小中学生へおすすめ!

11月29日のおすすめ


書名しょめい:『貸出禁止の本をすくえ!』
著者ちょしゃ:アラン・グラッツ 出版社 しゅっぱんしゃ:ほるぷ出版
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 主人公のエイミー・アンがある日図書室に行くと、大好きで何度も何度も借りた本『クローディアの秘密』がなくなっていました。貸出中かと思い司書さんにたずねてみると、大人たちが『クローディアの秘密』をはじめとするいくつかの本を、「子どもにふさわしくない本」として貸出禁止にしてしまったということでした。 
 ですが、それに納得のいかないエイミー・アンはあることをひらめきます。それは、貸出禁止の本を自分のロッカーに集めて、読みたい人が誰でも読める「ロッカー図書館」を作ることでした。はたして彼女は、貸出禁止の本をすくうことができるのでしょうか? 
 このお話には貸出禁止にされた本をはじめ、たくさんの本が登場します。実はそれは全て実在する本です。このお話を読んでから登場した本を実際に読んでみるのも、普通に読むのと違う見方ができて面白いかもしれません。


11月22日のおすすめ


書名しょめい:『熊とにんげん』
著者ちょしゃ:ライナー・チムニク 出版社 しゅっぱんしゃ:徳間書店
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 角笛と鉄のフライパンとまりを七つ。手回しオルガンを背負い、熊の“メドウィーチ”をつれて芸を見せながら村々を旅する“熊おじさん”とよばれる男がいました。
 熊おじさんのとくべつな力は「熊のことばがわかること」「心根のいいこと」「七つのまりでお手玉ができること」。
 彼らはゆったりと、ひと呼吸に3歩の足取りで旅を続けます。
 おじさんにとってメドウィーチは、助け合って生きる相棒でした。やがておじさんの命は尽き、メドウィーチはたった一頭残されます。おじさんがいない世界でメドウィーチはどのように生き続けたのでしょうか。
 旅の途中で出会う様々な風景やおじさんが吹く角笛の、銀(しろがね)の玉をころがすような澄んだ音色、メドウィーチの楽しいダンスを想像しながら読んでみませんか。
 大人になった時にふと思い出してほしい物語です。


11月15日のおすすめ


書名しょめい:『サブキャラたちの日本昔話』
著者ちょしゃ:斉藤 洋/作 広瀬 弦/絵 出版社 しゅっぱんしゃ:偕成社
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 「浦島太郎」や「桃太郎」「金太郎」の話を知らない人はほとんどいないでしょう。
 通説では、浦島太郎がカメを助けたことになっていますが、カメに言わせると助けてもらったとは思っていないようです。桃太郎と一緒に鬼ヶ島へ行ったイヌは、きびだんごに釣られてお供したわけではなさそうです。力持ちとして有名な金太郎は、ただの力持ちではなかったのです。
 語り手として登場するカメ、イヌ、クマの妙に説得力のある口調が真実味をおびて迫ってきます。
 これまで「昔話なんだから多少の無理な設定は仕方ないよね」と思っていたことが、サブキャラたちの証言でスッキリ解決。
 疑問に思ったら、常識も疑ってみる。違う視点で見てみたら、今まで気が付かなかったことに気が付くかもしれませんね。


11月8日のおすすめ


書名しょめい:『タイムマシンって実現できる?』
著者ちょしゃ:二間瀬 敏史 出版社 しゅっぱんしゃ:誠文堂新光社
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 ドラえもんの秘密道具タイムマシンがあったら夢の時間旅行に出かけることが可能かもしれませんね。こんなタイムマシンは空想の産物でしょうか。
 現在世界中の科学者が究極の理論を手に入れようと真剣に研究を続け、何種類かのタイムマシンを提案しているのだそうです。アインシュタイン博士を悩ませた難問は解決できるのでしょうか。
 速く動くと時間の進み方が遅くなることが分かっています。例えば時速300kmの新幹線で東京から博多まで行くと、時間が約10億分の1秒だけ遅れ、10億分の1秒だけ未来に行けます。既にタイムマシンはあったわけです。
 この本ではネズミのチュータとミライネコがタイムマシンの実現可能性を探っていきますよ。
読み進めていくうちに理系脳がきたえられるかもしれませんね。


11月1日のおすすめ


書名しょめい:『ゲゲゲの人生 わが道を行く』
著者ちょしゃ:水木しげる 出版社 しゅっぱんしゃ:NHK出版
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 君は悔いのない人生を過ごしているか?と聞かれて「そうですネ」と即答できる人は少ないでしょう。歳を重ねればなおさらで、「あの時ああしときゃ良かった……」などと悔やむことの連続です。
 『ゲゲゲの鬼太郎』の作者として知られる水木しげる先生(自称“水木サン”)は、どんな時も自分で決めたルールを基準にして生きた人です。例えば水木サンが子どもの頃、人が死んだらどうなるか気になって仕方がなくなり、弟を海に突き落としたことがあります(もちろん後でめちゃくちゃ怒られた)。太平洋戦争時の軍隊では、自分のトイレタイムを優先しすぎた結果、点呼に遅れ、脱走兵騒ぎにもなりました(後でめちゃくちゃ上官に殴られた)。
 さすがに、こうした巨匠漫画家の生きざまをそのまま取り入れることはオススメしませんが、いまや人生百年時代。一つだけでも、水木サンのような“あなた自身のルー ル”を心に決め、生きてみようではありませんか。


