小中学生へおすすめ!
9月15日のおすすめ
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高さ10メートルからの飛翔。時速60キロの急降下。わずか1.4秒の空中演技。速度に耐えつつ瞬時に宙返りをしたり。ばかげていると思うものの、入水に成功すれば突き抜ける快感を味わえる。 中学2年生の坂井知(とも)季(き)が在籍するダイビングクラブは、赤字経営で存続の危機にある。飛込みは新聞やテレビでも華やかな競泳の陰に隠れた状態が続いている。クラブ存続をかけて麻木夏(か)陽子(よこ)がコーチとしてやって来た。 クラブ存続の条件は、次期オリンピックに出場する選手を育てること。夏陽子は知季の素質を見抜き、難易度の高い技の習得のため 無理と思える練習を始めた。まずは、アジア各国の有力な中高生が集まる強化合宿に選ばれるようになること。 小学2年生のとき見た飛込み台は、珍種の怪獣のようで知季を圧倒し「この頭から飛びたい」と思った。飛込みに悩むとそのことを思い出す。 あなたにとって悩んだとき自分を奮い立たせるものは何だろうか。
8月18日のおすすめ
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とてもすてきな表紙で、その扉を開けたくなります。森が美しく描かれていて、どのページを開いてもやさしいすてきな絵で癒されます。
こぐまのブラウンは森の中で見つけたピアノが弾けるようになり、やがて人間に誘われて森を出ます。街でピアニストとして成功しスターになったブラウンですが、心からの幸福を感じることができず、虚しい気持ちになります。そして、ブラウンは自分が求めるものは仲間であることに気づき森へ帰ります。しかし、そこに、かつての仲間はいませんでした……。これから先は読んでからのお楽しみです。
大切な人を思い合う気持ちが心に響き、やさしい温かい気持ちになる本です。俵万智さんの訳が絵によく合っていて、心地よく読むことができます。本当に大切なものについて考えることのできる大人の方へもおすすめの一冊です。
8月11日のおすすめ
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ある日、こそあどの森に住む男の子・スキッパーのところに、南の島に旅行に行っている博物学者のバーバさんから手紙と「ポアポアの実」が送られてきました。ところが、肝心の料理法が書かれているところが雪で濡れていて読めません。「○○さんにたずねるとわかるでしょう」とありますが、〇〇さんって誰のことなのでしょう?
スキッパーは、恥ずかしがり屋で人と話すのが苦手です。でも、勇気をだして森の住民に料理法を聞いて回ることにしました。はじめは、どう話せばいいかわからなくてとても暗い気持ちのスッキパーでしたが、だんだんみんなと知恵をだしあううちに、親しくなり一緒にいる時間が楽しくなってきます。さて、料理法はわかったのでしょうか?
このおはなしは、こそあどの森シリーズ12巻の第1巻です。「こそあどの森」という不思議な名前のこともわかりますよ。
8月4日のおすすめ
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たいていの小学校には、魔法使いや魔女がいるらしい?! そういわれてみれば、学校で起きるあんなことやこんなこと、みんなのまわりの不思議な出来事やいたずらは、魔法使いの仕業かもしれない……。
ある日ぼくの前に、いかにも魔女といった格好のおばさんが、一羽のクロツグミをつれて現れました。その人が、きかせたがりやの魔女でした。
学校の魔法使いや魔女は、いろいろなふしぎを起こすのが仕事です。ふしぎも起こさずぼんやりしていると、不まじめだと言われてしまいます。そして、その魔法にふさわしい名前がついているのです。そんな魔法使いや魔女のお話を、きかせたがりやの魔女が話してくれます。
あなたの学校の魔法使いや魔女は、どんな魔法であなたを驚かせているでしょうか。突然現れて、いたずらを仕掛けてきたら、あなたならどうしますか。
7月28日のおすすめ
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主人公の聡子は、私立中学を受験するために、塾へ通う小学6年生の女の子です。
聡子は、自分の気持ちが言えず、学校では友達の機嫌をうかがいながら過ごしています。
そんな学校生活が嫌で、塾に通い始めます。
塾では、ひとりでも平気って顔してる自分や好きな霧島くんに友達を紹介してもらえない自分、夏期講習で出会ったリサに振り回される自分がいました。学校や塾での友達づきあいや好きな男の子とのつきあい、両親との関係。思い通りにはいかない悲しくて、つらい人間関係に悩みます。しかし、みんなと関わることで、自分だけではなく、まわりのみんなも苦しんだり、本心を隠したりしていることに気づきます。
相手のことを知ることや相手に自分のことを伝えることは、勇気がいることです。 この本が、勇気を踏み出す一歩となれば良いと思います。
7月21日のおすすめ
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「ヘアドネーション」を知っていますか? 長く伸ばした自分の髪を寄付することです。寄付された髪は丁寧に処理をされて、医療用ウィッグとして、病気や、その治療によって髪の毛を失ってしまった子どもたちのために使われます。
31センチ以上の長さがあれば誰でも寄付することができるのです。普通は、カットしてしまえば捨てられてしまう髪。このような役立て方があるなんて、知らない人もきっと多いでしょうね。
この本に登場するのは、ヘアドネーションをした人、集まった髪をウィッグにしてプレゼントしている団体、ウィッグを受け取った人、そしてヘアドネーションを普及しようと頑張っている人たち。すべて実在の人々です。
あなたもこの本を読んで、人に伝えて、髪がつなぐ物語の一員になりませんか?
