小中学生へおすすめ!

10月27日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『お任せ!数学屋さん』
著者ちょしゃ:向井 湘吾 出版社しゅっぱんしゃ:ポプラ社
--------------------------------------------------------------------
 『将来の夢は数学で世界を救うこと』。転校初日にいきなりそんなあいさつをした神之内   宙 (じんのうちそら)。数字や公式を見るのも嫌なくらい数学が苦手な遥はその発言が全く理解できません。そんなあいさつをしたためクラスメイトから距離をおかれ孤立してしまいますが、宙はいたってマイペース。ある日『どんな悩みでも数学の力で必ず解決します!』という幟(のぼり)を掲げた謎の店、数学屋を開店させます。あまりにも不可解な行動にますます周りから距離を置かれてしまいますが、本人は全く気にしません。遥はそういう宙のことが気になりだして、ふとしたことから数学屋を手伝うことになりますが、数学が苦手な遥に果たして手伝いができるのでしょうか?
  生活の中に数学が役立つということを遥と一緒に発見して、数学の楽しさを味わってください。パズルのような謎が解けた時の爽快感は格別ですよ。


10月20日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『気がつけば動物学者三代』
著者ちょしゃ:今泉忠明 出版社しゅっぱんしゃ:講談社
--------------------------------------------------------------------
 子どもだけでなく大人にも人気の『ざんねんないきもの事典』。シリーズを通して監修されている著者は、お父さん、お兄さん、息子さん、ともに動物学者という動物一家の一員です。
  お父さんが持ち帰ってくるコウモリやヘビと一緒に生活し、床にはウンチがゴロゴロ転がっている家の中。休みの日に山に連れていってもらえば、野ネズミを罠でつかまえて、はく製にすることを習うなど、普通の家庭では経験できないユニークな環境の中で育ちました。
 「アリンコが何か運んでいるときに、10分立ち止まって見ていると、新しい発見がある」など、自分でも簡単にできて、面白いエピソードがたくさん書かれています。  
 著者は、動物とのふれあいのなかで、命の大切さ、思いやりや優しさを育みながら成長し、今では、動物の生態を研究する仕事をされています。 動物が好きだけれど、どうしたらその仕事につくことができるのか知りたいと思っている皆さんに、おすすめしたい本です。

10月13日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『チギータ!』
著者ちょしゃ:蒔田 浩平 出版社しゅっぱんしゃ:ポプラ社
--------------------------------------------------------------------
 クラスで何かを決めるときによく行われるのが「多数決」です。一見とても公平なように思えますが、あなたはどう思いますか?
  クラスでレクリエーションを決めると、いつも運動神経が良く、ケンカも強い男子が推すサッカーや野球ばかり。このことが心に引っかかっていた主人公寛仁(ひろひと)。自分がやりたいと思っている卓球を実現させるため、親友のマッスーやクラスの女子とともに作戦を考えます。どうすれば彼と仲間たちは、レク決めに新しい風を入れられるのでしょうか。
 「できない理由を探して、少数の意見を、小さな声をつぶすのはやめてください!」。クラスの女子、松林の言葉には、はっとさせられます。多数決は絶対に正しくて、少数の意見は切り捨てていいのか。本当に公平な決め方を登場人物たちと一緒に考えてみませんか?『チギータ!』という不思議なタイトルの意味も、最後まで読むとわかりますよ。

10月6日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『たのしい川べ』
著者ちょしゃ:ケネス・グレーアム 出版社しゅっぱんしゃ:岩波書店
--------------------------------------------------------------------
 長い間地下の家で1人で暮らしていたもぐらは、久しぶりに見た川辺の美しさに心を奪われます。そこに暮らしている川ネズミがもぐらをピクニックに誘ったことがきっかけで、2匹は一緒に暮らし始めます。川ネズミは内気なもぐらをやさしく見守り世話をやいてくれました。
  川辺には、しっかり者のアナグマや、わがままで自由奔放なヒキガエルなど個性豊かな友達もやってきます。そんな友達とおしゃべりをしたり、食事をしたりする時間は、もぐらにとって幸せな時間でした。川辺が春から夏、秋から冬へと移り変わる様子が木々や草花で細やかに描かれているところもこの本の魅力です。
 物語の後半は、ヒキガエルが巻き起こした事件と、それを心配する仲間たちとのハラハラドキドキの展開が待っています。人の意見など聞く耳を持たないヒキガエル。事態は悪くなるばかりです。
 100年以上も前に書かれた物語ですが、古さを感じません。みなさんもヒキガエルがどうなったか気になるでしょう。

9月29日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『泣いたあかおに』
著者ちょしゃ:浜田廣介 出版社しゅっぱんしゃ:金の星社
--------------------------------------------------------------------
 「ココロノヤサシイオニノウチデス。ドナタデモオイデクダサイ・・・」そんな赤おにの立て札に人間たちはびっくり。やさしい、いじらしい赤おにの気持ちがあふれんばかりのお話の始まりです。
  赤おには、人間の友だちが欲しくてたまりません。でも、人間はおにが怖くてたまりません。そんな赤おにのために、友だちの青おには人間の前で赤おにをやっつける芝居をして見せます。自分が自ら悪ものになって、退治した赤おにと人間が仲良くなれるようにしてあげるのです。そして、やっと人間と友だちになれた赤おにのために、悪役の青おには何も言わずにどこかへ去っていきます。このままでいると、僕たちのことが人間たちにばれてしまうかもしれないと。  
 「ドコマデモ キミノトモダチ アオオニ」と、戸に残された張り紙を読んで、赤おにはただ、ただ、泣くしかありませんでした。 青おにの、この切ない友情と優しさのこもった貼り紙を、あなたは涙を流さずに最後まで読むことができますか。


