小中学生へおすすめ!

児童書おすすめ(3月6日)


書名しょめい:『ラストスパート!』

著者ちょしゃ:横山 充男/作 コマツ シンヤ/絵  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:あかね書房
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 小学校最後の春をむかえた翔と親友の正信。翔たちは、毎日楽しく過ごしていたが、それと同時に自分や学校のことで不満や焦りを感じていた。
 しかし、「四万十川花絵巻」や「四万十川ウルトラマラソン」などの祭りやスポーツ行事に全力を尽くす親たちの姿を見て、翔は「第四回小京都一条ジュニア駅伝大会」に出場することを決意する。
 元陸上部の征さんの指導を受け、翔や正信を含む5人は練習に励んでいく。途中トラブルがありつつも、みんなで乗り越え、それぞれの思いを胸に駅伝に挑む!
四万十川が流れる一条市を舞台に、実在する祭りやスポーツ行事を通して、少年たちが熱く成長していく様子を描いた物語。
町の人たちの祭りや行事に対する意気込み、人への思いやりなどが文章の節々から伝わり、読むたびに元気をもらえる1冊です。

児童書おすすめ(2月27日)


書名しょめい:『香りと歴史7つの物語』

著者ちょしゃ:渡辺 昌宏/著  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:岩波書店
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 古代の遺跡や美しい絵画など、私たちに歴史を教えてくれるものは数多くあります。形に残らない『香り』も実はそのひとつです。
この本ではそんな香りにまつわる7つのエピソードを通して、香りが人類の歴史の中でどのような役割をはたしてきたのかを紹介しています。
 紹介されている香りのひとつにバラの花の香りがあります。その歴史はとても古く、2000年以上前の紀元前の時代から物語に登場しています。その用途はただ花の香りを楽しむだけではなく、薬や料理、ワインなどにも使われていたようです。現代では香りの成分を解析するために、宇宙での実験も行われています。
 古代ローマの皇帝や織田信長などの歴史上の人物を魅了した香り、幕末の日本にただよった西洋の香りなど、様々な香(かぐわ)しい歴史の物語に思いを馳せてみませんか?

児童書おすすめ(2月20日)


書名しょめい:『アリになった数学者』

著者ちょしゃ:森田 真生/文 脇阪 克二/絵  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:福音館書店
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 「ぼくは、アリになってしまった」という言葉から始まるこのお話。どんなことが彼に起こったのでしょうか。
 題名から分かるように彼の職業は数学者。でも、「数学」と「算数」って何が違うの?って思いますよね。辞書で調べてみると、数や図形を便利に使う方法を教えてくれるのが「算数」で、数や図形とは何か?ということを考える学問が「数学」と書かれています。
 この本の中でアリは、「わたしたちにとっての数は、人間の知っている数とはちがう。色や輝きや動きがあるの。まぶしいくらい白い1もあれば、すばやくて青い1もある。人間にわかることばで説明するのはむずかしいけれど、数はたえずうごいているし生きている」と言います。人間とアリの世界の数は、違うようですね。
皆さんも、自分がアリになった姿を空想して、数にふれてみませんか。数の美しさ、楽しさを感じられるかもしれません。

児童書おすすめ(2月13日)


書名しょめい:『ジャコのお菓子な学校』

著者ちょしゃ:ラッシェル・オスファテール/作 ダニエル遠藤みのり/訳
風川 恭子/絵岡田 淳/文 植田 真/絵  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:文研出版
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 フランスの小学生ジャコは、食べることが大好きで勉強は苦手です。ある日、図書館でクッキーのレシピ(調理法)を見たジャコは、生まれて初めてのお菓子作りにチャレンジ。室温って何度?75gってどのくらい?勉強嫌いのジャコにとって、レシピに出てくる言葉や単位は分からないものだらけ。だけど、「自分で作って食べてみたい!」という強い思いにつき動かされ、周囲の人の助けをかりて、なんとかクッキーを焼き上げます。
「こんなにおいしいクッキーは初めて!」初めて作ったクッキーに感動したジャコは、お菓子作りに夢中になります。
チョコレートムース、サブレ、ブラウニー・・・。おこづかいをやりくりしながら、レシピ通りに材料をそろえ、分量を量ったり切り分けたり。大好きなお菓子作りを続けるうち、ジャコにある変化が・・・。
 おいしそうなお菓子だけでなく、フランスの学校や家庭の様子が描かれているところも面白い本です。

児童書おすすめ(2月6日)


書名しょめい:『文様えほん』

著者ちょしゃ:谷山 彩子/作  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:あすなろ書房
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 コロナ禍において大ヒットした漫画・アニメ映画『鬼滅の刃』。主人公の竈門炭治郎が身につけている羽織にあしらわれた黒と緑の「市松模様」は、マスク等のデザインに採用され、街中でよく見かけるようになりました。
 そもそも市松模様は日本の伝統的な文様のひとつです。日本の文様の歴史は、縄文時代までさかのぼるといわれています。器や人形に身近な道具で模様をつけたのが始まり…。時代の流れとともに、点や直線・曲線で描かれたたくさんの文様が生み出されました。
 ところでみなさん、文様は日本だけでなく、海外にもあるってこと、知っていましたか?この本では各国の文様で彩られた「世界地図」が紹介されていて、海を越えた交流の歴史の中で、様々な影響を受け、形を変えながら大切に継承されてきた様子がわかります。
 あなたの近くにある模様にはどんな歴史や意味が隠されているのでしょう。そんな想像をしながら「文様探し」をしてみると面白いですよ。

