小中学生へおすすめ!
6月2日のおすすめ
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1995年生まれの市子。生まれた時、世間は地下鉄サリン事件、阪神・淡路大震災など歴史に残る出来事が多数起こり、すでに不景気が始まっていました。2010年中学3年生になったものの将来に希望が持てない日々。それでも個性的な仲間たちに刺激を受けながら、楽しく過ごしています。
文化祭で一人の生徒をきっかけに原発について調べることになりました。そして年が明け図ったかのようにあの東北の大地震が……。ふいに訪れる当たり前の日常の崩壊、昨日まで隣にいた人がいなくなってしまう。それでも悲しいことを受け止めながら主人公は次のステージに進んでいきます。
なんでもない毎日が実は1番大切で愛おしく感じられる1冊です。最後まで読むと不可解なタイトルの意味に気が付きます。また、平成時代の世の中の出来事も書かれており、そういえばこんなこともあったなと当時を振り返るにもぴったりな本です。
5月26日のおすすめ
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本書は直木賞受賞作家の三浦しをんによる箱根駅伝を舞台にした長編小説です。竹青荘という名の古びたアパートの住人が十名揃った事から物語は始まります。主人公・カケルの歓迎会の夜、住人の一人が宣言します。『十人の力を合わせて、スポーツで頂点を取る。目指すは箱根駅伝だ。』陸上競技の未経験者ばかりが集う竹青荘の住人を巻き込んで、箱根駅伝に出場するという夢に向かい、全員で駆け抜けて行く1年間が丁寧に描かれています。
個性溢れる10人の走者はそれぞれに迷いや不安、悩みを抱えており、「走ること」を通して自分自身と向き合い、そして自分なりの答えを導き出していきます。想いをのせながら10人の仲間達が必死に繋いでいく襷に最後まで目が離せません。果たして、竹青荘の住人達は箱根で頂点に辿り着くことが出来るのでしょうか?
読了後には一緒に箱根を駆け抜けたかのような、爽やかな余韻が残ります。新しく何かを始めたくなる春、ぜひ手に取って欲しい作品です。
5月19日のおすすめ
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「セリーナに、私の存在を知ってもらいたかった。」
プロテニス選手である大坂なおみさんの言葉です。
テニスの四大大会で2回連続優勝し、2019年1月に世界ランキング1位に昇りつめた大坂なおみ選手。ここに登場したセリーナというのは、何度も世界を制したセリーナ・ウィリアムズという選手のことで、大坂選手がテニスをはじめたのも彼女にあこがれてのことだったそうです。
あこがれの選手に自分の存在を知ってもらいたいと願い、どれだけの努力を重ねたことでしょう。そして2018年、とうとう直接対決ができるほどに成長し、なんと勝利したのです。試合後に流した涙には様々な想いが込められているように見えました。
大坂選手を含めた50人の名言が詰まったこの1冊。あなたを前向きにしてくれる言葉がみつかるかもしれません。
5月12日のおすすめ
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主人公のオレは、4歳から始めたピアノが最近は中途半端になっています。そればかりか、母親やピアノの先生には何かと怒られます。一方でまわりにいる友達は、恋や部活など時間を忘れて夢中になるものを持っていて羨ましく感じる日々。
そんな中、オレとは正反対にピアノを弾くのが大好きだと言う女の子が同じ学校に転校してきて……。その子のピアノは賞をとる腕前で、魅力的に見えます。「どうしてそんなに一生懸命になれるのだろう」そんな風に気づき始めたことで、自分の好きなことを探しはじめます。
みなさんもときには、自分自身と友達や兄弟とを比べて、なんだか落ち込むときもあるかもしれません。そんな時は、心の中にある輝く気持ちを大切にしてくださいね。みなさんの、わくわくして楽しみにしていること、感動することは何ですか?何かを好きな気持ちが、これから生きる力になるかもしれません。
5月5日のおすすめ
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いつも弱気でいるからなのか、みんなから「よわっち」と呼ばれているかずき。同じクラスのさなちゃんは、そんなかずきをいつも助けてくれていました。ところがある日、さなちゃんからも「よわっち」と呼ばれ、かずきはショックを受けてしまいます。落ち込む中、かずきはお母さんと一緒にバザーに参加することに。そこで目に留まった万華鏡を覗いてみると、かずきは見たことのない世界へと飛ばされてしまいます。
見知らぬ世界「シランカッタの町」でかずきを出迎えたのは、キズカという名前の女の子と、どこかで会ったような気がするおばあさん。2人をはじめ、かずきは、この町でたくさんの仲間と出会います。そんな仲間がピンチを迎えた時、いつも弱気でおどおどしているかずきは、勇気を出して助けることができるでしょうか?
ドキドキしながらかずきたちを見守ってください。勇気を出せなくて悩んでいるあなたの背中をちょっぴり押してくれるかもしれません。