小中学生へおすすめ!

3月21日のおすすめから


書名しょめい:『真夜中の飛行』
著者ちょしゃ:リタ・マーフィー/作  三辺 律子/訳 
出版社
 しゅっぱんしゃ
:小峰書店
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 空を飛んでみたいと思ったことはありませんか。
 今回紹介するのは、女性だけが飛ぶ力を受け継いできた一族の物語です。
 ジョージア・ハンセンはまもなく16歳。ハンセン家の女性たちが代々そうであったように、ジョージアも生まれたときから、自分が飛べることを感覚で知っていました。空を飛ぶのは刺激的でとても楽しいことですが、厳しい掟を守らなければ「飛び手」と認められません。厳格な祖母の支配する家で、母と叔母二人と静かに暮らしてきたジョージアは、成長するにつれて掟に縛られる窮屈さを感じるようになっています。
 初めてのソロ飛行の儀式を間近に控えたある日、ずっと昔に家を出たきりだった一番上の伯母が帰ってきます。掟破りのために家を追放された伯母の突然の帰還に、家族はとまどい反発します。伯母の目的は何なのでしょうか。
 上空の冷たい風を受け、鳥の群れを避けながら力強く自由に飛び回る飛び手たち。ぜひジョージアになったつもりで夜空の飛行を楽しんでください。

3月14日のおすすめから


書名しょめい:『さくら研究ノート』
著者ちょしゃ:近田 文弘/著 大野 八生/絵 
出版社
 しゅっぱんしゃ
:偕成社
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 春になるとさくらが咲きはじめます。日本でいちばん植えられているのは「ソメイヨシノ」というさくらです。
 この本では、「ソメイヨシノ」が春から次の春までの一年間を通してどのように変化していくのか、イラストを用いてわかりやすく解説しています。また、さくらの花びらや実とたねのつくり、葉っぱのひみつなどナルホドと思えるような知識がたくさんです。
 さくらの花をよく見てみると、花びらのかさなり方が少しずつ違っていて、地面に落ちるときの落ち方にも違いがあります。葉っぱにはほかの木にはないめずらしいものがふたつあり、そのうちのひとつ「みつせん」は葉のじくにある小さなつぶで、みつをためてアリをよび、葉を弱らせるアブラムシやハダニをたいじしてもらうものです。
 今まで何気なくながめていたさくらにはこんなひみつがあったのかと気づかせてくれる一冊です。
 さくらの季節、この「さくら研究ノート」を片手にお花見を楽しんでみませんか。

3月7日のおすすめから


書名しょめい:『さかなつりにいこう!』
著者ちょしゃ:村上 康成/作 
出版社
 しゅっぱんしゃ
:理論社
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 春夏秋冬、あなたの好きなことはなんですか?絵本作家でもある村上康成さんは、昔から絵を描くことやさかなつりが大好き! 
 チョコレートがとけるくらい暑い夏の日や、吐く息が真っ白になり雪がしんしんと降った冬の日も、さかなつりへ。さあ、出発です。 
 この本の魅力の一つは、自然の中でたっぷりと深呼吸しているような、ゆっくりと時間の流れを楽しんでいるような、独特の間です。本をめくると、さかなだけでなく、おいしそうなおにぎり、話しかけてきそうな動植物、そしてさかなつりに夢中な人間の姿など、村上康成さんの絵と言葉の世界が広がっています。
 さかなつりが好きな人もそうでない人も、なにか自分の好きなこと、気になっていることを考えながら読んでもらいたい一冊です。

2月28日のおすすめから


書名しょめい:『ぶた にく』
著者ちょしゃ:大西 暢夫/写真・文 
出版社
 しゅっぱんしゃ
:幻冬舎エデュケーション
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 みなさんが普段食べている豚肉はどうやって食卓にあがるのでしょう。私はこの本を読むまで深く考えたことがありませんでした。 
 鹿児島のある学園では生まれた豚を育て、食べるまで見届けています。夜、母豚の出産が始まりました。生まれたのはつぶらな瞳のかわいい子豚たち。丸まって眠る豚、いたずらをする豚、みんな個性豊かです。
 生まれて10か月が経つと、私たちが食べる「肉」にするため、豚は「と場」に連れていかれます。その一方で学園では母豚が新たな子豚を産んでいました。 
 日本では毎日約6万頭の豚が肉になっていると言います。豚肉を食べる時、その豚のことや関わっている人達を思いうかべることはあるでしょうか。
 普段は忘れがちな「命」と「食」について書かれた1冊です。    
 食卓での「いただきます」と「ごちそうさま」の意味、もう一度考えてみませんか。

2月21日のおすすめから


書名しょめい:『エミリーとはてしない国』
著者ちょしゃ:ケイト・ソーンダズ/作 田中奈津子/訳 北見葉胡/絵 出版社 しゅっぱんしゃ:ポプラ社
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 エミリーは、中学一年生の女の子です。最近、姉ホリーが亡くなり、姉が大切にしていたぬいぐるみ「ブルーイ」も一緒に埋葬されてしまいました。
 彼女は、小さな頃から、話せない姉にブルーイの声で話しかけ、「スモカルーン」という魔法の国でブルーイと姉が冒険する物語を作って読み聞かせしていました。姉が亡くなった後、恋しくて思い出ノートを付け始めると心も落ち着き、スモカルーンに住むぬいぐるみの動く姿を目撃したり、話し声が聞こえたりと不思議なことが起こり始めました。また姉とブルーイは魔法の国で元気に暮らしていることを知ることができましたが、その国が悪魔に乗っ取られようとしていることを聞き、周囲の人と協力して立ち向かうことを決意します。果たして、姉が暮らす魔法の国を取り戻すことができるのでしょうか?
 大切な人を失い深い悲しみに沈んでも、ぬいぐるみやおもちゃ達と接し想像力を掻き立て、また自分と同じ境遇の人と接することで悲しみを乗り越え成長していく姿が描かれています。
 主人公とともに想像の世界を冒険してみませんか。