小中学生へおすすめ!

児童書おすすめ(6月5日)



書名しょめい:『君が地球を守る必要はありません』

著者ちょしゃ:武田 邦彦/著 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:河出書房新社
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 皆さんは、SDGs(エスディージーズ:持続可能な開発目標)という言葉を、学校でも聞いたりしますよね。
個人的に、コロナ禍と言われるようになってからは、テレビを見ることが減ったのですが、たまに見るとSDGsと聞く回数が急に増えた気がします。(個人的な感想です。)17あるそのゴール(目標)の中では、気候変動やエネルギー問題についても、人類共通の問題だとされていますが、この本の作者は「地球が温暖化しているというけれど、本当は温暖化していないかも知れない。毎日は平凡に過ぎるけれど、真実は常に隠れている。自分で見破る力をつけるかつけないかで人生は大きく変わるものだ。」と述べています。国連とかWHOとか、まさか間違ったことは言わないと思いますが、真実は常に隠れているのかもしれません。



児童書おすすめ(5月29日)



書名しょめい:『ぼくの弱虫をなおすには』

著者ちょしゃ: K・L・ゴーイング/作       早川 世詩男/絵                 久保 陽子/訳                                                                

出版社 しゅっぱんしゃ:徳間書店
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  主人公のゲイブリエルはこわいものがたくさんあります。その中の一つは、5年生になること。5年生になると、一つ年上のいじめっ子と同じ校舎になるのです。ゲイブリエルは絶対に5年生にはならないと決意しますが、親友のフリータはこれに反対します。ゲイブリエルが弱虫じゃなくなるように作戦を考えようといいますが、ゲイブリエルには、そんな作戦があるとは思えません。次の日、フリータが考えた作戦は、ゲイブリエルがこわいと思っているものを全部書き出し、ひとつひとつ克服していき、克服したら線で消していくこと。リストにあるたくさんのこわいものに挑戦していきますが、ある日2人は仲たがいをしてしまいます。
弱虫なゲイブリエルは強くなり、5年生になる決心はできるのか、2人は仲直りできるのか、そして、ゲイブリエルが気づいた大切なこととは…。




児童書おすすめ(5月22日)



書名しょめい:『青春サプリ。』

著者ちょしゃ:日比野 恭三/文 田中 夕子/文 青木 美帆/文 くじょう/絵 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:ポプラ社
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 青春…人生の春にたとえられる若い時代。
サプリ(サプリメント)…補うもの。特に栄養補助食品をいう。(『日本国語大辞典』より)
運動部、文化部にかかわらず、全国の部活で活躍する“英雄たち”にスポットが当てられたこの本。英雄とは言っても、輝かしい記録を残した特別な人というわけではありません。そう、みんなが主人公で英雄。もちろん、今これを読んでくださっているあなたもね。
 ストーリーはすべて実話で、悩み、立ち向かう姿には、現役中高生のみなさんは共感して一緒につらく感じることがあるかもしれません。そして、乗り越える姿には勇気をもらい、読後は爽快な気分になることでしょう。チアリーダー部、バレー部、バスケットボール部など、1冊に5つのショートストーリーが入っていて、現在7冊が発行されています。気軽に興味あるストーリーから読むことができるのも魅力のひとつです。
心の栄養に「青春サプリ。」を。

 

児童書おすすめ(5月15日)


書名しょめい:『ようこそ!葉っぱ科学館』

著者ちょしゃ: 多田 多恵子/写真・文 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:少年写真新聞社
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 葉っぱをじっくりと観察したことはありますか?葉っぱのつけ根から伸びている柄の部分を、「葉柄(ようへい)」といいます。葉柄は、葉に光が当たるように、向きを変えたり場所によって長さを調節したりと、大切な役割を持っています。
 厳しい環境で育つ植物にも、特徴があります。ジムカデという植物は、本州や北海道の高山で、夏は乾燥と少ない栄養に耐えて、冬は雪に囲まれた中育ちます。葉はわずか2ミリメートルですが、とても厚くて丈夫。過酷な環境でも生き抜くことができる造りになっています。
 そんな頼もしい面を持っている植物も、しっかり休みをとる場面があります。昼は開いている葉っぱを閉じる「就眠運動」を行うのです。シロツメクサやヨモギも、夜になると同じように葉を閉じます。
 見たことのある植物にも、知らない部分がたくさんあります。本を開いて、新たな一面を見つけてみてください。外を歩くのも、ちょっぴり楽しくなるかもしれません。

