小中学生へおすすめ!

児童書のおすすめ本(9月1日)

書名 しょめい : ブロッケンの森のちっちゃな魔女

著者 ちょしゃ :アレクサンダー・リースケ/原作 ももろ/絵 西村 佑子/訳・翻案 

出版社 しゅっぱんしゃ : 静山社


 ドイツのブロッケン山に住む小さな魔女ミニーは、森のどうぶつたちと静かに暮らしています。ある日、旅人のハイネさんとの出会いをきっかけに、「よい魔女になる!」と決意したミニーは、熱心に魔女の勉強に励みながら、まだ見ぬ世界へと興味を広げていきます。
 やがて、魔女の試験や数々の出来事を経験して少しずつ成長していくミニー。果たしてミニーは、「よい魔女」になることができるのでしょうか?
 物語の中には、ドイツの地名や食べ物、そして有名な人物も登場します。異国の雰囲気を楽しみ、どんな人物が登場するのか想像しながら読んでみるとより楽しめるはずです。ももろさんの描く温かみのある絵とともに、心がほっとするひとときを味わえる一冊です。ぜひ読んでみてください。

 

児童書のおすすめ本(8月25日)

書名 しょめい : チャーリーとフロッグ 手話の町の図書館となぞのメッセージ

著者 ちょしゃ : カレン・ケイン/著 根本美由紀/訳

出版社 しゅっぱんしゃ : 岩崎書店


 チャーリーは10歳の男の子。彼の両親は動物保護の仕事で世界中を巡っていて、動物たちを驚かさないよう手話の指文字を使うことがあります。このため、チャーリーも手話の指文字を自然と覚えています。
 ある日、チャーリーは町の図書館で手話を使う小柄なおばあさん、アギーと出会います。しかし、アギーはすぐに2人組の男に追われて行方不明になってしまいました。アギーの残したなぞのメッセージを解くため、チャーリーはキャッスルろう学校にいる女の子、フロッグを訪ね、事件を解決すべく、2人で捜査を開始しました。チャーリーは指文字や筆談でフロッグとコミュニケーションを取りつつ、手話も覚え始めたところです。さて、事件は解決するのでしょうか?消えてしまったアギーは無事なのでしょうか?
 「手話×図書館×ミステリー」という異色の組み合わせのお話が、あなたを冒険へと誘います。

児童書のおすすめ本(8月18日)

書名 しょめい : キミの「なぜ」も世界を変える!? ものすごい研究図鑑

出版社 しゅっぱんしゃ : Gakken


 世の中には、まだ解き明かされていないことがたくさんあります。本書では、身近ななぜ?どうして?を解明すべく、さまざまな研究に取り組んでいる12人の先生たちを紹介しています。
 例えば「余った白菜で環境にやさしいコンクリートを爆誕させちゃった先生」や、「ジブリ映画で観た飛行機にあこがれて空の交通整理に取り組む先生」など、目次を見ただけで興味が湧いてきます。なぜその研究をしようと思ったのか、どんな子ども時代だったのか、出会いや挫折、研究の様子や詳しい内容も写真やイラストで分かりやすく解説されています。
 「研究」というと少し堅苦しいような感じもしますが、この本を読み進めていくと、興味があることをとことん突き詰めていくワクワク感が伝わってきます。
 特に先生方からのメッセージは、これから先の進路に迷っているみなさんの背中を、きっと押してくれることでしょう。

児童書のおすすめ本(8月11日)

書名 しょめい : この本をかくして

著者 ちょしゃ : マーガレット・ワイルド/文 フレヤ・ブラックウッド/絵 アーサー・ビナード/訳

出版社 しゅっぱんしゃ :岩崎書店


 ピーターの街の図書館は、戦争で爆弾を落とされ、焼けてしまいました。人々は思わず立ちどまり、爆風で舞い散るページのかけらに手を伸ばします。図書館にあった全ての本は失われ、無事だったのはピーターのお父さんが借りていた一冊の本だけでした。
 たった一冊残った赤い表紙の本。お父さんはその本を、金よりも銀よりも宝石よりも大切な宝物だと言いました。本には、家族や国の大切な記憶や歴史が刻まれていました。
 その後ピーターたちは街を追われ、行くあてもなくさまようことになります。
 やがて、お父さんは力尽き、重い本はピーターの手に託されます。ピーターと赤い本は、どんな運命をたどるのでしょうか。
 これは遠い国の図書館のお話ですが、世界のどこでも起こり得ることです。
 だからこそ、あなたの近くにある図書館の、歴史や文化を伝える本の棚を、そっとのぞいてみてほしいのです。金や宝石よりも、ずっと大切な宝物がそこにあるかもしれません。

