小中学生へおすすめ!

10月10日のおすすめから


書名しょめい:『シェイクスピア名言集』

著者ちょしゃ:小田島 雄志/著


出版社
 しゅっぱんしゃ
:岩波書店
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 「おお,ロミオ,ロミオ,どうしてあなたはロミオ?」本書で一番目に紹介されているのは『ロミオとジュリエット』から、有名なこのセリフ。みなさんもどこかで一度は聞いたことがあるはずです。なぜシェイクスピアは没後四百年以上経った今でも愛されているのでしょうか。
 その謎にせまるのがこの本です。人間の喜びや悲しみ、楽しみや悩みなど、心の動きを追及し続けたシェイクスピアの言葉は時に私たちを励まし、ふるい立たせてくれます。『ハムレット』、『リア王』、『ヴェニスの商人』その他にもシェイクスピアの名作はもりだくさん!さてどれから読もうかしらと悩んだ時に、気になる名言を見つけて作品を選んでみるのもおすすめです。
 最後に私の一番好きなセリフを紹介します。「人生は歩きまわる影法師,あわれな役者だ……」気になる方はぜひ探してみてくださいね。

10月3日のおすすめから


書名しょめい:『おーいでてこーい』

著者ちょしゃ:星 新一/著


出版社
 しゅっぱんしゃ
:講談社
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 台風が去った後、ある村で直径1メートルくらいの穴が見つかりました。穴の底は見えません。「キツネの穴かな。」という人もいて、「おーい、でてこーい。」と若者は叫びましたが、何も返ってきません。石ころを投げましたがどこまで落ちたか分かりません。とても深い穴のようです。そこで、みんなは、穴に色々なゴミを捨て始めますが……
この本には「ショートショート」という、すごく短いけど、最後はあっと驚くどんでん返しがある小説14作が収められています。最後は、びっくりしたり、笑ってしまったり、怖くなってしまったり……
表題作「おーい でてこーい」も全9ページで、すぐに読めますよ。
また、この本は「SF」(サイエンス・フィクション:空想科学小説)の入門書にもおすすめです。この本をきっかけに、想像力膨らむSFの世界に飛び込んでみてください。

9月26日のおすすめから


書名しょめい:『バウムクーヘンとヒロシマ ドイツ人捕虜ユーハイムの物語』

著者ちょしゃ:巣山ひろみ/文 銀杏早苗/絵


出版社
 しゅっぱんしゃ
:くもん出版
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 真ん中に穴(あな)の開いた切(き)り株(かぶ)みたいなお菓子、バウムクーヘンを食べたことがありますか。
自称“バウムクーヘンを愛する男子”颯太は、自分でバウムクーヘンを作ってみたいと思い夏休みのピースキャンプに参加しました。
 バウムクーヘンはもともとドイツのお菓子です。それがどうやって日本に伝わって日本中に広まっていったのか、広島湾に浮かぶ小さな島、似島でバウムクーヘンの歴史が語られます。今から百年ほど前の一九一九年三月四日、広島の物産陳列館(現在の原爆ドーム)で、日本で初めてバウムクーヘンが販売されました。戦争中に捕虜として日本に連れてこられたドイツ人のお菓子職人、カール・ユーハイムが作ったのです。ユーハイムは第一次世界大戦、関東大震災そして第二次世界大戦と、何度も大変な目にあいましたが、仲間や家族と助け合い、励ましあって美味しいバウムクーヘンを焼き続けました。
 バウムクーヘンを食べるとき、ユーハイムと広島のことを少しだけ思い出してください。


9月19日のおすすめから


書名しょめい:『ぼくのパパは一本足 ふたりの最強ルール』
著者ちょしゃ:フランチェスコ・メニケッラ/著 飯田 亮介/訳


出版社
 しゅっぱんしゃ
:PHP研究所
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 この夏、みなさんはパラアスリートたちの活躍をご覧になりましたか。
 トーマスのパパは、子どもの頃に片足をなくしましたが、大人になってパラサイクリングのチャンピオンになりました。
トーマスは、そんなパパの物語を本にして、クラスメイト達に読んでもらいたいと願っています。そして、みんなの心から偏見が無くなればいいと思っているのです。トーマスの助っ人としてママが描いたマジシャンと賢者とイラストレーターの力を借りて、物語を書こうと試みますが、パパの小さい頃の白黒写真の中にタイムスリップしてしまいました。
 この本は、トーマスが偉大なパパのことを語ったものです。でもそれだけではなく、タイムスリップやルールのふるさと・ルール王国へ旅をしたり、開催した競馬大会がアニメの世界になってしまったりと、奇想天外でハチャメチャな大冒険のお話です。たくさんの困難を乗り越えて、トーマスは物語を完成できるのでしょうか。

