小中学生へおすすめ!

児童書おすすめ(5月15日)


書名しょめい:『ようこそ!葉っぱ科学館』

著者ちょしゃ: 多田 多恵子/写真・文 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:少年写真新聞社
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 葉っぱをじっくりと観察したことはありますか?葉っぱのつけ根から伸びている柄の部分を、「葉柄(ようへい)」といいます。葉柄は、葉に光が当たるように、向きを変えたり場所によって長さを調節したりと、大切な役割を持っています。
 厳しい環境で育つ植物にも、特徴があります。ジムカデという植物は、本州や北海道の高山で、夏は乾燥と少ない栄養に耐えて、冬は雪に囲まれた中育ちます。葉はわずか2ミリメートルですが、とても厚くて丈夫。過酷な環境でも生き抜くことができる造りになっています。
 そんな頼もしい面を持っている植物も、しっかり休みをとる場面があります。昼は開いている葉っぱを閉じる「就眠運動」を行うのです。シロツメクサやヨモギも、夜になると同じように葉を閉じます。
 見たことのある植物にも、知らない部分がたくさんあります。本を開いて、新たな一面を見つけてみてください。外を歩くのも、ちょっぴり楽しくなるかもしれません。

児童書おすすめ(5月8日)


書名しょめい:『桃太郎は盗人なのか?』

著者ちょしゃ: 倉持 よつば 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:新日本出版社
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 一万円札にもなった福沢諭吉が「桃太郎は盗人だ」と非難(ひなん)したことを知った著者は、桃太郎が正義の味方であることを証明するために200冊以上の本を読みます。おどろくことに江戸時代から明治時代初期の桃太郎は「鬼退治をする理由もなく、宝ものを取りに行く」というお話でした。鬼が悪者という理由付けがされたのは1894年(明治27年)頃です。当時の世相を反映した桃桃太郎が現在のお話にも影響(えいきょう)を与えているといいます。また一方的に悪者だと思われている鬼とは何者なのか、その正体にせまっていきます。
 さてこの本、実は「第22回図書館を使った調べる学習コンクール」調べる学習部門小学生の部(高学年)で文部科学大臣賞を受賞した作品です。これまで当然と思って受け入れてきたことに対する疑問(ぎもん)やナゾ、私たちの私たちの周りにもありませんか。
あと二ヶ月で夏休み!自由研究の前に読みたい1冊です。


児童書おすすめ(5月1日)


書名しょめい:『こども地政学』

著者ちょしゃ:バウンド    船橋 洋一/監修   


出版社
 しゅっぱんしゃ
:カンゼン
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 地政学とは、国々がともに平和と安定のために生きる知恵を学ぶことです。国際秩序が崩れるとき、平和が脅かされます。
世界の中で、日本はどんな特徴がある国でしょうか。国土は大きくありませんが、島国のため漁業等ができる排他的経済水域は世界6位の面積がある海洋国です。また食料や資源が足りなければ、貿易で不足を補ってきました。そして、国同士の位置が近い中国・韓国・ロシアとは国境問題を抱えています。
 現代では、軍事による争いが中心だった時代から、経済力を武器にする時代に変わってきました。世界は超大国のアメリカ・中国を中心に動いていて、経済規模世界3位の日本は両国にはさまれています。
世界を正しく見ることが、日本の未来を考えることになりそうです。

児童書おすすめ(4月24日)


書名しょめい:『びわ色のドッジボール』

著者ちょしゃ:もり なつこ/文 丹地 陽子/絵  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:文研出版
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 きっかけはたいしたことじゃない。でも胸の中がねばつくようないやな感じ。そもそもぼくは悪くない。クラスが勝つために一生懸命やっただけなのに!
 お昼休みのドッジボールをきっかけに学校に行けなくなった翼は、桜島近くのまちに住むおじいちゃんを訪ねます。そこにいた従妹のまいちゃんは、同級生の言葉をきっかけに一時期不登校になっていました。まいちゃんに会って自分の言ったことがどれだけ人を傷つけたのか気付いた翼は、周りの大人たちの助けを借りながら一生懸命考えます。表面だけでない本当の「ごめんなさい」ってどうすれば伝わるのかな。
びわは翼のおじいさんの家で生産している果物です。翼とおともだちが本当の仲直りをして、おじいちゃんの作った甘いびわを一緒に食べられますように。

児童書おすすめ(4月17日)


書名しょめい:『クマと仙人』

著者ちょしゃ:ジョン・ヨーマン/作 渡辺茂男・渡辺鉄太/訳 クェンティン・ブレイク/絵 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:のら書店
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 おひとよしでうっかり者のクマがへまをして、とぼとぼと歩いて行った森の先に待っていたのは、住み込みの生徒募集の看板でした。
 教養ある仙人に誘われて、有能なクマになるべく弟子入りを決めたクマでしたが、授業の結果はさんざんなもの。舟こぎをすれば沈没し、料理の実習では顔もフライパンもすすだらけです。
 すべてがそんな調子でうまくいかないのですが、クマはちっともへこたれることなく、全力で課題に立ち向かいます。
 クマと仙人のユーモラスでとぼけたやりとりは、くすっと笑えて、新しい一歩を踏み出す勇気と元気をもらえます。
 どこまでもマイペースなクマを応援しているうちに、「私らしく明日も頑張ろう」とエネルギーがわいてくる一冊です。