児童書のおすすめ本(8月4日)

書名 しょめい : とびきりおいしいおうちごはん 小学生からのたのしい料理

著者 ちょしゃ : 野村 友里/著

出版社 しゅっぱんしゃ :小学館クリエイティブ


 8月4日は、8(栄)と4(養)と読む語呂合わせから、日本栄養士会が定めた栄養の日です。
 私たちは毎日、食事から大切な栄養をとって元気に過ごしています。ふだんは家族に料理を作ってもらっているという人も、自分でごはんを作ってみませんか?
 この本は、はじめて料理をする人でもわかりやすい、簡単でおいしいレシピを紹介しています。調理の手順がすべて絵で表現されているので、まるで絵本を読むように、ワクワクしながら楽しく作ることができます。
 すぐに挑戦できる卵料理をはじめ、卵焼き器で作るたこ焼きや、皮から作るもちもちの水餃子など、作ってみたくなるメニューがたくさん紹介されています。
 さらに、レシピだけでなく、食材の知識や「おいしさ」の仕組みについても学ぶことができます。
 読めば、自然とキッチンに立ちたくなるはず。料理の楽しさを優しく教えてくれる一冊です。

児童書のおすすめ本(7月28日)

書名 しょめい : 走ってくれ、メロス。

著者 ちょしゃ : 海野 さやか/ほか著

出版社 しゅっぱんしゃ : Gakken


 物語には魅力的な主人公が多く登場しますが、読書をしていると、思わず心をひかれる脇役に出会うことがあります。
 表題の 『走ってくれ、メロス。』は、メロスの代わりに人質となったセリヌンティウスの視点で物語が進みます。原作『走れメロス』
(太宰 治/著)ではほとんど語られることのなかった、セリヌンティウスの不安や葛藤が描かれています。
 本書には、この作品を含む五つの短編が収録され、すべて脇役の視点で描かれています。原作を知らない人には親しみやすい導入となり、原作を知る人には新鮮な発見があるかもしれません。視点が変わることで広がる物語の奥行きを楽しめる一冊です。
 これまで青春訳名作シリーズとして、『古事記』や『論語物語』をアレンジした作品も刊行されていますので、シリーズ全体を通して読むのも楽しいですよ。

児童書のおすすめ本(7月21日)

書名 しょめい : 千年先のあなたへ

著者 ちょしゃ :佐藤 まどか/作 佐藤 真紀子/絵 

出版社 しゅっぱんしゃ : BL出版


 主人公の杏の姉・花梨は、神社や寺院の建築•修理を専門とする「宮大工」として働き始めます。厳しい職人の世界へ飛び込んだ姉が心配になった杏は、仕事場へ見学に行くことにしました。そこで杏が目にしたのは、真剣なまなざしで仕事に取り組む姉の姿でした。
 日本最古の木造建築である法隆寺は、千年以上たった今もその姿をとどめています。それを支えているのが、宮大工をはじめとする職人たちが代々受け継いできた伝統の技です。この技は、2020年に「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」としてユネスコの無形文化遺産に登録され、世界で認められました。何代にもわたって職人たちが大切に守ってきたからこそ、私たちは今も千年前の建物を見ることができるのです。
 みなさんも神社や寺院に行ったときは、ぜひ建物の細部まで見てください。きっと、千年先へとつながる職人たちの想いを感じ取ることができますよ。

児童書のおすすめ本(7月14日)

書名 しょめい : 土偶

著者 ちょしゃ : 山田 康弘/著

出版社 しゅっぱんしゃ : スタジオタッククリエイティブ


 土偶は、縄文時代に作られた土を素焼した人形です。表紙にもある、ゴーグルをかけたような遮光器土器は、教科書などで目にしたことがあると思います。土偶と似たものに埴輪がありますが、こちらが作られたのは古墳時代。縄文時代と古墳時代は600~700年ほど間が空いているので、制作時期が違います。ちなみに、その間の弥生時代に栄えたのが、みなさんもご存じの、吉野ケ里遺跡ですね。
 さて、縄文時代は1万年以上も続いたので、土偶の作られた時期や地域によって形や模様が違います。この本は、その変遷や各地域の代表的な土偶について写真やイラストつきで解説しています。なかには、これも土偶? というものも。さまざまな土偶の謎を通して、縄文時代のことも詳しく知ることができる一冊です。
 巻末には、土偶を見ることができる博物館が紹介されています。不思議でユーモラスな土偶を見に出かけてみませんか。

児童書のおすすめ本(7月7日)