9月12日のおすすめから


書名しょめい:『宇宙の話をしよう』
著者ちょしゃ:小野 雅裕/作 利根川 初美/絵 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:SBクリエイティブ
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 「……私って、変?」パパに問いかけた12歳(さい)のミーちゃん。「普通(ふつう)の女の子にならなきゃ友達いなくなっちゃう……?」涙目(なみだめ)のミーちゃんに、パパはジュール・ベルヌの『地球から月へ』を紹介(しょうかい)します。ミーちゃんは、この本を読めば普通(ふつう)の女の子になれるのか、算数が得意になる秘密でも書いてあるのかと期待しますが、そうではありません。人類の宇宙開発のきっかけになったかもしれない1冊の本。ジュール・ベルヌの描(えが)いた世界は、宇宙を目指した人々の想像力を大いに刺(し)激(げき)したようです。
 NASAで働くパパは、宇宙や恐竜が大好きなミーちゃんに、『地球から月へ』を読んだというロケット研究者のことや、宇宙開発の歴史について話してくれました。そして、世界中が戦争へ向かいだした時代のことも。
 ミーちゃんの夢は、宇宙へ行くことです。自分の好きなこと、将来の夢、大切だと思うこと、みなさんもミーちゃんと一緒(いっしょ)に考えてみてください。

9月5日のおすすめから


書名しょめい:『クジラのおなかからプラスチック』
著者ちょしゃ:保坂 直紀/著 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:旬報社
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 プラスチックは、19世紀の半ばに発明され、20世紀になって世界に広まりました。スーパーのレジ袋、ペットボトル、食品の包装材など、今やプラスチックなしの生活は想像できないくらいに暮らしに溶け込んでいます。
 人間にとっては便利なものが、他の生き物にとっては命を脅かす凶器になってしまう。とても怖いことですよね。クジラや海ガメなどの海の生き物がエサと間違えてプラスチックごみを食べてしまい、傷つきとても苦しんでいます。2050年までに海中のプラスチックの重量は、世界中の魚の重量を超えると予測され、地球温暖化にならぶ環境問題として、世界が注目しています。
 海の生き物たちを守るため、未来に綺麗な海を残すために、「今私たちにできること」を一緒に考えてみませんか。小さなことからでも、皆さんの思いが積み重なれば、明るい未来が見えてくると信じています。

8月29日のおすすめから


書名しょめい:『合言葉はフリンドル!』
著者ちょしゃ:アンドリュー・クレメンツ/作 田中奈津子/訳 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:講談社
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 周りのみんなに通じる新しい言葉を自分で作る。そんなことできるのでしょうか。「“ペン”を“フリンドル”と呼ぶ」。校内一、とくべつユニークな男の子ニックが決めたことに、学校中が大騒ぎ。言い換えを許さないグレンジャー先生との戦いは、次第に他の大人たちも巻き込みながら街中に広がり、とうとうアメリカ全土に流れるテレビ番組で放送されるまでになります。辞書が大好きでとても厳しいグレンジャー先生ですが、彼のことを子どもだからと無理やり押さえつけるのではなく、公平に対等に向き合ってくれます。こんな先生に出逢えたら幸せではないでしょうか。ユニークな発想力を持ち、かつ自分の行動を冷静に振り返ることができるニックも素敵です。二人の対決の結果は果たして。ニックが大人になった時、その答えがわかりますよ。

8月22日のおすすめから


書名しょめい:『みけねえちゃんにいうてみな』
著者ちょしゃ:村上 しいこ/作 くまくら 珠美/絵 
出版社
 しゅっぱんしゃ
:理論社
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 みけねこのみけねえちゃんは、人間のともくんとおかあちゃんの三人でくらしています。最近、ともくんはなぜか自分のことを「うーちゃん」と呼んでいます。おかあちゃんが理由をきいても、ともくんはこたえてくれません。困ったおかあちゃんは、みけねえちゃんに原因を調べてくれるようにお願いします。どうやらともくんは、自分の名前のことで悩んでいるようです。じつはおかあちゃんも、同じように悩んでいることがありました。
 すなおに話すことができないふたりに、みけねえちゃんがズバッとアドバイスをおくります。
 あなたは家族に悩みやつらい気持ちを、かくさずに伝えることができますか?家族だからこそ、なんでも正直に伝えることは少しむずかしいかもしれません。そんな悩みにぶつかったときは、みけねえちゃんの言葉がそっと背中をおしてくれますよ。