児童書おすすめ(5月8日)


書名しょめい:『桃太郎は盗人なのか?』

著者ちょしゃ: 倉持 よつば 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:新日本出版社
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 一万円札にもなった福沢諭吉が「桃太郎は盗人だ」と非難(ひなん)したことを知った著者は、桃太郎が正義の味方であることを証明するために200冊以上の本を読みます。おどろくことに江戸時代から明治時代初期の桃太郎は「鬼退治をする理由もなく、宝ものを取りに行く」というお話でした。鬼が悪者という理由付けがされたのは1894年(明治27年)頃です。当時の世相を反映した桃桃太郎が現在のお話にも影響(えいきょう)を与えているといいます。また一方的に悪者だと思われている鬼とは何者なのか、その正体にせまっていきます。
 さてこの本、実は「第22回図書館を使った調べる学習コンクール」調べる学習部門小学生の部(高学年)で文部科学大臣賞を受賞した作品です。これまで当然と思って受け入れてきたことに対する疑問(ぎもん)やナゾ、私たちの私たちの周りにもありませんか。
あと二ヶ月で夏休み!自由研究の前に読みたい1冊です。


児童書おすすめ(5月1日)


書名しょめい:『こども地政学』

著者ちょしゃ:バウンド    船橋 洋一/監修   


出版社
 しゅっぱんしゃ
:カンゼン
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 地政学とは、国々がともに平和と安定のために生きる知恵を学ぶことです。国際秩序が崩れるとき、平和が脅かされます。
世界の中で、日本はどんな特徴がある国でしょうか。国土は大きくありませんが、島国のため漁業等ができる排他的経済水域は世界6位の面積がある海洋国です。また食料や資源が足りなければ、貿易で不足を補ってきました。そして、国同士の位置が近い中国・韓国・ロシアとは国境問題を抱えています。
 現代では、軍事による争いが中心だった時代から、経済力を武器にする時代に変わってきました。世界は超大国のアメリカ・中国を中心に動いていて、経済規模世界3位の日本は両国にはさまれています。
世界を正しく見ることが、日本の未来を考えることになりそうです。

児童書おすすめ(4月24日)


書名しょめい:『びわ色のドッジボール』

著者ちょしゃ:もり なつこ/文 丹地 陽子/絵  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:文研出版
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 きっかけはたいしたことじゃない。でも胸の中がねばつくようないやな感じ。そもそもぼくは悪くない。クラスが勝つために一生懸命やっただけなのに!
 お昼休みのドッジボールをきっかけに学校に行けなくなった翼は、桜島近くのまちに住むおじいちゃんを訪ねます。そこにいた従妹のまいちゃんは、同級生の言葉をきっかけに一時期不登校になっていました。まいちゃんに会って自分の言ったことがどれだけ人を傷つけたのか気付いた翼は、周りの大人たちの助けを借りながら一生懸命考えます。表面だけでない本当の「ごめんなさい」ってどうすれば伝わるのかな。
びわは翼のおじいさんの家で生産している果物です。翼とおともだちが本当の仲直りをして、おじいちゃんの作った甘いびわを一緒に食べられますように。

児童書おすすめ(4月17日)


書名しょめい:『クマと仙人』

著者ちょしゃ:ジョン・ヨーマン/作 渡辺茂男・渡辺鉄太/訳 クェンティン・ブレイク/絵 


出版社
 しゅっぱんしゃ
:のら書店
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 おひとよしでうっかり者のクマがへまをして、とぼとぼと歩いて行った森の先に待っていたのは、住み込みの生徒募集の看板でした。
 教養ある仙人に誘われて、有能なクマになるべく弟子入りを決めたクマでしたが、授業の結果はさんざんなもの。舟こぎをすれば沈没し、料理の実習では顔もフライパンもすすだらけです。
 すべてがそんな調子でうまくいかないのですが、クマはちっともへこたれることなく、全力で課題に立ち向かいます。
 クマと仙人のユーモラスでとぼけたやりとりは、くすっと笑えて、新しい一歩を踏み出す勇気と元気をもらえます。
 どこまでもマイペースなクマを応援しているうちに、「私らしく明日も頑張ろう」とエネルギーがわいてくる一冊です。