書名 しょめい : わたしは書体デザイナー

著者 ちょしゃ : 高田 裕美/著

出版社 しゅっぱんしゃ : Gakken


 著者である高田裕美さんは、書体デザイナー。その人の持つ特性や身体的理由によって文字を読みづらいと感じる人に、少しでも読みやすい書体を届けたいと考え、8年の月日をかけて新しい書体をデザインしました。その思いから生まれたのが、表紙にも使われている「UDデジタル教科書体」です。
 高田さんは、これまでの書体に対して読みづらさを感じている人々に直接話を聞き、制作に活かしました。自分の持っている感覚だけに頼らず、相手の声に耳を傾けることは、何かを作る場面に限らず大切なことかもしれません。
 熱意は実り、読み書きの困難な子どもたちだけでなく、多くの人にとって読みやすい書体が誕生しました。一人ひとり考え方や感じ方が違うからこそ、意見を交わしてより良いものを生み出すことができます。高田さんが書体のデザインを通して学んだ「みんなが話し合ってみんながより幸せになる方法を考えよう」という姿勢があなたにもきっと届くはずです。

児童書のおすすめ本(6月30日)

書名 しょめい :小川未明童話集

著者 ちょしゃ : 小川 未明/著

出版社 しゅっぱんしゃ :世界文化社


 小川未明は、日本のアンデルセンと言われる日本近代童話の先駆者です。
 この童話集の中でも『赤いろうそくと人魚』は、未明の最高傑作と言われ今も読み継がれる名作です。
 冷たい北の海に住む人魚は、人間の町で幸せになってほしいと、海岸にある町のお宮で子どもを産みます。その子はろうそく屋の老夫婦に拾われ、大切に育てられ美しい娘に育ちます。娘はろうそくに絵を描き、それが評判になり店は繁盛します。
 しかし、老夫婦は香具師にだまされ、大金に目がくらみ娘を売ってしまいます。貧しくても優しかった人たちが、金によって変わっていく姿は、人間の弱さを残酷に描いています。
 未明は、童話は単なる教訓ではなく大人にも響く芸術性が必要だという考えをもち、幻想的な美しい文章の中に社会的批判を込めた作品を書き続けました。この本に収められた12編のお話を読んで、その哲学を感じてみませんか。

児童書のおすすめ本(6月23日)

書名 しょめい : これだけは知っておきたい岩石・鉱物図鑑

著者 ちょしゃ : デヴィン・デニー/著 小田島 庸浩/監修・訳

出版社 しゅっぱんしゃ :パイインターナショナル


 先日、友人から旅行のお土産にブラジル産のホワイトクオーツをもらいました。日の光をあてると虹色に輝くところが気に入って、大切にしています。私はこの石のことがもっと知りたくなり、図書館の本で調べてみることにしました。
 クオーツ(Quartz/石英)は「ケイ酸塩」に分類される鉱物です。石英は結晶の形がはっきりとしない細かなものであれば、ほとんどの岩石に含まれています。結晶の形が板・柱状の石英を水晶と呼ぶ場合が多く、そこに不純成分が加わると、色や見た目の特徴が違うさまざまな種類へと分かれていきます。
 この図鑑は、代表的な72種類の岩石や鉱物をピックアップし解説しています。原書は子どもから大人まで楽しめる図鑑を数多く出版する英国DK社によるものなので、とにかく写真が高品質で美しい!
 地球の中で長い年月をかけてできあがる、世界にたった一つの岩石や鉱物。この本はきっと、あなたの知的好奇心を刺激してくれるはずです。

児童書のおすすめ本(6月16日)

書名 しょめい : 中三・ラプソディ

著者 ちょしゃ : 花里 真希/著 

出版社 しゅっぱんしゃ : 講談社


 中学生、最後の合唱コンクールでクイーンの名曲『ボヘミアン・ラプソディ』を歌うことになった季里。季里にとってこの曲は失踪した父との思い出の曲でした。ところが、優等生の季里は実は歌うことが苦手。音痴を隠したまま練習を続けることに悩む季里の前に突然フレディ・マーキュリーが現れました。寄り添うように季里を励ましてくれるフレディ。その正体は?   
 合唱の練習は歌もクラス全体もまとまらず上手くいきません。地味だけど指揮者に立候補した颯太、クラスで少し浮いているピアノ伴奏の杉浦さん、真面目に練習をしようとしない河内。クラスメイトたちも何か事情を抱えているようです。 
 最後の練習日、遅刻した河内に激怒した杉浦さんがピアノ伴奏を放棄して…。
 季里は、周囲の人の振る舞いや考えに触れることで優等生の自分の在り方に疑問を持ち始めます。
 それぞれが本来の自分をさらけ出し、意外な面を共有する事で皆が一歩前進する青春の物語です。