8月15日のおすすめから


書名しょめい:『大どろぼうホッツェンプロッツ』
著者ちょしゃ:プロイスラー/作 中村 浩三/訳 
出版社
 しゅっぱんしゃ
:偕成社
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 おばあさんが大事にしているコーヒーひきが盗まれてしまいました。犯人は悪名高い大泥棒のホッツェンプロッツ(舌をかみそうな名前ですね!)。少年カスパールは親友ゼッペルと一緒に、大泥棒のところへ奪われたコーヒーひきを取り返しに行きます。しまいには、悪党の大魔法使いツワッケルマンや妖精アマリリスが登場し、少年達の冒険はどんどん思いがけない大冒険になっていくのです。
お話の舞台はドイツの小さな町と森。ホッツェンプロッツは、大泥棒だけどちょっとまぬけでなんだか憎めない、ユーモラスなキャラクターが魅力的です。プラム入りのケーキやマッシュポテト、サラミソーセージなど、おいしそうな料理がたくさん出てくるところも見どころのひとつですよ。
優しく素朴なドイツ文化の描写と、少年たちの知恵と勇気にぜひご注目ください。

8月8日のおすすめから


書名しょめい:『睡眠がよくわかる事典』
著者ちょしゃ:神山 潤/監修 
出版社
 しゅっぱんしゃ
:PHP研究所
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 睡眠に関する様々な疑問について、分かり易く解説した本です。
 例えば「寝る子は育つ」ということわざがありますね。これは本当なのでしょうか。からだの成長には「成長ホルモン」の分泌が関わっているのですが、このホルモンが一日のうちでもっとも多く分泌されるのは、夜寝ている間です。そこで背が伸びるのは夜寝ている間だといえるのです。「寝る子は育つ」というのは本当なのかもしれません。
 また、早起き、早寝の習慣が大切なのはどうしてでしょうね。これは朝の光を取り入れることによって、体内時計が目覚めを促すからです。朝の光を浴びないと体内時計のスイッチが入りません。遅く寝ると睡眠不足になり、脳の働きが悪くなってしまいます。
では、すっきり目覚めるためのコツは何でしょう。また、より目覚めやすくするためにはどんな工夫をすればよいでしょうか。日常生活の知恵が紹介されています。眠りは脳と心の栄養!

8月1日のおすすめから


書名しょめい:『生きかたルールブック ヤワな大人にならない!』
著者ちょしゃ:齋藤 孝/監修 林 ユミ/絵 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:日本図書センター
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 「迷いや不安があっても、自分で決める」この本に書かれている生きかたルール1です。言葉では簡単ですが、実際にそれをやるのは難しそうですね。でも、きっと「ヤワな大人にならない!」ためには大切なことです。
 この本には、テレビなどでもおなじみの、明治大学齋藤孝先生の「生きかた」が50のルールとしてまとめられています。キーワードは「ヤワな大人にならない!」です。
 これからの時代は、あらゆることが目まぐるしいスピードで変化していく時代です。そんな時代を生きる皆さんは、悩みや不安にぶつかることもたくさんあると思います。しかし、どんな時代でも生き残るためには、ヤワじゃない、しなやかな強さが必要です。この本でヤワな大人にならないための生きかたのヒントを見つけてください。

7月25日のおすすめから


書名しょめい:『『さいごの本やさん』の長い長い終わり』
著者ちょしゃ:野村 美月/文 
出版社
 しゅっぱんしゃ
:KADOKAWA
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 幸本書店は三代続く町の本屋さんです。
 地元の人々に愛されていましたが、三代目店長が亡くなったことで閉店することになりました。閉店フェアを行っていると、店長に幸本書店のすべての本を任されたという高校生の男の子、榎木むすぶが現れます。彼は不思議なことに、「本の声」が聞こえるというのです。書店員の円谷水海は疑いながらも、彼が聞いた本の声を頼りに、本と人とを繋いでいきます。それはやがて、亡くなった店長の死の真相へと繋がっていくのでした。
 もしも本に心があるのなら、彼らはどんな気持ちでいるのでしょうか。本と人との大切な思い出が詰まった、切ないけれどどこか温かい物語です。
 幸本書店に来るお客さんは、みんな自分にとっての大切な1冊を持って来店します。お客さんが持ってくる本の中には、実在する本がいくつか登場します。気になった本を探して読んでみるのも面白いかもしれません。

