小中学生へおすすめ!

児童書のおすすめ(4月15日)

書名 しょめい :なんてくさいんだ!

著者 ちょしゃ :コリーン・ペフ/文 ナンシー・カーペンター/絵 金原 瑞人/訳

出版社 しゅっぱんしゃ :あかつき教育図書


 19世紀、世界一の都市ロンドンでは、人口が増えすぎておしっこやうんちの処理に困り、すべてを川に流した結果、息が詰まるようなひどいにおいがしていたそうです。それでも人々はそのくさくて汚れた水を飲むしかなく、とうとう感染症を発生させてしまいます。

 その難題に立ち向かった一人の土木技師がいました。この本の主人公ジョゼフ・バザルジェットです。彼は、川に汚水を流さない新しい下水道の仕組みを設計し、「悪魔の悪臭」ともよばれたにおいと、病の大流行の恐怖から人々を解放しました。水の汚染の克服が、すがすがしい空気と健康的な生活をもたらしたのです。

 しかし、ジョゼフの奮闘から百年以上たった今でも、おしっこやうんちのまじった水を飲まざるをえない人たちが、世界に20億人近くいるそうです。

 私たちの命を左右する安全な飲み水。蛇口をひねるときれいな水の出る環境は、決して当たり前のものではないのだと気づかされます。

児童書のおすすめ(4月8日)

書名 しょめい : わたしは食べるのが下手

著者 ちょしゃ : 天川 栄人/作

出版社 しゅっぱんしゃ :小峰書店


 あなたは給食が好きですか?食べることは楽しみですか?  この本には、食べることに悩む中学生が登場します。会食恐怖症で給食を完食できない葵、痩せたくて過食嘔吐をくり返す咲子、ムスリムのラマワティ、貧困で給食が頼りのコッペ。彼らは、周囲が悩みを理解してくれないことにも傷付いています。

 やがて給食ボイコットを試みた葵と咲子は、栄養教諭の橘川先生に、ならばどんな給食にしてほしいのか要望書を出して、献立も考えてみろと焚きつけられます。この橘川先生は、栄養オタクの変わり者だけど、ルールを押し付けずにみんなが納得する案を探してくれる素敵な先生です。

 はたして葵たちの給食改革はうまくいくのでしょうか?

 受け身だった葵が、ぐいぐいとみんなを引っ張る存在に変貌していくところも物語の魅力です。食を知り、互いの事情も思いやることで成長していくのです。  食べることは生きること。『食』について考える、この本を読んでみませんか?

児童書のおすすめ(4月1日)

書名 しょめい : 知ると楽しい!和菓子のひみつ

著者 ちょしゃ : 「和菓子のひみつ」編集部/著

出版社 しゅっぱんしゃ : メイツユニバーサルコンテンツ


 日本の四季を感じさせてくれる和菓子。 春はさくらもちやお花見の団子、夏は涼しげな水ようかんやわらびもち、秋は栗きんとん、冬はぜんざいなど、その季節ごとに味わい楽しむことができます。

 普段何気なく食べている和菓子ですが、どうやって誕生したのか知っていますか? 昔は菓子といえば木の実や果物のことを指していました。今でも果物を水菓子というのはその名残です。その後、外国から伝わった菓子が日本独自の和菓子へと進化していったのです。

 この本では、和菓子の歴史や種類などの基礎知識から、ようかんやカステラなどの代表的な和菓子のルーツ、全国に伝わる郷土菓子などを紹介しています。 奥深い和菓子の世界を知りたい方におすすめの1冊です。

 佐賀県の代表的な和菓子「丸ぼうろ」も紹介されていますよ。

児童書のおすすめ(3月25日)

 

書名 しょめい :ロドリゴ・ラウバインと従者クニルプス
著者  ちょしゃ :ミヒャエル・エンデ/作 ヴィーラント・フロイント/作 木本 栄/訳 junaida/絵

   小学館


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 ロドリゴ・ラウバインは荒野に建つ城に住む、誰もが恐れる盗賊騎士です。
 そんな恐ろしいロドリゴの従者になろうと、怖いもの知らずの少年クニルプスはひとりで彼の城をたずねます。
 クニルプスは従者になるため、ロドリゴに度胸試しを命じられます。そんなクニルプスの度胸試しが、王さまやお姫さま、お城の魔術師や竜を巻き込んでの物語に発展していきます。
 怖いもの知らずで無鉄砲なクニルプスは多くの困難の中、さまざまな感情を学び優しくたくましく成長していきます。

 この物語は『モモ』や『はてしない物語』を書いたミヒャエル・エンデの未完成の物語を、ヴィーラント・フロイントが完成させた作品です。
 クニルプスだけでなく、エンデの生み出したキャラクターたちはフロイントのもとでどのように成長していくのでしょうか。
 少し長めの物語ですが、きっとページをめくる手が止まらなくなるはずです。

 

児童書のおすすめ(3月18日)

 

書名 しょめい :リパの庭づくり
著者  ちょしゃ :福井 さとこ/作・絵

   のら書店


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 リパはうでのいい庭師です。ある朝、リシュカおばあさんの家にやってきたリパは、美しかった庭が荒れ果てている光景を見て驚いてしまいます。おばあさんに理由を尋ねると、飼い猫のマリーがいなくなってしまって何にも手につかないというのです。そこでリパはおばあさんを元気づけるために、野鳥のシーコルと協力して、庭の手入れをはじめるのですが…。
 この本のみどころは、シルクスクリーン(孔版)という種類の版画で描かれた挿絵です。荒れ果てた庭が、よみがえる様子が独特の美しい風合いで描かれており、植物のみずみずしい生命力が伝わってきます。
 冬が終わり春の訪れを感じられるようになってきました。みなさんの周りでもたくさんの植物が芽吹いているのではないでしょうか。リパのように植物に触れて、全身で自然の息吹を感じてみませんか?