9月22日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『しずかな日々』
著者ちょしゃ:椰月美智子 出版社しゅっぱんしゃ:講談社
--------------------------------------------------------------------
 小学五年生の枝田光輝(えだみつき)は、始業式の日、同級生の押野(おしの)から野球に誘われます。お母さんと二人で暮らしている内気な光輝は、クラスの人気者で陽気な押野がなぜ誘ってくれたのか分かりません。でも、光輝にとって押野との出会いは、とても大切な出来事になります。  
 これをきっかけに、草野球の仲間やクラスメイトとも親しくなってきた光輝でしたが、お母さんの仕事の都合で引っ越すことになります。しかし、転校したくない光輝は、おじいさんの家から学校に通うことを選びます。
  穏やかな日常の中で、寡黙なおじいさんが大切なことを短い言葉で光輝に伝え、おおらかに見守る様子は印象的です。安心できる居場所や気持ちを受け止めてくれる人との出会いが心の支えとなり、様々な葛藤や経験を通して成長していく少年の姿が丁寧に描かれています。
  かけがえのない日々を生きていくために、あらためて日常を見つめ直したいと思える一冊です。



9月15日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『ダイブ 』
著者ちょしゃ:森絵都 出版社しゅっぱんしゃ:講談社
--------------------------------------------------------------------
 高さ10メートルからの飛翔。時速60キロの急降下。わずか1.4秒の空中演技。速度に耐えつつ瞬時に宙返りをしたり。ばかげていると思うものの、入水に成功すれば突き抜ける快感を味わえる。  
 中学2年生の坂井知季( とも き)が在籍するダイビングクラブは、赤字経営で存続の危機にある。飛込みは新聞やテレビでも華やかな競泳の陰に隠れた状態が続いている。クラブ存続をかけて麻木夏陽子(かよこ)がコーチとしてやって来た。  
 クラブ存続の条件は、次期オリンピックに出場する選手を育てること。夏陽子は知季の素質を見抜き、難易度の高い技の習得のため 無理と思える練習を始めた。まずは、アジア各国の有力な中高生が集まる強化合宿に選ばれるようになること。  
 小学2年生のとき見た飛込み台は、珍種の怪獣のようで知季を圧倒し「この頭から飛びたい」と思った。飛込みに悩むとそのことを思い出す。  
 あなたにとって悩んだとき自分を奮い立たせるものは何だろうか。



9月8日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『エイレーネーの瞳』
著者ちょしゃ:小前 亮 出版社しゅっぱんしゃ:理論社
--------------------------------------------------------------------
 舞台は17世紀のイスタンブール。シンドバッドの名を継ぐセルマの弟子、マレクは素直でしっかり者の少年です。マイペースな師匠のセルマの代わりに長旅のための資金を市場で稼ぎ、旅立つことになります。  
 物語を読み進めていくと、不思議なことが連続したり、巨大な怪物に襲われたりすることもしばしばあります。しかし、いろいろな道具や手段を使ってセルマや他の仲間とともに困難を乗り越えます。例えば、空とぶじゅうたん。遠くに行くときは体を運んでくれて、夜の間は包まれて眠ります。どんな心地がするのでしょうか?想像して読むと楽しさが倍増すること間違いありません。
  地下迷宮の探検や暗号の解読など、一緒にわくわくする冒険をしませんか?


9月1日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『なんでも未来ずかん』
著者ちょしゃ:川崎タカオ・田川秀樹・ハマダミノル/絵 川口友万/監修 出版社しゅっぱんしゃ:講談社
--------------------------------------------------------------------
 宇宙エレベーターで宇宙空間まで遠足に行ったり、災害のときには人間の力を何倍にも強化するパワードスーツが活躍したり……。この本には、未来はきっとこうなるという予想がいくつも描かれています。
  昭和のころ、絵本や雑誌には「21世紀は透明なチューブの中を空飛ぶ車が通っている」なんて描かれていました。もっと昔、江戸時代には「未来では長いちょんまげとダボダボの着物が流行する」と予想されていました。もちろんどちらも大はずれで、この「なんでも未来ずかん」の予想もどれだけ当たるかは分かりません。
  けれど、この本の作者は未来の技術や発明を正確に当てたいのではないと思うのです。作者は「未来にはこれだけワクワクする事があるのだから、みんな楽しみにしていてほしい」と言いたいのです。今よりもずっと進化した世界で自分がどんなふうに暮らして、どんなふうに活躍しているか。自分自身の将来についても想像がふくらむことでしょう。


8月25日のおすすめ

おすすめの本

書名しょめい:『ひみつ』
著者ちょしゃ:福田 隆浩 出版社しゅっぱんしゃ:講談社
--------------------------------------------------------------------
 親の都合により、町立の学校から市立の学校に転校することになった岡崎明里。 夏休みのある日、下見のために訪れた学校の図書室で、図書委員の東川美恵子に突然声をかけられます。「転校してきたら、わたしと友達になってくれない?」という彼女の図々しい態度に苛立ちを覚えた明里は、早足で図書室を後にします。
  それから夏休みが明け、明里がクラスに馴染み始めたころ、東川が城跡の崖から転落し、病院で寝たきりになっていることを知らされます。はじめは事故だと思っていた明里ですが、自分が転校して来る前に行われていた、東川へのいじめに、次第に気づいていきます……。
  現役教師の福田隆浩が描く、リアルないじめの世界。生徒や教師の言動や周りの環境などのリアルな世界観、くじけそうになりつつも、諦めずに立ち向かっていく明里の姿に思わず惹き込まれてしまう1冊です。これを機に、この本を読んで、いじめに対して再度向き合ってみませんか?