児童書おすすめ(4月10日)


書名しょめい:『危機の現場に立つ』

著者ちょしゃ:中満 泉/著  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:講談社
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 国連」「難民」「国際社会」などと聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか?なんか難しそう、授業で習う言葉、など自分の知らないどこかのことのように感じるかもしれません。
 この本は、国連で働くためには・・と言うハウツウ本ではありません。飛行機で数時間のところにある世界の出来事や、一人の日本人が選んだ仕事の一部、そして、彼女の人生をかいまみる本です。
 検索さえすれば何かしらの答えが見つかる世の中です。では、自分の仕事は?どうやって世界と関わっていく?そう簡単に答えが見つからないこともありますよね。日本では「特別なこと」でも自分の周りではごく普通のことという中満泉さんの日常を通じて、あなたが自分の近い未来について、考えるきっかけになればいいなと思います。人生の当事者として、自分で考え、伝えていく力を培いましょう。

児童書おすすめ(4月3日)


書名しょめい:『ロサリンドの庭』

著者ちょしゃ:エルサ・ベスコフ/作 菱木 晃子/訳 植垣 歩子/絵  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:あすなろ書房
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 家にひとりでいるとき、みなさんは何をして過ごすでしょう。
 ラーシュ・エリックは、お母さんとふたりで屋根裏部屋に住んでいます。病気がちなので、お母さんが仕事に行っている間はベッドで壁紙をながめて過ごします。壁紙には、めずらしい花がたくさん描かれていました。ひとりぼっちのラーシュ・エリックにとって、この壁紙をながめることだけが楽しみなのです。
 ある日、お母さんが出かけると、壁に小さなドアがあらわれ、壁紙と同じもようのワンピースを着た女の子が出てきました。ロサリンドと名のった女の子は、壁紙の花にせっせと水をやります。壁紙の木にのぼったり、壁紙の鳥の卵で料理をしたり、ロサリンドと過ごすうちに、ラーシュ・エリックはみるみる元気になっていきました。
 この本をとおして、ひとりで過ごす時間、友人と過ごす時間について考えてみてください。

児童書おすすめ(3月27日)


書名しょめい:『とつぜんつらいことがおきたら』

著者ちょしゃ:オナー・ヘッド/文 川野 太郎/訳  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:岩崎書店
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 皆さんは、おうちで学校で、ドキドキ・ワクワクの生活を送っているかと思います。
でもいろんなことが起こる毎日の中、ポジティブな感情だけではなく辛かったり、悲しかったり、心が落ち着かない状態になることもあるのではないでしょうか?
 そんな気持ちになってしまうのは自然で当たり前のこと。自分を責める必要はありません。
 この本には、もしこんなことが起こったら…、こんな気持ちになったら…を14の項目に分け、それぞれの感情の対処の仕方が簡単な言葉で書かれています。
心がしんどい時にページを開くと、縮こまった心をやさしく解きほぐしてくれます。
 また普段から心の持ちようについて考えていると、予想しなかったことが起こっても上手に対応できるかもしれません。
 もうすぐ新学期が始まります。新しい環境や、仲間に戸惑うこともあるでしょう。負けずにしなやかにたくましく成長してください。

児童書おすすめ(3月20日)


書名しょめい:『学習まんがこども武士道』

著者ちょしゃ:齋藤 孝/監修  ふわ こういちろう/まんが  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:日本図書センター
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 「武士道? 自分には関係ないな。」
 なーんて思ったそこのあなた。確かに時代は変わって武士はいなくなりましたが、今でも『武士道』は読み継がれています。今回紹介するこの本は、外国の人に日本を紹介するため1900年にニューヨークで出版された『武士道』(新渡戸稲造/著。前の5000円札に描かれた人です。)を子ども向けに分かりやすくまとめたものです。
 ・弱いこころを強くしたい!
 ・自分に自信がもてない…
 ・本当の礼儀って?
 ・勉強はなんのためにする?
昔の武士の生き様を示すだけではなく、今を生きる私たちにとっても参考になると思いませんか? 考え事をする時、ちょっと悩んだ時、なんだか落ち着かない時…「武士道」がすっと心に響くかもしれませんね。
 グローバルな時代を生きるみなさん。あなたの生き方でその大きな羽をひろげてください。