児童書おすすめ(1月30日)


書名しょめい:『チョコレートのおみやげ』

著者ちょしゃ:岡田 淳/文 植田 真/絵  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:BL出版
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 小学5年生の女の子ゆきは、ゴールデンウィークに母親の妹のみこおばさんと神戸デートに行きます。
 異人館や港をまわったあと、2人は港の公園のベンチで一休み。途中で買ったチョコレートの箱を開けます。箱の中には赤や青や緑色の紙に包まれたチョコレートが六つ入っていました。ゆきは緑、おばさんは青のチョコレートをつまみ、口に入れました。舌の上でかたまりがゆっくり溶けていきます。
「時間がとけていくみたい」
 そう言って、おばさんがふいに話してくれたのは、風船売りの男とその相棒のニワトリの話で…。
 ゆきとみこおばさんの2人が紡ぐ、優しい物語。めくりごたえのある分厚い紙とページをめくるたびに現れる、植田真さんの描く挿絵は1枚の絵画のようで物語を美しく彩っています。
 物語を紡ぐ楽しさを感じられる1冊です。

児童書おすすめ(1月23日)


書名しょめい:『消えゆくくらしのモノ事典』

著者ちょしゃ:岩崎書店編集部/編著  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:岩崎書店
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 時代とともに、技術が発達し、私たちの周りには便利な道具が増えていきます。新しいものに目が行きがちですが、この本では、以前活躍したものの、だんだんと姿を見せなくなっていった道具に着目しています。  
 登場するものの一つが、町の中でときどき見かける黄緑色の公衆電話です。この色の電話が登場する前に、黄色や青色の公衆電話も設置されていました。
 知っている道具もあれば、目次に並ぶ名前だけでは、ピンとこないものも多いかもしれません。この本の中では、道具の始まりから、使われなくなっていった理由、かわりに広まっていった新たな道具についても触れられています。初めて目にしたものがあったら、そういった部分にも注目して、ページをめくってみてください。
 見る人によって懐かしく感じたり、新鮮に感じたりと、捉え方はさまざまです。お父さん・お母さんや、おじいちゃん・おばあちゃんのように、違う世代の人と一緒に読んでも楽しめる1冊です。

1月16日のおすすめから


書名しょめい:『きみを強くする50のことば』

著者ちょしゃ:工藤 勇一/著 佐々木 一澄/絵  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:かんき出版
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 突然ですが、みなさんは“大人になる”ってどういうことだと思いますか?
年をとること。学校を卒業して働くこと。いろんなことを一人でできるようになること。考えれば考えるほど、大人になるってなんだかちょっと大変そう……?
 とは言っても、みなさんもいつかは必ず大人になる時がやってきます。大人になるまでの時間をどうやって過ごしていくか。悩みや壁にぶつかった時に、どうやって乗り切ればいいのか。何かに挑戦する時、はたまた勉強が嫌になった時、どうしたらいいのか。その答えに繋がるかもしれないヒントが、この本にはたくさん書かれています。
 この新聞を読んでいる今この瞬間も、少しずつ大人に近づいているみなさんが、この本を通じて何かの手助けになるようなヒントと出合えますように。

12月26日のおすすめから


書名しょめい:『ありがたいこってす!』

著者ちょしゃ:マーゴット・ツェマック/さく わたなべ しげお/やく  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:童話館
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 貧しい不幸な男が、小さな家に8人の家族と住んでいました。ひと部屋しかない家の中は、男とおかみさんの言い争う声や、子どもたちのけんか騒ぎで割れんばかりです。狭さとうるささに耐えかねた男は、何か良い知恵はないものかと物知りのラビ(博士)に助けを求めに行きました。
 ラビのアドバイスは、ひなどりと、おんどりと、がちょうと、やぎと、うしを家の中に入れて一緒に暮らすというものでした。正気のさたじゃねぇと思いつつも、素直に従った男を待っていたのは、てんやわんやの地獄の喧騒でした。
 さて、男の悩みは解決されたでしょうか。
 皆さんにも、心の持ちようで物事が違って見えたことはありませんか。感じる力を磨いていけば、身近な日常に隠れている幸せとたくさん出会えるかもしれませんね。

12月19日のおすすめから


書名しょめい:『本屋さんのルビねこ』

著者ちょしゃ:野中 柊/作 松本 圭以子/絵  


出版社
 しゅっぱんしゃ
:理論社
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 ある日、本屋さんの本の上に積もったほこりが小さなかたまりになり、「みゃう」と声を上げ、ねこが生まれました。店主のモシモさんは、ねずみに間違えられるほどの小さな子ねこによみがなサイズの小さな活字の呼び名から「ルビ」と名付けました。
 モシモさんと本が大好きなルビは、モシモさんのお役に立ちたいと思い、看板ねこを目指します。トラのような食欲で朝食のミルクやトースト、ゆで卵を平らげたり、友達になった魚屋のねこのチップスと冒険に出かけたりして、体も心もどんどん成長していきます。
 想像力が豊かでピュアなルビ、モシモさん、チップス、そして本屋のお客さんとの会話が優しい言葉でつづられていて、なんともいえない温かい気持ちになれる一冊です。皆さんもルビの成長を一緒に見守りませんか?きっとルビから元気をもらえますよ。