7月18日のおすすめから


書名しょめい:『「僕らと街」のショートストーリー 3分で“心にしみる”不思議な物語』
著者ちょしゃ:堀 真潮/著 
出版社
 しゅっぱんしゃ
:辰巳出版
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 みなさんは、不思議なショートストーリーを読んだことはありますか?
 ショートストーリーとは、1つのお話が3分から5分ぐらいで読むことができる短い小説のことです。
今回おすすめする本は、謎の隕石が落ちた街・大伏木(ふしぎ)が舞台です。大伏木(ふしぎ)小学校に通う小学生が、フシギ委員をしたことで、ちょっぴり良いことが起こります。神社の掃除で不思議なお菓子をもらったり、猛暑日の午後一時にどこかに現れるプールを追いかけ走ったりと、日常に起こるちょっと不思議で、心がほんわか温かい気持ちになるショートストーリーが16編収録されています。
長いお話を読むのがちょっと苦手な人、朝の読書タイムに何を読もうか悩んでいる人、ぜひ、この本を読んでみて下さい。ほんのひととき、不思議な物語を楽しんでみませんか?

7月11日のおすすめ


書名しょめい:『レンタルロボット』
著者ちょしゃ:滝井 幸代/作 三木 謙次/絵 
出版社
 しゅっぱんしゃ
:学研教育出版
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 ある日、小学四年生の健太は、下校中に不思議なお店を見つけます。そのお店の入り口には「ロボットかします」の文字が。ずっと弟がほしいと思っていた健太は、弟ロボットをレンタルしたいと思い、おこづかい全部をにぎりしめてお店へと走りました。
 お店で小学一年生のツトム(ロボット)をかりた健太は、喜んで弟のツトムと家へ帰ります。弟との楽しい毎日が待っているかと思いきや、「お兄ちゃんだから」と我慢しなくてはいけないことが多くて...。弟のツトムはお兄ちゃんのことが大好きですが、健太は弟の行動にムカムカしはじめます。
 兄弟のように近くにいるのが当たり前だと感じる相手ほど、腹を立てたり、傷つける態度をとったりしてしまうもの。しかし、このお話は兄弟という存在が、変わることのない、かけがえのないものだということを教えてくれます。読んだ後には、これからは優しいお兄ちゃん・お姉ちゃんでありたいと思える1冊です。

7月4日のおすすめ


書名しょめい:『せいめいのれきし 改訂版』
著者ちょしゃ:バージニア・リー・バートン/文・絵 
いしいももこ/訳 まなべまこと/監修 
出版社
 しゅっぱんしゃ
:岩波書店
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 地球(ちきゅう)誕生(たんじょう)から人類(じんるい)の誕生(たんじょう)、そして未来へとつながる、なが~い歴史の物語という言葉に、あなたは、どんな想像(そうぞう)が広がりますか。
 今回紹介するこの本は、リズミカルな語(かた)り口調(くちょう)と、ページごとに施(ほどこ)されたしかけたっぷりの絵を楽しみながら、太陽の誕生(たんじょう)、地球の誕生(たんじょう)、生物の誕生(たんじょう)から人類(じんるい)の誕生(たんじょう)までを、ドラマ仕立てで体感(たいかん)できる内容になっています。
 各時代・各場面ごとに、その時代の動物たちや植物たちが、本の舞台に登場し、それぞれが生きていた時代の様子を演(えん)じます。
 三葉虫(さんようちゅう)や恐竜(きょうりゅう)たち、太古(たいこ)の時代から今につながる命(いのち)を身近に連想(れんそう)させる内容となっています。
 まもなく夏休み。「せいめいのれきし」の物語の続きは、「あなた」の物語です!
この夏の「物語」を紡(つむ)ぐヒントが、図書館にあるかもしれません。

