奈良に引っ越してきた陽太。友だちもできず、気になる女の子と話すこともできないまま、卒業の日を迎えた。その帰り道、突然ホームレスの男から「そいつの飼い主を捜してやってくれ」と、迷い犬のフレンチブルドッグを預けられる。戸惑いながらも、陽太はフレンチブルドッグと一緒に奈良の町を歩き始めた。
 毎日フレンチブルドッグと歩いていると、いろいろな人から声をかけられる。引っ込み思案だった陽太だけど、少しずつ心を開き、母の故郷でもある奈良の町に馴染んでいく。フレンチブルドッグのことが大好きになって、飼い主を捜していることを忘れてしまう時もあった。そして、ついに本当の飼い主が見つかった時、陽太は……。
 日常の中で起こった小さな出来事。でもそれは陽太の世界を広げ、成長する大きなきっかけになった。あなたの春休みにも、陽太のような素敵な出会いがありますように。

3月10日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『いいたいことがあります!』
著者ちょしゃ:魚住直子 出版社しゅっぱんしゃ:偕成社
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 小学6年生の陽菜子は、イラストを描くのが大好きだし、お友達とも遊びたい年頃です。しかし、お母さんから勉強も家事もきちんとするように言われて育ちました。もし、学校から帰って、家事や勉強の前に絵を描いたりしていたら、「つまらないことしないで先にやることをやりなさい。」と怒られてしまいます。陽菜子には中学生のお兄ちゃんがいますが、いそがしいという理由で家事の分担がないので、どこか納得できません。
 そんな気持ちを抱えていたある日、自分より少し年上の少女スージーと出会いました。さらに、その後、不思議な手帳を拾い、ページをめくるとそこには……。最後に「わたしはわたしの道を行きたい。」と書かれ、衝撃を受けました。
 この手帳を読んでから陽菜子は、塾のこと、友達、家事の事、自分の気持ちについて考え始めます。
 いろいろいいたいことがある女の子のおはなし。誰もが一度は抱える悩みかもしれません。

3月3日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『安藤百福』
著者ちょしゃ:筑摩書房編集部 出版社しゅっぱんしゃ:筑摩書房
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 日本人は1年間に、インスタントめんを、55億食食べます。それは、世界で3番目の多さです。
 そのインスタントめんを発明し世界の食文化に革命を起こしたのが、日清食品の創始者安藤百福です。たったひとり47歳で知識も経験もないところからの開発は苦難の連続でした。何度失敗してもあきらめず、苦難を乗り越えるたくましい精神力で、誰も考えつかなかったアイデアを次々に生み出し実現しました。そして96歳まで生涯現役を貫いたのです。
 幼少期、いろんな仕事をした青年期、そしてラーメン作りに挑戦した壮年期の姿は、これから何かに挑戦しようとする人に勇気を与えてくれます。数々の失敗から生まれた百福の語録もヒントになります。
 これまで「学習漫画」で百福の伝記を読んだことのある人、テレビドラマを見て気になっていた人は、この本を読んでみてください。 百福のことをもっと詳しく知ることができます。
 ちくま評伝シリーズは、失敗や挫折を乗り越えながら人生を切り開いた人たちの偉人伝です。学習漫画の伝記を読んだ人、次はこの本を読んでみませんか。

2月24日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『パンツ・プロジェクト』
著者ちょしゃ:キャット・クラーク 出版社しゅっぱんしゃ:あすなろ書房
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 みなさんは、毎日のように着ている制服に疑問を持ったことはないだろうか。主人公リヴは中学校に入学したばかり。小学校も同じだった親友のメイジーとクラスも一緒だし、隣の席のジェイコブは絵が上手でかなりクール。だけど、ひとつだけ嫌なことがある。それは、バンクリッジ中学の校則で女子はスカート、男子はズボンを履かなきゃいけないってこと。
 この物語は、リヴがスカートを履くのは自分らしくない!と思うところから始まる。リヴはトランスジェンダー(身体の性別と自分が思う性別が異なる人のこと)でそのことは親友にも家族にも打ち明けていない。
 タイトルと同じ「パンツ・プロジェクト」を始めるまでの環境の変化。いじめや親友との決別。初めてのことばかりでハードな毎日。だが、家族や友達との関わりの中でリヴはどんどん成長していく。
 誰もが自分らしく暮らせる社会をつくるためにぜひ読んでほしい一冊。

2月17日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『テディが宝石を見つけるまで』
著者ちょしゃ:パトリシア・マクラクラン 出版社しゅっぱんしゃ:あすなろ書房
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 犬のテディは、人間の言葉を理解することができます。なぜなら、保護施設にいたテディを連れて帰ってくれた詩人のシルバンさんが、いつも詩を読んで聞かせてくれたからです。ところが、シルバンさんはテディのもとからいなくなってしまいます。
 「きみが、宝石をひと粒かふた粒見つけられるといいな」
テディは、シルバンさんが残したそんな言葉が気になっていました。シルバンさんがいなくなってから数日が経ったある日、テディは吹雪の中迷子になってしまった兄妹と出会います。シルバンさんに救われたように、今度はテディが兄妹2人を助けます。一緒に過ごしていく中で、テディはシルバンさんが残した言葉の意味を知ることとなります。シルバンさんとの出会いによって、思いもよらなかった心温まる繋がりが生まれます。
 物語は、テディの記憶と共に進みます。その中に表れている、寂しさや悲しさ、シルバンさんへの気持ちにも注目して読み進めてみてください。