児童書おすすめ(3月13日)


書名しょめい:『劇団6年2組』

著者ちょしゃ:吉野 万理子/作 宮尾 和孝/絵  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:学研教育出版
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 お別れ会の出し物で、劇をすることに決めた6年2組。演出をまかされた立樹と里夏が悩みに悩んで決めた演目は『リアルシンデレラ』。しかし継母と二人の姉の役がなかなか決まりません。継母が意地悪になったのには理由があるのか、魔法使いが親切にしてくれたのはなぜか、登場人物の気持ちを理解することが大切だと気付き、物語の背景をみんなで話し合います。
 登場人物の気持ちを考えることは、他人の気持ちを考えること。しだいにみんながお互いの気持ちを思いやるようになり、クラスがひとつになっていきます。
 演劇って人の心をひとつにする不思議な力があるんですね。自分ならどの役をしたいか考えながら読むとおもしろいかもしれません。

児童書おすすめ(3月6日)


書名しょめい:『ラストスパート!』

著者ちょしゃ:横山 充男/作 コマツ シンヤ/絵  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:あかね書房
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 小学校最後の春をむかえた翔と親友の正信。翔たちは、毎日楽しく過ごしていたが、それと同時に自分や学校のことで不満や焦りを感じていた。
 しかし、「四万十川花絵巻」や「四万十川ウルトラマラソン」などの祭りやスポーツ行事に全力を尽くす親たちの姿を見て、翔は「第四回小京都一条ジュニア駅伝大会」に出場することを決意する。
 元陸上部の征さんの指導を受け、翔や正信を含む5人は練習に励んでいく。途中トラブルがありつつも、みんなで乗り越え、それぞれの思いを胸に駅伝に挑む!
四万十川が流れる一条市を舞台に、実在する祭りやスポーツ行事を通して、少年たちが熱く成長していく様子を描いた物語。
町の人たちの祭りや行事に対する意気込み、人への思いやりなどが文章の節々から伝わり、読むたびに元気をもらえる1冊です。

児童書おすすめ(2月27日)


書名しょめい:『香りと歴史7つの物語』

著者ちょしゃ:渡辺 昌宏/著  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:岩波書店
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 古代の遺跡や美しい絵画など、私たちに歴史を教えてくれるものは数多くあります。形に残らない『香り』も実はそのひとつです。
この本ではそんな香りにまつわる7つのエピソードを通して、香りが人類の歴史の中でどのような役割をはたしてきたのかを紹介しています。
 紹介されている香りのひとつにバラの花の香りがあります。その歴史はとても古く、2000年以上前の紀元前の時代から物語に登場しています。その用途はただ花の香りを楽しむだけではなく、薬や料理、ワインなどにも使われていたようです。現代では香りの成分を解析するために、宇宙での実験も行われています。
 古代ローマの皇帝や織田信長などの歴史上の人物を魅了した香り、幕末の日本にただよった西洋の香りなど、様々な香(かぐわ)しい歴史の物語に思いを馳せてみませんか?

児童書おすすめ(2月20日)


書名しょめい:『アリになった数学者』

著者ちょしゃ:森田 真生/文 脇阪 克二/絵  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:福音館書店
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 「ぼくは、アリになってしまった」という言葉から始まるこのお話。どんなことが彼に起こったのでしょうか。
 題名から分かるように彼の職業は数学者。でも、「数学」と「算数」って何が違うの?って思いますよね。辞書で調べてみると、数や図形を便利に使う方法を教えてくれるのが「算数」で、数や図形とは何か?ということを考える学問が「数学」と書かれています。
 この本の中でアリは、「わたしたちにとっての数は、人間の知っている数とはちがう。色や輝きや動きがあるの。まぶしいくらい白い1もあれば、すばやくて青い1もある。人間にわかることばで説明するのはむずかしいけれど、数はたえずうごいているし生きている」と言います。人間とアリの世界の数は、違うようですね。
皆さんも、自分がアリになった姿を空想して、数にふれてみませんか。数の美しさ、楽しさを感じられるかもしれません。

児童書おすすめ(2月13日)


