小中学生へおすすめ!

4月7日のおすすめの1冊

おすすめの本

書名しょめい:『天地ダイアリー』
著者ちょしゃ:ささき あり 出版社しゅっぱんしゃ:フレーベル館
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 みなさんがこれを読む頃には、新学期が始まっているでしょうか。クラス替えや入学式など大きく環境が変わる人もいるかもしれませんね。この物語の主人公、木下広葉はマスクがないと外に出られないマスク依存症。新しい土地で入学式を迎えることになった彼は、クラスで目立たないよう栽培委員会に入ります。しかしそこで出会ったのは、植物を愛する“ふとまゆセンパイ”をはじめとした個性的なメンバー。そんな仲間にとまどいながらも、広葉は徐々に心を開き始めます。クラスの中の上層だとか下層だとか、いったい誰が決めるのでしょう?彼の心の変化に注目してください。
 また作中にはさりげなく園芸知識が織り込まれ、読むうちにちょっとだけ植物の育て方に詳しくなれるのもこの本の魅力の一つです。タイトルの一部になった園芸用語に「天地返し」という言葉があります。これは表面の土と深いところの土を入れ替えて、土を再生すること。この春の新しい出会いがみなさんにとっての天地返しになりますように。

3月31日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『コンビニたそがれ堂』
著者ちょしゃ:村山 早紀 出版社しゅっぱんしゃ:ポプラ社
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 この世で売っている全てのものが並んでいて、求めるなら、この世に売っているはずのないものまで手に入る。
 そんな魔法のコンビニがあったら、あなたは何を探しますか?
 風早かざはやという町の駅前商店街のそばに、おいなりさんのお堂があります。そこにはお茶目なきつねの神様が住んでいて、夕暮れ時には店員さんに化けてお店を開くことがあるそうです。店の名前は「たそがれ堂」。
 たそがれ堂にたどり着くのは、大切なものを心から求めているひとだけ。そして、その探し物は必ずたそがれ堂で見つける事ができるのです。
たそがれ堂にたどり着いた少年雄太ゆうたは、家の都合でアメリカに行ってしまう女の子から差し出されたメモ帳を、クラスメートから冷やかされた恥ずかしさから受け取らなかった事をずっと後悔していました。
 雄太の事情を聞いたコンビニの店員さんが、文房具の棚を指さします。雄太が、おそるおそる近づいてみると……あの日受け取らなかった彼女のメモ帳が並んでいるではありませんか!
 たそがれ堂を後にした雄太の人生は、「あの時メモ帳を受け取った」という方向へ変化してゆくのです。
 素敵な奇跡を集めたよみやすい短編集。

3月24日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『ホテルやまのなか小学校』
著者ちょしゃ:小松原 宏子 出版社しゅっぱんしゃ:PHP研究所
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 今日は、「やまのなか小学校」の卒業式です。百年続いたこの歴史ある小学校は、6年生のミナ・うさ子・コンタの卒業で、廃校になることが決まっています。思い出のつまった小学校を何とかしたいと思った3人は、ホテルにつくりかえることにしました。12の教室は客室に、保健室はスイートルームに、プールは露天風呂に。3人の頑張りであっという間に素敵なホテルが完成しました。名前はもちろん「ホテルやまのなか小学校」です。
 そしていよいよオープンの日。待ちに待ったお客さまがやってきました。1人目は音楽家のシャープさん。2人目は天体観測家のコスモさん。しかし、2人はいつも暗い顔をしていて、ちっとも楽しそうではありません。お客さまを笑顔にするため、3人はさまざまなおもてなしをするのですが……。
 謎めいた3人組と悩みを抱えたお客さまとの交流を描いた、どこか不思議でどこか懐かしい、心温まるファンタジー作品です。

3月17日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『ハルと歩いた』
著者ちょしゃ:西田 俊也 出版社しゅっぱんしゃ:徳間書店
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 一年前の春に、東京から奈良に引っ越してきた陽太。友だちもできず、気になる女の子と話すこともできないまま、卒業の日を迎えた。その帰り道、突然ホームレスの男から「そいつの飼い主を捜してやってくれ」と、迷い犬のフレンチブルドッグを預けられる。戸惑いながらも、陽太はフレンチブルドッグと一緒に奈良の町を歩き始めた。
 毎日フレンチブルドッグと歩いていると、いろいろな人から声をかけられる。引っ込み思案だった陽太だけど、少しずつ心を開き、母の故郷でもある奈良の町に馴染んでいく。フレンチブルドッグのことが大好きになって、飼い主を捜していることを忘れてしまう時もあった。そして、ついに本当の飼い主が見つかった時、陽太は……。
 日常の中で起こった小さな出来事。でもそれは陽太の世界を広げ、成長する大きなきっかけになった。あなたの春休みにも、陽太のような素敵な出会いがありますように。

3月10日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『いいたいことがあります!』
著者ちょしゃ:魚住直子 出版社しゅっぱんしゃ:偕成社
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 小学6年生の陽菜子は、イラストを描くのが大好きだし、お友達とも遊びたい年頃です。しかし、お母さんから勉強も家事もきちんとするように言われて育ちました。もし、学校から帰って、家事や勉強の前に絵を描いたりしていたら、「つまらないことしないで先にやることをやりなさい。」と怒られてしまいます。陽菜子には中学生のお兄ちゃんがいますが、いそがしいという理由で家事の分担がないので、どこか納得できません。
 そんな気持ちを抱えていたある日、自分より少し年上の少女スージーと出会いました。さらに、その後、不思議な手帳を拾い、ページをめくるとそこには……。最後に「わたしはわたしの道を行きたい。」と書かれ、衝撃を受けました。
 この手帳を読んでから陽菜子は、塾のこと、友達、家事の事、自分の気持ちについて考え始めます。
 いろいろいいたいことがある女の子のおはなし。誰もが一度は抱える悩みかもしれません。