7月14日のおすすめ
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主人公は小学6年生の千沙(ちさ)。両親は4年生の時に離婚して母親と暮らしています。父親と離れて寂しい思いをしていた千沙は、学校でもいやな目にあいながら卒業式を迎えます。卒業式の夜、千沙は父親が待つニュージーランドに向かいます。しかし父の知り合いの子どもだという直人も一緒で……。
千沙はイジメに負けず学校に通い続けたり、自分の事より両親の事を心配したりする強くて優しい女の子です。そんな千沙も、楽しみにしていたニュージーランドの旅に直人が加わり、最初は怒りでいっぱいでした。しかし、直人と自分の境遇が似ていたり、自然の中で一緒に過ごしたりするうちに、気持ちに変化が表れます。直人にも旅の中で変化が表れ、2人は心を通わせながら成長していきます。
この物語の中にはニュージーランドの自然が沢山描写されています。世界で最も美しいトレッキングルート『ミルフォードトラック』の川や大木、そして素晴らしい眺めのマッキンノン峠や、世界で5番目に大きいサザーランドの滝。美しい自然を想像しながら読んでみるのもオススメです。
7月7日のおすすめ
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本の表紙に描かれているのは、ピーターと、そのきょうだいたちです。とぶ船に乗っている子どもたちの冒険は、ピーターの歯いたがきっかけで始まりました。
ある日ピーターは、はじめてひとりでバスに乗り、町の歯医者さんへ行くことになりました。その帰り、小さな通りの小さな店で、小さな船を見つけます。ピーターは船首かざりに金色のイノシシがついている船に夢中になりました。そこで、“もっているお金ぜんぶと、もうすこし”で、その船を手に入れます。お金を使ってしまったピーターが歩いて帰るとちゅう、ふしぎなことがおこりました。小さな船が、大きくなったのです。
乗る人にあわせて大きくなり、行きたい場所へつれていってくれる魔法の船。ピーターたちの冒険は、ハラハラドキドキの連続です。また、冒険をとおして歴史や文化、考え方の違いを感じることができるでしょう。
出版から80年たちますが、色あせない物語です。
6月30日のおすすめ
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5年生の七海は、おじいちゃんの飼っているデブねこ「クマハチ」を、しばらくの間預かることになりました。公園で休けいしていたところ、隣から変な声がします。おどろいた七海が見たのは、しゃべるデブねこの姿でした。実は、交通事故で亡くなった不運な落語家が幽霊となってそのねこにとりついていたのです。その落語家「如月亭大福 (きさらぎてい だいふく)」が成仏できなかったのは、大切な何かをやり残していたからなのでしょうか。
一方、七海は抱えている悩みがありました。 クラスメイトの女子たちとうまくいかず、ラインで悪口が広がってしまっているのです。
落語家「大福」の心残りと七海の悩みを軸に、時に落語のネタもおりまぜながらお話は進んでいきます。笑いと心温まる感動のお話です。
また、SNSでのいじめや情報の拡散など、現在の問題についても深く考えさせられる1冊です。
6月23日のおすすめ
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みなさんにとって、家とはどんな場所ですか?ホッと安心できる場所でしょうか?
この本の主人公・遠野日和(ひより)は中学一年生。彼女にとって家は、いつも緊張し、家族に気を使わなければならない苦痛を伴う場所でした。
日和は母と手をつないだり、抱っこをしてもらったことがありません。はじめは疑問に思わなかった日和でしたが、妹が生まれたときに、自分には見せたことのない優しい顔で赤ちゃんを抱く母を見て「あたしはお母さんにきらわれている」と確信します。かわいがられる妹を見て、自分も愛されたいと願いますが、母からは冷たい言葉しか返ってきません。しかし、陰では日和の母もまた、我が子を愛せないことに悩み、苦しみ続けていたのです。
物語は複数の登場人物の視線で語られていきます。日和だけではなく、母・愛子、父・慎弥、3人それぞれの心の葛藤に注目してください。