小中学生へおすすめ!

2月14日のおすすめから


書名しょめい:『イマジナリーフレンドと』
著者ちょしゃ:ミシェル・クエヴァス/作 杉田 七重/訳 出版社 しゅっぱんしゃ:小学館
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 主人公のジャックと妹のフラーは、双子の兄妹。学校に行くときも、マジックショーを観に行くときも、いつも一緒です。
 そんなある日、ジャックは、自分がフラーが作り出した想像上の見えない友達、イマジナリーフレンドだということを知ります。フラーのイマジナリーフレンドだと知ったジャックは、彼女の下を離れ、自分を探す旅に出ます。そこでジャックは、たくさんの子どもたちと出会います。様々な子どもたちのイマジナリーフレンドを経験していくうちに、ジャックもまた成長していき…。
 イマジナリーフレンドとは、直訳すると「空想の友達」となります。主に、一人っ子や長男・長女などに見られる現象だそうです。共に遊び、共に学ぶ、そんな自分だけの友達。自由な想像力が人生を豊かにしてくれる。そう教えてくれる一冊です。

2月7日のおすすめから


書名しょめい:『ぼくはアフリカにすむキリンといいます』
著者ちょしゃ:岩佐 めぐみ/作 高畠 純/絵 出版社 しゅっぱんしゃ:偕成社
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 アフリカの草原に一頭の退屈なキリンが住んでいました。ひまを持て余すキリンは、まだ会ったこともない“地平線の向こうのお友達”へ手紙を書こうと思いつきます。「あなたのことをおしえてください」という言葉を添えて…。さて、この手紙、無事に誰かに読んでもらえるのでしょうか?
 最近はメールやSNS等がコミュニケーションの主流となり、手紙を出す機会はずいぶんと減ってきました。送ったらすぐに連絡が届くSNSとは違い、封を開けるドキドキ感や、返事を待つ間にどんどん想像がふくらんでいく手紙ならではの楽しさがこの本にはつまっています。誰かを思いながら文章を考え、便箋やペンを選び、心を込めて文字を書く。そうやって届いた手紙は、ただのメッセージではなく、特別な贈り物になることでしょう。
 この本には続きがあって、シリーズを通して、手紙をきっかけに世界がすこしずつ広がっていく素敵なおはなしです。
 あなたも大切な人へ手紙を書いてみませんか?

1月31日のおすすめ


書名しょめい:『ぼくがいちばんききたいことは』
著者ちょしゃ:アヴィ/著 青山 南/訳 出版社 しゅっぱんしゃ:ほるぷ出版
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 あなたの家族はどんな人ですか?あなたは家族の存在をどんな風に感じているでしょうか? 
 この本には7つの家族にまつわるお話が入っています。どれも主人公は10代前半の男の子。そして、父親や母親、あるいは祖父に対してどこか複雑な思いを抱えています。 最初のお話に出てくる少年、デイモンは、両親の離婚をきっかけに母親と暮らしています。父親の家で過ごせるのは月に一度だけ。母親のボーイフレンドがやってくる家を居心地悪く感じていたデイモンは、父親と暮らすため、荷物を持って父親の家へと向かいます。しかし、着いてみると、家の様子はいつもとどこか違っていて…。 
 7つの物語に登場する家族は、その関係も、抱えている気持ちもさまざまです。言えないことや聞けないことがあったり、不満を持っていたり、家族の気持ちを重たく感じていたり…。少年たちの揺れ動く心を、ぜひ感じてみてください。

1月24日のおすすめ


書名しょめい:『たまごを持つように』
著者ちょしゃ:まはら 三桃/著 出版社 しゅっぱんしゃ:講談社
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 タイトルの『たまごを持つように』というのは、弓道の弓をにぎる力加減のことです。弓だけでなく人間関係においても力をいれすぎると、うまくいかなくなるものです。
 主人公は弓道部の中学生3人です。人よりも不器用で弓道もなかなか上達しない早弥、才能にめぐまれているけれどトラブルメーカーの実良、武道を愛する努力家でハーフの春。3人は全国大会を目標に練習にはげみますが、ある時から実良は深刻なスランプにおちいります…。 
 弓道は剣道や野球、バスケットボールなどに比べるとなじみのうすいスポーツかもしれません。しかし、目標に向かい努力を重ねる姿、ときにぶつかり合う姿は他のスポーツとなにも変わりません。それぞれの悩みや葛藤にいどむ姿に胸が熱くなります。早弥、実良、春の3人は壁を乗り越えて全国大会へ出場することができるのでしょうか?
 スポーツや勉強、何かに一生懸命なひとにおすすめの1冊です。

1月17日のおすすめ


書名しょめい:『絵物語古事記』
著者ちょしゃ:富安 陽子/文 山村 浩二/絵 三浦 佑之/監修 出版社 しゅっぱんしゃ:偕成社
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 むかしの人たちは、日本のはじまりを、どのように思い描いていたのでしょうか。
 この本では、「古事記」という書物の中の、神さまの物語が描かれています。
 「ヤマタノオロチ」、「稲羽の白うさぎ」、「海幸彦と山幸彦」などのおはなしを聞いたり、読んだりしたことはありませんか。それらのおはなしは、「古事記」につづられている物語の一部なのです。
 「古事記」が書かれたのは今からおよそ1300年前。訳されたものでも難しい内容ですが、この本では、物語がとてもわかりやすい表現で語られていきます。暗く、もやもやとした世界が天と地にわかれるところから始まり、ふしぎな響きの名前を持つ、個性的な神さまたちが次々に登場します。
 神話や伝説や歴史を、口伝えから文字として書き記すようになった時代に、当時の人たちが伝えようとした記録の数々。物語だからこそ出会える言葉、古い時代から伝わる物語に、ぜひふれてみてください。