書名しょめい:『ジャコのお菓子な学校』

著者ちょしゃ:ラッシェル・オスファテール/作 ダニエル遠藤みのり/訳
風川 恭子/絵岡田 淳/文 植田 真/絵  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:文研出版
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 フランスの小学生ジャコは、食べることが大好きで勉強は苦手です。ある日、図書館でクッキーのレシピ(調理法)を見たジャコは、生まれて初めてのお菓子作りにチャレンジ。室温って何度?75gってどのくらい?勉強嫌いのジャコにとって、レシピに出てくる言葉や単位は分からないものだらけ。だけど、「自分で作って食べてみたい!」という強い思いにつき動かされ、周囲の人の助けをかりて、なんとかクッキーを焼き上げます。
「こんなにおいしいクッキーは初めて!」初めて作ったクッキーに感動したジャコは、お菓子作りに夢中になります。
チョコレートムース、サブレ、ブラウニー・・・。おこづかいをやりくりしながら、レシピ通りに材料をそろえ、分量を量ったり切り分けたり。大好きなお菓子作りを続けるうち、ジャコにある変化が・・・。
 おいしそうなお菓子だけでなく、フランスの学校や家庭の様子が描かれているところも面白い本です。

児童書おすすめ(2月6日)


書名しょめい:『文様えほん』

著者ちょしゃ:谷山 彩子/作  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:あすなろ書房
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 コロナ禍において大ヒットした漫画・アニメ映画『鬼滅の刃』。主人公の竈門炭治郎が身につけている羽織にあしらわれた黒と緑の「市松模様」は、マスク等のデザインに採用され、街中でよく見かけるようになりました。
 そもそも市松模様は日本の伝統的な文様のひとつです。日本の文様の歴史は、縄文時代までさかのぼるといわれています。器や人形に身近な道具で模様をつけたのが始まり…。時代の流れとともに、点や直線・曲線で描かれたたくさんの文様が生み出されました。
 ところでみなさん、文様は日本だけでなく、海外にもあるってこと、知っていましたか?この本では各国の文様で彩られた「世界地図」が紹介されていて、海を越えた交流の歴史の中で、様々な影響を受け、形を変えながら大切に継承されてきた様子がわかります。
 あなたの近くにある模様にはどんな歴史や意味が隠されているのでしょう。そんな想像をしながら「文様探し」をしてみると面白いですよ。

児童書おすすめ(1月30日)


書名しょめい:『チョコレートのおみやげ』

著者ちょしゃ:岡田 淳/文 植田 真/絵  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:BL出版
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 小学5年生の女の子ゆきは、ゴールデンウィークに母親の妹のみこおばさんと神戸デートに行きます。
 異人館や港をまわったあと、2人は港の公園のベンチで一休み。途中で買ったチョコレートの箱を開けます。箱の中には赤や青や緑色の紙に包まれたチョコレートが六つ入っていました。ゆきは緑、おばさんは青のチョコレートをつまみ、口に入れました。舌の上でかたまりがゆっくり溶けていきます。
「時間がとけていくみたい」
 そう言って、おばさんがふいに話してくれたのは、風船売りの男とその相棒のニワトリの話で…。
 ゆきとみこおばさんの2人が紡ぐ、優しい物語。めくりごたえのある分厚い紙とページをめくるたびに現れる、植田真さんの描く挿絵は1枚の絵画のようで物語を美しく彩っています。
 物語を紡ぐ楽しさを感じられる1冊です。

児童書おすすめ(1月23日)


書名しょめい:『消えゆくくらしのモノ事典』

著者ちょしゃ:岩崎書店編集部/編著  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:岩崎書店
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 時代とともに、技術が発達し、私たちの周りには便利な道具が増えていきます。新しいものに目が行きがちですが、この本では、以前活躍したものの、だんだんと姿を見せなくなっていった道具に着目しています。  
 登場するものの一つが、町の中でときどき見かける黄緑色の公衆電話です。この色の電話が登場する前に、黄色や青色の公衆電話も設置されていました。
 知っている道具もあれば、目次に並ぶ名前だけでは、ピンとこないものも多いかもしれません。この本の中では、道具の始まりから、使われなくなっていった理由、かわりに広まっていった新たな道具についても触れられています。初めて目にしたものがあったら、そういった部分にも注目して、ページをめくってみてください。
 見る人によって懐かしく感じたり、新鮮に感じたりと、捉え方はさまざまです。お父さん・お母さんや、おじいちゃん・おばあちゃんのように、違う世代の人と一緒に読んでも楽しめる1冊です。