6月27日のおすすめから


書名しょめい:『なみだの穴』
著者ちょしゃ:まはら 三桃/作 
出版社
 しゅっぱんしゃ
:小峰書店
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 父親の転勤により転校しなければならなくなった光太。仲良しの優斗と離ればなれになり、悲しみに暮れますが、なんとか涙をこらえます。一方で、光太の転校の知らせを聞いて、残された優斗も寂しい気持ちでいっぱいでした。物語は光太と優斗それぞれの視点から描かれます。
 光太は、引っ越し先へ向かう船の中で、プロレス界の伝説のファイター・幸三さんと出会います。そして、幸三さんから、なみだを我慢している人の前に現れるという「なみだの穴」について話を聞きます。「なみだの穴」を見ると、こらえていた気持ちがあふれ出すように涙が出てくるというのです。
 お話の中に出てくる涙には、悔しさや悲しさなど、登場人物の数だけ様々な気持ちが詰まっています。読みながら、自分も同じような経験をしたことがある、と共感する部分があるかもしれません。涙を流した後には前を向いて進む登場人物たちを見て、自分のもやもやとした気持ちも少し晴れるはずです。

6月20日のおすすめから


書名しょめい:『あららのはたけ』
著者ちょしゃ:村中 李衣/作 石川 えりこ/絵  
出版社
 しゅっぱんしゃ
:偕成社
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 横浜から山口へ引っ越すことになった、小学4年生のえり。田舎暮らしにも慣れてきたある日、おじいちゃんから小さな畑をもらいます。はじめは悪戦苦闘していたえりでしたが、しだいに植物を育てる楽しさに目覚めていきます。
そんな楽しい日々のできごとを、横浜に住む親友のエミに手紙に書いて送ることにしました。やがてエミからも返事が返ってくるようになり、2人の文通がはじまりました。手紙の中で2人はたくさんのことを語り合います。家族のこと。学校のこと。そして、いじめが原因で引きこもってしまった、幼なじみの「けんちゃん」のこと…。
 手紙をとおして、自然やいじめの問題にたくましく向き合う2人の成長を描いた一冊です。電話やメールも便利ですが、手紙には心をこめて書くことで、自分の気持ちが相手に伝わりやすいという利点があります。あなたも気持ちを伝えたい誰かに、心のこもった手紙を書いて送ってみませんか?

6月13日のおすすめから


書名しょめい:『一さつのおくりもの』
著者ちょしゃ:森山 京/作 鴨下 潤/絵  
出版社
 しゅっぱんしゃ
:講談社
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 クマのクマタにはお気に入りの絵本が1冊あります。その絵本の名前は『かいがらのおくりもの』。もう何度も読んでいるので文は全部覚えています。
 ある日、大雨が降り続いたせいで山の向こうのふかみどり村では川の水があふれだし、村のあちこちが水びたしになってしまいました。学校で寝泊まりしている子供たちもいます。クマタや友達のモンジたちは何かしてあげたくて本を贈ることにしました。クマタは『かいがらのおくりもの』以外を選ぶつもりでしたが、他は汚れのある本ばかり。よくよく考えて『かいがらのおくりもの』を贈ることに決めました。本がなくなりさびしくてしかたがないクマタでしたが、十日あまりたった頃、一通の手紙が届いて・・・。
 最後はほっこりとあたたかい気持ちになれます。
クマタのように誰かのためを思って行動することは、あとからくる思いがけない喜びにつながることにもなります。人を思いやる心を教えてくれる一冊です。

6月6日のおすすめから


書名しょめい:『世界を救うパンの缶詰』
著者ちょしゃ:菅 聖子/文 やました こうへい/絵  
出版社
 しゅっぱんしゃ
:ほるぷ出版
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 皆さんは、「パンの缶詰」のことを聞いたことがありますか。「乾パンのように長く保存ができて、やわらかくて、おいしいパンがあったらいいな」という阪神淡路大震災の被災者の声がきっかけとなって作られました。
 パン職人の秋元さんの「自分にできることで皆を幸せにしたい」という思いが缶いっぱいに詰まっています。宇宙飛行士の若田光一さんが、スペースシャトル「ディスカバリー号」で食べられていた姿をテレビで見られた方も多いのではないでしょうか。
 「あきらめなければ、失敗ではない」と、パンの缶詰を待ってくれている人たちのために研究を重ね、あきらめずに完成させた秋元さんの情熱や、今まで存在しなかったものを生み出すことのすばらしさ、「食べるものがなくて困っている人に、甘くておいしいと思う瞬間を味わってほしい」という秋元さんの思いに胸が熱くなります。
 小さなパン屋さんが世界の人たちの心を満たす。そんな奇跡のような物語を読んでみませんか。