小中学生へおすすめ!

1月31日のおすすめ


書名しょめい:『ぼくがいちばんききたいことは』
著者ちょしゃ:アヴィ/著 青山 南/訳 出版社 しゅっぱんしゃ:ほるぷ出版
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 あなたの家族はどんな人ですか?あなたは家族の存在をどんな風に感じているでしょうか? 
 この本には7つの家族にまつわるお話が入っています。どれも主人公は10代前半の男の子。そして、父親や母親、あるいは祖父に対してどこか複雑な思いを抱えています。 最初のお話に出てくる少年、デイモンは、両親の離婚をきっかけに母親と暮らしています。父親の家で過ごせるのは月に一度だけ。母親のボーイフレンドがやってくる家を居心地悪く感じていたデイモンは、父親と暮らすため、荷物を持って父親の家へと向かいます。しかし、着いてみると、家の様子はいつもとどこか違っていて…。 
 7つの物語に登場する家族は、その関係も、抱えている気持ちもさまざまです。言えないことや聞けないことがあったり、不満を持っていたり、家族の気持ちを重たく感じていたり…。少年たちの揺れ動く心を、ぜひ感じてみてください。

1月24日のおすすめ


書名しょめい:『たまごを持つように』
著者ちょしゃ:まはら 三桃/著 出版社 しゅっぱんしゃ:講談社
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 タイトルの『たまごを持つように』というのは、弓道の弓をにぎる力加減のことです。弓だけでなく人間関係においても力をいれすぎると、うまくいかなくなるものです。
 主人公は弓道部の中学生3人です。人よりも不器用で弓道もなかなか上達しない早弥、才能にめぐまれているけれどトラブルメーカーの実良、武道を愛する努力家でハーフの春。3人は全国大会を目標に練習にはげみますが、ある時から実良は深刻なスランプにおちいります…。 
 弓道は剣道や野球、バスケットボールなどに比べるとなじみのうすいスポーツかもしれません。しかし、目標に向かい努力を重ねる姿、ときにぶつかり合う姿は他のスポーツとなにも変わりません。それぞれの悩みや葛藤にいどむ姿に胸が熱くなります。早弥、実良、春の3人は壁を乗り越えて全国大会へ出場することができるのでしょうか?
 スポーツや勉強、何かに一生懸命なひとにおすすめの1冊です。

1月17日のおすすめ


書名しょめい:『絵物語古事記』
著者ちょしゃ:富安 陽子/文 山村 浩二/絵 三浦 佑之/監修 出版社 しゅっぱんしゃ:偕成社
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 むかしの人たちは、日本のはじまりを、どのように思い描いていたのでしょうか。
 この本では、「古事記」という書物の中の、神さまの物語が描かれています。
 「ヤマタノオロチ」、「稲羽の白うさぎ」、「海幸彦と山幸彦」などのおはなしを聞いたり、読んだりしたことはありませんか。それらのおはなしは、「古事記」につづられている物語の一部なのです。
 「古事記」が書かれたのは今からおよそ1300年前。訳されたものでも難しい内容ですが、この本では、物語がとてもわかりやすい表現で語られていきます。暗く、もやもやとした世界が天と地にわかれるところから始まり、ふしぎな響きの名前を持つ、個性的な神さまたちが次々に登場します。
 神話や伝説や歴史を、口伝えから文字として書き記すようになった時代に、当時の人たちが伝えようとした記録の数々。物語だからこそ出会える言葉、古い時代から伝わる物語に、ぜひふれてみてください。


12月27日のおすすめ


書名しょめい:『キリンの運びかた、教えます』
著者ちょしゃ:岩貞 るみこ/文 たら子/絵 出版社 しゅっぱんしゃ:講談社
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 「目の前にあるものは、どれも誰かが運んでくれたもの」なのだと考えたことがありますか。 
 この本は、「何かを運ぶことは、そこに込められた思いを一緒に運ぶこと」だと語る“運ぶプロ”たちのお話です。
 1つ目は、岩手から、東京の上野動物園へお嫁に行くことになったキリンのリンゴのお話。首の長いキリンを、どうやって別の動物園に運ぶのでしょうか。
 そして、2つ目は、日本で作られた866両の鉄道車両を、広島からイギリスまで運ぶお話。重い車両がどうやって海を渡るのかとても気になります。
 そして3つ目は、小児医療センターから新しい病院まで、患者さんの治療を続けながら引越しするお話です。命に寄り添いながら真剣に作業する大人たちの姿に胸が熱くなります。
 いろいろなものが簡単に手に入るようになった今、当たり前だと思えることが、誰かの知恵や努力、熱意によって成り立っていることを感じて欲しいです。


12月20日のおすすめ


書名しょめい:『賢者のおくりもの』
著者ちょしゃ:オー・ヘンリー 出版社 しゅっぱんしゃ:冨山房
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 これは100年以上前に書かれたクリスマスの物語です。
 安アパートでつつましく暮らす若い夫婦。貧しくて、コツコツとためたお金もたったの1ドル87セントしかなくて、これでは素敵なプレゼントを買えそうにもありません。明日はクリスマスだというのに。 
 何度も銅貨を数え直して悲しくなるデラですが、大切にしていたあるものと引きかえに、ジムにふさわしい贈り物を手に入れることができました。 
 さて、ジムとデラが贈りあったものは何だったでしょうか。 
 名作といわれる古いお話ですが、ふたりが悩んだり喜んだりする姿や、お互いを想いあう気持ちは、今と変わりないものだと気付かされます。
 ツヴェルガーの描く淡く繊細な挿絵も静かな魅力があります。お話を知っている人にもそっとめくって欲しい一冊です。