10月25日のおすすめ


書名しょめい:『10歳から知っておきたいお金の心得~大切なのは、稼ぎ方・使い方・考え方~』
著者ちょしゃ:八木 陽子/監修 出版社 しゅっぱんしゃ:えほんの杜
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 お父さん、お母さんたちはお金を稼いで、みなさんにお小遣いやお年玉をくれます。 お小遣い、お年玉、もらうと嬉しいですよね。
 お金があると色んなものが買えます。でも、「貯金しなさい」って言われることもありますよね。 
 物を買うときには値段がありますが、値段は誰がどうやって決めているのでしょうか?
 また、物を買うときに「消費税」も払います。これはどうして払わなければいけないのでしょうか?「貯金」するときの「銀行」ってどんなものなのでしょうか? 
 そもそも、お金って何でしょう? 
 丸い金属のお金、四角い紙のお金だけじゃなく、Suica、PayPay、LINEPayなどの実物がない電子マネーもありますね。 
 大事なことですが、意外と知らないお金のことについて、ばっちり知ることができますよ。


10月18日のおすすめ


書名しょめい:『「お手伝いしましょうか?」うれしかった、そのひとこと』
著者ちょしゃ高橋うらら/文 深蔵/絵  出版社 しゅっぱんしゃ:講談社
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 困っている人を見かけたとき、あなたならどうしますか? 
私たちは毎日いろいろな人と出会っています。ふだんなにげなく通る道で、目の不自由な人、車いすの人、赤ちゃんをつれた人、耳の不自由な人など、もしかしたら手助けを必要としている人たちとすれちがっているのかもしれません。でも、どう手伝ったらいいのかわからずとまどってしまうことが多いのではないでしょうか。
 この本は、声のかけ方やお手伝いの方法などを具体的に学ぶことができ、手助けを必要としている人たちの気持ちも知ることができる一冊です。
 「お手伝いしましょうか?」というひとことで救われる人たちがいることを知り、街なかで困っている人たちの手助けをするためには何ができるのかを自分でも考えてみませんか?


10月11日のおすすめ


書名しょめい:『ありちゃんあいうえお かこさとしの71音』
著者ちょしゃ:かこ さとし 出版社 しゅっぱんしゃ:講談社
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 『だるまちゃん』シリーズや科学の本で、子どもたちに親しまれてきたかこさとしさんは、2018年にこの世を去られました。
 この本は、ことばをおぼえはじめたばかりの子どもたちのために作られたあそび唄「ありさんあいうえお」と、孫の成長をあたたかなまなざしで詩に綴った「まごまごのうた」という未発表の2作品からなります。
 亡くなる数か月前、病院で出版の話を聞いたかこさんは、照れながらもうれしそうな笑顔を浮かべられていたそうです。
 皆さんは、「あいうえお」を覚えた時のことを覚えていますか。子どものときは、がぎぐげご、ざじずぜぞ、ばびぶべぼなどの濁音は、声に出すだけで楽しくなる魔法のことばでした。 
 今を生きる子どもたち、そしてかつて子どもだった大人のみなさんへの、かこさんからの最後のプレゼント。
 家族で一緒に、声に出して読んでみませんか。


10月4日のおすすめ


書名しょめい:『リスのたんじょうび』
著者ちょしゃ:トーン・テレヘン 出版社 しゅっぱんしゃ:偕成社
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 リスは、紙に書いて家の壁に貼っていた〈うきうきする〉という言葉が、何のことだかちっとも思い出せません。ある日、家のすみっこに貼られていた〈ぼくのたんじょうび〉という紙を見て、〈うきうきする〉自分の誕生日がもうすぐやってくることを思い出しました。
 それから、リスは動物たちに向けて、誕生日パーティーへの招待の手紙を書きました。1日かけて書き上げた手紙は、屋根をこえる高さになりました。そして、誕生日の朝、来てくれる動物たちにごちそうするケーキを作ることに…。
 大きなはちみつケーキ、背の高いケーキ…。来てくれる皆を思い浮かべながら、一つひとつ作り上げました。
 招待された動物たちも、思い思いのプレゼントを用意して、どんな格好で参加しようか、と一生懸命準備をしていました。
 来てくれる皆を楽しませたい、というリスの気持ちが、動物たちにも届いたのかもしれません。
 優しく相手を思いやる気持ちに心が温かくなる1冊です。


9月27日のおすすめ


書名しょめい:『星の旅人』
著者ちょしゃ:小前 亮 出版社 しゅっぱんしゃ:小峰書店
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 江戸時代、幕府は北海道に測量隊を送っていました。平次の父親はこの測量隊に参加していたのですが、そのまま帰ってきませんでした。そこで平次は、伊能忠敬の測量隊に同行を願い出ることにしました。父を探しに行きたいという希望が聞き入れられます。しかし本音は、学問で大成するという目標のため。武士とは名ばかりで、収入が少ない父のようにはなりたくないと思っていたのです。
 長く厳しい測量の旅。平次は忠敬の測量に取り組む姿勢を見て、聞き流していた父からの教えを理解できるようになりました。そして自分がどのように生きていくか、その意思をかため、将来のことを考えるようになるのです。
 平次は現代の小中学生くらいの男の子です。認められたいという気持ち、将来を不安に思う気持ち、特別な生き方をしたいという気持ち、そんな平次の気持ちに、みなさんも共感できる部分があるかもしれません。
 平次の気持ちの変化に注目して読んでみてください。