小中学生へおすすめ!
児童書のおすすめ(5月13日)
書名 : 作ろう!フライドチキンの骨格標本
著者 : 志賀 健司/著 江田 真毅、小林 快次/監修
出版社 : 緑書房
最近の研究では「すべての鳥は恐竜の子孫」といわれています。みなさんはすでにご存じかもしれませんね。
この本では「”現生恐竜”の代表」とされるニワトリの骨を使って、なぜ鳥が恐竜の子孫だといえるのか、その理由を探ります。
骨の歴史を学び、恐竜とニワトリの類似点を見つけた後は、フライドチキンを「採集」し、骨格標本作りの始まりです。チキンを食べたら満足してしまいそうですが、ここからが本番。薬品処理をしたり、組み立てたり、根気のいる作業が続きます。
骨格標本作りは大変ですが、過去ではどんな姿だったのか、未来ではどう姿を変えていくのか、想像すると、なんだかワクワクしませんか。本を通して、連綿と続く生命の歴史を感じることができますよ。
児童書のおすすめ(5月6日)
書名 : 虫ぎらいはなおるかな?昆虫の達人に教えを乞う
著者 : 金井 真紀/文と絵
出版社 : 理論社
あなたは虫が好きですか?嫌いですか?
虫が好き・嫌いとなる分岐点、ゴキブリが「汚いもの扱い」されているのは実は不当であること、なぜ動物の病院はあるのに虫には病院がないのか、アメンボはあめ玉の匂いがするからアメンボ、日本ほど「虫とり」がポピュラーな国は珍しい…。この本では、昆虫の達人7名の教えによる虫についての実態や意外と思える一面が、ユーモラスにわかりやすく散りばめられています。
達人は「虫が嫌いなのは観察が足りないから」と言い、虫が嫌いな作者の思いも達人と出会うなかで、「知ってから好き嫌いを判断すればいいのに、知らないで嫌いになるのは不当だ」と変化していきます。カニが怖くて嫌いな私は、一つ穴の中でカニとカエルが重なりあい冬眠するほほ笑ましい姿を見つけ、嫌いレベルが少しダウン。知らず嫌いは日々のなかに多々あるけど、「嫌い」なことと上手に付き合うことができるようになれたらいいですね。
児童書のおすすめ(4月29日)
書名 : すこしずつの親友
著者 : 森埜 こみち/著
出版社 : 講談社
一人でいるとさみしい、親友がほしい。そう感じることはありませんか。 この本に登場するのは、今すぐ親友がほしい「わたし」と、すこしずつの親友がいる「伯母さん」です。
この「すこしずつの親友」とは、長い時間を共にして、心を許して話ができる親しい友人のことではありません。
例えばこんな話が紹介されています。海外の空港で、伯母さんは男性にスーツケースをぶつけてしまいました。謝る伯母さんに、彼は眼だけでうなずくように笑います。お互いの気持ちが通じ合った一瞬の出来事でした。伯母さんは彼のことを「すこしずつの親友」だと言います。
短時間の出会いでも、心の交流をしたり、忘れられない思い出になったり、新たな学びを得たりすることができます。あなたが孤独を感じる時、あなた自身の「すこしずつの親友」を思い出してみませんか。
児童書おすすめ(4月22日)
書名 : リブリアの魔女
著者 : 日野 祐希/著
出版社 :アリス館
この本は魔法が使える世界で魔導師を目指している、メノアという女の子の物語です。
メノアは、弟子入り試験をかねていた魔法学院の卒業式を風邪で欠席してしまいました。このままどこにも弟子入りできなければ、魔導師になることができません。いとこのつてを頼りに、伝説の天才魔導師のシェリルの元へ弟子入りを頼みに行きます。 向かった魔導書工房には、美しいけれど、どこかおとぼけたオーラを漂わせている、不思議な魔導師がいました。
しっかりもののメノアと、おとぼけシェリルのでこぼこコンビは、無事に師弟になれるのでしょうか?
メノアは弟子入りの試験のために国の各地を巡り、魔導書の材料を集めてくることになります。旅先では知らないことや初めてのことばかり。不安でいっぱいになりながらも様々な試練を乗り越えていきます。
失敗を恐れずに挑戦することの大切さを教えてくれる物語です。
児童書のおすすめ(4月15日)
書名 :なんてくさいんだ!
著者 :コリーン・ペフ/文 ナンシー・カーペンター/絵 金原 瑞人/訳
出版社 :あかつき教育図書
19世紀、世界一の都市ロンドンでは、人口が増えすぎておしっこやうんちの処理に困り、すべてを川に流した結果、息が詰まるようなひどいにおいがしていたそうです。それでも人々はそのくさくて汚れた水を飲むしかなく、とうとう感染症を発生させてしまいます。
その難題に立ち向かった一人の土木技師がいました。この本の主人公ジョゼフ・バザルジェットです。彼は、川に汚水を流さない新しい下水道の仕組みを設計し、「悪魔の悪臭」ともよばれたにおいと、病の大流行の恐怖から人々を解放しました。水の汚染の克服が、すがすがしい空気と健康的な生活をもたらしたのです。
しかし、ジョゼフの奮闘から百年以上たった今でも、おしっこやうんちのまじった水を飲まざるをえない人たちが、世界に20億人近くいるそうです。
私たちの命を左右する安全な飲み水。蛇口をひねるときれいな水の出る環境は、決して当たり前のものではないのだと気づかされます。
児童書のおすすめ(4月8日)
書名 : わたしは食べるのが下手
著者 : 天川 栄人/作
出版社 :小峰書店
あなたは給食が好きですか?食べることは楽しみですか? この本には、食べることに悩む中学生が登場します。会食恐怖症で給食を完食できない葵、痩せたくて過食嘔吐をくり返す咲子、ムスリムのラマワティ、貧困で給食が頼りのコッペ。彼らは、周囲が悩みを理解してくれないことにも傷付いています。
やがて給食ボイコットを試みた葵と咲子は、栄養教諭の橘川先生に、ならばどんな給食にしてほしいのか要望書を出して、献立も考えてみろと焚きつけられます。この橘川先生は、栄養オタクの変わり者だけど、ルールを押し付けずにみんなが納得する案を探してくれる素敵な先生です。
はたして葵たちの給食改革はうまくいくのでしょうか?