児童書のおすすめ本(6月9日)

書名 しょめい : スマイルサッカー

著者 ちょしゃ : ミッチーコーチ・杉山詩音/文 杉山 詩音/文 多屋 光孫/絵

出版社 しゅっぱんしゃ : 合同出版


 誰もが自由にサッカーを楽しむことが出来る! それがスマイルサッカー教室。左の手足が不自由な女の子、主人公のしおんは、そこでのびのびとサッカーを楽しんでいます。この教室は他の教室と違い、最初からできないだろうと決めつけて、しおんを止めることはありません。障がいがあったとしても特別扱いはしないのです。
 この教室の特徴は他にもあります。コーチのミッチーが教室に参加するすべての子どもたちのいいところをみつけることで、楽しくサッカーができるように導きます。サッカーを楽しめたという一つの自信が、子どもたちの次のやる気につながるのです。
 さて、しおんはこれからどんなことに挑戦していくのでしょう? 障がいのあるなしにかかわらず、みんなが笑顔で生きていける、そしてお互いが分かり合える社会、この絵本がそんな未来を考えるきっかけになるといいなと思います。

児童書のおすすめ本(6月2日)

書名 しょめい : はじめてのファッション 2 自分に似合う色はなに?

著者 ちょしゃ :木本 晴美/監修

出版社 しゅっぱんしゃ : 汐文社


 「ファッション」という言葉で思いつくものは何ですか?この本はファッションについて特に色や柄に注目した一冊です。
 色とファッションに関係する考え方にパーソナルカラーがあります。パーソナルカラーとは、髪や瞳、肌の色など、その人が生まれ持つ色と調和する色で、色相、明度、彩度の特徴により、春、夏、秋、冬にグループ分けされています。

 なかでも色相については、肌の印象に関わるイエローベース、ブルーベースという考え方が取り入れられています。最近では、「イエベ」、「ブルべ」という言葉もよく聞かれますね。自分のパーソナルカラーを知るためにはチャートなどで自己診断したり、プロの診断を受けたりする方法があります。
 好きな色を大切にするのもおしゃれのひとつ。そこにパーソナルカラーを取り入れて、自分をさらに魅力的に豊かに表現できるようになり、おしゃれがより楽しくなります。

児童書のおすすめ本(5月26日)

書名 しょめい : みんなが知りたい!ノーベル賞

著者 ちょしゃ : ノーベル賞学習研究会/著

出版社 しゅっぱんしゃ : メイツユニバーサルコンテンツ


 みなさんは、「ノーベル賞」を知っていますか?ノーベル賞とは、ダイナマイトを発明したアルフレッド・ノーベルの遺言から創設された栄誉ある賞です。六つの分野に分けられ、歴史的な発明をした人、世界中の人々の心に残る本を書いた人らに贈られます。日本人で受賞した人も数多くいます。

 例えば、iPS細胞を発見したことで受賞した山中伸弥さんです。この発見は、たくさんの人の病気やけがを治す画期的なものとしてとても高い評価を受けました。
 実は、ノーベル賞受賞に関する推薦内容や候補者の名前は50年間秘密にされているそうです。少し長い気もしますが、公開されるときが楽しみですね。
 この本ではノーベル賞の概要だけでなく、受賞者の小話もたくさん載っており、この1冊でノーベル賞について詳しく知ることができます。ぜひ読んでみてください。
 

 

児童書のおすすめ本(5月19日)

書名 しょめい : 金曜日のあたしたち

著者 ちょしゃ : 濱野 京子/作

出版社 しゅっぱんしゃ :静山社


 入試の失敗で目的を失った陽葵が街角で出会ったのは、志望先だった櫻木学園「環境問題研究会」のスタンディング(デモ活動)。活動する水沢や絢たちに、自分を拒否した高校への劣等感から素直になれない陽葵でしたが、教えられた気候変動のタイムリミットや気候危機の現実に興味をおぼえ自分でも調べ始めます。時々カチンとくるような上から目線の水沢に甘酸っぱい想いが絡んだりしますが、やがてまっすぐに自分たちの未来を考え始めた陽葵には、徐々に仲間が増えていきます。自分たちの未来を自分たちで考えようと文化祭で地球環境の危機をテーマにみんなに訴えることに挑戦します。
 陽葵の気持ちよいほどの成長ぶりに加えて、真剣に環境問題に向き合う同級生や櫻木学園の活動家たち。こんな若者たちがいれば地球も少しは救われるかもしれないと思えます。
 今の生活を見直しながら陽葵と同世代の人達に読んでほしい1冊です。

