小中学生へおすすめ!

3月17日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『ハルと歩いた』
著者ちょしゃ:西田 俊也 出版社しゅっぱんしゃ:徳間書店
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 一年前の春に、東京から奈良に引っ越してきた陽太。友だちもできず、気になる女の子と話すこともできないまま、卒業の日を迎えた。その帰り道、突然ホームレスの男から「そいつの飼い主を捜してやってくれ」と、迷い犬のフレンチブルドッグを預けられる。戸惑いながらも、陽太はフレンチブルドッグと一緒に奈良の町を歩き始めた。
 毎日フレンチブルドッグと歩いていると、いろいろな人から声をかけられる。引っ込み思案だった陽太だけど、少しずつ心を開き、母の故郷でもある奈良の町に馴染んでいく。フレンチブルドッグのことが大好きになって、飼い主を捜していることを忘れてしまう時もあった。そして、ついに本当の飼い主が見つかった時、陽太は……。
 日常の中で起こった小さな出来事。でもそれは陽太の世界を広げ、成長する大きなきっかけになった。あなたの春休みにも、陽太のような素敵な出会いがありますように。

3月10日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『いいたいことがあります!』
著者ちょしゃ:魚住直子 出版社しゅっぱんしゃ:偕成社
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 小学6年生の陽菜子は、イラストを描くのが大好きだし、お友達とも遊びたい年頃です。しかし、お母さんから勉強も家事もきちんとするように言われて育ちました。もし、学校から帰って、家事や勉強の前に絵を描いたりしていたら、「つまらないことしないで先にやることをやりなさい。」と怒られてしまいます。陽菜子には中学生のお兄ちゃんがいますが、いそがしいという理由で家事の分担がないので、どこか納得できません。
 そんな気持ちを抱えていたある日、自分より少し年上の少女スージーと出会いました。さらに、その後、不思議な手帳を拾い、ページをめくるとそこには……。最後に「わたしはわたしの道を行きたい。」と書かれ、衝撃を受けました。
 この手帳を読んでから陽菜子は、塾のこと、友達、家事の事、自分の気持ちについて考え始めます。
 いろいろいいたいことがある女の子のおはなし。誰もが一度は抱える悩みかもしれません。

3月3日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『安藤百福』
著者ちょしゃ:筑摩書房編集部 出版社しゅっぱんしゃ:筑摩書房
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 日本人は1年間に、インスタントめんを、55億食食べます。それは、世界で3番目の多さです。
 そのインスタントめんを発明し世界の食文化に革命を起こしたのが、日清食品の創始者安藤百福です。たったひとり47歳で知識も経験もないところからの開発は苦難の連続でした。何度失敗してもあきらめず、苦難を乗り越えるたくましい精神力で、誰も考えつかなかったアイデアを次々に生み出し実現しました。そして96歳まで生涯現役を貫いたのです。
 幼少期、いろんな仕事をした青年期、そしてラーメン作りに挑戦した壮年期の姿は、これから何かに挑戦しようとする人に勇気を与えてくれます。数々の失敗から生まれた百福の語録もヒントになります。
 これまで「学習漫画」で百福の伝記を読んだことのある人、テレビドラマを見て気になっていた人は、この本を読んでみてください。 百福のことをもっと詳しく知ることができます。
 ちくま評伝シリーズは、失敗や挫折を乗り越えながら人生を切り開いた人たちの偉人伝です。学習漫画の伝記を読んだ人、次はこの本を読んでみませんか。

2月24日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『パンツ・プロジェクト』
著者ちょしゃ:キャット・クラーク 出版社しゅっぱんしゃ:あすなろ書房
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 みなさんは、毎日のように着ている制服に疑問を持ったことはないだろうか。主人公リヴは中学校に入学したばかり。小学校も同じだった親友のメイジーとクラスも一緒だし、隣の席のジェイコブは絵が上手でかなりクール。だけど、ひとつだけ嫌なことがある。それは、バンクリッジ中学の校則で女子はスカート、男子はズボンを履かなきゃいけないってこと。
 この物語は、リヴがスカートを履くのは自分らしくない!と思うところから始まる。リヴはトランスジェンダー(身体の性別と自分が思う性別が異なる人のこと)でそのことは親友にも家族にも打ち明けていない。
 タイトルと同じ「パンツ・プロジェクト」を始めるまでの環境の変化。いじめや親友との決別。初めてのことばかりでハードな毎日。だが、家族や友達との関わりの中でリヴはどんどん成長していく。
 誰もが自分らしく暮らせる社会をつくるためにぜひ読んでほしい一冊。

2月17日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『テディが宝石を見つけるまで』
著者ちょしゃ:パトリシア・マクラクラン 出版社しゅっぱんしゃ:あすなろ書房
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 犬のテディは、人間の言葉を理解することができます。なぜなら、保護施設にいたテディを連れて帰ってくれた詩人のシルバンさんが、いつも詩を読んで聞かせてくれたからです。ところが、シルバンさんはテディのもとからいなくなってしまいます。
 「きみが、宝石をひと粒かふた粒見つけられるといいな」
テディは、シルバンさんが残したそんな言葉が気になっていました。シルバンさんがいなくなってから数日が経ったある日、テディは吹雪の中迷子になってしまった兄妹と出会います。シルバンさんに救われたように、今度はテディが兄妹2人を助けます。一緒に過ごしていく中で、テディはシルバンさんが残した言葉の意味を知ることとなります。シルバンさんとの出会いによって、思いもよらなかった心温まる繋がりが生まれます。
 物語は、テディの記憶と共に進みます。その中に表れている、寂しさや悲しさ、シルバンさんへの気持ちにも注目して読み進めてみてください。