受け身だった葵が、ぐいぐいとみんなを引っ張る存在に変貌していくところも物語の魅力です。食を知り、互いの事情も思いやることで成長していくのです。 食べることは生きること。『食』について考える、この本を読んでみませんか?
児童書のおすすめ(4月1日)
書名 : 知ると楽しい!和菓子のひみつ
著者 : 「和菓子のひみつ」編集部/著
出版社 : メイツユニバーサルコンテンツ
日本の四季を感じさせてくれる和菓子。 春はさくらもちやお花見の団子、夏は涼しげな水ようかんやわらびもち、秋は栗きんとん、冬はぜんざいなど、その季節ごとに味わい楽しむことができます。
普段何気なく食べている和菓子ですが、どうやって誕生したのか知っていますか? 昔は菓子といえば木の実や果物のことを指していました。今でも果物を水菓子というのはその名残です。その後、外国から伝わった菓子が日本独自の和菓子へと進化していったのです。
この本では、和菓子の歴史や種類などの基礎知識から、ようかんやカステラなどの代表的な和菓子のルーツ、全国に伝わる郷土菓子などを紹介しています。 奥深い和菓子の世界を知りたい方におすすめの1冊です。
佐賀県の代表的な和菓子「丸ぼうろ」も紹介されていますよ。
児童書のおすすめ(3月25日)
書名 :ロドリゴ・ラウバインと従者クニルプス
著者 :ミヒャエル・エンデ/作 ヴィーラント・フロイント/作 木本 栄/訳 junaida/絵
小学館
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ロドリゴ・ラウバインは荒野に建つ城に住む、誰もが恐れる盗賊騎士です。
そんな恐ろしいロドリゴの従者になろうと、怖いもの知らずの少年クニルプスはひとりで彼の城をたずねます。
クニルプスは従者になるため、ロドリゴに度胸試しを命じられます。そんなクニルプスの度胸試しが、王さまやお姫さま、お城の魔術師や竜を巻き込んでの物語に発展していきます。
怖いもの知らずで無鉄砲なクニルプスは多くの困難の中、さまざまな感情を学び優しくたくましく成長していきます。
この物語は『モモ』や『はてしない物語』を書いたミヒャエル・エンデの未完成の物語を、ヴィーラント・フロイントが完成させた作品です。
クニルプスだけでなく、エンデの生み出したキャラクターたちはフロイントのもとでどのように成長していくのでしょうか。
少し長めの物語ですが、きっとページをめくる手が止まらなくなるはずです。
児童書のおすすめ(3月18日)
書名 :リパの庭づくり
著者 :福井 さとこ/作・絵
のら書店
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リパはうでのいい庭師です。ある朝、リシュカおばあさんの家にやってきたリパは、美しかった庭が荒れ果てている光景を見て驚いてしまいます。おばあさんに理由を尋ねると、飼い猫のマリーがいなくなってしまって何にも手につかないというのです。そこでリパはおばあさんを元気づけるために、野鳥のシーコルと協力して、庭の手入れをはじめるのですが…。
この本のみどころは、シルクスクリーン(孔版)という種類の版画で描かれた挿絵です。荒れ果てた庭が、よみがえる様子が独特の美しい風合いで描かれており、植物のみずみずしい生命力が伝わってきます。
冬が終わり春の訪れを感じられるようになってきました。みなさんの周りでもたくさんの植物が芽吹いているのではないでしょうか。リパのように植物に触れて、全身で自然の息吹を感じてみませんか?
児童書のおすすめ(3月11日)
書名 :ぼくんちの震災日記
著者 :佐々木 ひとみ/作 本郷 けい子/絵
新日本出版社
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2011年3月11日に発生した東日本大震災から今日で14年。小中学生のみなさんはこの震災について、聞いたことはあるけど詳しくは知らない…そんな人が多いかもしれませんね。震度7の地震をきっかけにした大きな大きな震災でした。
この本は、3月11日からの4日間の物語です。主人公は小学4年生。中学生のお姉ちゃんがいます。地震が発生した時の様子、避難の様子、怖さ、つらさ、悲しさ、切なさ、そして「がんばろう」の気持ち。それらがこの本からは伝わってきます。
物語の主人公とその家族が体験したことのほとんどは、作者が実際に体験したことだそうです。「防災用品を備えるように、“心”も備えて」と、東日本大震災を体験した作者は語ります。この本で“心”の備えをはじめませんか。