 

児童書のおすすめ本 (5月12日)

書名 しょめい : オポッサムはないてません

著者 ちょしゃ : フランク・タシュリン/文・絵 小宮 由/訳

出版社 しゅっぱんしゃ : 大日本図書


 これは、いつもニコニコと笑っている、オポッサムというちょっと不思議な生き物のお話です。
 ある日、オポッサムが笑顔で木にぶらさがっていると、通りがかった人間たちが、「悲しそうにしていてかわいそうだ」とさわぎはじめます。
 人間たちはポッサムを笑わせようとしますが、オポッサムはちっとも悲しくなんてありません。笑顔で木にぶらさがっているだけなのです。自分が悲しくないことを、どんなに説明しても、話を聞いてもらえません。人間たちは、とうとうぶら下がっている木ごと、オポッサムを町へ連れていってしまいました。
 オポッサムはどうなってしまうのでしょうか?
 何が幸せかは人それぞれで、勝手な思い込みは時に誰かを傷つけてしまうこともあります。
 オポッサムと人間たちのまったく伝わらないやり取りがユーモラスで、不思議な後味が残る、幸せについて考えさせられる一冊です。

児童書のおすすめ本 (5月5日)

書名 しょめい : はるのひ

著者 ちょしゃ :小池 アミイゴ/作・絵

出版社 しゅっぱんしゃ :徳間書店


 この本の主人公はこと君です。お父さんの畑で手伝いをしていると、森の向こうに煙が見えてきました。あの煙を見に行っていいか父親に聞くと、暗くなるまでに戻るよう言われます。こと君は煙を追いかけて畑をどんどんおりて行きます。土ぼこりが上がり、ズボンが汚れ、靴がびしょぬれになりました。森の中へ進むにつれ心細くなったこと君は、大きな声で「とーちゃん」と呼びました。すると、小さくですが、「おーい」と父親の声が聞こえ、安心した様子のこと君。深い森の中で父親の声が聞こえないのではないかと不安になったのです。
 皆さんも、小さいときにどこかに一人で行き、心細くなった経験はありませんか。子どもながらの好奇心と恐怖、そしてその様子を見守る親の愛情が絵本をとおして伝わってきます。父と子の呼びあう声が胸にひびく、心あたたまる絵本です。本の最後に描かれている肩車をされたこと君の表情をぜひ見てみてください。

児童書のおすすめ本 (4月28日)

書名 しょめい :100このタネがとんでった

著者 ちょしゃ :イザベル・ミニョス・マルティンス/文 河野ヤラ政枝/絵 木下 眞穂/訳

出版社 しゅっぱんしゃ :岩波書店


 ある日、まつぼっくりから100このタネが飛び出していきました。小さなタネたちは、道路や大きな石の上に落ちたり、鳥や動物に持って行かれたりと、ほとんどのタネたちはうまく育つことができません。
 残った少しのタネは、すくすく大きくなりましたが、水や栄養が足りずに1本だけに。そして、その1本の木もウサギに食べられてしまいます。
 100こもタネがあるのに、みんな大きくなれないのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。いくつかのタネはうまく大きくなることが出来ていたのです。いったい、どこでどうやって大きくなっていたのでしょう。
 この本に出てくるまつぼっくりのような飛ぶ形のタネ、とげで動物にくっつき遠くに運んでもらうタネなど、木がつくるタネにはさまざまな形があります。タネの形はうまく育つために工夫されていることがわかります。
みなさんの身の回りにある木は、どのような形のタネから大きくなるのでしょうか。ぜひ、調べてみてください。

児童書のおすすめ本 (4月21日)

書名 しょめい : だれか、ふつうを教えてくれ!

著者 ちょしゃ : 倉本 智明/著

出版社 しゅっぱんしゃ : 新曜社


 もし乗り物の中で白い杖を手に立っている人を見かけたとき、あなたならどうしますか。すぐに席をゆずりますか?それとも気づいてもそのままでいますか?
 視覚に障がいを持つ作者は、誰もが席をゆずられたいとは限らない、良かれと思ってしたことが本人の気持ちにそぐわないこともあると語ります。一方で、助けてほしいときに助けてもらえないこともあるのだ、と。
 世の中はバリアフリー社会を目指しています。ただ、障がいを持つ人の気持ちにそわないまま、健常者の「ふつうはこうだから」の気持ちでバリアフリー化を目指していることも多くあるようです。お互いにとっての「ふつう」のものさしがちがうこと、それに気づいたうえで行動すること、その大切さを作者のさまざまな体験をとおして、本音で教えてくれる本です。