2月10日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『レモンの図書室』
著者ちょしゃ:ジョ-・コットリル 出版社しゅっぱんしゃ:小学館
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 鮮やかなレモンがらの表紙と「図書室」というタイトルに惹かれます。読んでみると表紙のイメージとは反対に重いテーマでした。欧米では、レモンは「欠陥品」「困難」の象徴とされていることをこの本で知りました。
 妻をなくした悲しみから逃れるために仕事に逃げ込み、娘の面倒を見ない父親と母親の大好きだった本の世界を心の支えに親しい友人もつくらず、ひとりぼっちの生活をおくっていた主人公カリプソ。そんな主人公のもとに本好きな転校生が話しかけてきたところから、カリプソの生活が輝きだしていくお話です。友情のすばらしさを教えてくれます。そして、親友の家族とのふれあいにより、閉ざされていた父親の心にも良い変化があらわれ、父子の関係も修復していく物語です。
 カリプソの困難と戦う前向きな生きかたに応援をおくるとともに、勇気をもらえる一冊です。

2月3日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『チョコレート・アンダーグラウンド』
著者ちょしゃ:アレックス・シアラー 出版社しゅっぱんしゃ:求竜堂
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 舞台はチョコレートが禁止された国。「健全健康党」が選挙に勝利して、新しい法律ができたのです。図書館の本は燃やされました。党の教育用ウェブサイトから学び、党が指定する材料で作ったものを食べなければいけません。
 ハントリーのお母さんは言いました。
 ―多くの人が投票する手間をかけなかった。誰もが「他の人もあの党に反対だろうから、自分がわざわざ行くこともない―
 スマッジャーのお母さんは、ある政治家の言葉を言いました。
 ―悪が栄えるためには善人がなにもしないだけでいい―
 チョコレートが大好きなハントリーとスマッジャーは考えます。党の命令に従うべきなのだろうか。このままで良いのだろうか。
そして、反骨精神あふれるふたりは立ち上がりました。
 トラブルを好まない市民や、考えることをしない党員の気持ちに変化を起こすことはできるのでしょうか。
 テンポの良い軽快な文章で、どんどん物語の世界へ引き込まれること間違いなしの一冊。

1月27日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『百年の家』
著者ちょしゃ:J.パトリック・ルイス 出版社しゅっぱんしゃ:講談社

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 その家がつくられたのは1656年。これまで様々な家族がそこで暮らしてきました。やがて住む人がいなくなり、廃屋となっていたその家を、偶然子どもたちが見つけます。そして再び、ある家族が住むようになったところから、物語は始まります。主人公は、この家。新しい命が吹き込まれてからの百年を静かに語ります。
 家は頑丈に改装され、その家族は果樹を育てながら暮らしていきます。結婚式や新たな命の誕生、家族の死、そして戦争……家は、それらの出来事をただ見守り続けます。百年の間に一軒の家が見る人々の人生や、世の中の移り変わり。幸せなことや、悲しいこともあるけれど、そんな日々の積み重ねが歴史を作っていくのだと感じられます。ページをめくるたびに変わる時代、そして人々や風景が細かいところまで描かれた、本当に美しい絵本です。

1月20日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『十年屋 時の魔法はいかがでしょう?』
著者ちょしゃ:廣嶋玲子 出版社しゅっぱんしゃ:小学館
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 古くても捨てられない、大事に保管しておきたいもの。意味があるもの、守りたいもの、そして遠ざけたいもの。ほかの人から見ればガラクタのようなものでも、大切な思いが詰まったものが誰にでもあるのではないでしょうか。
 そういうものを思い出と一緒に、魔法の力で預かってくれる「十年屋」。背の高いスマートな魔法使いと、かわいい猫の執事・カラシがいるお店です。この店を必要としている人には、招待状が届くのです。
 でも、この魔法には対価が必要で、それは寿命1年分。しかも魔法使いとの約束を破ったら、大変なことがおこります。それでも預けたいものが、あなたにもあるでしょうか。
 「十年屋」に来た人たちは、カラシがいれるあったかい飲み物とおいしいお菓子で癒されます。ちょっぴりこわいところもありますが、優しい気持ちになれるお話です。

1月13日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『だれも知らない小さな国』
著者ちょしゃ:佐藤さとる 出版社しゅっぱんしゃ:小学館
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 主人公のぼくは、小学校三年生の夏、不思議な体験をしました。当時、子どもたちの間で流行の「とりもち」を手に入れるため峠の向こうの小山に出かけ、美しいいずみを見つけました。また、この小山が「鬼門山」という名前で、「こぼしさま」と呼ばれる魔物(小人)の伝説があることを知りました。その後、この場所で、小川を流れていく小さな赤い運動ぐつに乗った「こぼしさま」を見つけてしまったのです。それ以降、ぼくにとって忘れられない大切な秘密の場所となりました。
 ところが、引越しや戦争などでしだいに忘れてしまいます。
 終戦後の蒸し暑い日、中学上級生になったぼくは忘れてしまった秘密の場所を訪れることになり、その日から周りで不思議なことが起こるようになりました。
 何もない場所で突然物音がしたり、風もないのにカーテンが揺れたりしたことがありませんか?そんな時自分の知らない別世界を感じることがあります。大きくなると忘れてしまいがちな感覚を呼び覚ましてくれる、子どもの頃に出会ってほしい1冊です。